門外漢のねごとたわごとひとりごと

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  日本発祥のものだった…

  確か以前にこれを持っていたことがある。けれどどこかに失くしてしまって今は無い。失くしたあとで新たに買い足さなかったのは、おそらく使用頻度があまりなかったからだろう。インクや墨汁などとセットで使うつけペンの一種　“ガラスペン”　です。数日前にテレビドラマにそれが出てきて、ちょっと懐かしかった。しかしそのドラマを見るまで、その　“ガラスペン”　なんの疑いもなく、羽ペンなんかとイメージが似ていたので、てっきり西洋発祥のものだと思っていた。でもそれは大きな間違い、日本発祥のものだったのです。今から100年以上前20世紀初頭に、風鈴職人の佐々木定次郎という人によって考案されたという。ドラマに出てきた　“ガラスペン”　は工芸品のような趣で、ペン軸からペン先まで全てガラスで出来ていて、一体型になったペン軸には美しい色ガラスが使われ、さらにはひねりが加えられていた。その昔わたしが一時使っていた透明ガラスのものとは、見た目が全然違いました。金属のペン先のつけペンもよく使いましたが、使い方によっては紙との引っ掛かりが気になることがある。その点、ガラスペンの方が引っ掛かりが少なく、使い勝手が良かったようにも思います。ただ落としたりするとペン先が割れてしまって、使い物にならなくなる危険性も孕んではいる。むかしは事務用品として広く使われていたようですが、ボールペンの出現でその居場所がなくなって行ったというようなことだったようです。ともあれ日本発祥のものだった『ガラスペン』、もう一度見直して使ってみようかと思っている。暑中見舞いや年賀状の宛名書きなんかに良いかもしれません。

  2017.05.13

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  あまり一般的には使わない言葉…

  『既視感（デジャ・ブ）』という言葉はよく知られているところです。全く経験したことが無いはずなのに、どこかでそのことを体験したり知っていたり観た覚えがあるような気がしてならない、といった状況のことを指すことばです。この『既視感』の反語（反対語）はあるのか？　多分ある筈だと調べてみるとやはりありました。あまり使われない言葉ですが『未視感（ジャメ・ヴ）』という言葉がそれ。その『未視感』とは、『既視感』とはまったく正反対に、見慣れているはずの、あるいは日常的に体験しているはずのものをすべて、初めて見たり体験するかのように感じる現象のこと。この説明でもわかるように、『既視感』の方はミステリアスな趣があって、サスペンス物の小説や映画などでは時々そのことがテーマになっていることがあります。一方『未視感』の方はというと、これを体験するということはいささか心配すべき現象と思えてしまう。つまり　”知っているはずのものが分からなくなる”　わけですから、認知のことも心配しなければ・・・という気にさせられる。わたしも『既視感』を感じたことは少ないけれど一度か二度ほどありますが、『未視感』の方は幸いにして今のところ一度もありません。

  2017.04.23

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  大阪発祥の言葉らしい…

  小雨模様であったにもかかわらず、いつもと同じくらいの早朝の時間にランニングをしていると、昨日はコースになっている桂川に架かる橋を通過する車の数が多い。いつもの倍近い数である。「あ、そうか今日は『五十日』か」と合点した。『五十日』は　”ごじゅうにち”　ではない、”ごとおび”　と読む。したがって『五・十日』と記すのが分かりやすいと思われる。その五十日（ごとおび）とは、毎月5日・10日・15日・20日・25日と30日または月末日のこと。つまり、日の1の位が５か０の日のことである。ただ大の月（31日の月）では、30日とするケースと月末日の31日をその日にすることがあるようだ。そもそも『五十日』とはどういうことか？　我が国ではこれらの日に決済を行う企業が多いことに由来する。これを　”五十払い”　という。給与や賞与が日払いでない場合の支払日も、ほとんどの企業で五十日である。そのため金融機関の窓口が混みあったり企業の営業車により道路が渋滞したりするのだと。その慣習が残っているらしく、いまでも『五十日』に道路が混んだりすることでその名残が良く分かるのです。また証券市場でも『五十日』はアメリカドルなどの外貨買いの需要が高くなり、仲値が高めになる傾向があるのだそうです。商人の街大阪で生まれた言葉とされ、関西などでは『ごとび』と発音することが常となっている。

  2017.03.16

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  私も間違って使っていた…

  　“有効求人倍率が随分改善されてきた”　というようなことをニュースが伝えてくれていますが、それは派遣雇用も含めてということになっていますから、実際には正社員雇用がどれくらいなのかは明確にはわかりません。いずれにしても就職活動をされている方々には、頑張ってくださいというしかありません。そんな関連で思いついたことですが、どうも考えてみれば　“刈り”　ではおかしい、これは　“買い”　でないと理屈に合わないと思ってしまったのです。ほとんどの人が間違って使っているようです『青田刈り』、正しくは『青田買い』です。企業などが人材を採用する時に、優秀な人材を先に確保するために新入社員採用期間よりも早く、卒業見込みの学生や生徒の採用を内定することをいうのですが、『青田刈り』をこの意味で使うのは間違いということです。つまり　“青田”　とは、まだ稲が実っていない青々としている田のことです。『青田買い』は稲が実る前に収穫量を見積もり、お米を先買いすることをいうのです。そこから、まだ卒業前の学生を実る前の稲、学生の能力を見積もった収穫量にたとえ、優秀な人材確保のために早期内定することを『青田買い』というようになった。一方『青田刈り』は、稲が熟していないうちに刈り取ってしまうことになりますから、実質おコメを収穫することができない。したがって、採用早期内定の意味で『青田刈り』を使うのは、誤用ということになる。

  2017.03.09

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  誤用ではないとの説も…

  間違った使われ方をしている言葉の代表選手ともいうべきものに、『喧々諤々（けんけんがくがく）』と『汚名挽回（おめいばんかい）』というのがあります。『喧々諤々』は『喧々囂々（けんけんごうごう）』と『侃々諤々（かんかんがくがく）』が混同されて誤用になった例です。そして今回とり挙げる『汚名挽回』は、『汚名返上（おめいへんじょう）』と『名誉挽回（めいよばんかい）』が混同し、誤用とされてきた言葉です。しかしながらこの常識とも言える言葉の誤用に新説？　がありました。それは「挽回」という言葉には「元に戻す」という意味があるので、「汚名をかぶった状態を元に戻す」と解釈すれば誤用ということにはならないし、むしろ正しい解釈とも思えるという。つまり意味としては『汚名返上』と同じように使えるということです。　”『疲労回復』の使用例をイメージすると分かりやすい”　なんてことが書いてありました。しかし実際に以前には「汚名挽回」もあたりまえのように使われていたようで、誤用説が広まったのは1976年刊行の『死にかけた日本語』という書籍で、そのことが指摘された頃からのことで、現在では三省堂の国語辞典には、はっきりと「誤用ではない」と記されているようです。つまるところ　”悪い評判を拭い去る”　という意味では『汚名返上』を使い、”いったん失った名誉を取り戻す”　という意味では『汚名挽回』と使うのが正しい使い方ということなのかしら。

  2017.02.25

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  いつからこうなったの？　むかしから？…

  私たちは、というかすくなくとも私は　”さどう”　と教わったし、そう発音してきた。「茶道」のことです。ところが最近なのか、いつからなのかははっきりとはしないのですが、テレビ放送なんかでよく耳にするのが　”ちゃどう”　と発音しているのが気になりました。個人的には　”さどう”　でも　”ちゃどう”　でもどちらでもいいのですが、やはり自分がずーっと使ってきた　”さどう”　がいつの間にやら違う読み方　”ちゃどう”　と発音するようになってしまっているのには「？」印がつきました。たしかに「茶」の字を「さ」と読むのは、そんなに多くはないようです。例えば「喫茶店（きっさてん）」や「茶頭（さどう）」や「茶堂（さどう）」や「茶話会（さわかい）」くらいしか思い浮かびません。それに比べ、「ちゃ」との読みは「茶の湯」「茶菓子」「茶室」「茶道具」「茶器」「茶碗」「茶釜」「茶色」や、「抹茶」「煎茶」「麦茶」などお茶の種類に関してはすべて「ちゃ」と読みますから、このようにもうたくさんあります。したがって「茶道」を「ちゃどう」と読んでも、それが道理なのかもしれない。またむかしは「ちゃどう」だったという話を聞いたことがあるし、今でも裏千家では「ちゃどう」というらしい。そういえば前家元の千玄室さんが、そのように発言されていたのを聞いたことがある。ということは「さどう」との発音や読みが、むしろ本来ではなく例外的だったのかもしれない。茶の湯の道のことを「茶道（さどう）」というのは江戸時代まではまれで、また茶の湯を司るかしら「茶頭（さどう）」との混同を避けるために「ちゃどう」というのが本来のかたちであったらしいです。

  2017.02.10

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  どちらでもOK、とは言ってもやはり…

  意味はこうであるーーー【施行（しこう）】＝政策・計画などを実行すること。実施。法令の効力を発生させること。【施工（せこう）】＝工事を実施すること。この二つの熟語の読みと意味、私はこのように学んできた。ところが近年ニュースなどの映像を見ていると、施行を　”せこう”　と読んだり施工を　”しこう”　と読んだりして、読みが入り乱れている。社会的に高い地位にある方でも、そのように使っていることが気になる。そこでどうなんだろう？　と調べてみると、　“「施行」と「施工」は「しこう・せこう」のどちらの読み方をしても間違いではありません”　ということになっているようです今は。よってどちらの読みでも間違いではないということなんだけど、なにか釈然としない。「どちらの読みを使ってもいいのですよ」とはいうのだが、漢字については用途に合わせて使い分けないといけないと思うのだが、私がこだわり過ぎなのか？

  2017.02.04

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  敬語はもちろんのこと謙遜まで遣える…

  この日曜日に稀勢の里の初優勝で2017年初場所が終わりました。それはそれでめでたいこと、おめでとうございます。ところで現在の幕の内番付表を眺めると、外人力士のなんと多いことか。もちろんそんなことに文句を言うつもりもないし、その国際色豊かなことはむしろ喜ばしいことだとも思っている。ここ　“ねごとブログ”　で言いたいのは、それら外人力士達のインタビューを聴いていて、”なんと日本語の上手いことか！”　ということ。下手な日本人より上手い人がいると思えるくらいです。目上に対する敬語から謙遜するということまで、しっかりと使い分けている。さすがに謙譲語や丁寧語までとは言わないまでも、日本語会話の上手な外国出身のお相撲さんがたくさんいるのです。もちろん相撲界というのは、儀礼とかけじめ、規律とか慣習に厳しい世界ですから、そのようなことにはいち早くなじまなければならないという必然があるのでしょう。それに比して外国から来た助っ人のプロ野球選手には、日本語の上手な人は稀です。何故外人のお相撲さんはみな日本語がうまいのか？　という一文がありました。　それはこうです…　早稲田大学大学院の日本語教育の先生宮崎里司教授が、”プロ野球の外国人選手は全然日本語が上達しないのに、大相撲の外国人力士は日本語がどんどんうまくなるのはなぜか”　と疑問を持ったのだそうです。そして彼は力士の生活に密着取材をしたのだという。外国人力士のほとんどは、日本語がまったくできないまま相撲部屋に入る。来日した時は当然のことアマチュア。相撲部屋の団体生活で、朝から晩まで日本語の環境にどっぷりとつかり、日本語を使うことを求められる。ところがプロ野球の助っ人外国人選手には、住まいはもちろん通訳も付けてもらえるから、言葉に不便を感じることがあまりない。したがって長い間日本にいても日本語がなかなか上手くならない、と結んでいた。つまり、”学ぼうとする言語にどれだけたくさん触れるかが大切”　そして　”使う必要があるから上手くなるし使う必要がないと上手くならない”　ということです。外国語さっぱりのわたしなんかが英語を話せるようになるには、一人で英語圏の外国暮らしをするのが一番の解決方法なのだろう。

