門外漢のねごとたわごとひとりごと

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  目的地は『ポール・ボキューズ』食料品市場…

  リヨンでの2日目の朝、その日はホテルで朝食は摂らずに歩いて曇り空の街へ出掛けた。リヨンは食の都という代名詞があるくらい、食に関してはうるさいところらしい。　　　その朝目指した目的地は『ポール・ボキューズ』食料品市場である。ここにはかなり質の良いものが品揃えも豊富にある。ワインやパンをはじめ生鮮食料品から加工食品、チョコレートなどのスウィーツまでありとあらゆる食材が揃えてある。ここの食品群を見ていると、いつまで見ていても飽きがこない。日本では見られない食料品などに囲まれていると、とても楽しくて時間の経つのを忘れてしまう。何かお土産になるものは無いかと思って覗いてみたのですが、お土産になる日持ちのするものもいっぱいある。でも、まだ旅の日程は何日も残っているので、ここで土産を買ってしまうと、それを持って動かねばならなくなるというリスクもある。それはちょっと面倒なので土産を買うのは諦めて、その一角にあるスタンド・カフェでホットドッグとカフェオレの朝食を食べることにした。なんともこれが美味かった。フランスは押しなべてパンが美味い。硬いフランスパンもバゲットもクロワッサンも、どれもこれも食べたパンに外れは無く、どれもが美味かった。

  2014.05.26

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  これで本当に制したことになるのだろうか…

  『トイレを制する者は旅を制する』という言葉が海外旅行にはある、とものの本にはあった。わたしにはこの言葉、身に染みてよく分かるのです。その言葉大いに同意できるのです。幸いにして今までわたしはひどい目に遭ったことはありませんが、はっきり言ってトイレにはあまり自信がないのです。したがってトイレがどこにあるかわからないようなところへは、本当はなるべく行きたくない。毎月第3土曜日に設定されている山登りの会の例会も、前日からそのことを考慮しつつ体調をコントロールしているのです。今回のフランス旅行もそんな不安を抱きながら、でも行きたさが何倍も勝っていたために実行にいたりました。とこれはちょっとオーバーでしたが…。でもあちこちに出かける時には、常にトイレがどこにあるのか、これから行く先にはしばらくないのとか、CAFEやBARがあればそこへ入ってコーヒーかビールを注文してトイレを貸してもらうなど、いろいろと気を使っていたことは確かです。ヨーロッパではフランスに限らずですが、公衆トイレが有料のところがけっこうたくさんありますので、ポケットには常に小銭を用意しておくことも必要になります。もちろん無料のところもありますけれど…。したがってホテルに居る時や飛行場や電鉄の駅や美術館など、トイレのあるところでできるだけ尿意が仮に無くっても済ましておくことにはしていた。しかしそううまくも行かないことも当然ある。今回もパリのジョルジュ・サンク通りを歩いている時に、女房殿が尿意を催しCAFEに入ってビールを注文して済ませることにした。もちろんお店の人には、トイレに行きたくってこの店に入ったことなどを、悟られないようにしたことは言うまでもない。そしてエッフェル塔からの帰り道、もちろんすべて街歩きが主眼ですから、その道中ユニベルシティ通りを歩いている時、今度は私が尿意を催してきた。とてもホテルまでは持たないと判断して、ある街角のあるCAFEに飛び込んで今度はコーヒーを飲むことになった。何とか無事に事なきを得たが、先ほどのビールが効いてきていたのだということだと思うのです。しかしながら　“CAFE GEORGE V”　あの場所の雰囲気では、やはりビールかワインだったと今でも後悔はない。エッフェル塔の公園内のトイレで済ましておかなかったのが、失敗だったかもしれない。とまーこんなふうだったのですが、今回の旅で私がトイレの事でちょっと危なかったかなと思うのはこの1回だけでした。しかしこれはこのことに注意を払っていたからこそで、これで果たして『トイレを制した』ことになるのだろうか？そういうことを意識しなくなって初めてということなんだろうなー。

  2014.05.24

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  どこに行ってもアートと密接に…

  ニースには主たる美術館が2つある。マチス美術館とシャガール美術館です。フランスはどこの街に行っても、それなりのというか立派な美術館があるので、それらの美術館に行くことによって時間が随分と取られてしまいます。そんなこともあってか、通常の海外旅行の主たる目的である観光、つまりあちこちを見て歩くということがあまりできなくなる嫌いがある。別にこれはなにも不満を言っているのではありません。ある意味、充実した時間が過ごせているのだともいえるのです。むしろ各美術館にある作品に接することの方が、私たちにとって重要であるのかもしれませんし、それはこちらの望むところでもあるのです。ニースにあるこの2つの美術館に数ある作品は、ほとんど全てといってよいほど私の知らない作品ばかりで、「マチスはこんな作品を描いていたこともあったんだ！」とか「シャガールのステンドグラスは知っているけど、タピスリーやモザイク作品は知らなかった！」といったような具合で、観るものみるもの新鮮に映るのでした。この数日前に、サンポールという街でシャガールのお墓に参ってきたこともあって、“あの画家たちがこの南仏でも活躍していたのだ”　と思いを馳せることになっていたのです。　　　※マチス美術館は館内撮影禁止でした。

  2014.05.23

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  　“スミレ村”　とも呼ばれる古い村へも…

  日本でいうところの『鷹巣村』、プロヴァンス地方では『鷲巣村』と呼ばれ、その名の通り山や丘の天辺に築かれた村の事（中には山の斜面にこびりついたように造られているものもあるが）で、この地方にはそのような村がいっぱいあるようです。　　　そんな中の1つに、別名　“スミレ村”　と呼ばれる鷲巣村がある。　　　『トゥレット・シュル・ルー』がそれです。ヴァンスからほど近いところにあって、数10分バスに揺られて山道を行くのです。ここもご多分に漏れず味わい深い古い村、石造りの狭い路地が入り組んでいて、その路地のどれもが日本では見られない光景だ。写真もたくさん撮ってきたが、自ずと縦位置のアングルばかりになってしまいます。この村は別名の通りスミレの栽培で有名なところらしいのですが、スミレの花の季節は残念ながらとうに済んでいて、スミレの花を見ることはなかったけれど、ここにはスミレ関連の食べ物や土産物などのグッズがたくさんあります。食品ではスミレの砂糖漬けやスミレのアイス、スミレのジャムにスミレのチョコレート、スミレの蜂蜜それにスミレのお茶など。そして雑貨ではスミレの香水やスミレの石鹸、スミレのポプリや匂い袋のようなものやナプキン、ほかにも何というものかは分からないものがいっぱい有って、そのどれもがスミレ関連のモノなのです。そんな雑貨を扱っている広場に面したお店の1軒を覗いてみると、もうスミレの香りがいっぱいに漂っていて眩暈がするくらい。そのお店で重い荷物にならない程度の買い物をして、またもやぶらぶらとしていると、広場の一角でおじさんたち数人が鉄の球を転がして遊んでいる。たしかこの遊びは　“ペタンク”　というゲームだと思い出した。ルールは知らないが、このあたりプロヴァンスが発祥だったと記憶しているが…、本当のところは定かではありません。

