【な】 なまけたろうと二周年記念(前編)
ボクの名前は、なまけたろう。 夜中の小学校に、こっそりと潜り込んではジャングルジムや鉄棒にそっとサラダオイルを塗りたくるそんなボランティア精神溢れるボクはプリティーナイスなぬいぐるみさ~♪たろう「皆さん。この度は、不逞なご主人様の誕生日に 沢山のおめでとうカキコ ありがとうございました♪ まぐろさんに成り代わり 心の底から、感謝の意を述べたいと思います。」たろう「でもね・・。 11月10日という日は 本来、もっと忘れてはならない大切な日ではないのでしょうか? 腐れ三十路が、樹海の奥底の沼地から うじゃうじゃ湧いて出たコトなんか比べ物にならない。 もっと荘厳で神聖な出来事が 過去に起こった記念すべき日なんですよ。」 たろう「そうです!! そうなのです!! まぐろさんの誕生日プレゼントとして 二年前に辺境の新聞屋に派遣され 皆さんの前に始めてボクがお目見えした日!! 言わば、なまけたろう二周年の記念日なのです!!」たろう「みんな、それをすっかり忘れて やれ・・祝辞の書き込みだの。 やれ・・お祝いのグリーティングカードだの。 誰も彼もが・・ まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん! まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん! まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん! まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん! まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん!まぐろさん!!」 たろう「うが~~!! やってられるか~!!ぼげ~!!」たろう「こうなれば、腹いせに まぐろさんのPCで ブラクラのURLを踏んでやりましょう!! ポッチっとな♪」たろう「さぁ・・どんどん増えておくれ。 僕の可愛いブラウザの落とし児たち・・。 どんどん増えて まぐろさんのPCさんに潜む 【重大なファイル】を根絶やしにしておくれ。」 ボゴッ!!たろう「ぎゃああああああっ!!」まぐろ「たく・・。 この裏癒し系ぬいぐるみめ。 ちょっと目を離すとコレだ・・。 なんだよ。ブラウザ198個って・・。」たろう「だんだん凶器のバリエーションが 希薄になってきたからと言って!! フルフェイスヘルメットで殴りつける事ないじゃないですか!! それ!ボクと同じくらいの重量があるんですよ!! 一体、どれ程の衝撃がボクの頭蓋骨にかかるか 教えてあげましょうか!? 分かりやすく例えると F15J戦闘機を小錦44人で殴打するのと同じなんですよ!!」まぐろ「分かり難い例えだなぁ・・。 ん?あれ?これって・・。 お前、まさか僕のサイト見てたのか? はは~ん。 さては・・自分の二周年記念を 誰もチヤホヤしてくれないんで いじけてたんだな・・。」たろう「ち、ち、ち、ち、ち、ち、ち、違いますよ。 歩く明鏡止水・歩く宇野宗佑と 巷で実しやかに囁かれているこのボクが そんな瑣末なコトで 心の湖に波紋を立たせると思っているのですか? ハハハハハ。 チャンチャラオカシイデゴザイマスノコトヨ。」まぐろ「おいおい・・図星を疲れたもんだから 動揺しすぎて、語尾がマルシアになってるぞ。」たろう「ふん・・どうせボクは まぐろさんと違って、人望も人脈もない 可愛いだけが取り得の、ただのぬいぐるみですよ。 誰からも必要とされない、ボクみたいな与太郎は 藤岡弘、探検隊に参加して南米のギアナ高原に住む 謎の地底人クルピアに食べられてしまった方が 世の為なんです。 『わははは~♪ぬいぐるみが頭から食われてる~♪ おじいちゃん♪見て~♪見て~♪ 憐れだよ~♪』 なんてお茶の間の皆は大爆笑。 そこでボクの唯一のレーゾンデートルは完成するのです・・。」まぐろ「・・いつになく卑屈だなぁ。 あっ・・そうだ。 今年も、じょばさんから誕生日プレゼントが届いてたぞ。 このありがたい品でも見て、気を紛らわせろ。」たろう「え?母上さまから?」まぐろ「ああ・・。 お前もこうやって二年前にウチにやってきたんだぞ。 ことあるごとに 色んなプレゼントを贈ってくれるなんて。 何ともありがたいことだなぁ~♪」たろう「ふん・・どうせまぐろさんへの誕生日プレゼントでしょ。 そんなに自慢したいのですか?」まぐろ「ふふふふふ・・ 実はな・・。 じゃーーーん!!」まぐろ「今年は、なまけたろう生誕二周年記念の プレゼント付きだ~!!」たろう「な・な・な・な・な・な・な・な なんですって!! うがぁぁぁぁあぁぁぁ!! 早くよこしやがれ~!!」まぐろ「はいはい・・。」 ぽとりまぐろ「ん?たろう。包みの中から何か落ちたぞ・・。」 たろう「はっ!!こ、これは母上様からの直筆の手紙!!」※ 後編につづく