  2017.01.24

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  似た言葉だけれどみな違う…

  『ユーモア』と『ウィット』と『エスプリ』そして『ジョーク』、みな似ているようだけどニュアンスが全部違う。『ユーモア』は、人を和ませるような　“おかしみ”　のこと。かつて日本語ではこうした表現を　“諧謔（かいぎゃく）”　と呼んでいた。日本語では「有情 滑稽」と訳されることがある。『ウィット』は、英語で　“機知”　とか　“機転”　などを意味する言葉。「機智に富んでいる」とか「機転が利く」と言う様に使われる。『エスプリ』というのはフランス語で、“精神”　“知性”　“才気”　などの意のほかに、“霊魂”　などの 意味もある。つまり　“心のはたらき”　のこと。そしてみなさんご存知『ジョーク』は、“悪ふざけ”　や　“冗談”　や　“ダジャレ”　などと解して使われることがほとんどですが、本質は　“聞き手や読み手を笑わせたり、ユーモアを感じさせる小話や短い文やそのしゃべり言葉の事とされている。「日本人の話には冗談は言うけどユーモアがない」ということが通例となっていたようですが、そんなことは全くないと思いたい。聴いていてクスリと頬を緩ませてくれたり、なるほどと笑わせてくれる話術の持主はいっぱいいるし、古典落語の世界ではそんなものはいくつも出てくる。むしろ日本ではユーモアは豊かなのではないだろうか。

  2017.01.23

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  同じ表示でも読み方で意味が違う…

  日本の天気予報は優秀な気象衛星のおかげで、ずいぶん正確になっている。それでも時には外れることももちろんある。例えば　“今日は午前午後ともに降水確率は０パーセントです”　という予報だったのに、午後に少し雨に降られるということもある。そんな時、「今日の天気予報は外れたね」なんていうことがありますが、それは決して外れていたわけではないのです。天気予報が言うところの　“０パーセント”　というのは「 “ゼロ”　パーセントではなく　“レイ”　パーセントなのです」。つまりゼロとレイは違うのです。「ゼロ」というのは　“全く何もない”　という意味で、「レイ」の意味は　“極めて小さい、わずかな”　という意味があるということのようです。天気予報では降水確率5パーセント未満を０パーセントと表示しますので、もしも降水確率０パーセントで雨が降っても、天気予報が外れたということにはならないのだそうです。したがって気象予報士の方々は、降水確率は０パーセントの場合には必ず「降水確率は　“レイ”　パーセントです」と言っているはずです。何かを読んでいて、そんな話に出合いました。

  2016.12.19

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  意味は十分通じるのだが…

  しゃべり言葉で使われるのが多いのですが、文章の中でも使われることもある言葉でちょっと気になっていることがあります。「・・・との説明でしたが、私にとっては『目からウロコ』でした」とか「あの人の発言と行動には『怒り心頭』です」とか、このように遣われているのに出くわすことが多い。このように遣われる『目からウロコ』や『怒り心頭』と使われる言葉、これでは本来のかたちを正確に遣っているとは言えず、完結していない。正しくは『目からウロコが落ちる（落ちたようだ）』と『怒り心頭に発する』という言葉であって、それを略して使っていることになる。それでも意味は十分伝わるからいいようなものだけど、やはり正しく正確に使ってほしいもの。略した言葉が蔓延すると、それが正しいということになって広辞苑にも載ってしまうことにもなりかねないと危惧しているところです。ちなみに『目からウロコが落ちる（落ちたようだ）』という言葉は、日本や中国の言葉ではなくキリスト教関連の言葉だということですよ。ご存知でしたか？『怒り心頭に発する』の　”心頭”　とは、”心と頭”　というわけではなく　“心の中”　という意味で、怒りが心からこみあげるというようなニュアンスです。つまり怒りが心に発して、ついには頭にくる（達する）ということが念頭にあって、『怒り心頭に達する』という誤用にも繋がっているのかもしれません。

  2016.11.02

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  若い人があまり使わなくなっている…

  関西弁だと思います。でも最近はこの言葉あまり聞いた覚えがありません。死語になっているとも思いませんが、若い人があまり遣わなくなってきているのでしょう。『いちびる』という言葉です。この言葉、ごく最近になにかで出合ってちょっと懐かしかった。私の世代前後の若い頃は、この言葉しょっちゅう使っていたような気がします。この『いちびる』という言葉の意味は、“調子に乗る”　とか　“ふざける”　とか　“おちょける”　のようなことです。その他にも、“つけあがる”　とか　“図に乗る”　という意味で使うこともあります。この言葉の使用法としては、無意味に調子に乗っている人や悪気無くふざけている人に対し「なにいちびってんねん！　ええかげんにせえよ」と、もう100％関西弁で軽く言って使うのです。『いちびる』は動詞ですが、『いちびり』は　“お調子者”　ということになりますから名詞ということです。ちなみに語源は？　と探ってみると、『市振る（いちぶる）』というのがありました。　この言葉は中央市場などで、魚問屋の競り市の騒がしい様子を表す言葉だったようで、それが変化して、前述のような用法になったということです。この言葉がぴったりとあてはまって、思わず使いたくなることがありますが、もし使っても言われた方がその言葉を知らないということも考えられます。言った言葉の説明をしなければならなくなるような面倒臭いことにはなりたくありませんので、わたしも使うことが自ずと無くなっています。

  2016.10.16

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  ん！　わたしだけが知らない言葉なの？…

  　“佐賀の自動車教習所で「痛車」を導入　絶賛の声多数”　なんて見出しを見つけた。何のことか意味がよく飲み込めないでいた。そもそもこの文字をなんと読むのかそれから分からない。「つうしゃ」ってなに？　教習所のニュースですから自動車のことを言っているのだろうことだけはわかるのだけれど、どんな車のことなんだろう？　記事を読むと、近年の少子化と若者の車離れが顕著になってきていることに、危機感を抱いた佐賀県の自動車教習所が教習車の一部にこの「痛車」を取り入れて、若者の教習生取り込みを計ろうとした、ということのようです。ということは「痛車」とは、若者の好みそうなものということになる。現実にその記事ではユーザーの声も載せられていて、”「痛車」だったら乗ってもいいかな”　とか　”それがあるなら教習所行こうかと思う”　”佐賀に住んでたら行ってる”　という様であった。でもその記事を読んだだけでは「痛車」がどういうものなのか書いてないので分からない。ということはこれは常識で、私だけが知らない言葉なのか？　わたしはもともと車にはあまり縁がある人ではなかったので、この言葉に接することがなかったのかもしれない。といろいろ不安になって来たので調べてみた。「痛車」は「つうしゃ」ではなくて「いたしゃ」と読むらしいことが分かった。「いたしゃ」。耳から入ってくるとアメ車に対するイタ車でイタリアの車のことかと思うが、漢字で痛い車と書きますから、もう何のことやらわかりませんでした。そしてそれは車体全体に、人気アニメなどのキャラクターが大きく印刷されている、一見どう見てもド派手な乗用車のことだと分かりました。いまの若者たちはこのようなものを好むのであろうか？　ちょっと　”おたく”　っぽいものを感じてしまったのですが、現実はそんなものではないのかもしれません。ただ私は街中で、これが走っているのを見たことはありません。

  2016.10.11

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  これはまだしばらく出来そうもない…

  いつの頃から言われ出したのだろうかこの言葉、『断捨離（だんしゃり）』。頻繁に聞く言葉ではないけれど、ときどき耳にしたり眼にしたりすることがある。意味は大体知っているけれど、自分が使うことはなかったので例によって調べることに。やましたひでこさんという方が著書で発表された言葉で、不要なものを減らし調和のとれた生活を奨励するために生み出された言葉だということのよう。この『断捨離（だんしゃり）』という力の強いというか個性の強い字面の言葉は、『ヨガの行法』である『断行（だんぎょう）』と『捨行（しゃぎょう）』そして『離行（りぎょう）』からのもの。『断行』＝入って来るいらない物を断つこと　　『捨行』＝うちにあるいらない物を捨てること　　『離行』＝物への執着から離れることつまり、不要なものを断ち捨てることで、物への執着から離れ、自身が担いでいる重荷から解放を計る。そして身軽になって、快適な生活と人生を手に入れることが目的、ということです。欲望を断ち執着から離脱するための行法哲学だとも言っている。手持ちの物が過剰であれば引き算の解決法があるよ、という提案だと受け取ることができる。しかしながら一方で、物が過剰かもしれないが捨てるのは　”もったいない！”　との考えも首をもたげてくる。でも現実のわたしはいまだもってその心境には至れないでいる。『断行』と『捨行』については実行可能かもしれないが、『離行』に関してはまだまだ私は俗人であることを思い知る。息子家族との同居をするとのことで、新居移転を機にこれを断行した友人がいる。そんな思い切りも必要な年齢になったということか・・。わたしにはまだまだもっと先のことか？

  2016.10.01

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  訓読みを作ったお蔭で言葉が圧倒的に…

  海外ニュースを読んでいたらこんなのがあった。中国のあるメディアが少し前のこと、“日本には平仮名やカタカナがあるのに、なぜ韓国人のように漢字を廃止しようとしなかったのか”　との疑問を投げかけていた。記事は続けて、日本にもかつては漢字廃止論者がいるにはいたのですが、一方で『漢字の廃止は文字の廃止にとどまらず、漢字にかかわる文化を捨て去ることにつながる』との見方があったことを伝えていた。偏った愛国心だけで漢字を捨て去ることは大きな損失だと指摘し、『一度漢字を廃止した韓国は後悔してもすでに手遅れである』と論じた。漢字は中国で生まれたもの、それを日本人は取り込んで今や日本独自の文化といえるほど昇華してきている。その端的な表れが『訓読みの発明』ともう一つ、『国字を造り出した』独自の漢字があるということでもわかる。日本語に訓読みがあるということは、日本語に言葉とニュアンスの深みと豊かさをもたらしている。日本語には平仮名と片仮名と漢字（それも音読みと訓読み）があって、時にはアルファベットも多用されることがある。そして日本語の場合、縦書きでも横書きでも自由自在に書き別けて表記することも容易い。つまり中国で生まれた漢字という文化が伝播されて以後、長い年月をかけて独自の進化をみせており、われわれの生活に深く浸透しているのです。漢字文化圏だった韓国はとうに漢字を捨てているし、漢字を生み出した中国本体も漢字の簡略化をどんどん進めていて、表意文字である漢字の情緒が残念ながら失われつつある。このように良いものと見極めれば、他国生まれのものであろうとそれを取り込み、工夫を加えて自分のものにする、そんな業を持ち合わせている民族なのだと・・・。日本人は決して漢字を捨て去ることはないし、それは不可能なのだとその記事は論じていた。

