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カテゴリ:経営コンサルタント
最近思うように更新できておりません。申し訳ございません。今日はやや半端なインプットで雑感をつづることとします。したがって、かなり浅い分析で申し訳ございません。 アイカーンさんがなんとヤフーの取締役になることが決まりそうな感じですね。ヤフーの大株主がここにきて、「身売り反対」を表明し、アイカーン氏も勢いが落ちそうで、株価もまた下落しましたが、「ヤフー取締役」のポストを手に入れ、彼の推薦する別途2名の計3名を現在の取締役に 「純増」 させるという餌に食いつきそうです。 氏としては、インサイドに乗り込んであれこれ物言うつもりでしょうか?しかし、かなり忙しいお人なので(既に物言っている他社はまだモトローラを含め5社前後あると思う)、取締役会への出席率など注目されそうです。 なぜ3人としたのだろう?ISS等が日本の社外取締役人数を3人が望ましいと意見具申したことと同じ人数なので興味あり。
さて、タイトルのゼネコン、デベロッパーの破綻ですが、結構早目の破綻となりました。金融機関もリスケ等の支援がなかったのでしょう(想像ベース)。 特にゼファーの破綻(民事再生)は記者会見模様をTVのみで拝見しましたが、正直社長さん、「俺はサブプライムの犠牲者だ」 と顔に書いてあるように感じてしまいました。山一證券の社長さんの涙の自主廃業会見とは隔世の感がします。 口では経営責任を語っておられましたが、ではなぜ会社更生法ではなかったのでしょうか?会社更生でなく民事再生を選択した理由を語ってくれたのかよくわかりませんでした(詳しく探せばあるかもしれない。結構Q&Aの常道でしょうし)。 民事再生は経営者が居残って再生を図れるが、会社更生は裁判所から取締役の地位を剥奪されるので、経営者としての再起が不能となる。財産を預かる法律代理人は、民事再生は企業が選ぶが、会社更生は裁判所が選ぶので、不透明な破綻を遂げたゼファーの破綻の透明性を高めるのであれば、会社更生が望ましい。 ただし、建築途上の物件が多数あったり、マンションの一般消費者との契約など迅速な意思決定や事務処理が必要な場合、現経営者のほうが結果的には株主以外のステークホルダーにとって利益がある、と判断したから民事再生だ、と言うのなら納得がいく。 結果的に、債務の踏み倒しなので、揉めることは必定だからです。一応、早期にスポンサーを発掘して(民事再生後の)支払いを確実にし、(民事再生前の債務も)たくさん返したいという建前的発言があったので、当面様子見かなあ。
特に、民事再生申請に先立ち、連結子会社の近藤産業を破産させたことに責任は重いのではないでしょうか?株式会社なので、有限責任(出資額以上の責任を負わない)という法的には正しい決断ですが、道義と法が混在する日本社会では、信用力が問われます。おかげで格付け会社から格付けが数段落とされ、今回の破綻に直撃しました。 (格付け会社が事前に、こういった不透明な財務内容を把握できなかったのかという「日本版格付け会社問題」 を躍起してもいいのではないか?)
ただし、歴史と伝統があり、社会的影響力の大きい親会社の場合は違いました(近畿日本鉄道傘下の大日本土木の破綻は表沙汰的には親会社の信用毀損を最小化していた)。 新興企業にありがちな、アウトロー的な面が裏目に出たのでしょうか?具体的にゼファーが何をやっているのかを存じ上げず、うわさベースなのでひょっとしてブログ限りかもしれませんが、 親しい、マンション販売のプロの方に「カタカナ新興企業のマンションは薦める気になれない」と言う話を、自分がマンションを買うときにしてもらいました。なぜだ、と聞くと「とてもあのような商売を自分のお客さんに勧められない、という商売方法だ」 とだけ言ってくれました。 外国人投資家の買いを前提としたマンション販売や各種リゾート開発など、少し本来のビジネスモデルを踏み外しています。 また、近隣のゼファーマンションも販売状況が芳しくないものやマンションコミュニティ等の匿名掲示板でもネガティブなコメントをよく見かけました。
それ以上に、やはり銀行団の見極めが早くなったのではないか、という点を感じました。これまでは、銀行ははじめのうちはある程度のことがあっても、セカンドチャンス的な支援を行っていました。リスケジューリング等です。 しかし、過去の経験上、早期の見極めが結果的に回収の極大化をもたらすこと、一度歯車が狂うとそう簡単には戻らないことを知ったこと、少しグレーな取引をしている企業とはヒットアンドアウエーで取引すること、銀行の数が極端に少なくなったため、他行の目を以前ほど気にする必要がないこと、償却体力があることなどが重なったのだと思いますが、昨今の破綻数の多さには、あっさりと見極めているようにも感じます。 これは個人的にはよいことだと思います。ずるずると引きずっても、お互いの体力を消耗するだけですし、病気は早めの治療が一番だと思います。(もちろん、ケースバイケースなので、常に見極めるのが正しいとは思わないですが、過去は「銀行が潰した」という評価を嫌う面もあった)。 「失敗から学ぶ邦銀」となるのか、取引の深い伝統的系列企業だとこうは行かないのでしょうが、貸し渋りとか貸し剥がしとかは、今後もありうるので、事業会社側は銀行の融資姿勢に警戒をこれまで以上にする必要性があるでしょう。それが銀行というものですし、自分の会社も大きな与信ポジションを取っている取引先には同じような扱いを結果的にするはずなので、お互い様ですが。 ゼファーの場合は特定のメインバンクを持たない「ヤオハン型」破綻だった可能性もありますが、スポンサーといっても、正直借金さえあればできるデベロッパー業を買収することに意義があるのか個人的に研究不足ですが、この業界でM&Aが発生しにくく、脱サラ新興企業が出来る(ぜファーも旧リクルートコスモス出身者が起業したはず)ことを考えるとどうでしょうか。
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