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元・経営コンサルタントの投資日記

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2007/08/25
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 ビジネスウィーク07年7月27日号に興味深い記事があった。

Lets Blame Begin「サブプライムローン問題は、いったい誰に責任があるのか?」

http://www.businessweek.com/investor/content/jul2007/pi20070726_003656.htm?chan=top+news_top+news+index_best+of+bw

記事の詳細はこちらを見ていただきたい。

邦訳は「日経ビジネスオンライン」2007年8月20日号「サブプライム、責任転嫁合戦」(購読無料ですが、会員登録制のサイトです)

サブプライムローンを取り巻く利害関係者は以下の通りです。また、世間の言い分を自分なりに短くコメントしました。

  • 消費者・・・こんな契約だったとは知らなかった。 - 借りたお前が悪い

 

  • ローン会社・・・リスクはどうせ証券化される。今貸さなきゃ損。 - 返せそうにないやつに貸すほうが悪い。

 

  • ヘッジファンドほか投資家・・・高い格付けだから安心して買った。 - そもそもそんなくずを買ったお前が悪い

 

  • 格付け機関・・・我々は手続きにのっとって格付けしている。格下げするときは厳格に対応しているではないか。 - いやいや、格付け機関の高い格付けがあるので安全だと思ったのだ

 

  • ヘッジファンド等投資家に融資する金融機関・・・リスクリターンの一環だ。ヘッジファンドがいちばん儲かる。 - お前らが貸さなければ、こんなことは起こらないではないか。

 

  • 不動産会社・・・住宅ローンはイケイケドンドン。価格水ぶくれでも貸してくれる。我々はちゃんと対価を支払ってくれるから売るだけだよ。 - お前ら詐欺だよ。

・・・なんと言いましょうか、これもアメリカって感じですね。絶対自分が悪いといわない、責任転嫁。

共通しているのは、消費者は弱者で被害者的な意見でしょうか(マスコミの利害としてはそうなりますかね)。始めの「借りたお前が悪い」ってそんなに大きく取り上げられないですね。

それともう一つ

  • 一般投資家・・・なぜ俺たちが損害の一端を負わされるのだ。俺・私の(将来のを含めて)年金・退職金を返せetc・・・。

我々は「投資家自己責任の原則」という話を聞かされました。私はバブル崩壊直前に邦銀に入ったので、よく顧客が「銀行が何でもいいからお金借りてくれ、って頼まれたから借りた。また、「この株は儲かるから」といって株をかった。そしたら暴落して大損した。そもそも銀行が貸さなきゃ、こんな目にあわなかった。」

という主旨で裁判があって、債務者が裁判で負けます。当然「自己責任です」と裁判では言います(注:銀行に手落ちがない場合)。

この「投資家自己責任の原則」って、そもそも米国的な考え方ではなかったのでしょうか(当然日本でもあったと思うが、証券会社の損失補てん問題等自己原則が貫かれたのはその当時ぐらいからだったと思う)? それなのに責任転嫁合戦。これもアメリカですかね。

外交でも決まって、日本が悪いって言いますからね。

この記事が最後に

「要するに、みんな欲を張りすぎたのだ、お金がないのに高いものを買いすぎたのだ」

という結論には考えさせられるものがあります。

sun2.jpg   

サンフランシスコで約48万ドル(邦貨55百万円程度でしょうか)で売り出し中の1ベッドルームのコンドミニアムだそうです。仮に家賃を支払うとしたら$2,347/月(27万円ってとこでしょうか)。収益還元的に考えるとまずますかな。750平方フィート、約70平米?(ちょっと小さすぎないかな、計算違い?慣れない単位なので)。

 

こういう金融的なものと、

取立て方が過激で「略奪的貸付」とか言われるそうです。低所得者の自宅を奪うとかで社会問題となっているものがあるようです。

サブプライム層への貸付とあいまって、そうするとなんだか、「なにわ金融道」的な債権を流動化して、灰原君のようなのが回収に来ているのでしょうか。いや、結果的にアイビーリーガーが「なにわ金融道」もどき街金に代理回収させている、ということにもならないだろうか?

そのような債権を流動化し、リスク分散して、投資する、超一流学歴の面々ががっぽり儲ける。赤信号みんなでわたれば怖くない?

(但し、リスクをとらない邦銀の姿勢がほめられるのもおかしいと指摘するエコノミストもいることに注目。オシム監督のような発想でしょうか? 損もしたけど儲けもしたのだという論調。損で経営がおかしくなるようなことがないという)

この図式は日本にはないですね。住専が悪徳業者と結託するというのはありましたが、アイビーリーグを出たエリートが、詐欺まがいの金融債権で儲けている、といえば、やや言いすぎだろうか?

(直接参加しているか否かだけの違いと指摘する人もいそうだが)

一方日本。もう銀行を辞めてずいぶんたちますが、投信の勧誘にリスク説明が不足しているって記事をすこし読みます。銀行に対してだけではないですが。

この投信解禁直後はまだ邦銀にいましたが、ものすごいリスク説明をさせられました。多分、顧客(特に個人)が投信購入をするためには、はんこと自署を5回程度しないと買えなかったと記憶しています。

「大丈夫ですよね。元本保証しませんから。」 「あなたのリスクで買うんですよ、いいですよね。」 こんな文言が入った念書を書かせました。当然買う人が少なく、販売ノルマ未達成でした(笑)。

社会記事を追っかけるマスコミのように儲けすぎ批判にはなりたくないですが、投資家自己責任と説明責任、これはやはり重要ですね。

いくら証券化といっても、原債権を思うと考えさせられます。個人的にはこれに尽きる。

また、海の向こうの人の破産が自分の財産に影響を及ぼすというのも恐ろしい世の中になってきました。運命共同体でしょうか。格差社会についても「格差は他人のためならず」という事態に陥らないようにしたいものです。






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Last updated  2007/09/01 06:31:27 PM
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