〔本番に向けて〕オーケストラと歌うときのコツ(その2)
オーケストラと歌うときのコツの2回目です。前回は自分の歌う音を探すコツを書きました。ところが、音はなんとなくわかっても、指揮がわからないということもよくあります。合唱団の指揮者は、パート別に細かく指示を出してくれる方が多いです。一方、オーケストラの指揮者は合唱団だけでなく各楽器にも指示を出さなければなりません。合唱だけにいちいち指示を出すことは不可能です。また、拍子を刻むというよりは音楽の流れを体で表現する指揮者も大勢いらっしゃいます。ですから、合唱だけの演奏に比べ、どうしても自分の判断で歌わなければならないことが増えてくるわけです。もちろん、丁寧に指示を出してくれ、テンポやリズムも非常にわかりやすい指揮者もいらっしゃいます。そのような指揮者の場合はとても歌いやすいのですが、音楽的にはおもしろくない演奏になってしまうことも往々にしてあります。このへんが音楽の難しいところでもあり、おもしろいところでもあります。話を元に戻して、指揮がわからなくなったときはまずコンサートマスター(第1バイオリンの最前列の端で弾いている人、指揮者とよく話したり握手したりしてますからすぐわかります)の体の動きやボウイング(弓の動き)を見ましょう。コンサートマスターの動きもわかりにくいときは打楽器のテンポやリズムにあわせるといいでしょう。おまけに。オーケストラの音は指揮者が拍を叩いてから少し遅れて実際の音が出ます。歌い始めの時はこの遅れの間合いを意識しないと飛び出してしまいますから気をつけてください。オーケストラと一緒に歌うのはなかなか難しいですが、それだけに演奏後の感動も大きいですから臆せずに歌ってくださいね。