『ガンに生かされて』 飯島夏樹
以前、研修会の講師の方が勧めてくださった本です。患者の気持ちがここまで鮮明に、そして最期の時まで綴られている本はこれまでなかったように思います。最期の、本当に最期の時まで文章を綴ることを続けられその言葉は勇気と希望、そして優しさを与えてくれました。彼の言葉は言葉に出来ない患者の気持ちそのままであり言葉として聞くことの出来ない患者様の心に医療者としてもっと耳を澄ませて聴いていかなければいけないんだなあと感じさせられました。私は日頃、病棟で著者と同じような病気の患者様と関わっていますが全身の倦怠感、痒み、腹満感、症状としては分かっていましたが、そのどうしようもない辛さ、苦しみ、分かっているようで、やはり分からないなあと思いました。全てを分かることはできませんが、側に付き添い、辛さや苦しみを感じ、思いを聴き、受け止めていきたい改めてそう思いました。医療者としてでなくても、彼の生き方は家族を大切することや愛するこ、守ること一生懸命、今を生きるということを教えてくれました。彼に生き方を通してたくさんの勇気をもらいました。彼の伝えていきたいと思ったこと私もしっかり胸に留めて生きていきたいと思いました。著者のご冥福を心からお祈りしたいと思います。