  2014.05.20

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  絵の通りに再現されていて…

  アヴィニョンに宿泊中には電車でアルルへも出かけた。フィンセント・ファン・ゴッホ作『アルルの病院の庭』ゴッホが入院療養していた病院である。この作品ははゴーギャンとの共同生活に決別したのちに、精神を病むことによって入院したアルルの市立病院。退院した後に同病院の庭を描いた作品がこれである。ゴッホが気に入って描いた画題でもあったこの病院の中庭中央には、噴水が設置されていて、その周りには八方に広がる花壇が今日でも同じように再現されて、美しく管理されている。　　　実はここを見つけるのにちょっと手間取ってしまった。地図で確認してもおそらく間近まで来ているのに、その病院らしき建物が見当たらないし、その表示も有ったのかもしれないが見つけられなかった。しばらくあちこちきょろきょろしながら歩き回っていると、ようやく石壁の1つに円形ドーム型の通り道があって、そこを入ればこのゴッホの中庭に行きつけることになっていた。入ってみるまでもなく、その通路を歩いている時から見える景色が、色も空気もあのゴッホの描いた『アルルの病院の庭』そのものであった。中庭のベンチに腰かけて水を飲みながら、しばしゴッホに思いを馳せていた。

  2014.05.19

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  『毛ガニ』　帰ってきて調べてみると…

  フランスのあちこちで見かけた、この何ともヨーロッパ風ではない、ましてやフランス風ではない。かといって日本的でもなく、でもなんとなく東洋っぽい味のするこのロゴマークの事が気になっていました。正方形の赤の地に白抜きで、見た瞬間に　“毛ガニ”　と読んでしまいそうな雰囲気を持っている。一度そのように思ってしまうと脳裏にこびりついてしまって、もう次に見た時には　“毛ガニ”　としてしか読めなくなってくるから不思議だ。どうも銀行か金融機関のロゴマークではないかと想像はしていたのですが…。日本に戻ってきて早速調べてみると、私と同じように感じた人はたくさんいらっしゃったようで、ちょっと仲間がたくさんできたような気がいたしました。このマークは、＜＜ケス・デパーニュグループ（Groupe Caisse d'Epargne）のロゴで、フランスにかつて存在した大手金融グループ。現在はBPCE傘下の金融ブランドの一つとして残っている。本社はパリにある。＞＞　とあった。さらに　＜＜1818年創業。ケス・デパーニュとは貯蓄銀行を意味する。傘下にケス・デパーニュ・イル・ド・フランス貯蓄銀行を始めとする21の貯蓄銀行を持ち、欧州でも有数の金融グループである。＞＞このロゴマークのことはやはり、かなり以前から日本では　“毛ガニ”　と読めるということで知られていたようです。でも、なんだか垢抜けないロゴマークのような印象を持つのは私だけでしょうか？

  2014.05.17

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  フランスの田舎で　“ガッテン”　したこと…

  宿泊地から近隣の街へ行くのにバスを利用することが多かった。そこで気付いた事、都心はそうでもないのだが、フランスはどの街も郊外に行くと道路の交差するところがロータリーになっていることが多い。三叉路、十字路、五叉路など道路の交わるところの中心に円形のスペースをとって、その周りを車が通行するようになっている。その円形スペースが植え込みになっていて、季節の花で綺麗な花壇になっていることも多い。この円形ロータリーを設置することによって、信号機が不要なのです。つまり車が交差路へ来ても、赤信号でストップするということが無いのです。スピードこそ落とさなければならないものの、直進も右折も左折もUターンも信号機なしで行うことができるのです。フランスは右側通行ですから、反時計周りに周ることになります。ロータリーに来た右折したい車はそのまま右折すればいいし、直進したい車はロータリーを約半周して正面の道路を行けばいい。左折したい車はロータリーの右側を４分の３周して左折して行けばいい。もっと言えば、やって来た道路をＵターンして戻りたい場合でもロータリーを一周して戻ってゆけばいいのです。「なるほど合理的にできているなー」とその時はじめて思った。私は車には乗らないため、今頃になってようやく気がついてガッテンしているところです。日本ではあまり頻繁に見かけることのないもののように思いますが、何故この方式を採用しないのでしょうか。信号機で制御することを考えれば、ずっと楽で費用もかからないように思うのですが…。何か日本では不都合があるのでしょうか？　なぜ定着しなかったのでしょうか？ふとフランスの田舎で疑問に思ったものですから………。

  2014.05.16

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  この街も見どころは旧市街…

  二つ目の宿泊地VENCE（バンス）。フランス南東部にあって、4世紀から18世紀末まで司教座が置かれた街である。この辺りは場所柄イタリア文化色が色濃く残っているように思います。イタリアンレストランもたくさんあるし…。カーニュ・シュル・メールからの移動は、大きなスーツケースを持ち込んで混みあっているバスに乗ったのですが、荷物が大きい分ちょっと気を遣うことに、でもそこは荷物を気にしながら厚かましくしているしかしょうがなかったのです。その路線バスが細い曲がりくねった道路を走るのだが、その乗っている時間が約1時間ほどと、結構長い間だった。それでもそのバス料金はというと、1人1.5ユーロと安いお値段。このバス料金、どこまで乗っても同じ料金だそうである。つまりこのバス会社のバス料金は1.5ユーロに統一されている。初乗りだと1人1.5ユーロはちょうど適正な気がしますが、こんなに長い間乗っても同じ料金というのは、なんだかお得感があるのではないかと。このヴァンスという街は、中世の街並みの魅力とアンリ・マチスがステンドグラスや壁画などを手掛けたロザリオ礼拝堂があることでも有名。ロザリオ礼拝堂へ行くには少し上り坂を歩くことになるのだが、小ぢんまりしたその礼拝堂はありました。このあたりの道を歩いている人の大半は、この礼拝堂を目指していると思われる。中に入ると想像していたのとは全然違う、マチスの壁面モノクロタイル画と窓の青色と黄色を主体としたステンドグラスが迎え入れてくれた。（内部は撮影禁止だったのでネットからお借りしています）マチスの絵画作品のイメージを持ったまま行くと、まるで別人の作品のようである。マチスの違った一面を見ることになるので、一見の価値はあるかもしれない。それからもう一か所バスに乗って行くのですが、ヴァンスの近郊にサン・ポール・ドゥ・ヴァンスという街がある。サン・ポール・ドゥ・ヴァンスは山の上にあって、たいへんな観光地ではあるのですが、その割りにはしっとりとして落ち着いた街です。ご多分に漏れず街並みも石畳も統一感があって美しい。お店もたくさんあるのですが、気が付くのは　“アート関連のお店”　が多いこと。大袈裟ではなく、２軒に１軒はアートのお店だったような気がします。それともう一つ、ここはシャガールがこのサン・ポール・ド・ヴァンスをこよなく愛し、「この街の空気が一番きれい」と晩年をこの街で過ごしました。シャガールの墓が今でもこの街の旧市街城壁のすぐ傍にある 共同墓地にありました。

