ゴースト・イン・ザ・シェル
ゴースト・イン・ザ・シェルの実写版を見た。ネットでの評価はあまり芳しくないようだが、それなりに楽しめた。攻殻機動隊についてはよく知らない。テレビは見ていないし、映画版も2,3年前にDVDでみただけだ。続編の「イノセンス」は映画館でみたが、あまりよく理解できなかった。今回初めてストーリがおぼろげながら理解できたような気がする。実写ならではの圧倒的な迫力と、おどろおどろしさがよく出ている。街の風景は随分と金がかかっているようで、それをみているだけでも楽しい。義体が出てくるシーンも全く違和感がない。脳を義体に組み込むシーンなど、一種の美しささえ感じられるほどで、街中のホログラム広告の描写といい、技術の進歩に驚く。ただ、裸の素子は肉襦袢を着ているみたいで、映画のムードをぶち壊している。また街中の描写が原作よりも中国色が強まっていて、気に入らない。まあ、制作会社に中国の会社が2社入っているので仕方がないのだろうが。。。キャストは充実している。主人公草薙素子役のスカーレット・ヨハンソンは、唯一無二の存在感がある。多分日本人でこの役をやれる女優はいないだろう。ただし、アクションは今一歩切れ味が欲しかった。荒巻課長役のタケシはなかなか評価が難しい。声が不明瞭で、表にあまり出てこない。もう少し重厚な役作りはできなかっただろうか。それに撃ち合いのシーンが、暴力団の撃ち合いみたいで、安っぽかった。クゼはちょっとキモい。字幕版での鑑賞だったが、素子の母親役の桃井かおりは英語を話しているのに、たけしだけが日本語を話しているのもどういう意図だろうか。バトー役のピール・アスベックは太目だが原作のイメージにかなり近い。音楽はクリント・マンセル。アニメ版の川井憲次の「謡」(うたい)も使われていている。やはり攻殻機動隊の音楽には欠かせないナンバーだ。この音楽を聞いた時、ブルガリアン・ヴォイスのハーモニーに似ているとは思っていたが、民謡歌手たちの合唱とは思わなかった。発声方法が似ているからだろうか。公式サイト