童話
なおとくん、今年の夏休み旅行の屋久島は楽しかったね。みんなで見た星空、きれいだったねえ。白く流れているいる川のような星たちはなおとくんの住んでる地球がある銀河という、星がたくさん集まった「かたまり」なんだよ。その中でもほら、あの明るく輝いている星あれはシリウスという星なんだ。地球から近くにあるから、きれいに輝いているね。シリウスがある星座は、おおいぬ座といいます。近くにある三ツ星がオリオン座だよ。なおとくんは今年で10才になるよね。じつはあのシリウスの輝きは、今光ったのじゃあないんだよ。なおとくんが生まれた年にシリウスから出発した光が、やっと今地球に届いたんだ。だから見えている星としては、誕生日が一緒だよ。すごいね。なおとくんが生きてる地球は大きないれもの、宇宙というという空間の中にあるんだ。この宇宙は、初めは小さな火の玉だったけど137億年も前に大爆発を起こして、はら、あの大きな打ち上げ花火のように夜空いっぱいに星をちりばめたんだよ。でもね、光にも速度といってスピードに限界があるんだ。なおとくんだって、100メートル10秒じゃあ走れないでしょ。光はものすごく速いけど、やっぱり地球に届くのに時間がかかるの。だからこの星たちは全部、ずっとずっと昔に星を出発していんです。何億年という長い旅をして地球にやってきた光さんなんだからごくろうさまって声をかけてあげなくっちゃね。あの美しいシリウスは、なおとくんの星だね。なおとくんが10年後に20才の大人になった時はシリウスの光も、10年後のシリウスの姿を届けてくれるんだ。なおとくんと一緒に成長するんだね。宇宙の誕生から今までの長い長い時間を星空は見せてくれているんだよ。地球上のみんなが、お空をきれいにしてどこでもきれいな星空が見えるようになるといいのにね。