いつかどこかで

高３のＫ君。

いつもブツブツと何かをつぶやいています。

「ま、どうせできないんだけどね」
「覚えられるわけないんだよね」
「今さらやっても無駄だもんね」

来週から始まる中間テストに向けて、読んでおかなくちゃいけない
英語の長文がある、と言いながら、「どうせ覚えられないから、読ん
でも意味ないんだよね」と言うのです。

ねえ、それ辞めようよ。
一日中そうやって、良くないイメージを自分に焼き付けていると、
本当に良くないことばかり起こるよ。

人間の言葉には、本当に力があるんだから。
言葉の魔法。実現したいことを声に出すことで、夢を呼び寄せる力が
ほんとうにあるんだよ。

君の場合、言葉の魔法じゃなくて、言葉の呪いをかけているのと
同じじゃないの。

良いイメージを言葉にしようよ。

「じゃあ、今度は１００点取れる、って言えばいいんですか？」

ウソを言えという話じゃないのよ。自分が全然信じられないことを
無理やり言葉にしても効果は期待できないと思うな。

＜今日はここまでやった。よし、頭に入ったぞ！＞
＜こことここはしっかり覚えたから、試験出ても楽勝だ！＞
＜うん、だんだん調子が出てきたぞ、この調子なら行ける！＞

そういうことを言葉に出して言ってみようよ。

騙されたと思って。

やってみて、ね。「ダメだ」って１回思ったら「できる」って
３回声に出してみようよ。

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そして、仕事の帰り、心の中で。

（君のその呪いの言葉が、まわりにも影響するんだよね。

実は、君のクラスの後は、とっても疲れるんだ。なんでかな・・って
考えたら、君の呪いの言葉を跳ね返すのに、すごくエネルギーが要る
からだって判ったんだ。

ねえ、気がつかない？君の隣には誰も座らないよね。みんな君のこと
を嫌っているわけじゃない。でも、みんなも受験生だから、君の呪いの
言葉を耳に入れたくないんだと思うよ。

わたしにできることは、こうやってヒントをささやくだけ。あとは
君の気持ち次第。君が自分から変わらないと、呪いの言葉にはまって
しまうよ。

がんばって、Ｋ君。）