Walk on the Wild Side

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  映画”眉山”

  一週間日本に帰国して再び英国へ。英国へ行くことに新鮮さが全く無くなってしまった。今回もパリ経由のJAL-AFのパターンで、JAL便は9月のエンターテインメントメニューに変わっていたので、往きに映画を3.5本（途中で終わってしまった）、帰りに1.5本観た。往きに観たのが、”Ocean 13"、”眉山”、”そのときは彼によろしく”、”ボルベール帰郷”（これが途中で終わってしまった）、帰りが”ボルベール帰郷”の残りと”Namastey London"。エンターテインメントとしては”Ocean 13"が秀逸だとは思うし、異文化モノでは”Namastey London"（インドB級映画！）や”ボルベール帰郷”（女性の逞しさ！）が興味深いが、おそらく印象が長く残るのは”眉山”だと思う。宮本信子や山田辰夫の旨い演技が共演者を引っ張る中、脚本も古典的なストーリーながら同じ邦画の”そのときは彼によろしく”ほど無理が無い。あの阿波踊りの場面がすべてエキストラであるというのは驚かされる。原作はさだまさし。眉山のオフィシャルサイトは Bisan

  Sep 13, 2007

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  映画”Next"/”Fracture"/”Spiderman 3"

  今回の英国出張はParis経由でManchester入り。ParisまではJAL機で、邦画も放映されているが二本とも今ひとつ興味が持てなかったので、Nicholas Cage主演の”Next"、Anthony Hopkinsの”Fracture"、そして”Spiderman 3"を観た。Nicholas Cageの”Next"は”Blade Runner"や”Minority Report"と同じ原作者の本がネタで、映画のタッチも”Minority Report"とよく似ている。出来の方は”Minority Report"ほど意外な展開も無く、Nicholas Cageもメリハリが感じられない。そもそもこんな能力を持っている人が落ちぶれたMagicianであるというところから今ひとつ説得力が無いような気がする。”Fracture"の方はAnthony Hopkinsお得意の知的犯罪者モノ。こちらも”The Silence of The Lambs"ほど犯罪者の不気味さが出ていない。完全犯罪への執着心のようなものも感じられず、単に自信満々の検察官へのお仕置きのようなストーリーも説教じみている気がする。”Spiderman 3"も”Fracture"と同様、調子に乗りすぎた主人公が少しづつうまく行かなくなり、自暴自棄になるが、死んだお祖父さんが最後まで誠実だったことを知り、改心するという極めて宗教的な内容。強いてどれが一番良かったかと言われると、非常に困ってしまうが、出演者のキャラクターに興味が持てた”Fracture"かな？帰国便の巻き返し（？）に期待したい。

  Aug 28, 2007

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  映画”Be Kind, Rewind"

  さてJack Black主演の新作”Be Kind, Rewind"のTrailerが米国で発表された。今回も傑作のようだ。廃品回収業に勤めるJackが仕事をサボろうとして誤って発生させた磁場で仲の良い友人の経営するヴィデオレンタルストアのヴィデオすべてが使い物にならなくなった。そこで彼らが考え出したのは、いつも足しげく通う老婦人（Mia Fallow!)が気がつかないように、彼女が借りるすべてのビデオを自らの主演で再演する、というもの。再演する映画は Ghostbusters, Back to the Future, Robocop, Rush Hour 2, 2001: A Space Odyssey, Boyz in the Hood, そしてThe Lion King。結果彼らの撮った映画で二人は近所で最大の有名人になる、という無茶苦茶なストーリー。監督はフランス人のMichael Gondry。BjörkのビデオクリップやThe Science of Sleepなどの映画、そしてMatrixがパクったと言われる”Bullet Iime"技術のパイオニアと言われている。乞うご期待。映画のTrailerは Be Kind, Rewind

  Aug 16, 2007

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  映画”東京タワー オカンとボクと、時々、オトン”

  先日まで職場に来ていた英国人は浜松町に住んでいたことと、ほかの英国人を東京案内することもあって、三度も東京タワーを昇ったらしい。それでも東京タワーは魅力があるらしく、飽きないと言っていた。連休明けの火曜日に出発、水曜のみ一日マレーシアで過ごし、夜行便で帰ってきた。飛行時間は6-7時間でも、時差が一時間しかないのでそれほど苦にならない。クアラルンプール便のJALは行きも帰りも同じ映画なので、仕方なく何度も見たのが”東京タワー オカンとボクと、時々、オトン”。日本では相当なベストセラーだったらしいが、恥ずかしながらまったく知らなかった。機内誌によると、女性よりも圧倒的に男性に人気があって、映画館では男性ですすり泣く人が多かったらしい。このため男性のみの試写会とその後の座談会という特別企画が好評を博したらしい。都合の良い理由で女性に寄生する主人公、死ぬ間際になって優しくするオトン。確かに女性の視点から見ると、男性のだらしなさばかりが目立つのだろう。男性は自分のだらしなさを正当化した上で、それでも尽くしてくれる女性を未だに理想としていることか。セリフの中では、松たか子がオダギリジョーに「変...」と繰り返す。そう言われて、半ば自尊心をくすぐられるような表情を見せるオダギリジョーの演技がリアルだ。こちらも女性にとっては本当に「変」なだけかもしれない。男はそういうのを「味がある」といったりするのだけど。 東京タワー　オカンとボクと、時々、オトン

