漢方でステロイドを減量できる
膠原病で悩んでおられる方は多いと思われます。膠原病とはSLEをはじめ、リウマチなどの自己免疫疾患をさします。原因はというと、自分のどこかの組織に対する自己抗体ができ、それがその組織を攻撃し、障害をおこすと言われています。自己抗体を測定することで診断されます。ですから治療は自己抗体ができないように、免疫を抑制する治療が主に行われます。ところが免疫を抑える薬は副作用が多い上に、その事が感染に対する抵抗を落としてしまい、感染にかかり易くなります。医師もそのことは承知なのですが、なかなか副作用もなくて良い薬が、自己免疫疾患に関してはなくて、止むを得ず使っているありさまです。勿論医師もできるだけ免疫を抑える薬を減らしたいと思っています。しかし現実はなかなか薬も減らすことができないのです。たいていの現代医学の医師は漢方のことはあまり知らないのです。そこで、漢方の登場です。 自己免疫疾患を漢方でコントロールする方法のひとつは炎症を取り除くべく、柴胡剤という柴胡の入った漢方を選びます。柴胡剤には体力のあるなしでいろいろなレベルの薬があり、そのうちのどれを使うのかを見極める必要があります。そして漢方的な診断をして、漢方的な異常を取り除くべく薬を選び併用いたします。私の経験上、柴胡剤だけだと不思議と効きません。 ともかく、自己免疫疾患の方で症状がそれほどひどくなく、未だ急いでステロイドパルスなどの強力な治療を必要としない人はステロイド剤を服用する前に一度漢方治療をお勧めします。ステロイドを投与されて安定してしまうと、どんな漢方薬を使えばいいかわかりにくくなるからと、ステロイドなしで漢方薬だけでコントロールできる場合もあり、そうすればステロイドの副作用に悩まされずに済むからです。