点字ブロックの上に立ってはいけません
朝、駅で電車を待っていたら、目の前でホームから人が落ちました…。ひーっ。すいません。小太郎の呑気な写真でとりあえず一息。言い訳ですが、私は元来瞬発力というものがない人でして、飲み会の席で飲み物が自分の服にこぼれても「こぼれちゃった~」と水分がしみこんでゆくのを呑気に眺めていて、周りの人に呆れられたこともあります。それゆえ、運転も苦手(10年来のペーパードライバー)。ひょっとして嫁に行けないのもこれが理由!? ともかく、考えるより先に手が出る人とはまったく逆で、考えてるうちに手も足も出せずに物事が終わってしまっているようなことが多い訳です。それで、今朝の出来事に話を戻すと、つまり私は目の前で人が落ちたのに何もできませんでした。目の不自由な男性でしたが、すごく体格が良くて、危ないなぁと思いつつあの人をひっぱったら私も一緒に落ちるなぁなどと、ほんとに呑気に見ていたのでした。反省。しかし、転落の一番の原因は、点字ブロックの真上に突っ立っていたスーツの男性なのです。後ろ姿(それも足下)しか見てないのですが、たぶんおじさんだと思います。白杖の男性がブロックの上を歩いているのに、まったく避けようとしませんでした。白杖に気づかなかったのかもしれません。そして白杖の男性はなぜかホームの外側(線路側)からそのスーツの男性を迂回しようとして、バランスを崩してしまったのです。ほんとうは、私がそこで気を利かせてスーツの男性に避けてあげるように言えばよかったのですが、まさか落ちると思わなかったのでぼーっと見ていただけでした。落ちた瞬間、ホームにいた人たちが一斉に「あっ」と息を飲みました。「危ないなぁ」と思って見ていたのは私だけではなかったようです。しかも、電車がもうすぐ入ってきます。田舎の、遊園地のチンチン電車に毛が生えたような単線路線の駅なのですが、非常停止ボタンっていったいどこにあるの~って状態でした。とっさに線路に3,4人の男性陣(主におじさん)が降りて落ちた男性を引き上げにかかりました。なにしろ体格がいいので数人がかりです。電車が迫っているというのに、一人のおじさんは線路の上に仁王立ちになって電車に向かって大きく手を振って「止まれ」と合図しています。かっこいいよ、おじさん! いやいや、そうじゃなくて…危ないよ。みんなハラハラして見守りました。幸い、電車は駅に入るためにスピードを落としていて、線路の上の異変にも気づいてホームの手前で止まってくれました。それでみんな一安心。しかし、落ちた男性はホームの縁に横になったままなかなか起き上がれませんでした。怪我はしていないようで、しばらくして自力で起き上がってホームのベンチまで支えられて歩いていきました。無事に電車もホームに入り、結局、落ちた男性もその電車に乗ることができました。親切なおじさんがつきそってシルバーシートのそばに誘導してあげたようです。ホームまで線路を渡っていくような田舎の駅で、その踏切の操作は駅員さんがしています。駅員さんも事態に気づいていたでしょうから、もしかしたら電車を止めたのはかっこよく線路の上で手を広げたおじさんではなく駅員さんが押した非常停止ボタンだったかもしれません…。でも、機敏に線路に飛び降りたおじさんたちには、感動しました。男の人って、ああいうときにさっと動けるものなのですね。一部の人かもしれませんけど…。…と、さっき友人にこの話をしたら、目の不自由な方は半数くらいは駅のホームから転落した経験があるらしいよ、と言っていました。そういえば、そんな調査結果を以前新聞で読んだような。そもそも、点字ブロックの上に突っ立てる人が一番悪いんです。そして、点字ブロックがホームの端にしかないというのも危ないですよね。ホームの端にも必要だけど(ここから先は危険ですよという意味で)、もっとホームの内側に誘導用の点字ブロックがあればいいのに、と思いました。盲導犬も、もっと普及すればいいのに。