タンタンの冒険旅行シリーズ
みなさん、こんにちはいろいろとご心配をおかけしましたが、子どもたちの病気もようやく一段落。今日は仕事へ行けそうです。出かける前に、今日は久しぶりに絵本の紹介をしたいと思います。最近、親子でハマっている絵本があるのです。『タンタンの冒険旅行』シリーズ。(福音館書店) エルジェ・作 川口恵子・訳タンタンという青年ルポライターが、お茶目な相棒(愛犬)スノーウィと一緒にさまざまな事件を解決していく、というもの。数年前、子どもの小学校の記念文庫作りに参加したときに、高学年の(特に)男の子たちが競って借りていく絵本がこのシリーズでした。興味を持った私が中を開けてみると…漫画だ!ページが小さなコマに区切られていて、イラストと小さな文字が入っているその本は、絵本というより漫画というイメージのものでした。(なるほどね。漫画だから人気があるんだわ!)私はどちらかというと漫画より文字の本の方が好きだったので、そのときは中をじっくり読んでみることはしませんでした。ところが娘のサキ(小6)が漫画大好きな子に育つにつれ、その影響で色々な漫画も読むようになり、ふと男子に人気だった『タンタンの冒険旅行』シリーズのことを思い出したのでした。まずはシリーズの2冊目『ふしぎな流れ星』を1冊だけ購入してみました。きれいな星空を眺めながら歩くタンタンとスノーウィ。ところが…「北斗七星が8個になっちゃった…いったいどうなってんだ?」「あれじゃ 北斗八星だよ まいっちゃうな」北斗七星に、でっかい星がもうひとつくっついていたのです。不思議に思ったタンタンが、早速天文台へ問い合わせると、何とそれは…巨大な流星!そして地球に向かって近づいている!地球滅亡の危機か!?そんな風にこの本が始まるのですから、ヒデキも私もたちまちタンタンの世界へ…。このシリーズは1929年に誕生しました。ブリュッセルの新聞社にいた、駆け出し記者のジョルジュ・レミ。既に雑誌に漫画も連載していた彼のもとに「何か、子供版の面白い企画を」という上司からの命令がくだり、このシリーズを発表することになったそうです。タンタンはルポライターという設定ですが、まるで探偵のように鋭い嗅覚を持ち、学者のような知識と長老のような智恵で、どんどん難問を解決していきます。ヒデキは、あっという間にタンタンのファンになってしまいました。娘のサキの方は、ストーリーも楽しんでいますが、絵の色の美しさやタンタンのファッションセンスのよさ、随所に出てくる欧風エスプリの味わい深さなどに魅せられているようです。また、絵本の基本である「絵を読む」楽しさも満載!たとえば、この水の中に投げられた犬の骨ですが…次の絵では、スノーウィはいませんね。そして、びしょ濡れになって骨をくわえて戻ってきます。セリフでは伝えていませんが、(ああ、水の中に入って取ってきたんだな)ということは、注意深く絵を読めばわかるようになっているのです。こういうきめ細かい”しかけ”のような部分が、サキは大好きなのです。自然科学や考古学、文学…多方面にわたる知識、研究、観察に裏づけされて書かれているしっかりとした作品で、読み応えがあります。しかもハラハラ、ドキドキする展開なので、子どもたちの興味や好奇心をいっぱい刺激してくれることでしょう。(日本人でいうと、手塚治虫さんのような存在だったのかな)本国ベルギーや隣のフランスばかりか全世界の人々の間に爆発的な人気を呼び、アニメや映画にもなり、半世紀以上の時を経て、今もなお世界じゅうで愛され続けているシリーズだというのも納得!(シリーズは20冊以上出ているようです)これを読まれている方たちの中に「私も昔、夢中で読みました」という方たちもいらっしゃるかもしれませんね。1冊1,600円という値段が頭の痛いところですが、図書館や文庫を活用できるので、このシリーズはなるべくたくさん読んでみようと思います。お子さんによっても違うと思いますが、一人読みが出来て内容も楽しめるのは、やっぱり4~5年生くらいから、かな?と思います。(うちのヒデキは、まだ”読んで~!”と持ってきます。笑)興味のある方はぜひ…。ひなたまさみ