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テーマ:英語のお勉強日記(8041)
カテゴリ:ことば
きのうの続きです。
英語は、文の主要な内容を最初に出します。 一方日本語は、肝腎の述部は文の終わりに持ってきますから、 最後の最後まで「一番言いたいこと」がわからない言葉ですね。 Do you see a brown cat with a long tail over there on the roof? むこうの屋根の上にしっぽの長い茶色のネコが見えますか? 英語では、「見えるか?」というポイント、そしてネコが出てきます。 それ以外の説明は後からつけたしです。 日本語では、周囲の状況を述べて、ネコの特徴を並べていますが、 その後「がいます」「がいました」「が見えますか?」 「は見えません」などなど、どういう落とし方になるのか、 最後までさっぱりわからないわけですね。 これって、おいしいものを先に食べるか、最後までとっておくか、 そういう性格の問題と同じなんでしょうかね(笑) さて、このふたつの文を、映像としてとらえると、どんな違いが あるでしょう。 英語は、いきなり主人公のアップで入って、カメラがどんどん 引いて、最後に場面の全体風景を映し出す、そういう手法に 近いと思いませんか? 逆に日本語は、遠くから近寄っていって、最後に主人公の表情が アップになる、そんな映像を連想させます。時には、なんだか じらされているような感じもしますよね。 長回しの日本語の文は、英語を話す人たちにとって、たぶん、 ジリジリするものがあるんだろうなぁ・・・ 高2、高3に、自由作文の宿題を出す前に、このカメラワークの 違いの話をします。これを意識しておくと、英語として読みやすい 文章が書けるというヒントです。 最初に読んでもらった英文は、だいたいこんなお話です。 『Ms.Yamada が、学校でカバンを開けてみると、大事なノートがなく なっていた。駅に問い合わせても、届けられていない。息子から 誕生日にもらった、大切なノートだったのに、と悲しくなる。 ところが、その日の夕方、ひとりの男性が学校に訪ねてきた。 電車の中でノートを拾ったといって、届けにきてくれたのだ。 「最後のページに、お母さんへ、というメッセージがあったので、 大事なノートだと思って届けにきました。」窓の外は寒い冬の夕暮れ、 でも、Ms.Yamada の心の中はとても暖かかった。』 これを、カメラワークという面からもう一度読み直して、頭の 中に情景を思い浮かべてもらい、おもむろに宿題を出します。 「家に帰ったら、この英文をもう一度、声を出して読んでください。 そして、破り捨ててください。」 「??」 「頭の中に残った情景を思い出しながら、この物語を英語で 書いてくるのが、第1回目の英作文の宿題です。」 「ええ??こんな長いの?」 「別に、同じ長さにならなくてもいいのよ。暗記して再現するのが 目的ではありませんから、一字一句違わない作文があったら、0点 ですよ。あなただったら、この物語をどういうふうに描くか、と いう宿題だからね。」 「なんだ。書きたいように書いていいんですね?」 「そうそう、自分の言葉で書けばいいのよ。もっと長くなっても もちろんかまいません。」 「破らなくちゃダメですか?」 「もちろん、破らなくてもいいよ(笑)一度読んだら、しまって おいてね」 「はぁ~~~い♪」 以上、長くなりましたが、これが高2の第1回目の授業内容です。 なにかのご参考になりましたでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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