期待に応えて復活!!観戦記です
べっ、別に誰かのために書くんじゃないんだからねっ!顧問先確保の就活のつもりなんだからねっ!と、お前誰だな発言をかましたところで、いろんな人からご期待頂いていた観戦記、以下に書き記します。来年があるかどうか全く分からないし、ちょうど私が大学4年のとき1年だった方々が今年卒業するので、ある種潮時と思いながら、都合つけて毎日見に行っていました。懐かしい私の知り合いも学生になって打っていると聞いていたので、見てみたかったですし。本当は、こういう観戦記については早く私の後継が現れればいいのですが、一部の選手クラスで、会場に来ていて、それでいて選手ではなくて…という条件を考えると、なかなかそう都合のいい人もいないんですよね。連盟の人が書こうとしても、立場上立ち入ったことは書きにくいでしょうし。ある意味では奇跡みたいな存在なんですね私って。では、意味のない自慢が終わったところで午前から。早稲田の方々はきっちりスーツその他を着込んで登場です。午前は、慶応―中央と早稲田―東大。中央の主将は言わずもがなですが、強豪2枚が補欠登録してあり、その2名を勝てそうなところに当てて勝ち星を狙います。地味~に優勝の可能性がほんのちょぴっと残っていたらしい。4,5と当てましたが…主将はまあ普通に勝ったのでしょうが、4,5はスカ負けで、結局1-4か・・・と思っていたら、なんと副将慶応の山本くんが時間切負けで2-3。形勢は山本くんの圧勝に見えたのですがね…。ただ、中央この作戦が午後は功を奏し、春に続いて東大を撃沈。さすがというべきでしょうか。問題は早稲田―東大戦。上から糸山―久保田、下坂-黒澤、谷口―佐々木、寺山―岩村、清島-大久保。本当は東大の五将は山口くんでしたが、なぜか(遅刻?)大久保くんにチェンジ。といっても大久保くん、去年まで主将をはっていた身ですから当然油断ならないというか普通に強敵です。黒澤くんの実力は言わずもがなだし、佐々木君は名人戦で谷口くんに勝ってるし、岩村くんも寺山くんに勝ってるしと分析すると、東大にもなかなか勝機があるものです。握りは外れ。というか糸山くんニギリがかなり弱く、こと団体では黒を当てたシーンをほとんど見たことがありません。本人は白番も普通に強いので別に問題ないですが。始まってみると、なるほど早稲田勢の評判が芳しくありません。主将戦はすごく悪い、といっていたのは私の同期、Nくん。私はそうか?と思っていたけど。副将戦も普通に打ち続ければコミにかけられて負けるコースです。四将は地はあるのですがなんだか打ち筋が逼塞していて6.5のコミに耐えられるか怪しいし、五将は定石間違えて薄々しいし…。あれ?三将は?そう、三将が最初に片をつけました。一瞬の隙を捉えてすさまじい攻撃ラッシュが始まり、命からがら黒(佐々木くん)が脱出した頃には完全に勝勢確立。最後は地合も圧勝に見えましたが追加で大きく取ってケリをつけてしまいました。時間も結構残っていたし、改めてこええと思いました。さて残り4枚が問題です。五将戦は、やっぱりいけなさそうな碁…と思ったら強烈なヨリツキが始まり中央に巨大な地を纏め上げてしまいました。白っぽいとはいえ到底まとまらないと踏んでたのに…大ヨセに入る頃にはもう白良くなっていたでしょう。もう少し黒から勝負手の類が飛んでくるかとも思いましたが、割と無難に進行し、私の記憶が間違ってなければ4目半勝ち。さあなんだかんだでリーチです。次に終わったのは四将戦。お互い自信ありげな打ち筋・・・寺山くんが細かく残すはずの形勢だったのですが、ちょっとヨセようとして薄いケイマを打ったらつけこされてもぎ取られて損。整地に入って、半目負けかな?と計算してたらそのとおり半目負け。東大意地で1勝を返します。寺山くん2敗目で立場が苦しくなりましたwww。次に終わったのは副将下坂さん。白地の方が多く、コミを出すのが大変な形勢…だと思っていたら中央に黒地が思いのほか纏まって細かいながら逆転。白っぽいかと思っていた所も無難に消しては形勢不動に。黒澤くん恒例のぼやき(勝っててもぼやくけど)が聞こえます。結果は黒の3目半勝ち。残すは主将戦。なぜか大コウが勃発。黒が大きなコウ財を飛ばしてきたが、見切ったかのごとくコウを解消して勝勢確立。終盤ヨセで石がもげたりしていましたが形勢は全く動かず白20目半勝ち。まあ、東大には力勝ちしたといっていいでしょうね。早稲田は個人でも強いですが、こういった団体戦になると無類の強さです。さて皆さんのお楽しみは午後慶応-早稲田戦です。結局全勝対決ですね。勝ち数の関係で午前東大には0-5で負けていても早稲田優勝だったというオチがあったのは内緒です。上から吉成-糸山、山本―下坂、周―谷口、古賀―寺山、ユンー清島。どうも、見覚えのあるカードが多いのが一つの特徴でしょうか。主将戦は過去4回くらい関東リーグ(プレーオフ含む、以下同)で打っています。糸山くん3勝1敗。白持った方が勝っています。副将戦も過去2回関東リーグで打っています。1勝1敗。三将戦は実は鳥取対決。レベル的にはほぼ同格ですが過去の対戦では谷口くんに相性がいいようです。四将戦も関東リーグで見るのは3回目か?個人でも結構当たっています。初期は寺山くんがカモっていたようですが、古賀くんが巻き返しつつもあるようです。寺山くん調子悪そうだし…五将戦は唯一見覚えのないカードです。握りは早稲田が奇数黒を当てました。急所で糸山くんが黒を当てるのは初めてみたかも。主将戦は大ナダレからのワカレ。