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愛ちゃんのこと

佐藤錦の佐藤さんばかりのブログになってきたので・・他所のブログを転載いたします・・.......................この事務所の近所に、妖女（推定80歳以上の元気なおばあちゃん）が経営するカラオケスナックがありました。妖女の名は愛ちゃん。もの凄い働き者で、11：00前から15：00位まで昼カラ（流石にいった事無し）やって、夜はお客が引けるまで開店。最初に、その店に足を踏み入れたのは、因師匠との｢怪しい酒場探検隊｣。狭くて急な階段を上った異空間、作り物じゃない本物のレトロな狭い店はいかにも怪しげで、おしゃれしてお化粧もちゃんとしたおばあちゃんってのも、ちょっと度肝を抜かれたものでしたが。｢私はシアワセもんなんだよ。このお店で子どももちゃんと育てたし、良いお客さんばっかりだし。私は本当に運が良いんだよ。だから、来てくれるお客さんもみんな運がいい人ばっかりなんだぁ｣って訛りながら言う愛ちゃんの人柄に、一発で惚れました。｢行くと運が良くなる店｣｢愛ちゃんの幸運をもらえる店｣ってな事を、勝手に言いながら、何回かお客さんも連れてお邪魔したりしましたが、7～8人も入れば満席のちっちゃい店なので、｢ごめんね～｣と、何回かは断られたっけ。まだ娘が小さかった頃（4～5年前でしょうか）、30日の仕事納め後、何人かの仲間と愛ちゃんのお店で26時過ぎまでいた私。資料一式の入った紙袋を店に忘れてしまいました。娘を連れて、大晦日の朝10：00過ぎに店に取りに行ったのですが、働き者の愛ちゃんの店は既にお仕事中。前日とは違うドレスを着て、お化粧もバッチリして、昼カラ（朝だろうに！）のお客さんが数人、気持ちよさそうに歌っておりました。荷物を受け取り、家にあった果物かなにかをお礼に渡し、外に出たんです。外は雪。その中を愛ちゃんが追いかけてくるんですよ。愛ちゃんの黒のドレスに雪が舞います。｢おじょうちゃん、ほれ！おじょうちゃん！！｣愛ちゃん、がま口を持って飛び出してきて、娘にお年玉（千円札1枚だったか2枚だったか・・）を握らせて、｢良いお年をねぇ｣と一言、またお店に戻って行かれました。ご近所さんなので、日中、この界隈でお会いすることもあります。そのたびに｢社長、いつもありがとね～。お元気でね～｣と、童女のような笑顔で挨拶してくださいます。（私なんて、数えるほどしか行っていないお客なんですけどね）.............................................その愛ちゃんのお店が、知らぬ間に閉店してました。12/31まではやっていたそうなんですが・・ご近所さんの話では、アルツハイマーになっちゃったそうです。お酒を頼んだのも忘れてまたオーダーしちゃうとか・・ちょっとした兆しはあったようなんですが・・お客さんにお金を貰ったのに貰ってないとかのトラブルが出始めて、お嬢さんが閉店を決めたとか。その後、店舗の片付けが進みカラオケの機械だけしかなくなった頃、出すあてもないおつまみを買い出しして店に入る姿を、その方は見かけたそうなんですが・・・｢今は家から出ないようにしてるんじゃないかなあ。｣とのこと。｢お店が大好きだから休もうなんて一度も思ったこともないし、苦にもならない｣って言って、年中無休で店を開けてた愛ちゃん。亡くなるまで、十年も二十年もお店を開けてると思ってたのにな。ああ、ちょっと悲しい。お散歩中でもいいから、もう一度会いたいです。

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