嫌疑恐怖について その2
昨日の続きです。嫌疑恐怖を改善するには、感情の法則を活用することをお勧めします。疑われているという不快な感情はどうすることもできません。そんな時は「疑われていると思っているんだね」とその感情を素直に受け入れる。次に、不快な感情と行動を区別して考える。その時その場で適切な行動を選択して実行に移す。森田理論ではこの手法をお勧めしています。これは簡単なようで結構ハードルは高いです。自分のものとして定着するにはどうしても時間がかかります。もうひとつの改善方法としては「愛着障害の修正」です。愛着障害は他人に対して信頼感が持てなくなることです。親との関係のなかで、愛着の形成がうまくできなかったことが影響しています。愛着の形成は、生後6か月から1歳半くらいまでに行われると言われています。愛着がスムーズに形成されるために大事なことは、十分なスキンシップとともに、母親が子どもの欲求を感じとる感受性をもち、それに速やかに応じる応答性を備えていることである。子どもは、いつもそばで見守ってくれ、必要な助けを与えてくれる存在に対して、特別な結びつきを持つようになるのだ。求めたら応えてくれるという関係が、愛着を育むうえでの基本になるのである。この時期、母親はできるだけ子供の近くにいて、子どもが求めた時に、すぐに応じられる状態にあることが望ましい。(愛着障害 子ども時代を引きずる人々 岡田尊司 光文社新書 24ページ)岡田尊司氏は、一旦愛着障害を抱えた人でも、その後の対応次第では、愛着障害を乗り越えることができると言われています。「愛着障害の克服 愛着アプローチで人は変われる」(光文社新書)という本です。人は怖いものだと思っている人や絶えず人の思惑が気になる方はぜひ参考にしてもらいたい本です。愛着障害を克服するヒントが満載です。なお、このブログには愛着障害の投稿記事が20本近くあります。関心のある方は、2015年9月27日~10月8日の投稿記事をご参照ください。