  2014.05.14

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  しょぼしょぼもムズムズもいつの間にやら…

  花粉症で目がしょぼしょぼ、鼻はムズムズしたままマスクをして旅立ったのですが、フランスに着いてポケットに突っ込まれてくしゃくしゃになったマスクを見つけてはじめて気が付いた。いつの間にやら、花粉症のしょぼしょぼやムズムズの症状はすっかり治まっていた。ただ飛行機内の乾燥で眠れなかった私は、ドライアイの症状は出ていたものの、それは眼薬を点すことですぐに解消した。今回の旅のあいだ中、花粉症の症状がぶり返すことはなかった。フランスだって杉の木くらいはあるはずだし、花粉も飛散しているはずだとは思うのですが、ちょっと不思議です。でもこのプロヴァンス地方で目立つのは、松の木が多いこと。杉の木でもゴッホの絵によく描かれている糸杉はよく見かけますが、あの木は花粉をまき散らさないのでしょうか。フランスでマスクなるものをしている人は一人もいないし、極ごく稀にマスクをしている人を見かけるとそれは日本人だったりするのです。ひょっとするとフランスには　“花粉症”　なるものは存在しないのかもしれない。やはりスギとかヒノキとかの品種が違えば、そんなアレルギーは出てこないのかもしれません。

  2014.05.13

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  こんなに狭いコースを走っているの？…

  ニース滞在中の一日は、バスでお隣のモナコへと向かいました。バスもモナコも日曜日だということもあって、観光客でかなり混みあっておりました。往路のバスはモナコで途中下車をしたわけですから、帰路はバスを利用すると座れないことが予想される。そう考えて帰路はモンテカルロ駅から列車を使うことにした。ところでモナコはヴァチカンに次いで世界で２番目に小さな国、“グレース・ケリー”　“モンテカルロラリーやモナコグランプリ”　“カジノ”　などできわめて著名な観光事業を財源とする国です。行っては見たのですが何処から何処までがモナコという国なのか？　国境はどこにあるのかなんてことは全く判然としないままあっちうろうろ、こっちうろうろと、ここでもよく歩き回ることになった。街には観光用の市街周遊トレイン（一般道路を走る5両編成くらいのレールの無いトロッコみたいなものだと思えばよい）があるので、それに乗って主たる観光ポイントはすべて周れることになっている。少なくともうわべだけはではありますが。そのトレインとは別に歩き回ったので、幅800メートルくらい長さ2.5キロといった狭い国、この国のほとんどは歩いてしまったのではないか、と思うくらい。さすがに観光事業を財源とするモナコ、全体が大変美しい。その美しさというのは眺望景色や風景がというのもあるけれど、それはモナコ以外の国でももっと素晴らしいものががあるだろう。その美しさというのは、街そのものにゴミが全く落ちていない綺麗さなのです。そしてこの美しさは日本では金沢が同様な感じで、同じことが言えるのではないでしょうか。フランスだと街中の石造りの歩道なんかでも、犬の糞が落ちていることがよくある（日本のように飼い主が処理をしないようです）、うっかり写真なんかを撮りながら歩いていると酷い目に遭うかもしれない。もう一つ気付いた事、自動車レースのコースは通常の一般道路を使っているのですから、市街地を走るわけです。わたしの印象では、その道路が広くないのです。こんなに狭いコースだと「後続車は先行している車を追い抜くことはできないのではないか」と思ってしまうほどでした。ま、そんな心配は私がすることではなく、毎年1月には　“ラリー・モンテカルロ”　が、5月には　“モナコグランプリ”　がつつがなく開催されているのですから問題はないのでしょう。歩き回った後の昼食には、キノコのオムレツとモナコのビール。大きなオムレツでしたけれどビールともども美味かった。因みに　“カジノ”　ですが、モナコ国民には禁じられているのだそうです。したがってカジノで賭け事をしているのは外国人ばかりということになります。

  2014.05.12

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  向こう岸へ渡れない橋の上は小雨でした…

  　〽橋の上で　踊るよ　踊るよ　　橋の上で　輪になって踊る誰もが知っている『アヴィニョンの橋の上で』の歌詞である。アビニョンはフランス南西部、プロヴァンス地方のローヌ河に面した古都で周囲は城壁ですっかり囲まれていて、その城壁は今もそっくり残っています。その城塞の傍を水量豊富なローヌ川が流れていて、そのローヌ川に向こう岸へ渡れない石造りの橋が突き出している。この石造りの橋は12世紀ごろ架けられたサン・ベネセ橋。この橋がアヴィニョン橋としてよく知られている橋です。橋の上で輪になって踊れるものなのか？　それを調べるつもりで行ったわけではないですけれど、行ってみた。受付の窓口には何人かが並んでいたので、そのそばに設置してある自動券売機が有るじゃないか、そちらを利用しようと指示してある通り女房殿が２ユーロ硬貨を入れると、なぜかすぐに硬貨が戻ってくる。自動販売機で硬貨が適正でなければ戻ってくるあのタイミングで戻ってきたのだ。おかしいな～と、その戻ってきた硬貨をもう一度入れようとしたら今度はその硬貨が投入口に入らない。おかしいなおかしいなと試みるが、入らないものは入らない。そしてその入れようとしていた硬貨をしげしげと見つめると、それは２ユーロ硬貨ではなくてこのアヴィニョン橋の記念メダルだった。あわてものですね～、その自動販売機は記念メダルの販売機だったのです。誰かがこの一部始終を見ていたらと思うと、結構恥ずかしいものがあります。これも　“旅の恥のかき捨て”　というものでしょうか？ところでアヴィニョン橋の入場料というのかしら、見学料というのか知らないけれど1人5ユーロでありました。因みに、アヴィニョン橋の上で、何人もの大人や子供が輪になって踊るのはちょっと危ないんじゃないかと思いました。今は落下防止の鉄の柵が設置してありますが、昔はそんなものは無かったはずですから。アヴィニョン橋の上は、ローヌ川の水しぶきかと思う程度の小雨が降っておりました。

