メモ=ミラクルシュガー(5)
20.抗原因子 すべての細胞は、感染性の微生物を含めて、抗原とよばれる"IDタグ"のようなものをその表面にくっつけている。これらの分子形跡は我々の免疫軍司令官に侵入者が敵か味方かを教える。もし敵であった場合には、抗原は免疫システムを刺激して抗体を作らせそれに対して作用させる。驚くべきことに、免疫細胞は何千という抗原を認識し反応する。"IDタグ"は、糖のクサり(糠鎖)であり、細胞の表面に書かれており、この糖のコードを使つて情報の伝達を行う。 免疫細胞は体の中を他の細胞に触れながら移動して、以下の3つの質問をしている。 1.あなた(他の細胞)は私(この体の一部)なの、そして大丈夫? 2.あなたは私なの、そして大丈夫ではないの(助けが必要)? 3.あなたは私でないの、そして排除、破壊されるべきなの? これらの質問とその答えは細胞表面についている糖コードを通じて翻訳される。その回答により、免疫細胞は、 1.その細胞をそのままにしておく。 2.その細胞を修復するか、または守るために助けを呼ぶ。 3.外部からの侵入者またはガン細胞を殺すために応援を呼ぶ。 多くの感染物質は定期的に変異することにより、免疫システムを混乱させるので、正しい免疫応答は複雑化している。これは我々がいろんな種類の風邪や流感にかかることの説明になる。感染物質が変異するたびに、新しい抗原が必要となる。そして、これはT細胞とB細胞の間で複雑な情報伝達を必要とする。これが速くおこればおこるほど、免疫システムは変異感染物質からのダメージをより速く防御したり治癒したりすることができる。新しい抗体が一度作られると、それは永遠に記憶に残される。体内に十分な糖質が供給されていれば、体はこのプロセスを速やかに行うことができるのである。 事実:感染性の侵入者とは関係ないと考えられていた病気は、実は適正な免疫応答のきっかけになり損なうか、あるいはその免疫応答を過度に刺激してしまうかする微生物によって引き起こされているのだということが発見されつつある。 21.科学研究が裏付ける糖質栄養素 糖貿栄養素は最先端の研究分野であるとみなされている。糖鎖だけでも20,000以上の研究が毎年なされている。大学や主要製薬会社などの研究者が、この新しい発見の重要性を認識している。"糖コード"を解読することは健康と医薬にとてつもない発達を意味するであろう。 上記の研究により、8つの欠かせない糖類が驚くべき結果をもたらしてくれることを確認した。以下は糖のもつ魅力的な可能性のうちのほんの一部である。 1.微生物などの感染体に対して、劇的にNK細胞とマクロフアージの数を増加させる。 ‐ 2.侵入者または抗原に対してのみ、免疫T細胞活動を活発にする。 3.慢性疲労症候群における細胞の死を減少させる。 4.病気に対する抵抗力を劇的に上げる。 5.抗酸化物としてはたらき、活性酸素の収集を高める。 6.毒性や汚染の暴露から体を守る。 7.早期老化を防ぐ。 8.リウマチ性関節炎などの病気において炎症をやわらげる。 9.糖コードの情報のやり取りで、免疫細胞が侵入者を認識するのを手伝う。 10.細胞どうしがお互いにくっつき正しく反応することを可能にする。 22.適応遺伝子をもつ糖質栄養素 VS. 医薬品 ほとんどの医師は、体は(正しく機能しているときには)それ自身で治癒するすばらしい能力をもつていることに異存はないだろう。事実、我々の免疫システムは、病気から体を守るために継続的にウイルス、バクテリア、菌類そして癌細胞までをも破壊し続けている。一方、そのシステムに欠かせない栄養を供給しないとき、免疫システムは病気からだけでなく早期老化からも我々を守れなくなる。 古代の医師は、今日我々が再び学ばなければならないことを知っていた。それは、ある植物は頭脳を持つているということだ。別の言い方をすると、糖質栄養素または他の植物栄養素は適応遺伝子をもっており、体の中に入ると、そのときの必要性と個々の状況によって活動するということだ。 あなたが病気のときには治癒するための反応を刺激するし、また病気を防ぐためには他の経路でも働く。簡単にいえば、そのときの健康上の問題や状況に体が適応するように助けてくれるのである。別の言い方をすれば、症状を隠すのではなく病気を治すのである。どんな処方のハイテク薬にもこれはできない。 少なくとも15の製薬会社において、数億ドルが炭水化物の薬、ワクチン、運搬システムの潜在的可能性の研究に費やされている。最近のテレビコマーシャルでは、健康な細胞にはふれることなく、病気にかかっている細胞にだけ直接運ばれる「未来の薬」についてふれている。糖のコードを合成して薬に塗り、病気の細胞だけを見つけさせることによって、この目的は達成できる。それは医学分野においてのブレイクスルー(突破口)になるだろう。