  2016.09.30

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  日本語の豊かなところ…

  国字といわれる和製漢字・和字・倭字とも表現される漢字がたくさんあることはご存じだろう。例えば　“畑・畠・榊・辻・峠・凪・凧・椿や魚偏の文字などはほとんど”　が国字で、その他書き出せばきりがないほどあるのです。そしてその国字のほとんどが訓読みしかなく、音読みも持っている国字はごくわずかです。そんな音読みも持っている国字に『働（はたらく・どう）』という文字があります。つまりこの文字は中国には無かったのです。のちに逆輸入されて、今日の中国では簡略文字として使われているやに聞いておりますが・・・。金田一春彦先生の著書を読んでいて、こんなことに出合いました。この『働』という文字の意味は当然　“働く”　ということですが、それは自分のために何かをするということではなく、ほかの人の利益になること（例えば、家事をするとかお金を稼いでくるとか）をすることなのです。では中国では　“働く”　ということをどのような文字を使っているかというと、“勤・労・務”　などの文字を使っていたのです。でもこの　“勤・労・務”　だとどの文字もなんだか、常に義務感が付いてまわるような意味を含んでいるようです。それに比べて　“働く”　は、自主的に動いて楽しさのようなイメージを持っているように思える。また　“働く”　を英語にすると　“work”　となりますが、これで本当に　“働く”　を訳せているかというと言い得ていないとも感じる。こんなのもある、英語だと「机に向かって勉強をする」ことも　“work”　を使いますが、日本ではそれを　“働く”　とは言いません。例として「うちの娘は勉強ばかりして、少しも働かない」という言い回しなんかは、あちこちで使われているだろうと思われますが、これなんかを英訳するとどうなるんでしょうね。

  2016.03.28

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  むしろ喜んで付けている…

  最近はそれほどでもなくなってきているかもしれませんが、ひと昔前までの日本では、アパートの部屋番号や駐車場の区割り番号などに、“４”　や　“９”　の付く番号が無く、３の次が５になって８の次が１０になっていたのです。もちろんその名残が今も歴然と残っているのは皆様ご存じのところです。この4と9を抜いているというのは、“４は死”　を連想するし　“９は苦”　を連想するから忌み嫌われて、外すことが習わしとなってきていたのです。こんなことをやっているのは先進国の中では日本だけのようです。これは　“験かつぎ”　のようなもので、『言霊（ことだま）』とか『忌み言葉』とかいうものと同じ感覚のものだと思います。近年はこういうことにこだわる人は少なくなってきてはおりますが、例えばプロ野球選手の背番号なんかを見ますと、一概には言えませんが、“４”　の付く背番号を背負っている選手は、アメリカから来た助っ人選手に多いように感じます。背番号　“42番”　や　“44番”　“49番”　好んで選んだ日本人選手はいたのでしょうか？　調べていないのでちょっと定かではありません。ただ、背番号「42」はメジャーリーグの全球団で永久欠番となっていて、アメリカでは付けることができない超特別な番号だということになっている。したがって、日本のプロ野球でプレーするようになった助っ人選手は、「42」を選ぶことが少なくないらしく、嫌がるどころか喜んでその番号を選ぶのだ、という話も一方ではある。因みにメジャーリーグで　“42番”　が永久欠番になっているのは、黒人初の近代メジャーリーガー　“ジャッキー・ロビンソン”　が付けていた番号だったからだそうです。そして　“49番”　の方は、アメリカではラッキーナンバーとされていて、これは1849年のゴールドラッシュが由来だそうで、これも選手たちは喜んで付けているのだということです。 確かアメリカンフットボールのチームで　“49（フォーティーナイナーズ）”　をチーム名に掲げているのがありました。　 日本のプロ野球もそろそろ開幕します。開幕前にいろいろ報道されていますが・・・。

  2016.03.20

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  好きではない　“もの言い”　がある…

  ネットニュースの見出しに多いのですが、そのほかのメディアでも、はたまたしゃべり言葉にまで蔓延しだしてきている、私は好きではない　“もの言い”　があります。　　　「○○○○すぎる△△△」など、この　“すぎる”　という言い方のこと。例えば「美くしすぎる国会議員の・・・」とこのような使われ方をしているのです。この場合の　“すぎる”　というのは、どういうことなんだろうか。　“国会議員の割には美しい”　とあり得ないことだ言いたいのか、あるいは　“国会議員のくせに何でそんなに綺麗なんだ”　というやっかみの感覚なのか？この　“すぎる”　というのは、“行為や状態などが度をこえている”　とか、“甚だしく・・・である”　という意味でつかわれているはずです。だから「○○○○すぎる△△△」という言い方は、別に言葉使いとしては間違っているわけではありませんが、安易に乱発させているのが何とも納得できないでいる。客観的にみて本当に　“すぎて”　いるのなら問題はないと思えるのですが、それがどう見ても決して　“過ぎていなかった”　りするものですから、なにをかいわんやである。もう何でもかんでも「○○○○すぎる」といって見せる。これには何とも同意できないでいる。言葉の乱れとか言葉の破壊というのは、こういうことから始まっているのかもしれない。ちょっと心配していることの一つです。

  2016.03.03

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  こんな小ネタが書かれていた…

  亀田製菓の『柿の種』の小袋をかじりながら日本酒を飲むことがよくある。その内容量が多過ぎず少な過ぎない手ごろな量で、ちょうど重宝しているのです。その『柿の種』小袋包装の裏など滅多に見ないのですが、たまたま何気なく見てみると、商品名と掛けているのだろう『こばなしのたね』という　“シリーズ一口知識”　のような言葉解説でした。私がその晩に食べた『柿の種』小袋の裏に見たのは、＜その７＞が印刷されていました。書かれていた内容は、私たちがに日常的に使っている道路の種類である『十字路』や『Ｔ字路』などの呼び名がありますが、その『Ｔ字路』の方についてのことでした。私たちのほとんどの人はアルファベットの『Ｔ字路（てぃーじろ）』と使っているはずですが、本当はそうではなく漢字の『丁字路（ていじろ）』というのが本来だったという説明でした。もともとは『Ｔ字路』というアルファベットと漢字でできた合成語ではなく、『丁字路』というれっきとした三文字熟語だったというのです。なるほどそういうことだったのか！　と合点も得心もした次第です。この歳になるまで『Ｔ字路』という言葉に疑いを持ったことなどあるはずもなく、まったく知らなかったことでした。いやはや思いもかけず、『柿の種』の包装紙から言葉と文字を学ぶことができて、ちょっと得をした気分でこのブログを書いています。でも『Ｔ字路』が間違いだというわけではなく、どちらもOKだということです。

  2016.02.29

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  屁理屈を言うようだけれど…

  コンスタントに高視聴率を維持して人気のNHK朝の連ドラ『あさが来た』、そのヒロインのモデルとなった女性実業家　“広岡浅子”　さん。三井家に生まれて大阪の豪商「加島家」に嫁ぎ、両替商を銀行に発展させる一方で炭鉱経営を手掛け、のちに「大同生命保険」を創業させることに。そして日本初の女子大学「日本女子大学」の創立に尽力することになる（ドラマはまだそこまでは来ていないが）のです。彼女は幕末から明治、大正と激動の時代を生きた　“女傑”　と評されることも多く、座右の銘とされているのは有名な　“九転十起（きゅうてんじゅっき）”　という造語で、ドラマの中でもたびたびその言葉は出てくる。　　　今日はドラマの話ではなく、この　“九転十起”　という言葉。もちろん　“七転び八起き”　のさらに上を行く努力をするのだとの心構えを言ったものであろう。それはそれでいいのですが、このもとになった　“七転び八起き”　という言葉、ちょっと考えてみるとおかしくはないでしょうか？何も考えずに鵜呑みでこの言葉を、今まで何百回、何千回と使ってきているのですが、ここで　“はたっ”　と我に返ることになったのです。というのは、七回転んでも最終的には　“すっく”　と起き上がるのですが、七回転べば起き上がるのも七回で良いのではないでしょうか？　　“七転び七起き”　でどうなのでしょう？　そんな屁理屈のようなことが気になりました。もちろんこんなことに難癖をつけるつもりは毛頭ありませんし、そんなことは大人げないとも思っています。ただ　“七転び七起き”　では、何となく語呂も悪いし、何よりも不屈の信念で何度も立ち上がったという力強さのようなものが伝わってこない。やはりここは重箱の隅をつつくような屁理屈はそっちのけで、“七転び八起き”　という言葉が絶対にへこたれないという気持ちに満ちていて、断然ふさわしいのです。ましてや　“九転十起”　とは！それにしてもあの時代に、女性実業家　“広岡浅子”　さんのような凄い女性が大阪に居られたのですね。ドラマになるまで存じ上げませんでした。

  2016.02.17

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  初対面の文字でした…

  『ひこばえ』という言葉は何となく知っていたが、文字の方はまったく知らなかった。　　　こんな字を書くのです。　　　文字を見ても全く見たこともない文字。初対面の文字でした。なにかの文中にこの字が出てきても、絶対に読めなかっただろうと思う。『ひこばえ』というのは「孫（ひこ） 生え」の意で、切り株や木の根元から出る若芽のこと。余蘖（よげつ）とも言うらしい。太い幹に対して、孫（ひこ）に見立てて「ひこばえ（孫生え）」という。山歩きなどをしているとよく見かけるものです。春から夏にかけて多く見られることが多いのですが、俳句では春の季語とされるらしい。また森林伐採の後に、切り株からの蘖（ひこばえ）によって新たな森林ができるようにすることを萌芽更新といい、かつての里山はこれによって維持されてきたのです。幹を伐採しなくても、環境悪化などによって主幹が弱ってしまった場合などには、蘖（ひこばえ）がたくさんでることがあるのです。先日我が家の育ちすぎたユーカリの木を幹からばっさりと伐採したのですが、その切り口の横あたりからこの　“ひこばえ”　が出てきているのです。さてこのユーカリの木の蘖（ひこばえ）は、今後何年も掛けてどのような姿に育ってゆくのか。

  2016.02.09

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  ぼかして言うことが多いよう…

  手持ちのレコードで落語を聴いていると、その　“まくら”　部分で使われる言い回しの一つ、知り合いが道でばったり出会うシーンで交わされる言葉にこんなのがある。（Aさん）「久しぶりですなぁ、どちらへお出かけ？」と聞くと、訊かれた（Bさん）が「へーっ、ちょっとそこまで」と応える。すると（Aさん）「そうでっか、そらぁよろし～」というだけのやり取りです。この会話、どうでもいいような話です。聞いた方も聞いた方やけれどそれに答えた方も答えた方で、結局何にもわからないし、それで「そらぁよろし～」というのも何が良いのやら・・・。そんな愛想だけの会話ですが、それでも人と人の繋がりはしっかりと確保できている。それが「○○○の用事で△△△△まで●●●を買いに行くんです」とはっきり答えることはあまりというか、決してありません。これが欧米をはじめとする外国だと、こういうことはないのだと聞いたことがある。外国だと聞かれた方はきちんと行き先と目的を伝えるか、あるいは「そんなことあなたに答える必要はありません」とか「どこへ行こうとわたしの勝手でしょ」いうようなことになるのだろう。ところが日本ではそうはならない。日本人の会話というものは、このような極端な例は別としてもはっきりと応えることは少なくて、ほかにも案外ぼやかして曖昧にして言うことが多いようです。例えば街で友人とばったり出会ってのこと、「時間があればちょっとコーヒーでも飲まないか」と誘うことがある。すると相手は、コーヒーはいやだけれどジュースなら飲みたいという選択肢もあるので、「ああいいですね、行きましょう」となる。これは問いかけに「コーヒーでも」の　“でも”　が付いているからスムーズにいく。この　“でも”　というぼやかしの言葉が無ければ、「時間があればコーヒーを飲まないか」となるとどうだろう。このお誘いで飲み物はコーヒーに限定されているような気がするのではないか。わたしもこのブログでよく使うのが　“～なのだそうだ”　というくだり、これもはっきりと断定はしない曖昧なもの言いにしてしまっているのである。また「空腹に不味いものは無い」と日本語では否定的にいうことが多いけれど、英語だと「空腹は最大のごちそうだ」と肯定的に表現するようだ。と、ここでも私は　“ようだ”　という自分で責任を取らない曖昧言葉を使ってしまっている。そういえば私のこのブログタイトル『門外漢のねごとたわごとひとりごと』というのも、＜専門家ではないわたしの、それも所詮が寝言ですよ、戯言ですよ、ましてや独り言ですから、あまり本気に受け取らないでくださいね！＞　とぼかしまくっているのです。