  2014.05.11

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  若い女性のカジュアル・ファッションの特徴…

  今回訪れたフランスのどの街にも共通しているのが、若い女性のファッションスタイルはスカートの女性が極めて少ないこと。そして大半が判で押したようにジーンズ姿で、そのジーンズも足に吸い付くようにぴったりとした『スキニージーンズ』、あるいはユニクロでいうところの『レギンスジーンズ』と呼ばれるものばかりです。日本の若い女性は、太ももの太いのを気にするようですが、フランスはあまり気にしているふうは見られないようです。太めのだぶついたジーンズを穿いている若い女性は、一人として見ることはなかった。日本の若い女性のファッションスタイルは、画一化していて没個性だと思っていたけれど、フランスの娘たちの風俗模様を見た時、日本女性の方がまだ多種多様な気がしてくるから不思議です。そしてもう一つ気付いた事がある。フランスという国は、男性女性を問わず　“煙草に対するアレルギーが少ないようである”　こと。そこで目立つのが若い女性の歩きたばこの多いこと。平然とプカプカやりながら颯爽と通り過ぎてゆく。これは一種のファッションなのか？　それとも本当の愛煙家なのか？日本でもそんな姿は見かけないわけではないけれど、その頻度がまるで違う。あるカフェ室内でコーヒーを飲んでいて表のオープンカフェの方を見ると、そこに若い女性が一人、コーヒーを前にして新聞を読んでいるのですがその彼女、シャーロック・ホームズよろしくパイプタバコをふかしているのです。写真に残すことはできませんでしたけれど、私にとっては初めて見るシーンだったので、なるほどと思うと同時にいささか面食らったということです。確かにオープンカフェのテーブルについてビールを飲んでいて、喫煙席や禁煙席などという区別も無く、その丸いテーブルの真ん中に小さな灰皿が置いてあると、もうとうの昔に止めた筈の煙草の1本も吸ってみたい衝動に駆られてしまう。そんな雰囲気の中に浸っていた一時でした。

  2014.05.10

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  もうそういうところへ来ているのだな～…

  旅の出だしは関西空港からKLMでアムステルダムのスキポール空港へ行き、待ち時間2時間があって飛行機を乗り継いでニースに行く行程。この乗り換えた飛行機は小さくて、座席は2席があって通路があってまた2席の4列のものだったが、ほぼ満員の状態だった。わたしはなぜか飛行機の中ではほとんど寝ることができない。うつらうつらするくらいが精いっぱいのところです。そんな私が窓外を見ると、遠くの方に雲ではない白いものが見える。真っ白に雪化粧をしたアルプス山脈である。同乗者が「あれはきっとマッターホルンだ！」なんてことを言っておりましたが、私自身は「ほんまかいな」と思っただけで、確認したわけではありませんでした。それでもそんな言葉を聞いて、“そうか、もうそういうところへ来ているのだな～”　なんて感慨にふけってしまいました。

  2014.05.09

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  たった数日違いの異文化接触…

  旅から帰ってくるとやはり郵便物が…、そんな中の1通に飲み会仲間の方からのものがあった。『鴨川をどり』のチケットが同封されておりました。昨年もいただいて、初めて祇園の舞妓さんや芸妓さんの京舞の『鴨川をどり』を見せていただきました。またまた今年もチケットを送っていただいたのです。期間は5月1日から7日まで先斗町歌舞練場ということです。ただ旅行から帰ってきたのが5月1日だったものですから、お礼を言うのが遅れてしまって申し訳なかったです。何ともゆったりと風雅な『鴨川をどり』に接すると、つい先日までフランスに居た体験とのあまりの異空間に、分かってはいたもののある種の戸惑いを覚えてしまうことになりました。ことほど左様に異国との文化の違いは、実際に体験してみて初めて思い知らされる。これは優劣とか上下というものでは決してなくって、飽くまで『違い』としか言いようのないものである。そんな差異を感じてきたここ数日間の経験であった。文化の違いというものは実に面白いものである。歌舞練場のベランダから鴨川を眺めると、もう京の夏の風物詩『納涼床』が始まっていた。

  2014.05.08

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  ルノワールの庭園にオリーブの古木が…

  わたしもガイドブックから得た知識だったのですが、カーニュ・シュル・メールという古い街は、かのオーギュスト・ルノワールが最晩年に暮らしたところだということを知った。そのルノワールが住んだ住居が現在記念館となっていて、アトリエなども庭園ともども生存時のまま保存されている。庭園の真ん中にかなり大きなブロンズの裸婦像が設置されていた。かなり広い住居のあちこちの壁面には、たくさんの絵画作品や彫刻作品が展示されているのですが、名品と思しきものは残念ながら見当たらなかったようだ。かなり広い庭園も管理が行き届いていて美しく保たれていた。中でもオリーブの古木がたくさん見受けられる。今までもオリーブをいろいろなところで見てきたが、オリーブの木がこんなにも大きな木になるとは…、こんなに大きなオリーブを初めて見ることになった。

  2014.05.06

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  むしろ邪魔になるくらいのモノ…

  今回の旅行中もテレビや新聞などには一切接触しないようにして、ニュースとは隔絶された状態をわざわざ作って非日常を際立たせ、旅に没頭するようにしてきた。最初の宿泊地カーニュ・シュル・メールのホテルは600年以上前の建物。余計なことではあるのですが、聞くところによるとセレブ達に人気のあるホテルらしい。そんなホテルの部屋に入ると当然ベッドがあるのだが、驚いたことになんと枕が一人分3個もあって二人分で都合6個も用意されている。こんなにたくさんの枕をどうするのだろうか？　どのように使えばいいのだろうか？　おそらく寝ころびながらテレビを見る時に、背中や頭を高くするために使うのだろうということは想像に難くないけれど、わたしは旅行中にテレビを見ないわけだから、そんなにたくさんの枕は全く不用なのであります。むしろ寝る時には邪魔になるくらいのものでしかないのです。　旅行期間中の世の中の出来事は、日本に戻ってから新聞販売店い取り置きしてもらっているものを、時系列に見てゆけばいいのですから。その新聞をざらっと見たのですが、さすがにいろいろな事件や事故や政治的動向などいろいろあるものですね。新聞のまとめ読みも、時間がかかって大変な作業です。戻ってきてもやることがいろいろあって忙しいものです。

