青春一直線。
『スウィングガールズ』がやっていたので観る。 娯楽映画としては及第点。 同監督の『ウォーターボーイズ』と粗筋が類似しているんで比較すると分かるように、中心人物四人のキャラクターの描き方がゆるくて、あまりキャラ立ちが良くない。 これは同じ教師役として出ていた竹中直人の描き方にも言えて、前作から外したキャラクターにしたのはいいけれど、その後の処理が悪い。音楽教室に通ったのが活きていないんだよなぁ。 それと、ジャズをやるというモチベーションの描き方が希薄かな。音楽をやっているのが楽しいってのが伝わればいいんで、吹き替えナシの本人達による演奏というのがあるから、それはそれでいいかなとも思う。 基本的にあんまり脚本が良くないな、これは。 その辺を補うのに、矢口史靖得意のオフビートなギャグをぶち込むと。好き嫌いがモロに出る所なんで、難しいですけど、個人的には嫌いじゃない。 それにしても、マツタケシーンとか、相変わらず余計なシーンに力入れてるなぁ。それと、パンツを見た中学生?が土手から自転車で回転しながら落ちていく初期矢口作品ではお馴染の「人形アクション」(注)があって良かった。 落ちこぼれがふとしたキッカケで脚光を浴びるという青春ドラマの一つの典型を踏襲しているんで、安心して観られますな。 <注> 昔の特撮、ドラマ、最近でも二時間ドラマなどの殺人シーンでガケからの落下したりするときに用いられる、人の変わりに人形にアクションをさせる技術。 『ひみつの花園』などで使っていて、オムニバス映画『パルコフィクション』では共同監督の鈴木卓爾の作品でもオマージュ?として使われていた。 因みに、鈴木卓爾は私が初めて観た矢口作品『ひみつの花園』の脚本もやっているんですが、本作の西田尚美が怖ろしくカワイイ。 気持ちいいくらい一直線にお金に執着するキャラを好演していて、それ以来好きです。貴重な水着姿が拝めるのも嬉しい。 『OUT』も良かったけど、あっちは原田美枝子がいるからなぁ。 それにしてもだ、『スウィングガールズ』、西田尚美、遠っ!