未利用魚
未利用魚 先日、NHKの番組で「未利用魚」について放送していた。その番組によると日本の漁獲量の約3割りが出荷されることもなくそのまま海に放棄されるらしい。理由は規格が小さすぎたり、あまりとれずに一般的に消費者に知られていなくて出品しても売れないからだそうだ。しかし、何とももったいない話だ。その様な事から、食品ロスをなくそうと、それらの魚たちを利用する取り組みが進められているようだ。私もそのような取り組みを見つけたらぜひ利用したいと思っている。 私は釣りが好きで子どもの頃から良く釣りに出かけた。そんな事もあり、大学は水産学部に進んだ。魚を買うのも、食べるのも大好きで知らない魚が釣れれば魚類図鑑で調べて毒が無いことが分かればだいたいは食べていた。どれもそれほど不味いものもなく、だいたいは完食してきたのだが、高校生の時に釣ったネコザメだけはアンモニア臭がきつく食べられなかった。 釣りをする人達は狙った魚が釣れないと捨ててしまう人も多いいようだ。食べられない魚なら仕方ないのだが、釣れてくれた魚たちは何かの縁があって釣り上げられたのだ。もし逃がしてあげるのにしても「食べてあげられないで御免なさい」と言う気持ちで優しく海に返してあげたい。自分の価値観で命を粗末にしないで欲しい。 以前、早朝に江の島の堤防に行った時、多数のゴンズイが釣り捨てられて足場に転がっていた。多分夜釣りで上げたものを外道扱いに放り投げ捨てたのだろう。釣りをする人は誰でも知っているこの魚は背ビレと胸ヒレに強力な毒針を持っている。それもその針の先に毒があるのではなく注射針のようになっていてヒレの付け根の魚体に毒液が入っている。しかも死んでからもしばらくはこの毒は消えない。増してやこの針は丈夫で長靴の底を貫通した事もあるほどだそうだ。子どものビーチサンダルなどでは大けがをしてしまう。こんな事をする人たちは釣りをする資格はない。ゴンズイが釣れた時はペンチなどで3本のヒレを抜き取ってそれを海に捨てて本体を持ち帰り、みそ汁に入れたりテンプラなどにすれば結構おいしく頂ける。他にもハオコゼやアイゴ、ウツボなども捨てられやすいかわいそうな魚達だ。 ダイナンウミヘビも食べられるのだが高校の頃初めて釣り上げて魚類図鑑で調べたら食べられるかどうか書いていなかったので、もし中毒になったら大変だと思いそれから釣れるごとに逃がしていた。最近、ネットで調べてみたら結構食べている人が多く、その味の評価は様々だが4つ星を付ける人もいるくらいなので料理の仕方では美味しく頂けるようだ。しかし、私は肩の調子があまり良くなく、投げ釣りおあまりしなくなったので手に入れる事が出来ず、まだ食べた事が無い。 話は少しそれるが大学の同級生に釣り業界ではかなり名前の通った友人がいて、彼と釣りに行った時に釣れたフグはだいたい食べていると聞きびっくりした。もちろん彼もフグの調理師の免許は持っていない。話を聞くとほとんどのフグの筋肉は弱毒で少しくらいなら食べても当たらないそうだ。もちろん筋肉にも強い毒を持つ種類がいるのでそれを避ければ大丈夫なのだそうだ。もちろん中毒を起こしたら自己責任なのでフグの種類をしっかり見分ける事が重要になる。そして、数年前からフグが釣れたら食べるようにしている。保存がきく干物や南蛮図家にして楽しんでいる。大体釣れてくるのはショウサイフグが多いいのだが南蛮漬けにすると最高に旨い。コアジよりもよっぽど旨い! またまた話はそれるが、今ロシアのウクライナへの侵略などによって食物が不足して価格も急騰している。貧しい国では食べる事が出来ないで命を落としている人たちも増えているようだ。なるべく食べられるものは無駄にしないで、自分が食べなかった分をそのような人に分けてあげたい。私達が釣った魚(外道も含めて)を食べる事でその分水産資源の節約となる。フグを食べるのはリスクがあるのでお勧めはしないがゴンズイやアイゴなど釣れたらぜひ試してみると良いと思う。アイゴも毒針がたくさんあるので、始めて釣った魚は良く調べて扱うようにしよう。ゴンズイ ダイナンウミヘビ ウツボ アイゴ 令和4年 7月 8日 (金)