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元・経営コンサルタントの投資日記

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2007/08/12
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サブプライムローン問題   Subprime banner  

米国のサブプライムローン(信用度の低い住宅ローン)向け融資の焦げ付きが、世界の株式市場を震え上がらせている。経済のグローバル化が進展したがため、日本ではほとんど関係ない同問題で日経平均が続落している。  

チャート  

外国人株主が利益確定のために、資金を一旦引き上げているのだという。

Wealth   

では、このサブプライム問題の元凶となっている、サブプライムローンとはどのようなローンなのだろうか?  

日本の新聞等では金利支払い資金を、値上がった自宅に追加担保を設定して、融資をする、とか、実行時点で2,3年経過すると、返済条件がいきなり大きくなるタイプのローンだとかといわれている。

こういったローンニーズが起こった背景は、全米的な住宅価格の上昇によるものであるとされている。   私自身、このようなローンの商品内容そのものを熟知していないが、邦銀における住宅ローンに従事していたこともあり、感覚的にはこの領域を理解できると思う。  

 つまり、商品内容が、新聞報道のとおりであれば、そもそも、住宅価格の上昇を前提とした商品内容であり、個人の所得からの返済能力をまったく度外視した設計であったことは大きな問題であろう。

住宅価格が上昇すれば、金利支払い分の融資もすべて解決できるという前提になってしまう。   まるで日本のバブル時代の融資ではないか。もちろん米国でもバンカメのような大手商業銀行でこのようなローンを取扱っているとは思えず、もっと、専門ローン会社が取扱っていたようであるが、そういうところに融資しているのは大手米銀である。これも日本の住専問題に似た構図ではなかろうか?  

翻って日本では、ステップ返済(5年目以降に返済額が急拡大する)はかつて、住宅金融公庫のオハコだったが、90年代後半に廃止され、今これを住宅ローンの返済方法に組み込んでいる商品はほとんどないと思う。また、金利部分を融資するのは、金融庁検査では即、破綻懸念先へと分類されてしまうため、これを行っている銀行はない。強いて言えば、消費者金融がこのようなニーズを満たす会社として存在しているが、せいぜい50から100万/一人当たり融資額であり、金利上限法の運用が厳格化されたため、多くの消費者金融はリスクが取れない構図となってしまった。  

日本では問題先送りのつけを「失われた10年」で一応、清算できたため、米国のような問題は起こりにくいであろう。一部、GEマネーなどが提供する、派遣社員向けや個人事業主向け住宅ローンなどもサブライムに属するとする向きもあるが、少数派である。   米国ではこの、サブプライムローンがGDPの名目の10%にも達するという。こ

れが限定的と見るべきか、10%も? と見るべきかは、私個人は後者です。   このような融資制度に成り立つ米国への信頼感というのはどうなんでしょうか?

        

  サブプライムの次がプライムだといいますが、仮にプライムが健全であるという前提に立てば、プライムとサブプライムの間はどうなのだ?と個人的には疑ってしまいます。サブプライムといっても、これはどう考えても、いちばん底辺のレベルの融資であり、中間層がいるはずです。

日本で言えば、返済比率35から40%ぐらいで「無謀なローンを組んでしまった」と半ば後悔しているような層でしょうか?みずほ総研のレポートでは、このようなサブプライム層の利用者に自動車産業に従事する労働者が多いとのことです。日本では、この層は住宅ローンで困ることはなさそうな感じがします。産業が好調であるという理由ではなく、会社の格が段違いに良いので、サブプライムなどくまなくとも、余裕で「プライム」な層だからです(正社員の場合)。 

  S&Lの危機を繰り返さないといわれていますが、サブプライムをはずして、住宅ローン全体を見た場合、本当にサブプライムだけで問題が解決するのでしょうか?  

 参考:みずほ総研のレポート http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/market-insight/MI070314.pdf   写真はフィナンシャルタイムズから掲載させていただきました。

尚、こういった信用度の低いローンを証券化し、さらに返済が劣後する部分と優先する部分に分けて、リスクヘッジを図っていたようです。信用度が低く、返済が劣後する部分への融資部分の証券を買った投資家がまずダメージを食らったようです。日本でも野村證券やあおぞら銀行などが損失を発表しています。

そもそも商品自体が、借入人の所得(要するにキャッシュフロー)からの返済をはじめから当てにせず、資産売却を前提とする段階で、リスクが大きいといわざるを得ません。

こういったリスクテイキングに向かわないと、期待利回りを成し遂げられないとなると、アクティビストは収まりそうにないですね。






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Last updated  2007/08/12 07:23:04 PM
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