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元・経営コンサルタントの投資日記

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2008/08/01
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中堅ゼネコンである多田建設が会社更生法適用の申請をした。

1997年にいわゆる不況による会社更生法適用をした。この時は大昭建設の支援を受けて、更生計画を2005年3月に終結。

その後2005年7月、支援した大昭建設が多田建設を合併しようとしたところ、多田建設の従業員一同から会社更生の摘用を申請、あえなく2度目の更正法摘要となる。

ただし、2度目は元々借金過多で更生法申請したわけでなく、2005年12月にアセットマネージャーズとリーマンブラザーズがスポンサーとなって2006年にまた終結。

そしてサブプライム等で資金繰り難となって3度目の更正となった模様。

会社更生はかつて、スポンサーが内々定してからでないと裁判所が開始決定をしないといわれていた。裁判所の開始決定基準が「誰が見ても更正できそうな前提がないと受理しない」(ある倒産法に詳しい弁護士の話)とまで言われていた。

その後平成17年ごろ、緩和され、広く開始決定を出し、その後更正計画が実行出来そうかを広く問うような現状になった。

今度はゼファーと逆に、なぜ民事再生でなく会社更生としたのか?というのが気になる。更正法のほうが債権者の同意の基準が高く(再生法は過半数の同意で一部の借金が棒引きにできるが、更正法は担保権者の2/3の同意も合せて必要)、経営者は首になるし(再生法は経営者は法的には経営を継続できる)、担保評価額で銀行ともめるため、弁済計画の策定は遅れがちになる。

(だから再生法に流れる)

まあ、こっちのほうが透明性が高くなるので債権者にとってはいいと思うが(再生法は経営者が自分で申し立て代理人たる弁護士を選択するので、弁護士は経営者寄りになりがち。ただし、裁判所の指名する監督委員というものの同意を得ないと大金の決済が出来ない、

一方、更正法のほうは裁判所が指名する保全管理人(弁護士がほとんど)がなぜか更正期間中の会社の財産処分権を掌握する(会計士でなく弁護士であることがミソ)。したがって弁護士さんの目は裁判所に向きがちだ(といっても事業の更正・再生に使命感を十分お持ちの方が指名されるんですけど)。

2度目の更正法はちょっと異例だった記憶あり(従業員が退職金を債権として、債権者申し立ての会社更生ではなかったか?合併する大昭建設のほうが信用力がなかったので合併するのがいやだという理由だったはず)。

しかし、3度目の経営破たんはないよなあ。裁判所は開始決定を拒否すると、それはそれで嫌な感じがする(司法が会社を潰したと見られがちで、できることなら、民間の競争の中で結果的に満足な更生計画が立案できなかったという風に持って行きたいインセンティブがあるはずだ)。

開始決定を申し渡して、またヘンチクリンなスポンサーを「引っ掛けてきて」更正計画が策定され、構成計画決定を認可せざるをえないことも裁判所は嫌だろうなあ。

東京地裁の民事8部(だったか忘れちゃいました)の方々は最近の破綻ラッシュの忙しい上にまた変なものが来たって心境かな?

しかし、ここでも登場したリーマンブラザーズ、丸紅の件といい、ライブドア関連といい、うーん。四半期決算のたびに「次はリーマン」といわれるけど、まんざらわからないでもないなあ。

ウオール街を闊歩するといっても、どんな稼ぎ方しているのか・・・、ちょっといいすぎたかな。

いずれにせよ、ゾンビ企業に手を貸す人いるのかな?会社更生で自力再生って、あの、三光汽船ぐらいじゃないのか?

さすがに民事再生、会社更生は合せて一企業でX回、銀行・RCCは一度債務免除した企業には簡単に私的整理に応じない、と政策的に決めてほしいなあ。モラルハザードだ。特にゼネコン業界は正直者が馬鹿をみれば、がんばっている業者さんはかわいそうな気がする。ただでさえ大変なのに。

もっとも、スポンサー支援を受けて再生・更正したのだから経営の連続性は途絶えている可能性もあるが、同じのれんで仕事しているし、やっぱりそれでもいい感じはしないし、業界再編の観点も考慮すると、再生・更正チャンスはせいぜい1回程度で十分公平な気がするんですがねえ。どうでしょう?

 

 






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Last updated  2008/08/01 01:49:17 AM
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