  2016.01.25

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  仏教からきている言葉…

  「人が生きて行く世界は自分の思い通りにならないことばかりである」という真理を説いたのはお釈迦様で、これを『四苦八苦』という言葉で表した。つまり『苦』とは、単に苦しいということではなくて「思い通りにならない」という意味です。若い頃はともかくも、この年になってようやく少なくなってきたとはいうものの、いまだに何かにつけてこの『四苦八苦』はついてまわります。そもそも『四苦八苦』とは、仏教における苦の分類のことですから、その『苦』の種類は　“四”　プラス　“八”　で十二種類あるものだと思い込んでいました。ところが調べてみると『四苦八苦』は、『生苦』『老苦』『病苦』『死苦』の四つを　“四苦”　として、その四つのどうにも思いの通りにならないことに加えて、『愛別離苦（あいべつりく）』――愛する者と別離すること、『怨憎会苦（おんぞうえく）』――怨み憎んでいる者に会うこと、『求不得苦（ぐふとくく）』――求める物が得られないこと、『五蘊盛苦（ごうんじょうく）』――五蘊（人間の肉体と精神）が思うがままにならないこと、この四つをあわせて　“八苦”　と呼んで『四苦八苦』ということになる、とあった。『四苦八苦』というのは、　“四苦”　と　“八苦”　で　“十二苦”　とはならないのです。この『四苦八苦』の教えを聞くと、人間は誰しもどんな時代でもどんな場所でも、大なり小なり同じことに思い悩んでいることがよく分かる。私たちが思い通りにならないこと、その原因が分からないから文字通り　“苦しむ”　のです。その思い通りにならないことから目を背けている間は、心からの平安や満足はないと説いていた。いくつになっても、その思い通りにならない『苦』から逃れることができないということです。まだまだそれを受け入れるほど達観しているわけもないのです。

  2015.12.21

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  　“三”　だったのに　“八”　に変わった…

  周りをよ～く見ればそれに近い人、一人くらいは居るかもしれません。それは学校でも、会社でも、ご近所の町内会でも、はたまた飲み会でも。『八面六臂（はちめんろっぴ）』の活躍をする人のことです。あれも出来てこれもできるし、なんでも次々とこなして素晴らしく活躍する人のこと。『八面六臂』の意味は、多方面でめざましい働きをすることで、一人で何人分もの活躍をすることとなっていて、もともとは仏像などで、八つの顔と六本の腕を持っていることとされる。例えば、ちょっと違うかもしれませんがルネサンス時代のレオナルド・ダ・ヴィンチなんかが、この　“『八面六臂』の活躍をした人”　ということになるかもしれません。レオナルドとまでは言わないまでも、そんな活躍をしている人、案外身近にいるのでは？ところでこの『八面六臂』という言葉、八つの顔と六本の腕をもっている仏像のことと書きましたが、実はそんな仏像はありません。　　　『八面六臂』の元は『三面六臂』だったのです。三つの顔と六つの腕。　　　これだと興福寺にある国宝の阿修羅像がおもいあたります。ではなぜ『三面六臂』が実在しない『八面六臂』に代わってしまったのか？　『八面』というのは360度あらゆる方面という意味で、『三面』というよりも大きな広がりがあって、より壮大なイメージを作り上げたのだと思われます。ただ意味は同じで『三面六臂』という元の言葉も残っていますが、実際に使われているのは『八面六臂』が圧倒的に多いということです。

  2015.11.15

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  言い訳しない潔さが好きなのか…

  まことに古い古いお話で恐縮です。最近は全くお目にかかりませんが昔はこの話、何度も何度も演劇になったりドラマ化されたり映画になったりしていました。明治時代に創られた尾崎紅葉の小説『金色夜叉』。ご存じ　“寛一お宮の物語”　です。　　　この物語の中で一番有名なシーンが熱海の海岸の場面です。将来を約束した恋人同士の寛一とお宮、そこへ富山というお宮の美貌に惚れ込んだ金持ち男が現れて、お宮の両親に結婚させろと言ってきた・・・・・といろいろあって結局その富山と結婚することになる。それに激怒した寛一が、お宮を呼び出したのが熱海の海岸ということになっている。そして寛一はお宮に罵詈雑言を浴びせて罵り、なお酷いことに足蹴にまでするのです。そこでお宮さんが言う言葉は二つだけ、「ひどいわ」と「あんまりだわ」たったこの二つだけ。つまり言い訳はひと言もしないのです。内心では「私だって寛一さんのお嫁さんになる日を楽しみにしていたけれど、わたしには大恩ある両親がいる。この両親の気持ちに私は従わざるを得なかったのです」なんて言いたかったのではないでしょうか。でもお宮さんそれを言わないのです。「ひどいわ」と「あんまりだわ」とだけしか言わずに、恋人に去られてしまうのです。言い訳するのを潔しとしない、そんなお宮さんが日本人は好きだったのかもしれません。今の若い人たちだったら、こんな理不尽なこと考えられないことですね。ある本を読んでいたら、こんな話が出てきましたのでちょっとネタにいたしました。因みに、112年前の一昨日1903年10月30日に尾崎紅葉は35歳で亡くなっています。『金色夜叉』は何冊も続編が出ていて、最新作を執筆中だったため未完のままとなっているのです。

  2015.11.01

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  外国語で可能なのか？…

  　“世界で最も短い文学”　と言われている　“俳句”　ですが、海外でもブームになって久しい。無論　“俳句”　というのは、基本的には「五・七・五」のたったの十七文字で完結させるものです。そこで以前から不思議に思っていることがあります。この基本となる「五・七・五」を外国語では、果たして可能なのでしょうか？　調べてみました。すると出てきました・・・＜＜英語で　“haiku”　を作る際の注意点！＞＞日本語の俳句は英語でも　“haiku”　です。日本語で俳句を作るときには「季語を入れること」「五・七・五」といったルールがあります。英語で俳句を作る場合にもルールはあります。では、どのようなルールがあるのでしょうか。以下―――◎簡潔性を追求する◎できるだけ季節感を大切にする◎できるだけ5-7-5音節で書く◎「切れ」を入れる◎考えや思想や概念よりも、物を提示する詩にすること◎説明文や散文にならないように気を付けるまた、日本語で作る場合とは以下のような違いがあるとのことです。◎季節感あるいは季感は日本語と外国語では異なるので、季節の感じが出ていれば良い◎1行書きの日本語俳句と異なり、3行書きにするのが普通◎5-7-5音節だと盛り込む内容が多くなり過ぎるので、必ずしもこれにこだわる必要はなく、2-3-2音節くらいで良いとされている◎切れ（字）はダッシュやコロンなどで表す以上のような条件のもとで創作するのだそうです。　　　　こんなのがありました。　　　　＜＜Old pond / Frogs jumped in / Sound of water.＞＞　　　「うーむ、なんだかな～」・・・。

  2015.10.15

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  このように豊かに言葉がある…

  日本語は単語がすごく多い言葉だといいます。例えば『雨の種類』一つとってみても、辞書を引くともううんざりするほど出てくる。　　　そのどの種類の雨にもはっきりと、意味と文字と読み方が与えられている。そのほんの一部を書き出してみると・・・梅雨（つゆ、ばいう）梅の実が熟すころに降るので「梅雨」と書く。「黴雨」と書くこともある。俄雨（にわかあめ）突然に降ってきて、すぐに止んでしまう雨。夕立（ゆうだち）夏の夕方に激しく降る雨のこと。白雨（はくう）ともいう。地雨（じあめ）しとしとと何時間にもわたって降り続く雨。五月雨（さみだれ）旧暦の5月に降る地雨、梅雨のこと。「五月に水が垂れる」という意味。豪雨（ごうう）激しく大量に降る雨のこ。と春雨（はるさめ）春にしとしとと降る地雨のこと。春霖（しゅんりん）。秋雨（あきさめ）9月初旬から10月初旬にかけて降る細い地雨のこと。秋霖（しゅうりん）。菜種梅雨（なたねづゆ）3月から4月ごろに降る雨のこと。時雨（しぐれ）秋の終わりから冬の初めに降る冷たい俄雨のこと。氷雨（ひさめ）夏の初めに降る雹（ひょう）のこと。驟雨（しゅうう）ざあざあと激しく短時間に降る雨。村雨（むらさめ）群雨・叢雨とも書く。群になって降る雨。玉が散っているような雨のことです。まだまだある。霖雨（りんう）降ったり止んだりが何日にもわたって続く雨。凍雨（とうう）雨滴が凍ったまま降ってくる雨。長くは続かず、やがて雨か雪になってしまう。霧雨（きりさめ）霧のように細かい雨。糠雨（ぬかあめ）とも。篠突く雨（しのつくあめ）激しく降る雨のこと。雨の激しさを、篠を突きおろす状態にたとえた。肘笠雨（ひじがさあめ）俄雨のこと。笠のかわりに肘をかざして袖を笠のかわりしたことから。翠雨（すいう）青葉に降りかかる雨の事です。緑雨（りょくう）新緑の頃に降る雨の事です。麦雨（ばくう）麦の熟する頃に降る雨の事です。甘雨（かんう）草木を潤う雨の事です。瑞雨（ずいう）穀物の成長を助ける雨の事です。卯の花腐し（うのはなくたし）旧暦の4月から5月の卯の花が咲く頃にしとしとと降る地雨。秋霖（しゅうりん）秋の長雨のこと。　　　とまあこのように次々と間断なく出てくるのです。方言などを入れるともっともっと出てくると思いますが、きりがないのでこれくらいでおきます。話変わってノーベル文学賞の発表がありました。今年も日本の　“あの人”　は選ばれなかったようですが、そんなことには関係なく、その賞をもらった日本人文豪　川端康成氏の代表作の一つに『雪国』というのがあります。この『雪国』という作品は外国語にも翻訳されて、多くの国に紹介されている。例えばこのタイトルの『雪国』を英語に訳すると、『Snow Country』となるのです。英語では、『Snow』という言葉と『Country』という二つの言葉を繋いで表現するしかないのです。『Snow Country』では、日本語でいうところの『雪国』というニュアンスは伝わっていないのではないでしょうか。ちょっと　“味もそっけもない”　というか、情緒に乏しい気がするのは私だけでしょうか。　　　英語（多分ほかの国の言葉でも…）には『雪国』にあたる単語がないのです。　　　この一点をとってみても、日本語の豊かさが分かるのではないかと・・・。

