ペルジーノって誰?
新宿・東郷青児美術館で開かれている「ペルジーノ展」を見に行く。全く知らない画家。ヨーロッパ中世が大好きな母の上京の目的の一つで何にもわからず全く期待せずお供した。 いやああ、予想以上に非常に面白かった~~~。ペルジーノってダ・ビンチやボッティチェリと同時代に活躍したイタリアの画家。ラファエロの師として知られているらしいんだけど私なんぞは名前すら知らない人だった。当時は一世を風靡するほどもてはやされた画家だったのに死後省みられなくなりつい数年前地元のペルージャで開かれた回顧展で再評価されたらしい。 何が面白かったって、絵画の解説が面白い。解説を担当したのが京谷啓徳という九州大学の准教授。この京谷先生の講義を数年前からカルチャーセンターで母が受講。会うたびに京谷先生がいかに素敵か聞かされてきたけど解説を読んで納得。あんなに判りやすくてその画家をきちんと評価してもらいたいという情熱を感じる解説はあまりお目にかかったことがない。全く知らなかった私が二時間でペルジーノの大ファンになってしまった。 絵は素朴です。マリア様も幼子イエスも庶民的な顔をしている。そしてこれは母の推理だけど死後すぐ省みられなくなったのは時の教皇の反感を招いたからではないのか。つまりこの人は権力におもねる人ではなくどんな人の注文も黙々とこなす職人肌の画家だったのではないかと。私が一番好きだったのは「少年の肖像」。ペルジーノの隣に越してきた公証人の息子の肖像らしい。表情が純で美しくて優しい画。 久々の美術展は解説者の代弁もできるほど勉強している母の生、音声ガイドつきだったので本当に楽しかったです。この展覧会、絶対におすすめです。図録も面白いです。ジュニア版ブックレットがこれまたおすすめ。全く知らない人にこそおすすめ。7月1日までです。その後は広島のふくやま美術館で9月まで。