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テーマ:株式投資日記(20537)
カテゴリ:経営コンサルタント
問題です。
あなたは、国の年金が頼りなく、「自分年金基金」の設立を決意しました。本などでは株式投資が良いという結論に至りました。ただし、過去の投資リターンはよさそうなデータが並んでいますが、「ジャパンパッシング」や「ジャパンナッシング」など日本の相対的地位の低下は必然で、どうやって少ない資産を効果的に運用するか悩んでいます。 将来妻と老後を考えざるを得ない年齢になりました。幸い住宅ローン金利は低そうで、繰上げ返済のための資金の一部をやりくりできそうです。 そこであなたは、つれづれ投信の3人のファンドマネージャー、A君、B君、C君を紹介されました。あなたならどのファンドマネージャーと取引をしますか? 複数名のファンドマネージャーと取引する場合、誰をメインにすえますか? サブプライム問題は、あまり根拠がないものの、大半の評論家が言うように今年中に底を打つものとします。
つれづれ投信ではA君、B君、C君を以下のように見ているようです。 A君は、運用成績ナンバーワンで、つれづれ投信のエースです。ダイナミックに銘柄を入れ替え、自分に厳しく議決権行使も厳しく、をモットーとしています。しかし、やや傲慢なところがあり、自分の考え方を押し付けるところが玉にキズ。A君をひいきに言うと、かえって嫌われる風習が世界では根強く残っているようです。かつて、強すぎた読売ジャイアンツが嫌われたようなものでしょう。 ただし、最近はアラブと聞くと、テロといい、共産主義と聞くと人権無視といい、こういった国の銘柄投資には消極的で、しばしトラブルを起こしています。政治・イデオロギーにうるさいようです。 しかし、経済面ではアクティビストや非友好的M&Aであろうとも原則自由に取引をしており、彼に預けると非常にエキサイティングかつダイナミックな経験が出来ることも事実です。特にピンチのときほど頼もしい活躍をしてくれます。 したがって、上司・顧客からの信頼はまだまだ厚く、「多少のトラブルも仕方ないな」と大目にみてもらえます。 B君は運用資産額こそA君に及ばないものの、最近はぐいぐい成績を伸ばしています。彼の運用スタイルは紳士的で、誰とでも平等に接することと、お客さんとの約束事をシンプルにしているため大きなトラブルもなく、順調に運用資産や投資銘柄を増やしています。 特に、ロシアやインドまたはドバイをはじめとしたアラブの投資家や銘柄またはイスラム金融や排出権取引などにも積極的に取り込んでいて、政治と経済をうまく分離した結果、運用資産に厚みが出てきてA君との差別化を図っています。 また、中国においても、B君はかつて香港で生活していたこともあり、太いパイプを持っているようで、抜かりはありません。 さらに、カナダやオーストラリア・南アフリカ等には兄弟親戚がいて、B君に貴重な資産や情報を提供してくれます。こういった国々は資源バブルで絶好調です。 おまけにB君のおじいさんは7つの海を自由に駆け巡った外交官だったらしく、世界中の国々とうまく付き合っていくノウハウを持っているようで、今でもマレーシアやタイ・エジプトなどとも親しくしているようです。 国際派のB君は友人・顧客に運用以外の情報提供もしており、彼のアドバイスで、B君の友達のベッカム君はドバイに別荘を買い、チェルシーさんはロシアの「金満」、アブラモビッチ氏の会社で働いて年収が3倍になったようです。最近ではあのジャガー君もインドのタタさんに転職し、B君の隣にはあの有名なインド人のミタルさんが大豪邸を建設されるなど新興国の外国人をうまく活用しています。 投資家はこのオープンで説明責任もきわめて高く、真面目でスマートな国際派のB君を全面的に信頼しています。 C君は運用成績がぜんぜんだめですが、「おれはAには及ばないが、世界ナンバー2の実力の持ち主だ。それにふさわしい扱いをして欲しいな」と自慢するのが口癖です。 そのくせ、外国人顧客としょっちゅうトラブルを起こします。上司(大阪弁)が「もうちょっと外国人にも愛想よくせいや」と注意すると、「違います。外国人が私のことを理解しないのが悪いのです」という有様です。 