  2014.05.05

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  結果的には事なきを得たが…

  10時35分関空発アムステルダム行きの便だったから、MKタクシーが我が家に迎えに来たのは予定よりほんの少し早い6時10分だった。この大型タクシーは最初の乗客である私たちを乗せてのち、いくつかの家族や個人を拾いながら関西空港へ向かうのです。さーっ、いよいよ旅の始まりで～す。と思っていたら、同じ桂に住む2つ目の家族を拾う直前に女房殿が「手荷物を玄関の中に置き忘れてきた」と言う。「それはえらいこっちゃやないか！」と、運転手さんにお願いしてその2つ目のご夫婦を乗せてから我が家へもう一度戻ってもらうことになった。これも少し時間に余裕がみてあったからできたことだと思いますが、あと10分ほど先まで行っていたらおそらく戻ってはもらえなかっただろうと、今から思うと冷や汗ものである。もし仮に取りに戻れなかったとしても、パスポートと現金は身に着けていたので旅行そのものに行くことは行けただろうけれど、ずいぶん不自由な思いをすることや向こうでの買い物が多くなったことは間違いない。聞いてみると、どうも運転手さんが大きなスーツケースをタクシーに積み込むところの様子を写真に撮っていて、そのまま私に急かされ慌てて車に乗ってしまったようである。結果的には事なきを得たが、旅立つ前からのトラブルに見舞われてしまい、ちょっと不安な出だしであった。まだ旅の緒に就こうとしているところだというのに…！

  2014.05.04

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  ぼちぼちといろんなことを書いて行こうと…

  昨年のイタリアに続いて今年はフランス、2週間の旅程で南仏を中心に、そして最後にパリを訪れてくるというもの。やはり家に帰ってくると身体がすこし疲れているのがわかる。今回のフランス旅行、宿泊地はカーニュ・シュル・メールに1泊、ヴァンスに2泊、ニースに3泊してモナコにも行き、そしてアヴィニョン3泊してリヨンに3泊して、最後の宿泊地がパリでここも3泊という比較的ゆったりとした計画での旅だった。行く前はゆったりとしていると思っていたのですが、これが実際にはあちこち動き回るのでなかなか忙しくて、でも気分はゆっくりと暢気に過ごせたのではないだろうか。2週間も文化の違う海外に行っていると、各方面で気付いた事感じたことや失敗談やラッキーなことなどいろいろとあります。それらを時系列にこだわらず、思いつくままにブログに織り交ぜてゆくつもりです。

  2014.05.03

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  満月に出発、新月過ぎてもどってきた…

  我が家のあちこちに掛かっているカレンダーは、大安・仏滅・友引などの表示が付いていないものばかりです。少し不便に感じることもありますが、代わりに新月・半月・満月などの月齢表示はついている。2週間ちょっと前の4月15日は満月マークがついていたし、たしか2年1か月ぶりに火星が地球に大接近していた時期だったと思う。そして昨日は5月1日で新月を2日過ぎたところです。この期間約2週間ちょっと旅行に行っていた。我が女房殿が以前から憧れていたプロヴァンス南仏が中心です。出発する直前にやったことが、自分の体重と体脂肪などを量って記録しておくことで、戻ってきて一番にしたことが風呂上りに体重を測ることだった。おそらく体重は増えているだろうと覚悟して、こわごわ体重計に乗ってみると意外にも体重は1.5キロほど減っていた。ランニングなどは一切やっていないので、身体が弛んだ感覚があったのですが、まさかまさかの体重減でありました。

  2014.05.02

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  次に行くのはいつ？　どこに？…

  思い返せば昨年の11月に急に出てきた話、海外旅行の計画が持ち上がった。その目的とされている行き先はイタリア。私たちにとっては願ってもない話だ。それもローマとかミラノとかベネチアなどは行き先宿泊地に入っていない。その計画は、旅行に行き慣れた友人の奥様が立てたスケジュールで、初心者とは一味違う渋いもの。行き先の都市は　“バーリ”　“マテーラ”　“アマルフィ”　“オルヴィエート”　“フィレンツェ”　が主な宿泊地で、旅程15日間の旅ということでした。訪れるのは一つの国だけ、宿泊地はフィレンツェ以外は地味とも思える４都市です。ただアマルフィはそれと同名のタイトルの映画がありましたので、一応知ってはいましたが…。私達夫婦は旅慣れていないものですから、パッケージツアーではない今回の海外旅行は、不安な思いもあったのですがそれに増して期待の方も多くて、何とか乗り切れたのだと確信しています。もう帰国してかなりの時間が経ちましたので、すべては思い出になりつつあるといった段階です。今はただただ次の機会がいつになるのか、個人旅行であろうとツアーパック旅行であろうが、楽しみにしているところです。　　　　イタリア旅行から帰ってちょうど1か月が経ちました。

  2013.07.19

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  これは楽だし、とても安いと思う…

  関西国際空港からローマへ行くのも帰りのローマから関空へもアリタリア航空を利用しました。出発の数か月前までは関空へ行くのに、JR京都駅から「はるか」に乗って行くものと思い込んでおりましたが、タクシーで行く方法があるとのこと、それも乗合タクシーで最大で客が9人は乗れるという大きなものがあるのです。自宅から大きなスーツケースをごろごろと引きずって、電車を乗り継いでゆくことを考えると、これは願ってもない話で、すぐにネット予約をしたのです。その料金が私たち夫婦二人、出発日と帰国日の京都→関空間と関空→京都間、それも自宅前から自宅前までということで12,800円也。これは楽だし凄く安いのではないか？電車を乗り継いで行くと、阪急桂駅から電車で烏丸駅まで180円×2=360円、地下鉄で京都駅まで210円×2=420円、JR「はるか」で関空へ2,980×2＝5,960円　これは片道2人分ですからトータル往復では6,740円×2=13,480円となって、乗合タクシーの方が安いのです。電車の乗継を重いスーツケースをゴロゴロと引きずって行くことを思えば、また仮に出発日が雨の日だったりすると尚更のこと、ものすごく安いと思ってしまいます。そういえばJR「はるか」が走っているのを時々見かけますが、そんなにたくさん乗客が乗っている感じがしません。それはおそらくこのような旅客輸送手段の進出が影響しているのかもしれません。

