ごめんね~
「もうっ! Lunaなんか キライ!」ものの取り合いになると絶対に譲らないLunaに、Stellaがご立腹です。いつもなら「そんなこと言わないで譲ってあげなよ」とか何とか言っちゃうけど、Stellaも可哀想な立場だし、今日はちょっと趣向を変えて・・・と。 「じゃあ、Luna捨てちゃおっか!」 「えーっ そんなわけにいかないでしょー」 「いいよ 嫌いなんだったら公園に捨ててこようか?」 「そんなことしたら ないちゃうかもよ」 「別に泣いたっていいでしょ 嫌いなんだから」 「しぬかもよ」 「嫌いなんだから いなくなってほしいんじゃないの?」 「だめー!!」 「そっかぁ 嫌いだけど大好きなんだね」 「うん! だってさー Lunaってポニョみたいだもん」 「そお?」 「ハムすきだしさー まんまるおなかだしさー」 「そっかぁ じゃあ金魚になっちゃうかもね」 「なるわけないでしょ!」ふふん。なんだかんだ言っても、妹は可愛いんだよね。Stellaこそ、ポニョが大好きな宗介みたいだよ。 とはいうものの、大切にしていた絵を破られたり、子ども部屋に閉じ込められたり、頭突きされたり・・・。毎日毎日、兄の苦難は続きます。昨夜もお風呂上り、Lunaが踏み台を振り回していたらStellaにぶつかりました。 「いてっ!」StellaがLunaを睨みつけます。そのとき、 「えっ!?」Stellaとママが顔を見合わせました。 「ごめんね~」 と、Lunaがさらっと言ったのです。 「Lunaが“ごめんね”っていった!」Stellaが驚いています。もちろん、ママもびっくりです。 「いつもは“いやよ~”ばっかりなのにねぇ」 「“ごめんね”って いったねぇ」母と息子が一緒になって、わがまま娘の成長を喜び合った瞬間でした。