  Jul 21, 2007

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  The Astronaut Farmer

  すっかり日本の生活に慣れてきたが、この湿度にはぐったり。まだ夏にもなっていないのに夏バテのような気だるさを感じる。しばらく海外に行くことはなさそうなので、その間に英気を養いたいところ。先週ブラッセルに行くKMLで見たのが映画”The Astronaut Farmer"。米国の田舎で自作のロケットを打ち上げて地球を周るという話。いわばDreamerが自分の長年の夢を色々な障害を越えて実現させるという米国らしい映画。しかしなかなかよく出来た映画で、一度失敗して財政的に家計を圧迫、再開に反対していた家族が、実は家族のために再開して欲しいと願うところは感動的。しかしながら一番感心したのは主人公の冷静な姿勢。FBIに追われようが、地元銀行のローン係にはクレジットカードは止められようが、奥さんに皿を投げられようが、自分の夢を諦めない。基本的には子供の時に夢だと言う。ふーむ。こういう純粋さを貫くことを皆が納得する米国という国はやはりユニバーサルに皆が憧れる国ということなのだろう。なかなか思うところがあって結局三度ぐらい見てしまった。最後はElton Johnの”Rocket Man"が流れる。Official Siteは The Astronaut Famer

  Jun 28, 2007

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  映画：The Pursuit of Happyness

  今週は火曜日にAlitalia航空のJALとのCode Sharing便でローマへ。ずっと会議だったのでどこにも行かずに、ホテルと会議室の往復のみで、美味しいイタリア料理は残念ながら堪能できなかった。その代わり往復の機内で映画を3本見た。行きに”Music and Lyrics”と”Letters from Iwo Jima”、帰りのAlitalia便では”The Pursit of Happyness”。どれも良い映画だと思ったが、最後に見たWill Smithの”The Pursuit of Happyness”は80年代から始まった米国の貧富の差を見せつけてくれる。なかなかうまく行かずにどんどん深みにはまっていく。それでもStockbrokerの道に光を見出して目指していく。ストーリーとしては結局はHappy EndなSuccess Storyなのだが、ほとんどHappyな部分は映画には含まれないから、見ているとかなり辛いものがある。そんな中でも周りの米国人は良い人ばかりのように見える。米国の貧富の差の厳しい現実がさらに際立つ理由ではないかと思う。子役は実際の彼の息子らしい。Official Siteは The Pursuite of Happyness

  May 12, 2007

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  "Babel" and "Bobby"

  昨晩二週間ぶりに米国へ帰国。英国から米国への移動は意外と時差がきつい。フライト時間も時差も6-7時間なのだが、夜7時頃には眠くなり、朝2時頃には目が覚めてしまう。移動のフライトは昼間だったので機内では眠らずに機内Enternainmentの映画を見ることにした。BAの機内Entertainmentソフトが今回から代わって、映画ライブラリが充実している。機体が古い分こういうところでサービスを上げようとしているのだろう。　　菊池凛子がアカデミー賞にノミネートされたことで日本でも有名な”Babel"のテーマは「異文化への好奇心と恐怖」。役所広司が好意であげたWinchester社のライフル銃と「3キロメートル先まで狙える」という何気ない言葉が子供達の好奇心を煽って生んだ事件。モロッコ観光に行った夫婦が突然見舞われる不幸と未開の地での応急処置の恐怖。ティファーナでの楽しい結婚式の思い出が一転砂漠での死の恐怖に変わる。ろう者の異常な行動への好奇心と恐怖。すべて我々が日常的に見ている異文化への恐怖と好奇心に対する人間の反応と何ら変わりは無い。突然の停電でGrend Central Terminalのフロアに宿泊することになった経験を思い起こした。”Bobby"の方は時節がら政治色がプンプンするハリウッド映画。複雑な人間関係と人種問題に関する会話が多く英語の聴き取りも難しい。しかしその複雑なプロットがすべて最後のRobert F. Kennedyの暗殺を盛り上げるための手段であったことが最後にわかる。迫力あるシャロン・ストーンとデミー・ムーアの掛け合いが面白い。デミー・ムーアの若い彼氏も馬鹿げたヤクの売人がハマリ役だ。さて現代でObamaはBobbyになれるかどうか。それほど事は単純では無い。Babelの公式サイトは Babel Bobbyの公式サイトは Bobby