  2013.07.16

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  夜更けのオルビエート　そぞろ歩き…

  オルビエートでのある夜、晩飯を8時頃（夏時間だから実際には7時）からレストランでゆっくり済ませ、ホテルへ戻ってきた。もちろんビールやワインも飲んでいるから、かなり満腹状態ではあった。でも何かちょっと物足りなさを感じたものですから、女房殿を引き連れてオルビエートの夜更けの街散歩に出かけようと思った。もとよりそんなに大きな街ではないので、とはいっても初めての街で夜更けのことですから、ホテルからそんなに離れることもできない。そこそこ人通りもある夜のオルビエート、石造りの街並みが街灯に照らされてなかなか風情がある。そんな石畳の通りをそぞろ歩いていると1軒のBARがある。ちらりと横目で見ると店内の店長さんか？　マスターと思しき青年というよりは少し年上っぽい、カウンターの中にいる人と目が合ってしまった。一瞬でフレンドリーな感じがしたものですから、入ってみることにした。入ってみると店の奥にはテーブル席がかなりあって、そこそこ大きなお店だった。私たちはその席には行かず、カウンターで立ち飲みをするつもり。さて何を注文するか？　はっきりいってよく分からずに、目の前の棚に並んでいるたくさんのウイスキーボトルの中から、あろうことかジャックダニエルを注文してしまった。それも私は水割りのつもりで「ジャックダニエル＆ウォーター　ペルファボーレ」と言うと、ジャックダニエルのストレートと水がグラスに入って出てきた。ま、考えてみれば当然そうなるわなー。水割りの習慣がないところへ、水はれっきとした売り物なのだから…。この行動での大失敗は、イタリアの田舎町へ来てアメリカのテネシーウィスキーを注文してしまったこと。郷に入って郷に従ってないではないか、と内心反省していた。そして２杯目を注文する時にまたもや失敗をしてしまった。今度は注文する時に「イタリアン・ウィスキーをください」と言ったのです。どうもイタリアはウィスキーは造っていないらしくって、オランダのウィスキーを勧めてきたので、結局はそれを飲むことになってしまった。またまた反省、やはりある程度の予備知識は持っていないとこういう失敗をすることになるのだなー。すると地元の若者2人が入ってきて、カウンターの私たちの隣へ。どうもマスターに「いつものやつを作ってくれ」と言っているような雰囲気。そのフレンドリーなマスターが少し大きめのグラスを2つ取り出して、何やら手間のかかったものをつくりだした。ミントの葉っぱや砂糖やパッションフルーツやその他いろいろと入ったカクテルと思しきものだ。後でマスターに聞いてみると「PASSION　MOJITO（パッション・モジート）」というものだとのこと。愛想のいいマスターに「明日の晩はあれを飲むからよろしく頼む」と言ってその店を出た。翌日の晩もその店へ行って、「パッション・モジート」１杯４ユーロ也を女房殿と飲むこととあいなった。値段の割にはなかなか乙な味がして美味かったのです。余談ですが、チヴィタなどへのガイドをしてくれたルチアーナ嬢と、このマスターは知り合いだったようです。そりゃ小さい街のことですから当然か！

  2013.07.12

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  終始　“ヒヤヒヤもの”　ではありました…

  マテーラからアマルフィへの移動は、まずホテルからタクシーでサレルノヘ出て、そこからアマルフィ行きのバスに乗って1時間20分ほどかかるのですが、このバスが全く時間通りにはやって来ない。ようやくのこと30分以上定刻遅れでやってきたアマルフィ行き、なんと２台続けてやってくるのです。本当にどうなっているのでしょうか？それでもイタリアの方々は何の文句を言うでもないのです。ということはそんなことは日常茶飯事のことで、むしろ当たり前と思っているのかもしれません。スーツケースをバスのボディに納めて、いざアマルフィへと車中の人となったのですが、このアマルフィへの道中が何とも大変でありました。海岸線の山道の崖っぷちを行くのですから景色は抜群に素晴らしいのだけれど、運転手さんにとっては見通しの利かない道が曲がりくねっていて、おまけにアップダウンが激しい。その崖っぷちを通っている道路が、舗装されているとはいえとても狭い道、これをけっこうなスピードで飛ばすのです。私が一目見た印象では、大型バスが１台通れるかどうかといったところですから、一方通行にしていいかげんの道幅しかないと思ったのですが、なんとこの道で大型バス同士がすれ違うこともたびたびあったのです。座席から「そんなん無理やろー」と思ってみていると、すれ違う時のバス同士の隙間は10センチほどと、ほとんど神業に近い運転技術なのです。今回の旅でいろいろな乗り物に乗りましたが、このバスには肝を冷やしました。

  2013.07.10

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  こんな信じられないことが平気で起こるのだ…

  鉄道のエピソードだったらこんなこともありました。オルビエートの3泊を終えて最後の宿泊地フィレンツェに向かう列車を、オルビエートの駅舎の腰掛、それも列車案内の小さなモニター画面が見えるところで待っていた。イタリアの列車は時刻表通りに来なくて遅れることもしばしばで、それはそんなに驚くことではないらしい。この1つの事柄だけで、すでに日本とは全く違う環境だということが読み取れる。我々の乗る予定のローマから来る列車は、オルビエート10時15分発ですから40分くらい後に到着予定で、1番線に入線してくるという表示になっていた。天気がすこぶる良くて外は暑そうなので、プラットホームには出ずに列車到着の直前まではこの駅舎の中に居ようとしていた。オルビエートの駅は大きな駅ではないので、プラットホームは1番線と2番線の2つしかない。駅舎から出たところが1番線で、地下通路をくぐって向こう側が2番線であった。つまり1番線が日本でいうところの　“下り”　で、2番線がローマ行きの　“上り”　ということになるのだろう。それで時間通りに到着するかどうかは定かではありませんが、予定時刻の7～8分前になったので1番線ホームへそろそろ行きましょうか、とスーツケースをご～ろご～ろと移動したのです。そして定刻が来て予定通りにローマ方面から列車が来たのはいいのだが、なんとその列車2番線ホームに入線するではないか。友人がひょっとしたらと思ってモニター画面を確認に行くと入線ホームが2番線に変更になっているという。これは大変とばかりに、スーツケースをごろごろごろごろと慌ててひっぱって階段を下りて地下通路へ、そして階段を登って行くのですが、いくら田舎の駅といってもそう何分も停車しているわけでもなく、敢え無く乗り損なってしまうことになったのです。当然チケットもパーになったことは言うまでもない。こんなことって有るのでしょうか？　有っていいのでしょうか？　1番線が使えない状況にあったとは思えません。私たちが待合ベンチからホームへ移動したその時には1番線の表示になっていたのですから、その後の数分のちに変更になったのでしょう。そんなにぎりぎりまで入線ホームが決定しないのなら、決定するまでホームナンバーをモニター表示しないで空白にしておいていただきたいものだ。日本では考えられないことがイタリアでは平気で起こるのです。　“なんともええかげんな”　というのが、私の印象の極めつけであります。

  2013.07.07

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  もう小さな路地がいっぱいある…

  オルヴィエートからちょっと遠出をしたピティリアーノという古い街で、これもやはり高台につくられた街である。どうもイタリアというのは崖の上や高台のてっぺんに街をつくるのが習わしのようになっているようだ。ま、これはイタリアに限ったことではないかもしれないけれど…。このピティリアーノというそう大きくもない石造りの街の街歩きもやってみた。 この街の印象は、もうとにかく小さな路地がいっぱいあって、そのどれもが昔からの生活を感じさせてくれる味わいのあるものでした。どの一角を切り取っても絵になるということなのかもしれません。私たちがその街を歩いている間、あまり地元の住人には出会うことがなかったけれど、その時間帯は皆さんお店も閉じて、午睡の時間だったのかも知れません。こんなところにも文化や慣習の違いがしっかりと出るのですね。ローマやフィレンツェはそうでもなかったが、田舎の方の街は昼の1時半ごろになると店仕舞いが始まり、5時くらいまでお店は閉じられたままなんてことが、あちこちのお店で頻繁にありました。