白は一手かけて黒を制しておくのが手厚いといえば手厚いのでしょうが、ぬるいと見たのでしょうね。よそに手を回したのですが、黒に逃げ出され、形を作ってしっかり生きられてみると…やや極論かもしれませんが、これ以降白に勝機が訪れることはない気がします。ただ、吉成くんの白番は私が最も警戒するもののひとつ。びくつきながら見ていたことも事実です。副将戦は・・・ちょっと黒が厚くないかな?下坂さん地は多いけどちょっと黒厚すぎ…と思ったら黒がいきなり星の石にツケ。厚みをバックにした手のつもりなんだろうけど、それはちょっとどうかな?背中をとられると黒模様が幸便に消されて・・・ギャラリーは白全然いいという評判が漂っていました。もっとも、確かに白悪くないはずですが、見た目ほどよくもないんですね。(結果論ですが)三将戦はさすがに超重量カードだけあってよくわかりません。地合で先行しているのは黒番の谷口くんで、実際形勢も悪くないとは思いつつも、白の中央が想像以上につきそうで、白の追込みが厳しそうな碁形。まあしかし、関東リーグ出場4回中全勝2回、全国大会2回出場中全勝1回、学生本因坊の男は信頼が違うんですよ、信頼が。四将戦は・・・軽快に打っていたように見えましたが意外と薄く、治まられてみると黒地が多いという感じ。衆評ほど白が悪いとは思っていなかったけど、良いとは思っていなかったのも確か。五将戦は、空中戦でわけ分かりません。石の流れ的には悪くない気もするんですが、どっちかが潰れて終わりそうな予感しかしませんし、どっちが潰れるかも分かりません。主将戦は、つかず離れずをキープ。白も確かに大きく地を囲おうとしていますが、黒がしっかりリードを保っています。お互い特に弱い石があるわけではないので、黒から決めにも行き難い代わりに普通に寄せあうしかないのが白の泣き所。これではあの吉成くんの恐怖もそう簡単には出せません。他方、団体戦無敗の女王下坂さんの形勢は、まあ多分大丈夫だろうと思ってみないでいると、「相当細かい」との報が。えっと思ってみてみると…もう黒厚くない?何で中央にあんなに黒地がついているんだろう。三将戦が案の定周くんの追い込みが始まっています。無論これくらいは谷口くんも織り込み済みのはずとはいえ、なかなか気が気でない勝負です。四将戦の方は・・・いつの間にか好転?しています。全局的に厚そうな古賀くんがコウを起こしましたが、どうもコウを解消されてみると結果的に余計なちょっかいだった気分です。五将戦は・・・気がついたら黒地がもんのすごく増えています。一応振り代わりのような形ながら、白石をたくさん味よくもぎ取って確定地で大差をつけました。白模様はありますが、ちょっと削れば黒優勢でしょう。最初に終わったのは・・・副将戦。下坂さん、ついに届かず4目半負け。団体戦無敗の女王にも翳りか?ちなみに彼女が負けるとチームも負けるという恐怖のジンクスが…。次は三将戦。流石に元院生トップクラスの周くんの追撃はなかなか苛烈で、検討では白勝ちもあったような声も聞かれましたが、半目か1目半厚そうかな?と思ってみているとその通り、整地の結果は1目半黒勝ち。「それでも谷口なら…谷口なら何とかしてくれる!」という言葉が本当に去年あったようですが、ここの勝ちを見て、チームの勝ちも確信。そう、残り3枚は既に優勢でした。いつも最後まで打っていた糸山くんですが、今度は3番目に終局。4目半?と思っていたら碁笥を止めていたガムテにハマが1個ついていて5目半勝ち(だったと思うけど…)。リードを奪ってつかず離れず押し切った一局であり、私の理想の勝ち方のひとつですそして、勝利を呼び込んだのは五将!白模様をあまりにも華麗に黒地にしながら削っていました。おまけに白地をぶち抜いたりして差が広がる一方。団体戦なので投げにくかったのでしょうが、整地したら盤面40目だったか?の差がついていました。彼の対局は、1年の頃と比べてかなり「逞しさ」を感じるようになりました。背骨が通った感じがします。ラストは四将戦。勝率は勿論高いけどチームの勝敗に関係なく勝つことが多い寺山くん、またしてもチームの勝敗に関係なくなった状態で振り切りました。どうやら黒が手にできるところを手にし損なって形勢が決まったようで、最後は7目半勝ちでした。下坂さんが団体で責められるのは初めて見たかもしれない(笑)いや、選手の皆さんはとても強かったです。今私があなたが尊敬する碁の打ち手は?と問われたら、「早稲田の選手です」と応えるでしょう。年下でも関係ありません。勿論他にも尊敬する碁の打ち手はいますが、こと結束力や努力という点において、早稲田の上はそういないと思います。精神論は嫌いだと公言して憚らない私ですが、彼らは決して「精神論で勝とう」とはしていません。彼らは実力を磨いて勝ちにかかっています。もっとも、「負けた反省は態度で示す」という伝統はあるようですがwwww。また、私の他にもOBやOGがたくさん見えていました。今日見えていた早稲田OBOGでチームを組んだら私は多分補欠でしょう(泣)。この辺も、早稲田の強さの秘密の一つ…かもしれません。え、私は関係ないですよ多分(爆砕)さて、11月2日にプレーオフだそうです。プレーオフの記事もお願いしますと書く人がたくさん出てくれば、書くかもしれません。ただ、全国大会の記事は書ける可能性が限りなく低いです。プレーオフが、2005年のプレーオフ以上の名勝負になるように、早稲田・慶応両チームの更なる奮起をも希望するものであります。