そして、世にも奇妙な物語は見逃された
ふむ。『世にも奇妙な物語春の特別編』を見逃した。 今朝はTeleVで放映予定をチェックしてなかったので、完全に見過ごしていた。何とか『フラッシュバック』だけは録画することができたので、一応感想でも。 <以下ネタバレ注意> スナッフフィルム(殺人映像)を観てその体験を追体験するというのも、ストーリー構成とオチも、以前同番組で放送した加藤あい主演の『ヴァーチャルメモリー』と全く同じではある。 それはさておき、その追体験で恐怖を感じ、精神を病んでいくものの、犯人が逮捕され、家族団欒も得てめでたしめでたし。 と思いきや、死刑囚が最後の願いとして、普通の家族をバーチャルで体験していたというオチ。 主となるテーマは解るものの、『時計じかけのオレンジ』を観て、アンソニー・バージェスによる原作を読み、原作が書かれた背景を知り、合田士郎『そして、死刑は執行された』や日垣隆『そして殺人者は野に放たれる』その他の死刑・刑務所関連のルポ、ドキュメントを読んでひねくれているせいか、どうにも緩いし、温い。 最後の死刑執行シーンも映像的な美しさだけを優先していて、現実を全く反映しておらず、そのことが作品としての軽さにもつながっている。 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は最後の字幕で全てを台無しにしてしまったけれど、その死刑執行は現実と映像美のうまい折衷だった。これは一人称の映像表現においても同様であるはずだ。 救いは、堺雅人の演技の巧さか。 最後のシーンまで気づかなかったが、奥さんがいとうあいこだった。 <ここからネタバレなし> うーん、エンディングロールを見る限り、相変わらず豪華な出演者。 電王から二人出演してたし。 個人的には中島らも原作の『日の出通り商店街 いきいきデー』が観たかったかなと。『食神』のチャウシンチーのような船越英一郎が観られればそれで良いと思う。 まぁ、あとはどこぞの動画共有サイトに上がるの待ちかなと。