  2015.10.11

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  古典や歌舞伎からきているのが多い…

  「あげくのはて」とか「けりをつける」という類似した言葉がありますが、この言葉の由来は友人が教えてくれました。【あげくのはて】は『挙句の果て』と書いて、意味はいろいろやってみて出した最終的な結果。そしてこの「挙句」というのは、連歌や連句の最後に締めくくる『七・七』の句のことです。最後に来る句であることから最終的な結果・結末を意味するようになり「挙げ句」とも書かれるようになった。なお、最後であることをさらに強調する意味で、同じ結末を意味する言葉の「果て」という言葉が足されて『挙句の果て』という言葉になったという。もう一つの【けりをつける】の意味は、決着が容易でなかった物事に結論を出して終わりにする。この『けり』というのは、和歌や俳句などで助動詞である『けり』をつけて終わることが多いことから、結末を迎えることができたという意味で使われるようになったと。　また別の説では、語り物や謡い物なんかでは、「そもそも」で始まり「けり」で終わることが決まりとなっていることに由来するとも言われている。関連して、似たような言葉に【大詰め】というのもあります。この意味は物事の最終的な段階・局面のこととあり、ニュアンスはちょっと違うけれど同類の言葉といえるだろう。そして「大詰め」という言葉の語源は、江戸の歌舞伎で　“時代物”　を演じる一番目狂言の最後の幕のことを言った言葉です。そこから物事の終わりの段階のことを言うようになったという。＜＜（注）一番目狂言とは、歌舞伎で1回の興行の一番目の演目のこと。江戸後期には一番目は時代物・二番目は世話物とされていました＞＞それは歌舞伎に限らず芝居や戯曲などでも最終幕のことを言う様になったのだとか。なお付随して、　“世話物”　を演じる二番狂言における最後の幕は『大切り』というのです。この『大切り』は、寄席でいうところの『大喜利』の語源になったのだそうです。余計なことですが、『大喜利』と言うと思い出すのが、今やテレビでは数少なくなった寄席番組『笑点』という記録的な長寿番組のメイン出し物のこと。この番組、時々見るとは無しに見ていると、お客層の高齢化のせいかもしれませんが、レギュラー噺家の答えるネタがあまりにも古臭いので、“今の若い人にはほとんど通じないだろうな～”　なんて思ってしまいます。

  2015.10.06

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  こういう顔の人、時々見かけます…

  終盤近くまで盛り上がっていた土俵でしたが、優勝候補の怪我などでちょっと尻すぼみ感が拭えない今場所の大相撲。最後には決定戦にまで及びましたが、しめてみれば一人横綱となった鶴竜の横綱になってから9場所目で初めての優勝で終わりました。そんな中で、序盤戦から取りこぼすことがあって、なかなか優勝戦線に残れないことがある稀勢の里、どうもここ一番というところで良いところが出せません。今場所も千秋楽を待たずして優勝の目をなくしてしまいました。別にファンでもないし応援しているわけでもありませんが、ここのところ9年間ほど日本人力士の優勝がないのだそうです。するとどうしてもこのお相撲さんに目が行くわけです。ところで、このお相撲さんはオフィシャルな場であんまり笑ったところを見せません。関取がへらへらと笑っているというのもいただけませんが、もう少し愛想が良くてもいいのではないかと思ってしまいます。よって稀勢の里、『仏頂面（ぶっちょうづら）』の代名詞のように言われることもありますね。この【仏頂面】というのは、＜＜仏頂尊の恐ろしい面相にたとえたもの。また、一説に「不承面（ぶしょうづら） 」の転とも。不機嫌にふくれた顔つき。不貞腐れた顔つき「不貞面（ふてづら）」。不平らしい顔つき。仏頂顔＞＞　などの言葉から転じたなど、諸説があるようです。と辞書に出ている。『仏頂』というのはもともと『仏頂尊』のこと。『仏頂尊』とはお釈迦様の頭上（仏頂）に宿る広大無辺の功徳から生まれた仏のこと。『仏頂尊』の顔つきは知恵に優れ、威厳に満ちているということですから、その顔つきをしているということはとても近寄りがたく威厳に満ちた高貴なものというイメージがあります。しかしその顔つきは見方を変えれば、無愛想で不機嫌な面持ちにも見えることから『仏頂面（ぶっちょうづら）』という言葉が生まれたと言われている。なるほど、見ようによっては稀勢の里には打って付けの代名詞と思えます。何も本人はそうしたくてしているわけではあるまい。もともとそういう風にしかできない不器用さの成せる業だと思います。この関取りには、もう少し頑張ってもらって序盤の取りこぼしをなくして、一度だけでいいから幕内最高優勝を遂げてもらいたいと願っているのですが・・・。

  2015.09.28

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  意味はよく知っているけれど…

  よく使われる言葉に『おんにきる』というのがある。わたしはこの言葉を使ったことはない。この言葉は、＜＜恩を受けたことをありがたく思うこと＞＞　という意味なのはよく知っている。『恩に着せる』とか『恩着せがましい』という言葉もあるから、『恩に着る』と書くのだろう。でも、この『着る』がよくわからない。　“恩に着る”　とはどういうことなのか？　　“恩を着る”　とか　“恩が着る”　とは言わないのです。　『恩』というものは着たり着せたりするものなのだろうか？　ということは『恩』というものは脱いだりすることもできるのだろうか？　とあれこれ考えてみるのです。いろいろ調べた結果、『恩に着る』の　“着る”　は、相手の行為をありがたく受けることや蒙るという意味を持っていますので、「相手に感謝する」という意味になるのです。ほかには、“身に負う”　や　“かぶる”　という意味もあって、「ひとの罪を着る」という言い方もよくされるところです。またこんな『着る』もあります。　“力の無い者が権力者の後ろ盾を頼りにする”　という意味で「笠に着る」と使うこともあります。たとえば、「親の権威を笠に着る」や「権力を笠に着てものを言う」というものです。また『恩を売る』という言葉もありますね。因みに、『恩』は着たり売ったりするということが分かりましたが、反対の言葉の『恨み』の方は、『着る』ことはなく『買う』ものなのです。『買う』には、“自分の行動が原因になって、恨まれることになってしまう”　という意味があり、『恨みを買う』という言い方をします。

  2015.09.25

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  これも歌舞伎から来ている言葉…

  以前に書いたことがあるかもしれませんが、『役不足』という言葉があります。今日この言葉の用法としては、「そんな大役を仰せつかって、役不足な私ではありますが、懸命に勤めさせていただきます」なんて使い方をしています。つまり自分の力量に対して役目の方が重すぎると、謙遜の気持ちを込めて使われているのがほとんどです。でも本当の用法は全く逆で、役者の方が　“与えられた役に不満を抱くことの意から、力量に対して役目が不相応に軽いですよ”　という意味で使われる言葉なのです。この言葉正しい用法で使っている方が、周りからは間違っていると指摘されることすらある現実に愕然とすることがあります。この言葉は当然歌舞伎の世界に由来している言葉。ほかにも歌舞伎が語源の言葉はいろいろある。「幕」や「場」の付く言葉も多いものです。　“幕引き”　という言葉は、その字の通り幕を引いて芝居が終わるという意味から、物事を終わらせて決着をみるという意味でつかわれます。また、“正念場”　という言葉は、芝居で最も盛り上がりを見せる大事な見せ場という意味、そこから真価を試される最も大切なところ、その場面という意味で使われている。そしてさらにこんな言葉もあります、“のべつまくなし”　。途切れなくひっきりなしにという意味で使っている言葉です。これは、“のべつ幕無し”　と書いて、芝居で幕間が入ることなく、終始立て続けにお話が進行してゆく様からきている言葉です。しかしこの　“のべつ幕無し”　を、「のべつくまなし（のべつ隅無し）」と誤解されて使っている方も中にはいらっしゃるようです。

  2015.08.21

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  　“感動”　は与えるモノか？…

  とみに近年は何かにつけて　“感動”　が大安売りされているようです。芝居や映画を観て感動し、本を読んでは感動し、スポーツ観戦して勝ったと言っては感動し、負けたけれども感動する。音楽を聴いては感動し、誰かの演説を聞いて感動し、猫が屋根から落ちてもスックと着地したと言っては感動し、レポーターが田舎料理を食べて感動し、猛暑日に偶然食べたアイスキャンデーに感動したりと、そこら中に感動がいっぱい散らばっています。もう世の中のほとんどの人が、一日のうちに何度もなんども感動しているのです。感動とはそんなに安っぽいものだったのでしょうか？　　　夏の高校野球もベスト８が出そろって、いよいよ佳境に入っています。その高校野球絡みで最近のことですが、こんなふうに　“感動”　という言葉が使われました。今大会が始まる直前に、どこかの高校野球選手がインタビューに答えて「感動を与えられるようなプレーを心掛けたい」という意味のことを言っていましたが、うん？　ちょっと違うんではないか？　と感じてしまった。もちろんコメントとして何を言いたいのかはよーく分かる、けれど使う言葉が違うのではないかと思ったのです。まだハイティーンの高校球児がいう言葉なのだろうか？　「感動を与える」というのは随分上から目線のような気もするので、高校生が使ったことにも違和感を感じたのかもしれません。それよりも何よりも、そもそも　“感動”　とは与えるものなのだろうか？　　“感動”　とは、受け取る側の反応で使う言葉ではないのでしょうか？

  2015.08.17

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  「ごちそうさま」を辿って行くと意外にも…

  「ごちそうさま」という言葉、漢字で書くと「御馳走さま」。この「馳走」というのが仏教に関連した言葉だということは、何となく知っている。でも「馳走」という言葉が「韋駄天（いだてん）」に由来する言葉だと知っている人は少ないようです。その語源は韋駄天と呼ばれる神が、仏陀のための食材を集めるためにあちこちを駆け回ったことに由来すると言われています。「韋駄天」と言えば足の早い神様としてみんなが知っていますし、足の速い人を形容するのに「あの人は韋駄天のようだ」と言ったりするのは日常的になっている。ところでこの韋駄天とはどんな神様だったのでしょうか？ 　調べてみました。少し長くなりますが引用します。＜＜韋駄天は古代インドにおいて、もともとバラモン教の神であった「スカンダ（Skanda）」が、仏教に取り込まれ天部の一人とみなされるようになったものだと言われています。仏法の守護神であり伽藍を守る神と考えられました。「スカンダ」は破壊の神シヴァの子とされ、孔雀に乗って槍を持つ青年の姿をした軍神として崇められることから、インドの近くまで遠征したアレクサンドロス3世＝アレクサンダー大王（Aliksandar）の伝説が土着の神と融合して発展したとも言われています。因みに、アレクサンダーのことをアラビアでは「イスカンダル（Iskandar）」と言いますが、言葉的に似ていることもこの説に関係しているかもしれません＞＞　とこのようなことです。＜＜元来は　Skanda　を音写して　塞建陀天　または　私建陀天　と漢訳されたが、それが　建駄天　とも略記され、金光明経鬼神品第十三中の誤写によって　建駄天　が　違駄天　となり、さらには道教の韋将軍信仰と習合して　韋駄天　と称されるようになった＞＞　ともありました。これはこれで分かるのですが、ただアレクサンダー（Aliksandar）がイスカンダル（Iskandar）となるにはちょっと無理がないか？　と感じられます。『Aliksandar→Iskandar』ですが、『k』と『s』が何故入れ替わっているのか？　いつ入れ替わったのか？　それは意図的なものだったのか？　単なる写し間違いなのか？　腑に落ちないものが残ります。また韋駄天は特に伽藍を守る護法神とされ、中国の禅寺では四天王や七福神の布袋さんととも山門や本堂前によく祀られるのだという。因みに、禅宗の寺院の厨房には今でも韋駄天が祭られているところがあるそうです。

