名人戦第5局
第30期名人戦挑戦手合第5局は、白番、小林覚挑戦者の1目半勝ち。 前局でやっと初白星の挑戦者、しかし今回は挑戦手合で鉄壁とすら言われた名人の黒番。まあ名人の黒番も高尾本因坊の前には敗れ去って一時ほどの鉄壁ぶりは見られなくなったとはいえ、やはり名人有利と見るのが妥当なところであろう。 序盤早々10手目が恐ろしい手である。95年の棋聖戦第5局で「絶対に悪いと思って打った。打ってどう咎められるか見たかった」という手を思い出した。正直マネは出来んなあ。少なくとも団体戦では打てん。 ましかし30手目まで地を確保されると黒も利得を上げないと困る情勢になった感じでまた左からのびている黒石にも薄みがある。そういう意味では黒にも負担が大きい。 61,67と左下を連打されてもとにかく上辺からの黒石に食らいつく。私はしつこく追及するより打ちまわすほうが好きなのであんまり好きな展開ではないかも。とはいえどうやら右下の5子を取ったあたりでこれは優勢かな?74手目以降の食らいつきが厳しかった感があるのでもう一つ右に打つほうがよかったような気はするがそこは名人の読みだからなあ。 それでも、中央はけっこう譲って打っているし左上の石は薄い(結城九段によると取る手もあったとか?)し、それで1目半差なのだから差はけっこうあったのだろう。 さてこれで2連勝である。このシリーズ黒番では名局を見せている挑戦者だけに次も勝つといよいよ…ということになる。 名人戦はこうこなくては面白くない。 私のほうは明日は検察庁見学、明後日は囲碁の大一番が待っている。 当日なにが起こるか楽しみにするとしていよう。