1993年1月出版のScientific Americanの中で"抗粘着性の薬が(おそらく錠剤の形で糖コードされて糖を装備したものが)感染、炎症、心臓病やガンまでもを防御したり治したりする日が来るのはそう先ではない"と述べている。 覚えておくべきなのは、薬は病気を治しはしないということだ。もし薬を使ったとしても、実際に治すのは体である。薬は体が自分自身を治すまで、体の自然な活動をブロックしたり妨害したりすることで症状を除去するように作られている。医療の専門家たちも公に認めているのは、薬は自己免疫疾患に対する療法は何も与えないが、患者の不安を除去するのに役立つということである。 薬による症状除去は高くつく。全ての薬は毒性があり深刻な副作用がある。事実、10万人以上の人が毎年アメリカで合法的に処方されている医薬の副作用で死亡している。これは今では4番目に多い死因である。 そしてあまり気付かれていないのだが、これは毎日270人搭乗しているジェット機が墜落して搭乗者全員が死亡するのと同数である。 薬を飲むことは簡単に決めるべきことではない。多数の薬を飲むことは命取りになることもある。もしあなたが薬を飲んでいるのなら、医師に新しく薬を要求する前にあなたの飲んでいる薬をすべて伝えるべきである。 幸運なことに、多くの人々は薬にたよらない代替医療、運動、食事療法、栄養サプリメントに移り変わっている。JAMAの報告によると、アメリカ人の50%が代替ケアの医師のところへいくようになっている。 アメリカ人の50~70%が栄養サプリメントを摂っている。誤解のないようにしたいのは、薬や抗生物質は適切に使われれば生命を救うツールになり得るが、健康を保つことや病気の予防には使われないということだ。 23.免疫の活力-最優先事項. 糖質栄養素は予防医学の最高峰を占める可能性がある。健康が脅威にさらされている今日の環境下では、病気になる前に行動することが必要だ。糖たんばく質を最高の状態にキープすることが、免疫システムを油断のない状態に保つ最も利口な方法の一つである。 必須糖類の栄養素を体に供給することで以下の病気の解決を助け、また、より大事なのは未然に防ぐことができる。 ウイルス感染、菌類の感染、寄生性の病気、自己免疫疾患、悪性疾患、バクテリア疾患、微生物の疾患、神経疾患 24.不完全な細胞の情報伝達と病気 細胞のコミユニケーシヨンが断たれたら、我々の健康もだめになるということは何の疑いもないことである。免疫細胞が善玉を悪玉と間違え、細胞どうしの戦闘に突入してしまったら自己免疫疾患が起こるかもしれない。 Glycobiologyは医療分野で重大な突破口になってきている。それは主として今日のヘルスケアの中でも最大の災難といわれる自己免疫疾患に対処しているからである。多発性硬化症、関節炎、糖尿病、クローン病、大腸炎などはこれらの病気のほんの一部である。 (Neecie Moore, Ph.D.) 間違った情報伝達の例 多発性硬化症:免疫細胞はミエリシ鞘(髄鞘)を攻撃するように間違った指示を受ける。 狼瘡:免疫細胞は肝臓や皮膚などの組織を攻撃するように間違った指示を受ける。 乾せん:ある皮膚細胞は、"やめる時間"のメッセージを得られないために厚いプラークになるまで成長しつづけてしまう。 1型糖尿病:免疫細胞はインシュリンを作る膵臓の中の島細胞を攻撃するように間違った指示を受ける。 . リューマチ性関節炎:免疫細胞は関節の軟骨を攻撃するょうに間違った指示を受ける。 クローン病:免疫細胞は腸の組織を攻撃するように間違った指示を受ける。 これらの多様なリストからわかるように、免疫細胞は間違ったメッセージを受け取ると、体のどこの組織でも破壊してしまうものなのだ。 どうやつてこのような恐ろしい間違いを予防できるか? 研究によると、単糖の補完で事実上自己免疫疾患を予防できるとしている。T.Peizi医師と彼の関係者たちは、ある種の糖の不足は自己免疫疾患の発生を誘発するとしている。実は1996年発行のClinical andExperimental Immunologyの中でNewkirkは、彼の研究でほとんどの自己免疫疾患のケースでガラクトースの不足がみられることを発見している。 細胞のメツセージが糖の内容によって間違って発信されると、免疫細胞は体を攻撃する。糖分子はいつどこで攻撃を行えばよいのかを、免疫細胞に伝えるのである。 間違った情報を持つ免疫細胞によって継続的に攻撃されている人間の組織は、慢性の炎症を受けており、それが痛みや細胞破壊を引き起こす。これが慢性の病気や死にまで至らしめる。例えば狼瘡のような病気の免疫細胞は肝臓の組織を選んで攻撃し、最終的にはその器官を機能不全にしてしまう。 事実:糖質栄養素のサプリメントはNK細胞活性を増やすことがでる。それは健康な人は50%の割合であり、抵抗力の落ちた人の場合は400%の割合まで増やすことができる。