  2015.05.15

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  俄然一般的になったこの言葉の神髄は…

  あの人のお蔭でいつぞやから　“おもてなし”　という言葉が、俄然一般的な言葉となって、いまや海外でも一部使われているやに見受けられる。そもそも　“おもてなし”　とはどういうことなのだろうか。英語に訳すと　“hospitality”　ということになるのだろうか？　意味は　“歓待”　“厚遇”　といったことです。それでは　“おもてなし”　のイメージは似ているもののニュアンスは全く違い過ぎはしないか。例えば旅館や料亭などが客人を出迎えるのに、玄関や玄関前に水を打っておくことはよく見られる情景です。　　　ある書物によると、でもそれだけでは　“おもてなし”　の半分にも満たない。その打ち水をして後に、石畳などの凹んだ部分に溜まった水を、雑巾で拭きとることまでして初めて　“おもてなし”　ということになると言っている。なぜそんなことをするかというと、その溜まった水に客人が滑ることなどの無いようにとの気づかいなのです。同様に植木などにも水をやっておくのですが、葉っぱなどに残った水滴で客人のお召し物を濡らしたりしないようにとの配慮で、これまた拭き取っておくというところまでやることが　“おもてなし”　の心だという。こんな事は客人はおそらく気づくことはない。そんな気遣いをすることが　“おもてなし”　の神髄だとも言っていた。つまり　“おもてなし”　の心とは、押しつけがましくなく気遣ったことに対する礼の言葉などを期待することもなく、ただただ相手に良かれと思えることを誠意をこめて陰でやることなのです。見返りの反応や礼の言葉などを意識下に期待する気持ちは、それを持つこと自体が　“雑なる念が入っている”　ことであるとの見方をしているのです。穿った見方をすれば、このような考えそのものが　“押しつけがましい”　と言えなくもない。

  2015.05.08

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  意味はわかるが語源は？…

  意味は分かっているし使い方も知っているこの言葉『サウスポー（southpaw）』。スポーツ競技の中でも特にボクシングの選手やテニスプレーヤーや野球のピッチャーなどで左利きの選手に使う言葉で、ミュージシャンなど楽器演奏家に使うことも多い。楽器演奏家の場合は『レフティー』なんて言い方もする。この左利きの人の事を『サウスポー』というこの言葉、よく使う言葉なのであまり疑問にも思ってこなかったのですが、なんでサウスポーというのか、その語源は何なのかということがふと気になった。そういえば全然知らずに使ってきたなーと。これまではこの言葉の語源はボクシングに関係があるのだろうなー、なんて勝手にぼんやりと思っていたのですが野球から来ているようでした。調べてみるとこのような説明がありましたが、あまりすっきりと納得できるというものではなかったのです、わたしには。サウスポー（southpaw）は、英語でサウス（south）は南を、ポー（paw）は犬や猫などが前足で打つとか叩くという意味で、動物の前足を指しているのだという。それがなんで？　ということになるのですがここからがその語源です。＜＜野球場というものは、午後の日差しが観客の観戦妨げにならないよう、バッターからピッチャーを向く方向が東北東になるよう設計されるのが一般的であったのだとか。このため左投手は南側に位置する手で投球することになりますから、その事から左投手の事をサウスポーと呼ぶようになったという説が主流である＞＞　というのです。そんな説明を見つけて分からなくはないのですが、今一つ　“霧が晴れるようにスッキリ納得”　とか　“腑に落ちた”　ということにはなりませんな～。加えてこんな説もありました。　＜＜アメリカ南部出身のピッチャーに左腕投手が多かったためサウスポーと呼ばれ始めた＞＞　というのですが、これもなんだか言い訳っぽくって鵜呑みにできません。言葉に関してはそれくらいでおいておきますが、スポーツマンやミュージシャンのサウスポーは、やはり人数が少ないせいもあるのかカッコよく思えますね。ミュージシャンではジミ・ヘンドリックスやポール・マッカートニーやカート・コバーンなどがいます。右利きであるにもかかわらず、わざわざレフティに持ちかえる人もいるくらいですから。そういえば5度目の単独来日を果たし、本日大阪　“京セラドーム”　を皮切りにポール・マッカートニー公演がありますね。過去に2度ポールの公演は観ているのですが、今回はチケットを買いそびれてしまいました。

  2015.04.21

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  『脇を塞ぐ』という言葉がある…

  着物（和服）用語に『身八つ口』というのがある。着物の身頃の脇のあき部分のことをいい、袖つけの下の脇縫いを縫い合わせずにあけたままにしてある部分のことです。単に　“八つ口”　とか　“みやつ”　とも言うようです。『身八つ口』は女性と子供の着物にだけあるもので、男物の着物にはありません。これは女性の帯幅が広くなり且つ胸高に帯をするようになって、上腕部の動きが自由にならないことから、手の動作を楽に自由にするための工夫であったらしい。そして子供物の八つ口は、帯代わりの付紐を通すための穴であったといいます。八つ口は通気ができる面から体温の調節や、着付けの際に襟元を整えるために手を挿し入れるところともされているのです。着物を着ないわたしには知らないことでした。話変わって『脇を塞ぐ』という言葉があるけど、これが何の事だか分らなかった。この『脇を塞ぐ』の　“脇”　というのは、この着物用語の『身八つ口』の事だと知りました。この『身八つ口』を塞ぐとはどういうことなのか？　子供の和服の八つ口を縫いつけて塞ぎ詰袖にすることで、脇が閉じられているということを成人の印とされていたことから、男の子が成人すること。また元服することを指しているのです。友人の描いた着物姿の少女の絵、その脇部分が開いているのを見て思い出したことでした。

  2015.03.23

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  この漢字は見たことなかった…

  民放のどの局かは忘れましたが、あるテレビ局のアナウンサーで『火』偏に『禾』という漢字そして『場』の二文字の苗字の方がいらっしゃいました。この文字は初めて見る漢字です。もちろん私が過去に読んだ書物の中にも一度も出てこなかった。最初は単に　“偏と旁（へんとつくり）”　を書き間違えたのではないのか？　なんて思ったりもしましたが、そんな間違いが起こるはずもないことと改めて思い直した次第です。この苗字を何と読むのか？　それは間違いなく『あきば』さんと読むのであろうことは想像に難くない。それ以外の読み方はきっとないと…。そんな字が現実にあるものなのかどうか？　それでまた例によって調べてみることにした。『秋（あき）』という漢字には『禾』偏に『亀』と書く『穐』という字があるのは知っていますが、この漢字は知らなかった。『秋』という漢字の異字体の内の一つだということでした。余談ですが、大相撲や歌舞伎なんかで最終日の事を『千秋楽』と言いますが、特に歌舞伎の世界では『千穐楽』の方を使います。『千秋楽』の語源についてはいろいろな説があるようですが、一番有力なのは　“雅楽で最後に演奏される曲に　“千秋楽”　というのがあって、そこから転じたというのが一般的とされています。また歌舞伎の世界では通常『千秋楽』ではなく『千穐楽』と『穐』の字が伝統的に使われるのは、江戸時代にしばしば大火に見舞われて芝居小屋が焼失することが多かったことから『火』を嫌い、おめでたい『亀』の字を当てたということのようです。これは私の想像していた通りです。　　　ということでまだほかにも『秋』という漢字の異字体は、いくつもあるということです。　　　漢字ひとつとっても知らないことはいくつもあるものです、いくつになっても。

  2015.02.18

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  文字文章になって出合うとちょっと…

  新聞の折り込みチラシではなくて、郵便受けに直接入れるポスティングチラシが入っていた。この手のチラシは繰り返しポストインされるのですが、今回のものは初めてのものでした。私が住まい居る桂に『イン・ザ・パーク』というダイエットクラブなるものが誕生したようです。3か月指導の通りにメニューを実践すると、希望通りにスリムになれるようなことが書いてある。掲載されている略地図を見ると大体どのあたりにあるかは分かる。住宅地の中ですからそんなに大きな施設ではなさそうです。ま、そんなことはどうでもいい事、そこに通い詰める気は全くありませんから。気になるのはそのチラシの事です。生徒募集会員募集のチラシですから、もちろんそれらしいことはすべて書いてあるのでなにも問題はないのです。けれど表面（おもてめん）の右下の一文が引っかかりました。　　　　“1日165円から始めれます。裏面もどうぞ。”　とこう文章が印刷されている。　“～始めれます”　『ら』抜き言葉である。　“『ら』抜き言葉”　が指摘されてからもう何十年も経っているのかもしれません。もちろん日々その言葉に出合っていて、もう慣れてしまっていますが、それは話し言葉のとき会話の中でのことで慣れているわけで、書き文字（文章）で改めてこの言葉に出合ってしまうと、やはりショックを受けるし違和感も感じてしまいます。『ら』抜き言葉が本当に定着してしまったのだな～と、ちょっと寂しい思いがしています。言葉というものは間違って使われていても、そちらの方が主流になってしまうとそれが正しい言葉とされてしまうことがあるのですね。日本語でそのような運命をたどった言葉はいくつもあるようです。しかし言葉は正しく使いたいと常々感じているのですが…。

  2015.02.13

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  知らないと絶対に読めない…

  さて2月21日土曜日に、『なべの会』今年最初の山登りが実施される。その案内が届いた。行き先は大阪府交野市（かたのし）にある交野山（こうのやま）標高341メートルの低山です。道中はほとんどが自然林で、とても気持ちの良いトレッキングができるとのことです。説明によると頂上には巨岩が鎮座しているらしく、その上から見る眺めは360度パノラマで必見だとのこと、楽しみにしています。今度の集合は、午前9時に京阪電車交野（かたの）線・私市（きさいち）駅改札前ということになっている。その集合時間だと6時過ぎくらいに我が家を出ればよさそうなので、そんなに問題はなさそうです。さて本日の本題はこの集合場所になっている『私市』という地名。これをどうして『きさいち』と読むのか？　その由来です。関西の人はともかく、知らない人は絶対に読めない難読地名です。この不思議な名前はどうしてついたのか？　こういうことが気になってしまう。調べる。＜＜　地名辞典などによると「きさ」は「后（きさき）」に由来するらしい。それはもちろん皇后のことです。昔このあたり一帯は皇后領だったのだという。皇后のために農耕などを行う人々を『きさいべ』と呼んで『私部』という字をあてたのだそうだ。その中心的な村が　“私部内（きさいべのうち）”　と呼ばれ、これがやがて私市と書かれるようになり、読みも訛って「きさいち」になったという　＞＞　とこのような説明なのです。でもこれでは『私』という字が何故当てられたかが明快ではないので、「ガッテン承知です」とはならず、いまひとつスッキリしないのだが。そういったことはさておいて、この交野山の南側はもう奈良県の生駒市です。古く古代からこの地は交通至便な土地だったのでしょう。天皇領ならぬ皇后領だったということですから、おそらく穏やかな佇まいの美しい風景のところなんだろうと想像している。

