認知症の定義
認知症の定義とは、高次脳機能が病的に低下し、日常生活に支障をきたす、となっている。今月の介護雑誌に載っていたが、認知という高次脳機能が衰えても、日常生活に問題がなければ認知症ではないという。人間年を取れば高次脳機能が落ちてくる。そうなってもそのような人たちの居場所や役割があればいいというわけだ。一時代前の「おじいさん」「おばあさん」は縁側でお茶を飲みながら、例え相手が誰だかわからなくても来客が来れば挨拶する。それが役割だと思っていた。今は縁側のある家は本当に少ない。しかも廊下もいらない、と言う人までいる。二女夫妻が今度家を建てることになったのだが、廊下は無駄なので、玄関からいきなり部屋だそうだ。少しでも部屋を広く取りたいのだろう。せめて玄関に来た人が中に入らなくても座布団を敷いて玄関に座ってもらい、話が出来るような環境は残って欲しい。縁側や玄関先にいたお年寄りが居場所がなくなり、どのようにしていったらいいのか困惑しているのではないか。母も居場所がなくなってしまい、ますます認知が進んでしまったとも考えられる。デイサービスやデイケアに行けば認知が進まないとはいえない。昨日もサービス担当者会議で、あるデイサービスへ出向いたが、玄関に若くて普通に見える女性の利者さんが、認知から来る帰宅願望なのだろうか「帰ります」と言ってずーっとスタッフを困らせていた。認知症に支障をきたすようにしてしまうのは、私たちではないか、と思えてきた。