猫は眠っている~Vol.10~
「コテ・・・ツ・・・さん・・・古鉄猫さん、起きて!」 背後から肩を叩かれ、古鉄猫のアックスを持つ手に力が入った。振り返ると心優しい支援パラディンのとろリンと金色の髪の戦乙女、『あの人』が立っている。 「うなされてたよ。どうしたの?」「え・・・ここは・・・」 見回せばいつもの町の風景だ。夢だったのか・・・?。けれど、魔物の攻撃を受けた手の痺れはまだ残っている。『あの人』をきつく抱きかかえた時の、柔らかで暖かい感触もまだ掌に残っている。 「いつも居眠りしてるからなぁ、古鉄猫さんは。ホリドーでも行かない?」「ああ、いいね。さっさとLv上げてもっと上に行こう。」 古鉄猫は立ち上がった。そして、いつものようにセク斧を肩に担ぎ上げようとした。 「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!111111」 当分持てない+15セク斧だけがそこにあった。そう・・・この大陸はいつも夢の中にあるのだから。