  Mar 3, 2007

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  All the King's Men

  土曜日に日本から米国へ帰国。今回は事情があって、また水曜日には日本へ再び行くことになっているので、時差ボケはわざわざ修正する必要もないかもしれない。もう一週間前になるが、先週ロンドンから日本へ向かうフライトの中で見たのがSean Penn主演の映画”All the King's Men”。片田舎出身のルイジアナの州知事候補が当て馬で出馬させられたことに気づいて奮起、現政権の汚職を徹底的に批判、貧民層に金をばら撒く経済政策を前面に出した選挙戦術で大方の予想を覆して見事当選。しかし当選後は自らの立場を守るために手段を選ばなくなり、それとともに敵を作るようになっていく。Sean PennがGean Hackman張りの演技で南部の知事を好演。競演はJude Law、Anthony Hopkins、Kate Winsletと豪華なキャスト。原作はRobert Penn Warrenによる大ベストセラーで1946年にピューリッツァー賞を受賞。同作は1949年にも一度映画化されており、今回の作品はリメイクと言われているが、今回の方が原作には忠実らしい。同作のトレイラーは All the King's Men

  Jan 29, 2007

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  The Straight Story

  正月用に図書館で借りた映画”The Straight Story"（99年）。David Lynchは”Twin Peaks"ですっかりはまってしまった映画監督の一人で、いつものような奇妙な映画を期待していたところが、こちらは何と家庭用Disney映画。それだけでも驚いたのだが、その題材がもっと面白い。元々実話を基にした映画で、73歳のIowa州に住む老人が、10年ほど仲違いをして会っていない兄弟が脳梗塞で倒れたのを聞いて、一路彼の住むWinsconsin州に向かう。ところが自動車の免許証を持っていない彼は芝刈り機に自作のトレーラーをくっ付けて300マイル、二ヶ月以上の旅に出る。その旅の中で出会った人々との会話で彼は家族の絆の大切さを語る、というもの。主演のRichard Farnsworthはこの映画でAcademy賞の主演男優賞にノミネート、最高齢記録を樹立している。その彼は映画撮影中にガンに冒され、翌年80歳で自殺している。この映画で使われているシーンは実際にAlvin Straightが辿った道をそのまま使って撮影されている。美しい米国の田舎が収められている。

  Jan 2, 2007

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  映画”The Illusionist"

  午前中に用事を済ませて、午後二時半の便でロンドン経由ニューヨークに帰る。ニューヨーク到着は午後11時前だから、家に到着するのは1時近くになるだろう。ほぼ12時間はかかるということになる。その長い旅路の中で、機内の映画”The Illusionist"を観たが、これが疲れを忘れるぐらい面白かった。中世的な雰囲気はジョニーディップが盛り上げた”Chocolat"を想い起こす。しかも絶対君主制が民主制に移行する段階での司法の役割、といった面白い内容もテーマの一つであったりする。映画の内容とは全く関係無いどうでも良い話なのだが、主人公のEdward NortonはPaul Rodgersに似ている気がして仕方が無い。オフィシャルサイトは The Illusionist

  Dec 15, 2006

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  映画”Tenacious D： the Pick of Destiny"

  11月22日に公開予定のJack Blackの新作。既に2003年の”School of Rock",最近の”Nacho Libre"、アニメ”Shark Tale"での声優としての活躍で子供達にもOKな俳優となったJack Blackが彼のルーツであるパロディ・ハードロックバンドTenacious Dを映画として復活させる。これは大きなチャレンジだ。過去にもEddie Murphyは”Shrek"や”The Nutty Professor"といったファミリー映画で成功を収めた後は、それ以前の悪役イメージ”48Hours”や”Beverly Hills Cop"には戻らなかった。Jack Blackは果敢にチャレンジ。今回の映画では一回$12mにまで高騰したギャラを自ら抑えての登場。元々”High Fidelity"や”Orange County"といった映画で端役として出演した彼は主役を食う活躍で注目された。その後もっと彼を見たい、というファンの声が彼をスターダムへ押し上げていった。そして今ファミリーにもOKな俳優になった彼がコアなファンに受ける大人向けギャグ満載のルーツに戻るのは非常に難しい選択だ。実際この映画のエンディングは二度コアなTenacious Dファン向けに取り直したらしい。コアなファンと今のファンの板ばさみ。さて商業的には成功するかどうか。映画の公式サイトは Tenacious D Movie Sonyのサイトは Tenacious D Sony Music

  Oct 27, 2006

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  映画”Psycho"

  今日は長い長い日だった。朝4時に起床、5時にアパートを出て、6時前にはマンチェスター空港に到着、7時過ぎの飛行機でデュッセルドルフへ。午後2時に用事を済ませて、今度はロンドンへ飛び、ロンドンからニューヨークへ。結局コネティカットの自宅へ到着したのは米国時間の午後11時で、英国時間では午前4時。24時間かかったということになる。ロンドンからニューヨークへのフライトでは、昔のヒッチコック映画”Psycho"と最近の映画でKeanu ReevesとSandra Bullockの”The Lake House"を見た。”Psycho"は1960年の映画で、やっぱり昔の英語はわかりやすい。有名なシャワーシーンを初めてゆっくり見たけど、今ではそうでもないが、当時は衝撃的だったことだろう。元々ホラーモノはあまり好みではないが、これぐらいなら楽しめる。”The Lake House"の方はハッピーエンドが嬉しいラブ・ストーリーでカップル向け。二人とも歳とりましたね。