  2015.02.05

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  日本語をこんなふうに考えたことは…

  金田一春彦先生のご本を読んでいると、「日本語は発音の単位がとても少ない言語」だとのこと。というのは、例えば「いぬ」という言葉は「い」と「ぬ」からできているし、「ねこ」という言葉は「ね」と「こ」からできている。こんなことは小さい子供でも分かることです。　その小さい子に「　“いぬ”　とか　“ねこ”　を逆さまに言ってみて」と言うと、「ぬい」と「こね」という返事が返ってくる。この「い」「ぬ」「ね」「こ」のそれぞれ単音が日本語の発音です。この発音の数が金田一先生の勘定よると、日本語にはたったの112個しかないのだそうです。その単音を組み合わせて言葉を形成しているのが日本語です。ねこの「こ」といぬの「い」で「こい（恋）」という言葉になったりもする。英語では決してこうは行かない。「　“DOG”　を逆さまに言ってみて」と問いかけると、だれもが答えることができないで、戸惑いを見せることでしょう。それは英語で「ドッグ」は『ドッ』と『グ』で構成されているわけではないからです。　“DOG”　と　“CAT”　ではどう組み合わせてみても、絶対に　“LOVE”　にはならないのです。それぞれの単語が発音分解ができないからです。日本語だと「　“ドッグ”　を逆さまに言ってみて」と言うと、おそらくほとんどの人が「グッド」と答える。つまり日本語の発音は、言葉を単音に分解できるという利点があるということです。ただこの112個以外に、外来語がたくさん入ってきているということもあって「外来語の表記」に関係する発音の単位が増えることにもなっている。「シェ」「チェ」「ツァ・ツェ・ツォ」「ティ」「ファ・フィ・フェ・フォ」その他の外来音を含める場合は、さらにまた数が変わってくるらしい。このほかのも、外来語の表記において用いられる「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」については、バ行として発音されることが多いものの、独立した音韻として使い分けられることも多々あるので、これらを含めるとさらに増えることとなります。とは言っても、それだけ追加されたにしても、日本語の発音の数は極めて少ないのだという。因みに、だったら英語ではどれくらいの発音単位があるのか？　を調べた人がいるらしい。アメリカ人の学者は、たくさんあり過ぎてすでに数えることを諦めたようですが、これを数えようとした日本人がいるのだという。大阪の英語の先生だった人ですが、この人によると少なく見積もっても3万以上はあるとのこと。この人はすべてを数えきらないうちに亡くなられたそうである。日本の発音単位の数は120～130、一方アメリカは30000、この差は凄く大きい。130個なら小学校1年生ですべてを学べることになるが、アメリカはそうはいかない。発音単位をすべて使えるということは、日本の小学校1年生は何でも知っていることはひらがなでは書くことができることになる。アメリカの子供はその時点で習った単語しか書けないわけですから、この差は大きいとしか言いようがない。でもこの本を読むまでは、日本語をこんなふうに考えたことはなかった。

  2014.12.25

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  　“芝居は決して終わらない”　…

  京都ではあとひと月もしないうちに、顔見世興行に出演する役者の名前を書いた　“まねき”　と呼ばれる看板が南座の正面に上がります。もう師走も近いということです。『芝居』という言葉の謂れと語源については、＜＜もともとは、猿楽等の芸能を寺社の境内で行った際、観客は芝生に座って鑑賞していたことから、見物席や観客を指して『芝居』と呼んでいた。これが徐々に能楽や舞踊等の諸芸を行う場所全体を指す言葉になり、そこで行われる芸能（特に演劇）や、演技の意味にまで転じた＞＞　とこのようなことを少し前に書きました。それに関連して続編ということになりますが、この　“芝に座る”　の　“座る”　が歌舞伎座や明治座や南座や中座など劇場を表す『座』という言葉の由来なんだそうです。また「お芝居を観に行こう」などと演劇の公演（興行）そのものを指したり、「ここは一芝居を打ってみようか」というと、何か別の事を演じて（企んで）見せることとなったり、いろいろな意味で用いられる『芝居』という言葉の使われ方です。ただ、映画など観て「この俳優さん芝居が上手くなったな～」なんていうことは言いますが、映画そのものの事は芝居とは言いません。つまり『芝居』というのは、劇場の舞台で生身の演技者が演技をするLIVEのモノでないと、そうは呼ばないのです。でも、同じLIVEでもミュージカルなどを観劇するときに『芝居を観に行く』は言わないですね。　　　もう一つこんな言葉の使い方もあります。芝居に関しては演目が完結すると「芝居が終わる」とか「芝居が終わった」とは言わなくて、「芝居がはねる」という言い方をするのです。この言い回しは、江戸時代から歌舞伎など芝居の世界で受け継がれてきているのだそうです。それは江戸時代の芝居小屋は掘っ立て小屋のようなもので、壁の代わりに周りをムシロで囲ってあるだけのとても粗末なものでした。そんな小屋で芝居が終わって幕が下りると、そのムシロを「はね上げて」、お客を外に出したのだそうです。このような習慣から、芝居が終わることを「はねる」と表現するようになったといいます。だから　“芝居は決して終わらないで、はねてしまうのです”　。

  2014.11.11

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  内心は私の方が正しいと…

  ひと月に10～15本ほどの映画を観ている。もちろん映画館でというわけではない。ましてや新作の映画ではないことは言うまでもない。自宅でWOWOWなどから録画してあるものを、ジャンルの別なく観ている。名作といわれる作品もあるけれどそうでない作品もあって、もういろいろです。先日観た映画の事を書くと、映画の内容については別段書くことは何もないどうでもよい邦画で、高倉健さんと中野良子さんが主演をしている古～い映画でした。書きたいのはその映画のタイトルが真っ赤の筆文字で画面に出た時のことです。タイトルは『君よ憤怒の河を渉れ』というもの。　問題はそのタイトルの　“憤怒”　という文字にルビが打ってあって、それが　“ふんど”　となっていたのです。　　　私は反射的にこれは間違っている！　この言葉の読みは　“ふんぬ”　であって、決して　“ふんど”　などとは読まないと自信を持っていたのですが、いくらなんでもたくさんの人が文字校正に携わっておられるわけだろうから、ましてやタイトルでそんな間違いを起こすものだろうか？　とそんな思いもよぎったのです。映画は始まっていてストーリーはどんどん展開してゆきますが、それを横目で見ながらパソコンで文字検索をしてみましたところ、私の思いとは違っていて意外にも　“ふんぬ”　と　“ふんど”　両方とも出てくるのです。そうか両方とも正解なのか～、とちょっと気落ちがした次第です。でも気持ちは信念を持って　“ふんぬ”　の方が正しいと思っていますし、これから以後もこの文字には必ず　“ふんぬ”　と読むし、そう振り仮名を打ち続けるでしょう。例えば絵画でも彫刻でも不動明王や仁王像の顔つきの事を　“憤怒の形相”　との形容の仕方をしますが、これは　“ふんぬのぎょうそう”　であって　“ふんどのぎょうそう”　ではないと思うのです。どちらも正しいのであれば、どうでもいい話ですけどね。

  2014.11.06

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  『ゆさんばこ』という呼び名のモノもあるようだ…

  毎度これのお世話になっている弁当です。月に一度のペースで山登りというか山歩きに行っているが、持ち物の中でも必需のものだし、これを食べる時がやはり楽しいひと時となるのです。そしてそのお弁当は家で作って持って行ければいいのですが、なかなかそうも参りません。したがって集合場所に近い駅の売店やコンビニで購入することになります。ところでその『弁当』という言葉、字面から見ても何か謂れがありそうです。意味を調べると　“弁当（辨當、べんとう）とは、携帯できるようにした食糧のうち、食事に相当するものである”　と出てくる。してその語源はというと、＜＜『弁当』は、“好都合”　“便利なこと”　を意味する中国南宋時代の俗語「便當」が語源ともされており、「便當」が日本に入り、「便道」、「辨道」などの漢字も当てられた。「弁えて（そなえて）用に当てる」ことから「辨當」の字が当てられ、「辨當箱」の意味として使われたと考えられる＞＞　とのことでした。やはりそれなりの謂れはあったのです。話は変わりますが、私の女房殿は徳島の出身で「徳島には徳島発祥の独特の弁当箱があって、それは『ゆさんばこ』というものだ」と言う。その『ゆさんばこ』は『遊山箱』と書くのだとも。そうです　“物見遊山”　の　“遊山”　なのです。そしてこの　“遊山”　の語源は、＜＜禅宗の言葉で仏教語で、遊山の　“遊”　は自由に歩き回る、“山”　はお寺のことで、修行を終えた僧が他の山（寺）に修行をする旅のことを言ったのが始まり＞＞　らしい。その後、一般的に気晴らしに山野に遊びに出かけることを「遊山」という意味で使うようになったそうである。その 『遊山箱』は三段重ねの重箱仕立てになっていて、“野がけ”　という言葉を想起させるような風情を感じました。『遊山箱』　なかなか言い得て妙。日本文化の深さを、こんなところにも感じてしまいます。

  2014.10.26

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  やはり想像していたものに近かった…

  　　　昔から不思議な言葉だと思っていた。　“芝に居る”　と書いて『芝居（しばい）』。漢字は表意文字ですからその意を酌み取ると、“芝に居る”　ということですから芝生の上に座っているところを想像してしまいます。そしてそれはおそらく芝生に座って何かを観ているのではないでしょうか？　したがって能や狂言や歌舞伎のことを『お芝居』というのだろうな～。というのが私の理解でした。改めて調べてみたところ、その私の読みは概ね外れてはいなかった。やはり元々は、能・狂言の世界から生まれた言葉だったようです。もう少し詳しく書くと、能とか狂言とかいうものは室町時代には、神様に捧げる神事ということだったので、それが演じられるのは神社の境内ということでした。事が神事だということですから、その演じられる能や狂言は観客に見せるものではなかった。したがって神社の境内に観客席があるわけもなく、その神事を観るために集まった人々は地面（芝生）の上に直に座って観ることになったのだとか。後に能とか狂言・猿楽などが庶民も楽しんで観るモノと変化してきて、座るところも地面から芝生のあるところへと改善されてきたのでしょう。『地面に座る』→『芝生に座る』→『芝生に居る』、ということになってここから『芝居』という言葉が生まれたのだそうです。ということであれば、『芝居』という言葉が元々の『地座』という言葉で伝わっても良かったとは思いますが、やはり『芝居』という方が華やかで美しさを感じます。

  2014.10.13

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  耳タコの言葉だがこれで真意は伝わってる？…

  「慚愧（ざんき）に堪えない」「慚愧の念に堪えない」という言葉、テレビのニュースや新聞記事でしょっちゅう見かけているような気がします。残念だと思う気持ちや謝罪の意思を伝えるときによく使われる言葉です。これはもちろん「残念でならない」とか「本心から申し訳なく思っている」という意味で使っていることがほとんどです。この「慚愧に堪えない」「慚愧の念に堪えない」は、「ただただ残念だ」という単純な意味ではないのです。これだとなんだか他人事のような使い方になってしまう。古くは「ざんぎ」もともとは仏語（ぶつご）で、「慙」は自ら恥じること。「愧」は人に向かってこれをあらわすこと。つまり、いろいろと自分のことを反省して心から恥ずかしく思うこと。恥じ入ること。また恐縮すること。「慚愧に堪えない」とは正確には、「恥ずかしく思う」という意味。「してしまったことを後悔しながらそれを恥じ入っている」という意味。つまり、「残念に思う」というのは意味が違って、「恥ずかしく思っている（恥じ入っている）」という方が正確なのです。 似たような言葉で、「慚愧に堪えない」よりもっと頻繁に出てくる言葉『遺憾』です。「遺憾に思っている」とか「遺憾の意を伝えた」とかいう風に使われます。現在はテレビのニュースでこれも頻繁に耳にする言葉です。「全く以て遺憾だ」という言葉の使われ方は、当該の先方に対して文句を言っている、即ち抗議をする時や非難をする時に「私は怒っているのですよ」との気持ちを強行に言う場合に使われているようですが、元の意味はそんなに強烈な言葉ではなくて、簡単に言うと「意に反して残念に思っている」という程度のニュアンスの言葉なのです。また「遺憾の意を伝えた」という場合は、上記のように先方に対して抗議をする時に使われますが、もう一つ自分（あるいは手前サイドの）の誤った（失敗した）行動を釈明して詫びる場合にもこの言葉が使われます。そんな『遺憾』なんて言葉で抗議をしたり謝られても、相手が本当に怒っていることや謝っていることが全く伝わってきませんね。何となく遠回しの表現で、怒りを伝える場合にはソフトな表現をしているように聞こえるし、素直に「ごめんなさい」とか「すみませんでした」と謝りたくないからこの言葉を使って取り繕っているといった感じがして、この使われ方はまったく好きになれません。

