久しぶりに読書の話
いや~、昨日はすごい雷雨でした。あれから、パソコンの電源を落として、テレビをちょこっと見て、早々と寝てしまいました(^_^;)今日は、久しぶりに本のお話。先日読んだのが「村田エフエンディ滞土録」 梨木香歩著 角川文庫夏の百冊フェアーの中の一冊です。梨木さんの本は、「西の魔女が死んだ」とか「裏庭」 「からくりからくさ」 などなど、けっこう不思議な雰囲気のお話が大好きです。本屋さんでこの本は読んでないな~と思って買ってみました。滞土録(たいとろく)と読みます。土は土耳古の略なんですが、なんて読むかわかりますか?恥ずかしながら私はルビ振ってなければ読めませんでした。トルコと読むのです。明治時代、西洋の文化を取り入れようとしていた時代に、トルコのイスタンブールに考古学の勉強のため留学した村田という人物の目を通して描かれるお話です。題名に出てくるエフェンディというのは、下宿屋の主人ディクソン夫人が下宿人のことを呼んでいる呼称で、おもに学問を修めた人物に対する敬称だそう。いわば、村田先生トルコ滞在記って感じです。彼が下宿しているところには、他の民族の人、ドイツ人のオットー、ギリシャ人のディミィトリアスがいて、村田といろいろなやり取りを通して友情をはぐくんでいきます。読んでいくと異国の空気、香辛料の香りとか、町のレンガや石で出来た建物の様子や、灼熱の太陽の光感など、鮮やかに頭の中に描かれるような気がします。なんとなくイメージ的には全体的にオレンジというかセピア色のような雰囲気がします。全編を通して一匹の鸚鵡(オウム)がいいタイミングで言葉を発して、物語に深みを与えています。特に「友よ」という言葉をよく言うのですが、この言葉がこのお話のキーワードといっても良いかもしれません。それぞれ、留学先の人たちは、後に革命や戦争など、ばらばらになっていくからです。最後はちょっとしんみりほろりと泣きそうになってしまいました。東西の文明が交錯する場所、トルコ、イスタンブール、昔の時代を舞台にしてますが、エキゾチックな香りの国にこの本を持って、行ってみたくなりました。あ~旅行したいなぁ。