  Oct 25, 2006

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  映画：The Three Burials of Melquiades Estrada

  以前に友人から映画も紹介して欲しいと言われていたが、最近あまり映画を見る余裕が無かったし、飛行機の中の映画もそれほど興味がありそうなものをやっていなかった(あるいは見たかもしれないが記憶に残るようなものはなかった）。今日のThe New York TimesのPlaylistはMars VoltaのBlixler-Zavalaが最近興味を持っている音楽リスト。その最後に昨年のカンヌ映画祭に出展された”The Three Burials of Melquiades Estrada"が紹介されている。本作品はGuillermo Arriaga脚本で、彼はこれまでも”21Grams"や”Amores Perros"などの素晴らしい脚本を手がけている。基本的には”お涙頂戴もの（Tearjerker）”。この作品は「移民の社会への許容」が題材。ある男が射殺され、テキサスの砂漠に埋められた。すぐに見つかりお墓に埋めなおされた。牧場の監督者であるPete Perkinsは、国境警備官を拉致、彼に死体を再び掘り起こさせ、警備官と死体をラバに乗せてメキシコに向かう。監督は主演も兼ねるTommy Lee Jones。彼はカンヌで主演男優賞を受賞している。The BandのLevon Helmが老人役で出演しているのも見逃せない。同作品のサイトでTrailerを見ることができる。 The Three Burials of Melquiades Estrada

  Aug 26, 2006

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  映画：Take the Lead

  この暑い中でもマンハッタンというところは面白い人がいる場所である。今日も五番街をセントラルパークに向かって歩いていると、向かいから自転車に乗ったスカート姿の中年の女性が涼しげに走ってくる。マンハッタンで自転車というとバイク便の人が多いが、この人は通勤らしい。面白いのはヘルメット姿に加え、口には警笛を加えている。合理的だと言えばそれまでだが、スカート姿とヘルメットと警笛のアンバランスが何ともニューヨークらしい。 アンバランスと言えば、先日ボストンからサンフランシスコのフライトで見た映画”Take the Lead"はまさにそういったアンバランスを題材にしたものと言える。ある荒廃したハイスクールにひょんなことから社交ダンススクールの男性講師がダンスを教えることになる。生徒達はディスコではスターだが、社交ダンスには全く興味を示さない。ところがある時、プロの女性とこの男性講師のタンゴを見た途端その美しさに魅了される。そして生徒全員はダンス・コンテストを目指すことになる。最後は先のプロの女性と決勝で戦うことになり、その勝敗の結果は...と言った、アメリカらしいサクセス・ストーリーなのだが、実はこの話は実話を基にしたものだと言うので驚いてしまった。勿論かなり脚色してあるわけだが、それでも本当にこういうことをするダンス講師がいるというのはアメリカらしい。社交ダンスを題材とした映画では、”Shall We Dance"が有名ではあるが、プロのダンスの凄みやエレガントさはこの映画の方がうまく表現されてるように思う。特に主役のAntonio Banderasはマナーを含めて大人の男性の魅力を存分に見せ付けている。ちょと日本人がこんな風だと相当嫌われてしまうだろうけど。この映画のサイトは Take the lead

  Aug 4, 2006

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• Morgan Spurlock

  Morgan Spurlockと言うとあの自らマクドナルドのハンバーガーを食べまくった”Super Size Me"で有名だが、彼が米国のFXというチャンネルで”30 Days"という番組を始めており、評判が良いとTime誌に出ている。コンセプトは”自分と全く別の考え方を持つ人と一月過ごすとどうなるか”とうシンプルなものである。例えば最初のエピソードは、国境の取り締まりを担当する民兵が不法入国者の家族の住まいに移り住み、米国で彼らがどういう生活をしているかを理解する、というもの。その他、米国でアウトソーシングで職を失った男がアウトソース先のインドに行き職探しをするというもの、無神論者がキリスト教徒の家で30日過ごす等がある。また自分自身に関連したものでは、今や彼の妻になった当時のガールフレンドと一ヶ月最低賃金で暮らすというものや、30日間監獄に入るというものがあったらしい。特に監獄に入ったことは彼に大きく影響を及ぼしたらしい。「子供の頃、母親に「監獄は悪いことをした人が入るところなんだよ」と教わったが、一つの過ちを犯した後更生しづらくなる人がいることが判った。彼らは何らかの罪は犯しているのだが、何らかの罠に嵌って再び監獄に戻らざるを得ないこともあるんだ。」次のサイトは30 Daysのブログ Morgan Spurlock