  2013.07.06

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  私にとっては聖地のようなところ…

  今回のイタリア旅行最後の訪問地がフィレンツェで4泊することになった。この街はご存じのように、観るべきものがとてもたくさんある。何処に行っても古い石畳石造りの街で、絵画や彫刻や建築物などどれもが超有名作品。そんなものがそこここにごろごろとあるのです。ジョット、フラ・アンジェリコ、ギベルティ、ベロッキオ、ボッティチェッリ、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロ、カラバッジョなどなど、もう数え上げたら際限なく教科書や画集で知っているビッグネームが出てくる。3日間ほどもそんな世界に浸っていると、消化不良というのか？　いくら好きな世界だとはいえいささか食傷気味になってきてしまった。とても贅沢な話ではあるのだが、もうゲップが出てきてしまうくらいだった。そんなフィレンツェ4日目、旅行日程最後の日になりますが、この日はちょっとフィレンツェを離れて、電車に乗ってエンポリというところへ。そのエンポリ駅からバスを乗り継いでヴィンチ村へ、ということですが私たちはバスのチケットは復路の分だけを買って、ヴィンチ村を通り越してまずはレオナルドの生家へタクシーで行くことにした。ヴィンチ村はフィレンツェの西25キロのところにあって、レオナルドの生家はもう少し奥の丘陵地の方にあるのです。ヴィンチ村やレオナルドの生家のあるこの地域は、トスカーナの風景がよく残っている最も美しい地区の一つともいわれているとの予備知識を持って出かけたのです。石造りの生家に着いて周りを見渡すと、どちらの方角を見ても美しい風景、確かにそのことは実感できた。そしてヴィンチ村への帰り道、タクシーで来た時に通ったアスファルトの道路ではなく、一面のオリーブ畑の中の地道の一本道、歩いて下るといつの間にやら途中からブドウ畑に変わっている。遠景にトスカーナの風景があり、もう少し手前にはヴィンチ村の教会の塔が見える、この道がとても素晴らしく、ゆったりとした素敵な時間を過ごせました。当初はここへ来る予定はなかったのですが、この帰り道があったおかげでここへ来たのは大正解ということになりました。今回の旅の締めくくりとして、白眉と言えるものだったかもしれない。

  2013.07.05

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  ここまで来たのならここだけは観ておかないと…

  今回の一連のイタリア旅行関連のブログは、思い出したエピソードを気ままに書いてますので、旅程に沿って順序良くネタが出てくるわけではありません。つまり日付が行ったり戻ったりするのでご了承ください。今回はオルビエート滞在3日目のこと。ここからローマはそんなに遠くない。電車に乗って40分くらいだったと記憶しているが…。ここまで来ているのだったら、やはりバチカンだけには足を運んでおきたい。ローマのほかの場所はあまり興味はないけれど……もちろんサンピエトロ大聖堂とシスティーナ礼拝堂である。イタリア旅行をして、ここは必見のスポット最右翼だろうと思う。地下鉄に乗って3駅目か4駅目だったかを降りて少し歩けば、もうバチカン市国である。さすがに人が多い。もうすこぶる観光客が多いといっていい。石壁沿いに数百メートルの列ができている。そうです予想に違わず長蛇の列ができているのです。ここに来るのは当初の予定には入っていなかったので、予約をしていなかったのです。その日もカンカン照りの暑い日でありましたが、午前中でたまたま高い壁の影だったので1時間と少しの間並んでいられました。当然のごとく館内もすごく混んでいて、連日こんなに観光客がひっきりもなしにやってくるようです。こんなにたくさんの人が訪れるということは、それだけの入場料収入があるということだろうけれど、ミケランジェロやラファエロなどの壁画や天井画に影響はないのかしら？　そのうちに入場制限がされることになるのも、そう遠いことではないかもしれない。でもここの絵画作品にはただただ圧倒され続けておりました。改めて、恐るべしミケランジェロ！　恐るべしルネサンス！

  2013.07.03

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  この空中の街の住人は10数名ほどらしい…

  チヴィタ・ディ・バニョレージョという小さな城塞都市へオルヴィエートから行くことになっていた。今度の旅で唯一この日だけは現地ガイドをお願いしていた。ルチアーナという名のオルビエート生まれ、35歳ちょっと出たくらいの英語での女性ガイドだった。この日は彼女の車（この車がFIATのそんなに大きくない車で、ちょっと後ろの席に3人掛けは窮屈だったけど…）で、まずチヴィタへ行って、次にピティリアーノという街を訪ね、帰りにボルセーナ湖というイタリアでも屈指の夏のリゾート地を巡ってくることになっていた。そのラツィオ州とウンブリア州との州境にあるチヴィタ・ディ・バニョレージョですが、これがちょっと驚くような景観だった。というよりは不思議な風景、予備知識なしに行ったものだからその奇観にしばし呆然。ガイド　ルチアーナさんの説明によると、この峻険な崖の上に築かれた城塞都市は2500年くらい前にエトルリア人によってつくられた都市だそうです。ところが現在では台地全体が風雨による浸食によって、徐々に外縁部の方から崩落してきており、よってその上の石造りの建物が崩れてしまう危機にさらされているらしい。それに対する防御対策のようなことはされていなかったようである。したがってこのチヴィタという街は「天空の街」と呼ばれる一方で「死にゆく町」とも言われていると、ちょっと悲しい話も聞かされた。ここに着く前には、かなり寂びれた風情のある町かと想像していたが、意外やどうも観光地になっているらしく、観光客はたくさん来ていたし、街の中にはBARやレストランや夏場にはホテルも開業されるらしく、そこに働く人たちは外からここに働きに来ているようです。したがって、冬場より夏場の方がこの街の人口はグンと増えるようです。「天空の街」なんて言う言葉を聞くと、ペルーの「マチュピチュ」をすぐに思い出したり、ちょっと前に山登りで行った朝来市の「竹田城址」などを思い浮かべてしまいますが、年代的にはチヴィタの方が圧倒的に古いわけです。そのことを想う時、イタリアの壮大な歴史の重みを感じざるを得ません。凄いことです。

