こんなものをいただくことになった…
仕事の関係で知己を得た工務店の方と、1年ちょっと前の飲み席での話、その彼曰く伊勢神宮の式年遷宮の手伝いに参加するとのこと。伊勢神宮の式年遷宮は、本殿の内宮や外宮のみならず、125ほどもある社殿や鳥居,宇治橋までもが、すべて解体されて新しく造り替えられることはよく知られているところです。解体された木材は御神木ということですから廃棄されることはありません。すべて丁重に扱われ二次利用されることになっている。聞くところによると、大相撲の土俵の上に吊り下げられている大屋根も、この御神木で作られているのだとか…。そんな御神木で造られた「采(ざい)」というものがある。この写真のものですが、もちろんすべて檜で造られているのです。 “采配(さいはい)” の語源ともなったものです。その「采(ざい)」を私の分まで手に入れていただけるというのです。そんな勿体無いものと一度は辞退したのですが、このたび持ってきていただくことになった。私が戴いたこの「采」は、この7月の “お白石持ち神事” の時に使われたものだそうです。そんな謂れのあるもので、どこかで売っているものでもありませんし、入手しようと思ってもなかなか困難なもののようです。伝統ある神事のワンシーンですが、わが国特有の様式の美しさをそこはかとなく感じます。