  Jul 25, 2006

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• 映画”Glory Road”

  以前一度話題にした映画であるが、今回改めて東京からのUA便で見たので、気がついたことを数点追加したい。まずAdolph Ruppを演じるJohn Voightは思った以上に素晴らしい演技で、改めて感心した。当時Adolph Ruppにとっても衝撃的な決勝戦だったに違いない。当時ケンタッキーという州での黒人に対する圧力から考えると、彼の行動も不自然だったとは思えない。さらに気がついたことでは、最後のテロップが流れる部分で、今年NBAで再度チャンピオンチームに輝いたPat Reileyが当時のUniversity of Kentucky側の主要メンバーであったこと。彼はこのゲームを振り返り「同じコートに立っていたことを光栄だと思っている」と述べている。どちらにしろ、今ではUniversity of Kentuckyも黒人無しでは成り立たないチームになっており、米国のバスケットボールをこのゲームが変えたといっても過言ではないだろう。しかし映画では、当時既にTexas Western大学側の黒人達はバックダンクを決めているのだが、実際に当時のゲームでもそういう状況だったのだろうか。是非当時の本当のゲームのビデオを入手してみたいものである。

  Jun 15, 2006

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  映画”The Proposition"

  Londonのピカデりー・サーカス近くの映画館のポスターを見ていると、西部劇らしき映画があった。その後近くのカフェにあった新聞をパラパラみていると、どうもその映画は脚本をNick Caveが書いたもののようで評判が良い。映画名は”The Proposition"で、舞台は1880年代のオーストラリア（Nick CaveはMelbourne生まれ）。Charley BurnsとMickey兄弟は警察との撃ち合いの末、捕まる。英国人大尉のStanleyは彼ら兄弟にある「Proposition:命題」を与える。精神異常の兄Arthurが悪の根源だと信じるStanleyはCharlieにArthurを捕らえないとMickeyをクリスマスの日に絞首刑にし、もしCharlieがStanleyを捕まえられるなら二人を釈放すると言う。サントラの方もBad Seedsの盟友Warren Ellisとの共同作品。当初Nick Caveはサントラのみの担当だったが、その後監督John Hillcoatからの提案で脚本作りに参加していくことになる。映画のオフィシャルサイトは The Proposition Nick Caveのサイトは Nick Cave and the Badseeds

  Mar 19, 2006

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  映画 Magnolia

  大分身体が楽になってきた。昨日は久しぶりにステッパーとエアロ・バイクを使って運動できたし、夜も人並みの時間まで起きていらえた。昼間は暖かかったので、近くの浜辺を散歩できたぐらいで、気持ちの良い日だった。日中はまだ頭が重い時間があるが、その時間帯は我慢して眠らないようにしなければならない。そこで、ずっと見たくて見ていなかった映画「Magnolia」を図書館で借りて見ることにした。奇妙な映画である。登場人物9人だかが、同時に違うドラマ設定で意味深な行動を開始する。それが最後にはすべてつながっていることがわかる。この奇妙な感覚と複雑な登場人物は、テレビ映画「ツイン・ピークス」以降米国のドラマでもよく見ることができる。誰が主人公かどうかはあまり意味がない。そして最後にはクライマックスで”人生の偶然性”が提示される。ちょっと気持ち悪いが、十分インパクトがある場面ではある。劇中、サントラ盤のエイミーマンの歌詞を出演者がそれぞれ異なる場面で口ずさむところがあるが、これも一つのコンセプト”救済”を提示するための効果的な設定だ。二時間余りのドラマは長すぎると感じる人もいるかもしれないが、私は特に長いようには思わなかった。映画としては名作とは言いがたいとは思うが十分カルト性のある映画だし、俳優陣の熱演も印象に残る。ちょっと演出が臭いところがあるかもしれないが、TV映画的でそれも特には気にならなかった。次はこの映画の監督Paul Thomas AndersonのBoogie Nightsを見てみることにしようと思う。映画のオフィシャルサイトが未だ残っているがすでに予告編等はダウンロードできない。登場人物の人脈図は参考になるかもしれない。 Magnolia

