焼き
人は淋しいものだ。私的見解に過ぎないが、とくに中年男は淋しいものだ。男は、その生存に、女ほどの価値もない。基本的には、いわゆる「群れ」にはオスはひとりいれば良いはずで、それ以外のオスは基本的には、いてもいなくてもいい、いわゆる、取るに足らない存在となる。男の友情などというのも、あったとしても、刹那的なもので、それに浸り続けられるものでもない。男にとって、年齢を重ねるとは、その淋しさに耐え続ける術を見出すことに他ならない。耐え続ける術は、つまるところ忘却(これには仕事にかまけて多忙というのも含まれる)と忍耐のふたつだけだ。けっこう、これも、そんなには悪くもないものだ、と思うようになったのは、焼きが回ったというべきか。。。