感情と行動の関係
森田先生の話に、悲しいから泣くのではない。泣くから悲しくなるのだという話がある。小さい時お姉ちゃんが泣いていると、それを見ていた妹がつられて泣くということがある。悲しいという感情が先にありきではなく、泣くという行動が悲しいという感情を誘発させてきたと見るのが順当なところだろう。為末大さんがブログでこんなことを書いている。表情筋の研究で、割り箸を口にくわえて、コメディドラマや漫画を読むと、何割か面白さが増すという実験がある。口角があがり、笑っている時と同じ表情に近くなり、それを人間の脳は楽しいのだと認識し本当に楽しくなるのだという。さらに笑いを引き起こす大きな要因の一つにつられ笑いがある。つられて笑い、笑ったから楽しいと認識する。楽しいという感情も認識することでうまれるのかもしれない。これらのことから、つらい時、悲しい時、不安な時、恐ろしい時、不快な時の対応方法が分かる。それらの感情に合わせて、行動、実践を抑制してしまうと、双方がシンクロして益々増悪の一途を辿ってしまうということだ。感情と行動の波長を合わせてしまうということが精神衛生上は問題であるということだ。精神的につらい時何もすることが無くて退屈だ。今日はどうやって時間をつぶしていこうか等と考えているとまずい。それらの感情を抱えたままで、行動、実践だけは自分のやりたいこと、目の前の日常茶飯事に手をつけていく方向が望ましい。たとえばお笑い番組を見る、カラオケを歌う、スポーツをして汗をかく、コンサートに行く。家では掃除をする。整理整頓をする。料理を作る。そのために買い出しに行く。友人を誘って居酒屋に行く、旅行に行く、釣りに行く、趣味に手をつける。森田ではいったん起きた感情は取り消すことはできないという。でも新しい行動実践によって新しい感情を作りだすことができると言っています。絶えず新しい感情が湧き起ってくるようになれば一つのことだけでいつまでも悩むということはなくなります。その態度は流れと動きの中に身をおいて、あるがままの生き方をしているということになります。