  Feb 6, 2006

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  Heart of Gold

  時差がなかなかとれない。毎晩（といってもまだ二晩目だが）深夜の一時半頃に目が覚めてしまう。それからメールをチェックしたり一時間ぐらいゴソゴゾした後、結局メラトニンを服用して朝まで薄い眠りにつく。夢を見るのだが、この夢も歯切れの悪い夢ばかり。登場人物がみな同じ行動をずっと繰り返す。しかもメラトニンの効果が結構持続して、目が覚めてもボーとしている。どうしても一週間ぐらいはこういう状態が続くが、また一週間後にはロンドンに行く必要がありそうだ。Neil Youngの2005年グラミー賞ノミネート作”Heart of Gold"が2/10に封切られる。監督は”Philadelphia"、”羊たちの沈黙”、”Stop Making Sense"のJonathan Demme。昨夏のナッシュビル・hallowed Ryman Auditoriumでの”Prairie Wind"ツアーの模様を収録したドキュメンタリー映画である。ステージでは彼の長年の親友、エミルー・ハリスや奥方のPegi Young、バンド・リーダーでスチール・ギタリストのBen Keithがサポートする。場所がナッシュビルだけあって、ステージは彼のカントリー・バックグランドが強調されている。ご存知の通り彼にはパンク色の強いロックからテクノから色々な音楽側面があるが、彼の中ではすべて同じ脈絡で整理されているように思う。この映画で彼がかき鳴らすバンジョー・ギターも”Rockin' in the Free World"でレス・ポールをかき鳴らすのと何ら変わりが無いのだろう。実際彼のブルース色の少ないギター奏法はそういうバックグラウンドを強く匂わせる。次のサイトでこの映画の予告編（Trailer/Clip)を見ることができる。 Heart of Gold 同じサイトでWallpaperがDownloadできるがどれも素晴らしいので、思わず自分のDesktopに設定してしまった。

  Feb 5, 2006

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  映画　”The Commitments"

  日本に行くとそのきめ細かいサービスに驚く。例えばスターバックスの店の前にフリースの毛布が何枚か籠に丸めて置いてある。最初は売り物かと思ったが、どうも新品のようには見えない。どうも店の前に喫煙客用のテーブルや椅子が置いてあるが、その人たちが寒くないように毛布が置いてあるようだ。先週Wilson Picketが64歳で亡くなった。晩年は酒酔い運転で有罪判決を受けたり、リーガルトラブルが多かったようだが、”In the Midnight Hour"等の名曲はそれでも色褪せない。彼には”Mustang Sally"という名曲があるが、個人的にこの曲は映画”The Commitments"で新しいバンドが最初に取り組む曲として思い出される。プロのサックスプレイヤー（実は元James Brownのバンドメンバー）以外はアマチュアの連中が集まるが、性格が破綻しているが歌わせると異常にうまいボーカリストの下、次第に街の人気者になっていくというアイルランドのバンドの話だ。最後は女の問題でバンドは潰れるというのも、典型的なアマチュアバンド・ストーリー。監督はアラン・パーカーで91年の作品。サントラアルバムは何と世界で15百万枚も売れた。Joe Cockerを彷彿とさせるボーカル役のAndrew Strongは何枚かCDを発売しているが、当時はまだ18歳だった。恐るべし。Andrew Strongのサイトは Andrew Strong

  Jan 26, 2006

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  Pulp Fiction

  昨年の５月から日本に行く用事が無かったが、久しぶりに行くことになった。しょっちゅう行くというと、感動が無いものだが、これぐらい期間が空いていると、あれもやりたい、これもやりたいと少し欲が出てくるものだ。最近はいつもUnited Airlineなので、全日空と同じターミナル。このターミナルは綺麗だが、Duty Free Shopなどが狭い。メールでもチェックをしようと、いつものBritish Airlineの無料カウンターに座ったが、以前と異なり電話線での接続口が無くなっており、LANケーブルが必要らしい。ケーブルは預けた荷物の中なので、Wirelessのサービスを探すものの、うまく接続できない。しつこくRed Carpet Clubの近くに座り込んで試してみるがこれも駄目。仕方が無いので諦めた。Wirelessサービスぐらい整備して欲しい。機内に乗り込む。マイレージが貯まってきて、今回からPremier Executive扱いなので、早めに乗り込める（後で調べたところRed Carpet Clubに入る資格があったらしい）。その後一般搭乗者が入ってきて、南米系の男性が隣に座る。離陸してからしばらくして話しかけてきた。チリ出身なのだが、日本で自動車の輸出商社に勤務していると言う。彼が着席した時に、John Mayer TrioのCDを持っていたので、音楽が好きなのかと、話題を振ってみると、彼のI Podを見せてくれる。カラー液晶で、Video画像も再生できる型だった。初めて見たが、画面は綺麗だし、大きさもモノクロの液晶よりも少し大きめで、操作性も素晴らしい。彼のMusic Listを見たところ、70年代以降のロックが中心で、ギターを弾くらしい。彼は大きなWidescreenを搭載したHPのLaptop PCを持ち込んでおり、DVDでクエンティン・タランティーノの”Pulp Fiction"を見るという。彼のPCはHeadphoneのInputが二つあるので、一緒に見ることになった。同映画は実はVHSカセットで持っているが、台詞の英語が難しい。彼にとっても同じらしくこのため字幕を出してみるのだと言う。そう言えば、昔この映画の台本を買ったんだ、と言ったら、彼も同じく持っていると言う。この映画で流れる音楽が好きなんだ、と言うので、”Dick Dale！"と応えると、笑っていた。今回、最初の数十分を一緒に見直したが（その後二人とも眠った）、やはりこの映画は面白い。タランティーノは次の”ジャッキー・ブラウン”のPam Grierが格好よかったので、そちらを強く覚えていたが、この”Pulp Fiction”の台詞が一々笑わせる。まだ台詞をよくフォローされていない方は一度じっくり味わうことをお奨めする。この映画には”Kill Bill"で主役を務めたUma Thurmanが最初に英国訛りの彼とレストランで強盗するところから始まる。この会話も論理が無茶苦茶で変だ。彼女のエキセントリックな演技が”Kill Bill"に繋がっていくのがよく判った。その他この映画ではJohn Travoltaが新境地を切り開いたので有名だし、Samuel L. Jacksonなど配役も豪華だ。音楽の方もDick Dale以外にCool & the Gangなど、いつものタランティーノの映画らしく、「これで来ましたか」という感じだ。彼のオタク度は映画のみならず音楽も凄いのだろう。94年の作品。

