マイナス思考の癖を改善する
元気をなくすセルフ・トークの代表例が紹介されていました。1、 私って、ダメなヤツ(最低、最悪)2、 私には、いいところなんて1つもない。3、 私は、何もできない。4、 私って、まるでバカ(頭が悪い)。5、 私って、まぬけ(ドジ、のろまなど)だから、どうせ何もうまくできるわけない。6、 バカみたいに思われるから、私は何も言わないほうがいいんだ。7、 私って、全然カッコ悪い。8、 自分なんて、嫌いだ。9、 私はだれにも愛されていない。私ってかわいそう。10、 私なんか、生きていてもしょうがない。死んだ方がいいんだ。11、 私には、酒(あるいはタバコなど)さえあればいい。そうしたら、あとはどうでもいい。12、 すべて○○(例えばあいつ)が悪いんだ。いつか仕返ししてやる。(生きる自信の心理学 岡野守也 PHP新書 85ページより引用)これらは、自己嫌悪、自己否定、決めつけ、先入観、事実誤認、ネガティブ、マイナス思考、責任転嫁のオンパレードである。森田理論でいう「かくあるべし」も強い。うつや神経症の人が陥りやすい思考パターンである。こういう人は、基本的に減点主義の思考パターンに陥っており、マイナスのセルフ・イメージが次々と悪循環を招いている。生きることは苦しみの連続であり、極端な人は生まれてこなければよかったと思っている。しかし世の中には、頭の中にプラスのセルフ・イメージが次々に浮かんできて、好循環を呼び込んでいる人もいる。こういう人は基本的に加点主義の人である。そういう人は、客観的な事実に基づいて自己肯定、自己承認、自己受容ができている。他人に比べてどうしても追いつかないところもあるが、他人に比べてよくできることもある。プラスとマイナス面の両方を過不足なく見ることができる。また自分の存在は家族や世の中に役に立つ存在であると思っている。自分にはある程度の力もあるし、生活能力、経済力、仕事遂行能力もあると自信を持っている。マイナス思考の人は、少しでも、プラス思考の人の考え方を取り入れたいものである。どんなところに気をつけたらよいのでしょうか。1、 まず性格の見直しである。森田では、神経質性格にはマイナス面ばかりではない。マイナスが10あるとすれば、プラス面が10備わっているという。今はマイナス面ばかりに注意を向けて、10のところを15にも20にも拡大している。バランスがとれていない。今やることは神経質性格のプラス面の見直しである。バランスをとるためには、この際、マイナス面は見なくてもよい。プラス面ばかりを拡大してみることによって、やっとバランスがとれてくる。では、どんなプラス面があるのか。まず感受性が豊かであるということである。普通の人が気がつかない細かいことによく気が付く。感性が豊かなため音楽、絵画など芸術作品をより深く味わうことができる。他人の気持ちもより深く察することができる。次に神経質者は粘り強い。一度取り組み始めると、簡単にはあきらめない。目的や目標を達成するまで頑張る傾向がある。さらに好奇心が強い。多方面にいろんなことに興味や関心を示して取り組んでみるという人が多い。学習意欲も強く、細かく分析する力もある。自己内省力があり、反社会的な行動はとらない。人を傷つけることも少ない。何よりも向上発展欲が強く、努力家である。2、 他人と比較するということに関しては、他人と比較して自分の現状や状態をしっかりと見極めることを勧めている。事実を事実としてしっかりと認めることを勧めている。他人が持っていて自分にないものがあると、発奮して能力や技術の習得に情熱を燃やす動機づけになればそれでよし。自分の持っていない他人の能力や技術に対して、尊敬して敬意を示すのもよし。あるいは自分は別の分野の能力に磨きをかけていく道を選択してもよい。一番問題なのは、相手のよいところと、自分の悪いところを比較して劣等感に苦しむことである。反対に相手の悪いところと自分のすぐれているところを比較して優越感を感じるのも問題である。事実をそのままに認めるだけにすることが大切である。決していい悪いと是非善悪の価値判断をして自己否定に走ってはならない。3、 「やっぱり」「どうせ」というのを「決めつけ」という。「いつも」「何をやっても」というのを、「過度の一般化」という。「最低」などというのを「極端化」という。「○○すべき」というのを「かくあるべし」思考という。これらは認識の誤りです。認識の誤りはまだまだあります。認識の誤りの特徴は、a,考えることが無茶で大げさであり、論理的に飛躍しすぎている。b,マイナス思考、ネガティブ思考一辺倒である。そして自己嫌悪、自己否定に陥っている。c,事実を無視して、実態から遊離して勝手に決めつけをしている。d,完全主義、「かくあるべし」思考に陥っている。これらは森田理論学習の中で修正していくことが大切です。