忍法封印いま破る
フライング気味の咲いた桜もあって、すっかり春めいてきたなと思っていたんですが、今夜は寒い。 こういうときに限って、帰り際にブックオフでも覗いてみるかと思ったもんだから、危うく風邪をひきかけました。 まぁ、その甲斐あってかまずまずの収穫。 一番の目玉は『まんだらけZENBU』のNo.14が105円。 めぼしいものがなくて買いそびれてから既に六年なのね。 資料性が高いとはいえ、あくまで目録。買いそびれるとなかなか食指が伸びないもの。 まさかブックオフで拾えるとは思いませんでしたが。 内容としては、「忍者特集」。 以前、ニンジャ映画の世界を紹介したけれど、忍者ブームは脳内で永遠ですな。ということで、この前後に忍者マンガブームがあったかどうかは不明。この頃、昔馴染みの古本屋のオヤジもそんなことを言ってたと思ったけれど、まぁ、それはいいや。 忍者の基礎知識、まんだらけらしい忍者マンガ、忍者アニメ、忍者ゲームの紹介、連載陣も忍者寄りと、基本目録ゆえ体系的とは言い難いものの、体系化へ向けてのネタが盛り沢山。 それでも一番は、やっぱり巻頭の小山春夫インタビュー。 白土三平のアシスタントとして赤目プロで『カムイ外伝』『ワタリ』などでメインを務められて、そのあたりの事情もインタビューに答えてらっしゃいますけれど、個人的には赤目プロ以前の『甲賀忍法帖』だとか、劇画誌時代の話も知りたかったなと。 やはり小山春夫らしさは小山春夫オリジナル作品だよなぁ。 少年サンデーの『サスケ』のメインが楠勝平という貴重なお話もあって、それでも楠勝平は貸本以後が良いわけで、同じようにアシではない小山春夫が良いわけです。 『甲賀忍法帖』は最初の山田風太郎のマンガ化だと思うけれど、せがわまさきの『バジリスク』が売れたときに復刻されなかったので、まぁ、これからも復刻は無理かな。 貸し本には手が出しづらいんで、なんとか復刻して欲しいけれどね。『小山春夫選集』のデキが良かったんで、まぁ、いいか。 ただ、問題は聞き手である古川益三(まんだらけ代表)。 いましろたかし『デメキング』の巻末における呉智英先生のインタビュー以上の酷さ。好きすぎるとどうしてもこうなってしまうのかもしれないけれど、当人を困惑させて、読んでる読者には聞きたいことが聞けてない気にさせるのはいかんよなぁ。 ということで、もう少し読んでから寝る。 それにして、今にしても欲しいものが見当たらん。