  Jan 21, 2006

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  映画　Glory Road

  ケンタッキーのレキシントンにはRupp Arenaという体育館があって、他に大きな会場が無いこともあって、あらゆるイベントがここで開催される。イーグルスやエアロスミス級のコンサートも開催されるし、子供向けのセサミストリートライブやサーカスなども行われる。そう言えばサーカスを見に行ったことがあるが、結構大掛かりなもので、大きな体育館を象が20頭ぐらいグルグル回るのは圧巻だった。今日のThe Wall Street Journal、The New York Timesともバスケットボールの実話を元にしたサクセスストーリー映画”Glory Road"を好意的に紹介している。1962年、負け犬と言われていたTexas Western大学のバスケットボールに新しいコーチDon Haskinsがやってくる。彼はそれまでは高校の女子バスケットボールのコーチしか経験が無い。選手のリクルートから始め、貧しい黒人達が住むハーレムから次々と有能な選手を発掘していく。当時の大学バスケットボール界では黒人をスタートメンバーに使うことはまだ珍しく、ホームゲームでは一人まで等の暗黙のルールがあったぐらいだ。Haskinsはこのタブーを色々な嫌がらせを受けながらも破っていく。彼の黒人チームはメキメキと腕を上げていき、ついには1966年にはNCAA入り、Final Four（準決勝）まで進む。そして同年の3月の決勝で全員白人で当時最強を誇ったUniversity of Kentucky（UK)と対戦することになる。このUKを率いるのが名将Adolph Rupp。先のRupp Arenaの名付け親となった彼は人種的に進歩的ではなかった。今度の映画ではこのAdolph Rupp役をJohn Voightが演じている。この映画は黒人コーチが白人のアメリカン・フットボールチームを率いて勝利を飾る”Remember the Titan"とストーリーが似ているが、実は今回の映画のプロデューサー、Jeffy Bruckheimerはそちらにも関わっている。出来すぎのような話と思われるかもしれないが、どちらも実話であり、実際Don　Haskinsは97年にTha Basket Hall of Fame入りしている。この映画のサイトは Glory Road

  Jan 14, 2006

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  映画 Andy Warhol's Bad

  今日のThe New York Timesの”House & Home"にJay Johnsonという人が経営しているJed Johnson & Associatesというインテリア会社が紹介されていた。このJay Johnsonは創設者のJed Johnsonとは双子の兄弟なのだが、Jed Johnsonという人はAndy Warholの愛人だったことで有名らしい。1980年にAndy Warholと別れた後、1996年にTWAの飛行機事故で死亡、その後やむなく双子のJayが経営を引き継いだらしい。この双子のJohnson兄弟はミネソタの田舎出身だったが、流れに流れてニューヨークに辿りつき、食うに困ってやっとありついた電報配送の仕事をしていた三日目にたまたまWarholのファクトリーに電報を届けることになり、その後の人生が激変したらしい。インテリア会社としては会社の中心メンバーの死にも関わらずその後継続して成功を収めているようで、顧客にはミック・ジャガーや、ジェリー・ホール（元ミックの奥さん）、バーバラ・ストライサンド、リチャード・ギア等がいる。こういう商売が成立しているとは流石米国だ。次のサイトでこの会社のインテリア作品の写真が見られる。 Jed & Associates さて、このJed Johnsonについて調べてみたところ、1971年にはAndy Warholの映画”Bad”の監督をしているようだ。ストーリーは親戚をたくさん養う必要があるニューヨークの主婦が副業で殺し屋斡旋業をやっているが、不良刑事が殺し屋の一人を逮捕しようと取引を申し出、一方怠け者のいとこが殺し屋に加わりたがったことで話がどんどんややこしくなっていく、というものらしい。それまでのWarholの映画とは異なり、かなりハリウッド寄りのキャスティングであるが、それでも奇妙な雰囲気は損なっていない、とあるレビューには書いてあった。一度見てみたい気がする。