  2013.07.02

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  車窓の洗浄はしているのかしら？…

  今度の旅で何度も電車（日本のJRにあたるもの）に乗る機会があったが、そのうちの一つのエピソードでこんなのがありました。イタリアの田舎で乗った電車の車窓から見る田園風景は、遠くまで見渡せるなだらかな丘陵地一面のオリーブ畑であるとか一面の麦畑とか、それはもう規模が大きくて美しい。ところがこの車窓の風景を見ていて何か心地よくない。写真を撮ろうと思っても綺麗な写真が撮れないのです。それは電車の窓が汚れ放題に汚れているのです。この電車の窓はいつ洗浄したのだろうか？　もう半年はほったらかしにしているのではないかと疑いたくなるような、土埃が雨水によって窓ガラスにこびりついてしまっている。せっかく外の風景は抜群に美しいのに、電車の窓ガラスの汚れはもうどうしようもなく汚い。こんなことを比べても仕方がないのかもしれないが、我が国の電車の窓ガラスはJRであろうが私鉄であっても、常に透明に保たれていてガラスの存在すら忘れてしまうくらい。私たちはこれが当たり前のことのように思っていますが、やはり文化や習慣の違いというのは歴然とそこかしこに存在するのです。そのようなネガティブなことを知るのも、他国を旅する面白さなのかもしれません。　　　　日付を見れば今日は7月1日、今年も既に半分が過ぎてしまったことになるのですね。

  2013.07.01

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  このカードは大いに割安だった…

  フィレンツェで美術館や教会や宮殿やその他いろいろと訪ねまわろう、観てまわろうと考えている人には、“フィレンツェ・カード”　が必携である。私たちもこのカードのことは事前に承知していたので、フィレンツェに到着するなりしかるべきインフォメーションで購入した。このカードは1枚50ユーロ（6500円程度）とそう安価ではない感じがしますが、フィレンツェ市内の大半の美術館や教会や宮殿がフリーパスできるのです。ウフィッツィ美術館やその他人気のあるスポットのように、入館するのに常に長蛇の列ができているようなところでも、このカードを持っているとフィレンツェ・カード所持者専用の受付があって、スムーズに入館することができるという特典がある。ちょっと特別扱いされているという優越感のようなものを感じてしまった。ただし一度入ったところには再び入ることはできないという縛りはあるけれど…。ということは、仮にウフィツィ美術館のボッティチェッリに翌日もう一度逢いに行きたいと思えば、入館チケットを買うのに長蛇の列を並ばなければならなくなるのです。そしてこの磁気カードの有効期限は72時間。つまり最初に使った時間から3日間自由に使えるのだ。おまけにバスに乗るのもフリーパスとして使えるから、考えようによっては、あるいは訪ねる個所がたくさんある場合は、使えば使うほど至極安いものとなるのです。私たちがこのカードを使ったのは、数回のバス利用を除いて10か所に満たないくらいですが、それでもずいぶん割安感がありました。もしフィレンツェに行かれることがある方は、是非お勧めいたします。

  2013.06.29

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  旅行１日目、出だしは無事済んでOK…

  今回のイタリア旅行、我々夫婦にとっては初めてといってもいいほどの海外旅行である。友人夫妻と一緒とはいえ、やはり緊張するのは否めない。関空からまずローマへ行き、そして最初の宿泊地バーリへとアリタリア航空を乗り継いでということだが、この乗り継ぎ待ち時間が相当に長い。その乗り継ぎ待ち時間に観察したこと、ローマまでの国際線の乗客は当然のことながら日本へ来ていたイタリア人と、イタリアに行く日本人がほとんどであったが、一転ローマからバーリへの国内線の乗客は、見渡したところ我々4人以外には日本人は見当たらず、東洋人と思しき人も見かけない。ほぼ全員がイタリア人なのだろう。それはそうだろう、この旅行計画を聞くまでは、バーリなんてイタリアの都市のことは全く知りませんでしたから、日本人が行くこともほとんどないのだろうから。日本とイタリアの時差は8時間ですが、この季節にはイタリアは全国的に夏時間の導入をしているので、時計を遅らせるのは7時間ということになる。出発の時関空での搭乗手続きの時に、ビジネスクラスの席に空きがあるので、追加料金格安（１人プラス55,000円）で変更しないか？　との問いかけがあったが丁重にお断りをして、当然のこと余計な出費は控えてエコノミークラスで行くことになったが、覚悟していたほどの窮屈感はなく、快適とまでは言えないまでも、辛抱できないということはなかった。バーリの空港で荷物を受け取って、タクシーで最初の宿泊地であるバーリのホテルに着いたのは、現地時間の午後11時は過ぎていたかと思う。シャワーを浴びて洗髪をしてあとは寝るだけということで、まずは出だしの一日目はOKということだろう。

  2013.06.22

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  ゆとりを持った旅で疲れはあまりなく…

  昨日からブログを復活させました。これから以後、折に触れて旅行中のネタが登場すると思いますが、よろしくお願いいたします。ところでその旅行ですが、小学校からの友人とその奥様と我が女房殿と四人連れということで、訪れたのはイタリアの5都市を宿泊地に2週間をかけて、という比較的ゆっくりとしたスケジュールの旅でした。その5都市は、バーリに1泊、マテーラ2泊、アマルフィに3泊、オルビエートにも3泊、フィレンツェに4泊で、最初のバーリだけはローマから乗り継ぎの飛行機の到着時間の都合で、深夜近くになったものですから1泊の宿泊をしただけでした。翌日の午前中にはマテーラへと向かったので、残念ながらこの街の市内観光などはしておりません。日本人旅行者、ましてや海外旅行初心者も同然といえる私たちのような旅行者にとって、フィレンツェ以外は比較的馴染みの少ない行き先だろうと思います。しかしアマルフィ滞在中は近隣のポジターノへもバスで訪れたし、その途中で一旦バスを下車して、アマルフィ海岸ハイライトのひとつと言われている　“エメラルドの洞窟”　というところへも寄ってみた。オルビエート滞在中では、ウンブリア州にあるチビタ・デ・バニョーレッジョへ行って、その後トスカーナ州のピティリアーノへ行ってからボルセーナ湖を訪ねてきた。また次の日には、当初は行く予定には入れていなかったローマ、やはりここまできたのならバチカンだけは観ておこうとターゲットを絞り、一路電車でローマへ。システィナ礼拝堂に入るのに長蛇の列を1時間ちょっと並んで、それでもミケランジェロには圧倒されつつもしっかりと観てきた。最後の滞在地フィレンツェは連日観るところが多くて、それでも滞在最終日には電車とタクシーを乗り継いで、ヴィンチ村からもう少し奥に入ったところにあるレオナルドの生家へも行くことになった。何処もそれぞれに感慨深いものがあったし、思い出もたくさんできたし、ぼちぼちと書いて参ろうと考えています。というような全行程内容の比較的ゆったりとした、行き当たりばったりの旅行でしたから、疲れはあまり感じませんでした。

  2013.06.21

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