彼と話をするととにかく理屈っぽく、お客さんからは「わかりにくい」とか、「ルールをやさしくして欲しい」と注文を受けますが、「俺に資産を預けるのなら、俺のルールに従え」と取り付く島がありません。どうも悪代官が裏で糸を引いているかのようです。 最近彼はA君の「ポイズン・ピル」を参考に、独自に編み出した商品「ライツプラン」を積極的に販売していますが、商品がわかりにくいのと、運用成績が上りそうにない商品内容のようです。 また、外国人顧客や一部既存顧客も、時には経済合理性のない議決権行使をするC君に愛想をつかしつつあります。 この前、A君がC君のお客さんを強引に勧誘したところ、興奮剤を飲んだ犬に噛まれたといって文句を言っていました。犬の名前は何でもブルドッ「ク」というようです。 しかし、そんなC君ではありますが、彼の投資先には大変良い銘柄が多いのも事実で、トヨタ・キヤノンをはじめコマツや任天堂など投資先の内容はB君を十分しのぐものを持っています。それがC君の最大の強みです。精密機器や環境にやさしい技術などを保有する企業群も多く、ひそかにヘッドハントされそうな気配もあります。 しかし、A君やB君からは「宝の持ち腐れ」と陰口を叩かれているようです。そして強引に勧誘したくとも、狂犬の悪夢があり、今は我慢しているようです。
ある日、C君はまた顧客とトラブルを起こした模様です。何でももっとたくさん取引したいと、何とかチルドレンさんという青い目の顧客から申し出があったにもかかわらず、「俺のポリシーにあわない」とか言って、売らなかったようです。 このサブプライムで全体的な成績がぱっとしないのに、こういう事態を招き、上司はついにC君に激怒してしまいました。
上司:「ワレ、アホか。買いたい言うてる奴になんで売らへんねん? 成績ぜんぜんあがってないやんけ?」(注:河内弁では「あなた」のことを「ワレ」という。) C:「私のポリシーにあわない奴との取引なんて出来ません。私には世界第二位の実力があるのです。ご安心を」 上司:「ポリシーって何や?」 C:「単に数字だけで判断するような奴はダメ。会社の従業員や取引先とかそういった一体感で判断するんです。そうです、企業価値なんです」 A君・B君:「それも含めて株価に反映されるのだろ。ブランド力とかそういうやつだ。GE、IBM、ネスレ、デュポンだったか、そういった大企業の株価には彼らが培った企業の人材のあり方や取引の方針など投資家が評価したものがすべて入っているんだ。 君んちのトヨタとリコールを隠した会社を比較すればその企業価値とやらの差は株価にも入っているはずだ。リコールを隠した会社の何とかの一体感とトヨタのそれの差は歴然としているじゃないか。大体お前は理屈っぽいぞ。外国人はもっと単純なんだ。シンプルに「改革やるぞー」といえば買ってくれるんだ。昔は仲良かったお友達のコイズミさんやコイケさん(女性)はどうしたんだい? 」 C君:「A君だって、この前中国人とドバイ人を断ったじゃないか。テロとか共産主義とか言って。しかも「ポイズン・ピル」とかいう厄介な商品も売っている。A君に言われたくないね。僕はA君を見習っているんだよ」 上司:「ええ加減にせい! Aは普段から成績がいいから多少トラぶってもみんな目を瞑ってるんや。ワレは成績が悪いくせに普段から屁理屈ばっかり言うてからに。ナンバー2って、裸の王様やで。目を覚まさんかい。今はEUの時代やで。1位・2位に10ゲームぐらいはなされた3位チームぐらいの危機感なかったらあかん。そのうちBクラスいりもあるぞ。今ならプレーオフで逆転の可能性ものこっとる」
あなたはつれづれ投信の会議室から会議の様子を盗み聞きしてしまいました。C君にしようと考えていたのですが、家に帰って考え直すことにしました・・・。 「公的年金もダメ、自分年金も・・・。うーんどうしよう?」 え?投信会社を変更するって? それだけはご勘弁を・・・。
ニューヨーク、ロンドン、東京で遊んでみました。楽しんでいただけたらぽちっとよろしく。
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Last updated
2008/04/14 12:23:14 AM
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