いつかどこかで

肩がこるとマッサージしてくれるとか、塾の仕事が遅い日には
ご飯を炊いて待っていてくれるとか、そんなこんな話を休み時間に
するもので、高２クラスの女の子たちは

「やさしいダンナさんでいいなぁ～」

「わたしも、そんな彼氏がほしいなぁ～」

「そんな優しい人に出会えるかなぁ・・・」

と、ため息をつく。

いつもはニヤニヤと笑っているだけなんだけど、きょうはこんなこと
を言ってみた。

「優しい彼氏や旦那さんに出会うのは、カンタンよ」

「ええ～～～、カンタンじゃないですよぉ」

「カンタン。自分が優しくなればいい。それだけだもん。」

フェ～とかホニョ～とか、わけの解らない音声を発している彼女たち
に、こう付け加えておいた。

「賢い人と付き合いたければ、自分が賢くなればいい。ウソツキと
友だちになりたければ自分がウソツキになればいい。優しい人と
出会うためには、自分が優しくなればいい。むずかしい理屈はなにも
ないのよ。」

すると

「自分が変わればいいのか。そっか。がんばるぞ～」

とつぶやいた子がいた。

がんばれ！