黒田投手の投球
広島カープの黒田投手はアメリカでは100球制限をうけていたという。つまりシーズンを通して中4日で投げ続けることを求められていたのである。シーズンを通して働いたということが大きな意味があるそうだ。大リーグでの黒田投手は勝ち負けが拮抗していた。いつも勝ちが負けを優先していたわけではない。それでも大リーグでの評価が大きかったのは、シーズンを通してローテンションを守ったからだ。6回投げて2点以内に抑えられれば勝ち投手並みの最高評価をされていたのである。それを続けたので20億円の評価が与えられたのである。我々でいえば1年365日、日常茶飯事を丁寧にこなしているようなものである。そのためには1回あたり15球から20球以内に収めないとならない。無駄球を投げる余裕はない。すべてストライクでの真っ向勝負である。でも大リーガーは力がある。ストレートにはめっぽう強い。力まかせにストレートを投げこめば簡単にホームランを打たれてしまう。そこで手元で変化するツーシームを覚えた。これがなかったら今の自分は無いとまで言っている。またバックドア、フロントドアと呼ばれるボールからストライクになるボールも覚えた。20億の評価がある選手だからヒットを打たれないかというとそんなことはない。たまには打たれる。でも黒田選手は曰く。目標は6回投げて2失点以内に抑えて、試合を作っていくということが自分に課せられた仕事である。ヒットはあまり打たれたくはないが、塁上をうめられても逃げずにストライク勝負して、できるだけ0点に抑えること。これが僕に与えられた仕事だ。投球を見ていると百戦錬磨の勝負師という感じである。困難な状況でも決して逃げない。しかもきわめて冷静である。失敗して点を取られることもあるが、困難に立ち向かう姿勢は共感を覚える。予期不安があるとすぐに逃げまくっている私にとっては、実に勇気がでてくる。