  2014.07.28

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  やはり関係があったのだ…

  二日連続で祇園祭ネタが続きます。昨日は49年ぶりに復活した祇園祭の　“後祭”　でした。私もテレビのLIVE放送で見ていたのですが、この　“前祭（さきまつり）”　に対する　“後祭（あとまつり）”　の事がちょっと気になりました。この祇園祭　“後祭”　というのは、『あとのまつり』という言葉と関係はあるのかどうか？　これは何となく関係がありそうだと思いたって調べてみた。「後の祭り」の意味は広辞苑によると　＜＜◎祭りのすんだ翌日。神饌（お供え）を下ろして宴会をすること。◎祭りのすんだ後の山車（だし）の意から、時機に遅れてどうにも仕様のないこと。手遅れ。＞＞　とある。そしてその言葉の由来はと言うと、これが予想通り祇園祭の　“後祭”　と関係があったのです。　“後祭”　が今年復活したのは前述の通りですが、昔むかしの　“前祭”　と　“後祭”　のあり方は昨日行われたことのようではなかったのです。というのは、　“前祭”　ですべての山鉾巡行を実施し、　“後祭”　には巡行は無かったのです。つまり　“前祭”　では祇園囃子の鳴り物入りで、パレードのような巡行の華やかさがありますが、　“後祭”　の方は、　“前祭”　で集まっていただいた神様たちが、神輿に乗って氏子の町内を回って神社へ厳かに帰ってゆく神事『還車の行事＝還幸祭』ということになっている。したがって山鉾巡行やお囃子も何もない地味なものだったというのです。だから見てもあまり面白くないものだったのです。＜＜祇園祭を見ようと遠くから駆けつけたにもかかわらず、後の祭りしか見ることが出来なくて、とても残念な思いをした。　“これなら最初の前の祭りに来ておけばよかったのに”　と悔やんでみてもこれこそまさに　“後の祭り”　という事になる。あとで気が付いて悔やんでももうどうしようもない、手遅れだという意味になったわけです。＞＞　とそのような説明がされておりました。だからこの度の祇園祭で、山鉾巡行を　“前祭”　と今回復活した　“後祭”　の二手に分けて実施したのは、　“後の祭り”　の地味さを解消する配慮であったのか？　また巡行を２回行うことで京都市への観光客の集客をはかったのか？　　　ともあれお祭りは華やかで賑やかで長くなが～く続いてくれるほうが、みんなが楽しいので歓迎すべきところではあるのだろうと思うのです。

  2014.07.25

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  どちらも　“ほんの少し”　という意味…

  『一縷（いちる）の望み』と『一抹（いちまつ）の不安』という言葉があります。『一縷の望み』は、＜ごくわずかであるけれども望みを残す＞　という意味。『一抹の不安』の方は、＜ほんのわずかでかすかな不安が残る＞　という意味です。つまり『一縷』と『一抹』という言葉は、どちらも　＜ごく僅か＞　＜ほんの少し＞　という同じような意味の言葉なのです。けれど『一縷の不安』とは言わないし、ましてや『一抹の望み』とも決して使いません。ここが日本語の面白いところであり豊かなところでもある。と常々思っております。話変わって、STAP細胞の論文問題で大きな物議を醸している理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、理研発生・再生科学総合研究センターというところに出勤して、STAP細胞が実在したのかどうかの検証実験に参加するというニュースがあった。私はこのSTAP細胞検証実験に『一縷の望み』をいまだ持ち続けているのです。何とか証明に漕ぎつけて欲しいものです。このニュースを読んで、『一縷の望み』この言葉が脳裏に浮かびました。

  2014.07.03

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  やはりこれは残したいもの…

  ちょっと前のある記事によると、以前中国人記者が二人の日本人学者　柄谷行人さんと四方田犬彦さんに「なぜ日本はハングルのように漢字を捨ててひらがなやカタカナに置き換えなかったのか？」と聞いたことがあったそうである。その答えは「一つの漢字を捨てることは、その字に込められた文化の珠玉を捨てることになる。韓国人はいま後悔しているよ」というものだったという。その正論ぶりと思考の深さにとても驚いたとその記事は書いていた。確かにそうである。日本人は漢字を捨てずに良かったと思える。アルファベットをはじめ、ひらがなやカタカナあるいはハングルもそうだと思うのですが、一文字一文字は音を表わす文字で意味そのものは無いといってよい。ところが漢字は、一文字一文字が表音文字であると同時に、意味をも持っている表意文字でもあるので、意思や意味が的確に伝わり味わい深いものを感じてならない。仮に日本語の書物がすべて、ひらがなとカタカナで書かれていることを想像してみるとどうだろう。意味は掴み難いし、同音異義がたくさんある日本語では間違って伝わることもたくさん発生するに違いない。話はすこしずれるが、私はむかし、まだワード・プロセッサなるものができる以前の頃、日本語のワープロはできることはないだろうと思っていた（タイプライターのイメージがこびりついていたからだと思う）。アルファベット26文字や何文字あるのかは存じませんがハングルなどは、すぐにでもできるだろうことは分かるが日本語は…？　“ひらがな”　があり　“カタカナ”　もあり　“ローマ字”　も使うし、何よりも　“膨大な量の漢字”　があるから、そのように複雑な言語文字のある国ですから、そのようにたくさんの文字盤なり文字データを抱え持つことができないだろう、との事です。ところがどっこい、私ができないだろうと思っていた矢先に、もう現実のものになっていた。もちろんわたしも何十年も前から、そのワープロの恩恵に、大いに浴してきたことは言うまでもないし、ワープロもパソコンも何台も買い替えることになって、それに触れない日は全くないと言っていい。表意文字である漢字が我が国で使われ続けているのは喜ぶべきことでありますが、ワープロやパソコンワードを使用することが主となってしまって、手書きで文字を書くことが少なくなってきているのは否めない。そのせいで漢字を読むことは問題ないのですけれど、漢字を書くとなると甚だ覚束ないことになっている。その忘れた漢字を調べるのに、パソコンワードで調べているのだから、もう　“何をかいわんや”　である。これは大いなる問題なのかもしれない。それでも漢字は無くさないでもらいたいものである。　　　いつ頃に報道されたものか定かではありませんが、こんな記事を見つけました。

  2014.04.14

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  一種の流行語といえるのかも…

  わたしはたぶん使ったことはないと思う。　と自分で思うだけで、ひょっとしたらわたしも知らず知らずのうちに使っていたことがあるのかもしれない。いつ頃からだろうか？　こういった言葉の使われ方が始まったのは。一種の流行語だと言えるかもしれないが、でも毎年年末の流行語大賞なるものに候補として挙がったことは一度もない。年配者はあまり使わないけれど、若い人が使う場面にはしょっちゅう出くわしている。この言葉を使っている人たちは、そんな大した意識もなく当たり前のように使っている。『～じゃないですかぁ』という言い回しの言葉です。どうもこの言葉が気になってしようがない。「そう言ってるじゃないですか」「あそこに××があるじゃないですか」「それは仕方ないじゃないですか」「～そんなことはあるわけないじゃないですか」と、まーこんな具合に、何でもかんでも『～じゃないですかぁ』なのです。どうもこの言葉、気色が良くないのです。話している相手がこの言葉の使い方をする人だと、話の内容よりもこの言葉尻の方に気が行ってしまって、何を話していたのかそのものを忘れてしまうことすらある。この言葉尻の最後に小さな『ぁ』が付くと余計に嫌な気分になる。この言葉は、名詞や動詞や形容詞のような単語ではない。その言葉だけで成り立つ言葉なんかではなく、話し言葉の言葉尻というか、語尾表現の一種です。考えてみるとこの言葉『～じゃないですか』は、「わたしはこう思っているのですが、間違いないですよね！」とか「～当然のことですよね！」という念押しというか、ある種の押しつけがましさのようなものを感じてしまう。これはわたしたち日本人の一般的な会話での話し方で特徴で、あまり強硬に自己主張しないことの表れとということもできる。つまり強硬な自己主張は日本人の美意識とは、根本で相容れないのかもしれない。ざっくばらんな打ち解けた会話で使われることの多い、この『～じゃないですか』を言い換えると、「××でしょう？」とか「～だよね」とか「それはこうですよね？」といった言葉になるのでしょう。先日書いた『取り敢えずビールを2本ぐらい』と同じように、ここでも相手に寄り掛かるというか、判断の一部を委ねていることによって会話の和を保とうとしているかのように思える。

  2014.04.04

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  極めて曖昧な使いようをしている…

  とりあえず広辞苑で調べてみた。　『取り敢えず』という言葉の意味。すると、＜＜　1、たちまちに。たちどころに。　2、さしあたって。まず。一応。＞＞　と、このように出てくる。つまり、「将来のことは わからないが、今のところは」といったようなことだろうか。この『とりあえず』といえば、その後に続く言葉は慣用句のごとく「……ビール」というのが昔から定番セットになっているようです。さらにもう少しいえば、「とりあえずビールを2本ぐらい、よろしく！」とお店の人に向かって使われ、夜な夜なあちこちの居酒屋で必ず聞かれる言葉です。これは「あとの飲み物は何を注文するかは分からないが、今のところさしあたってはビールを2本ぐらいくださいな」ということ。とこのように『取り敢えず』という言葉は何とも曖昧な、でも便利な言葉なのかもしれません。そしてもっと曖昧なのがその後に続く「ビール2本ぐらい」の一文です。「2本ぐらい」ってどういうことなんでしょうか？　すごく曖昧です。2本なら2本と言い切ればいいのに、“ぐらい”　が付いているお蔭で、1本でもいいのか3本持ってきてもいいのか、前後のゆとりがみてあって明確ではないし、注文を聞いた方はどうすればいいのかがよくみえないのではないか？　そう思ってしまうのですけれど、現実にはそんなシーンでトラブルが起こったことは無い。ちゃんとビールが2本届けられて何の問題も起こらない。日本語はこのようにきっちりと言わずに、曖昧にぼやかして伝えることが多い言葉なのかも…。「とりあえずビールを2本ぐらい」という注文を海外でするとどうなるのだろうか？　たちまち問題にならないだろうか？　「2本ぐらいというのは2本なのか？　3本でもいいのか？　はたまた1本でも？　はっきりしてくれないと困る」というようなことを返されることにならないだろうか？外国語は明快でストレートな言い回しが　“良し”　とされる感じがします。かように日本語は、良くも悪くも物事を曖昧な言い回しで、先方に結論をゆだねてしまっておくということが多いようである。ことほど左様に日本語は難しいのである。日本語を学んで、きちんと話せる外国人は偉いと思ってしまう。

  2014.03.23

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