  Nov 11, 2005

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  映画 Walk The Line

  今日のThe New York Timesにジョニー・キャッシュの自伝映画”Walk the Line"の広告が出ていた。封切りは11/18でサウンドトラックアルバムは11/15発売らしい。映画のストーリーは彼がサン・スタジオでサム・フィリップスにロックンロールを薦められ名前をジョニーに変名、”The Man in Black"が誕生することになるところから始まり、その後の彼の人生の紆余曲折を追っていくものらい。この人がカントリー界の大御所であることは間違いないのだが、顔つきを見てもらったらわかる通り、相当な強面で、イメージ的にも信念が強く流行やビジネスに流されない風を醸しだしている。それでも実は若いアーティストのカバー曲も抵抗なく取り入れるところがある。トム・ぺティ、ポールマッカートニー、ビートルズ、ブルース・スプリングスティーンは当然としてU2、ジョー・ストラマー、フィオナ・アップル、ナイン・インチ・ネイルズ、ベック、サウンドガーデンなどの曲まで歌っている。そして一様に彼らから尊敬されており、歌われたアーティストが皆光栄だと言う。サントラの方はまだ中身が公開されていないが、音楽プロデューサーはT・ボーン・バーネットが選ばれた。彼は映画音楽での経験やアメリカのルーツ音楽に関する造詣もさることながら、Counting CrowsやThe Wallflowersなどの新進バンドの最初のアルバムを手がけたことが評価されたらしい。オフィシャルサイトは Walk the Line

  Nov 10, 2005

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  映画 Jerry Maguire

  キャメロン・クロウの新作”Elizabethtown"の評に”Jerry Maguire"と同じように...という文章があったので、96年の作品ながら図書館で借りて見てみることにした。邦題は「ザ・エージェント」というらしい。映画の方は、理想を追い求めて失業したスポーツ・エージェントが落ち目のフットボール選手と自分に共鳴してくれたドロシーとの付き合いで自分を成長させて行く、というシンプルなストーリーだが会話の妙が楽しめれば面白い映画だと思う。既に10年近く前なのでトム・クルーズは若く、ドロシー役のレニー・ゼルウィガーもまだ普通の女優に見える。さてサントラの方は流石キャメロン・クロウの映画だけあって、的確な場所に各曲を配置している。最後にBob Dylanの”Shelter from the Storm"を流しているが、”Blood on the Track"収録のオリジナルではなく、The Best of Bob Dylanに収録されたAlternate Versionの方。”"Come in," she said, "I'll give you shelter from the storm"”という詞を、苦境の主人公を救済するドロシーにマッチさせている。懐かしかったのはPaul McCartneyの”Momma Miss America”というインストルメンタル曲。この曲は発売当時は評判が良くなかった彼の1stアルバム収録曲だが、 昔FM大阪のビート・オン・プラザという、アルバム丸々一枚を毎日オンエアしていた番組のテーマ曲として関西では有名だった。このアルバムには他にも”May be I'm Amazed"など今でも米国のFMクラシック・ロック局で頻繁にかかる名曲も入っている。視聴はAmazon.comで Jerry MaGuire: Music From The Motion Picture

  Nov 9, 2005

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  映画”New York Doll”

  今日のThe New York TimesのFilm in Reviewに、”New York Doll”という映画が今日封切られるとあった。この映画はThe New York DollsのベーシストであるArthur Kaneを追ったドキュメンタリー映画だ。The New York Dollsは「まだPunk Rockという言葉すらなかった頃に、ストーンズの猥雑さ、ミックジャガーの両性具有性、デビッド・ボウイやT.レックスのグラムロック、ストゥージーズのノイズをベースにパンクロックとヘビーメタルの前兆となるハードロックの一形態を築いたバンド（VH1.com）」と言われる。71年に結成、二枚のオリジナルアルバムを残して75年に解散した。ドラッグ・酒という典型的なロックンロールライフを極めたメンバー5人のうち、91年にギタリストのJonny Thundersがヘロインの過量摂取で死亡、その追悼コンサートの数ヶ月後にドラマーのJerry Nolanが脳梗塞で死んでいる。この映画の主人公であるKane氏はバンド解散後、食うに困り、ドラッグと酒、うつ病、貧困に悩まされるなど、西海岸で悲惨な生活を送る。最後にはやっとのことで立ち直り宗教に救済と希望を見出し、55歳の彼は毎日ネクタイ姿で彼の働くモルモン教会の図書館に通っている。彼がThe New York Dollsとして過ごした日々は短いが、その後もずっとバンドの伝説は成長している。映画でもクリッシー・ハインド、ボブ・ゲルドフ、モリッシーといったミュージシャンがドールズがいかにプログレやヘビーメタルの様式に陥っていた当時の音楽シーンに活気を与えたかを語る。昨年、モリッシーは2004年にロンドンで開かれたThe New York Dollsの三人の生存メンバーによるコンサートに参加するようにKane氏を招いた。映画ではKane氏が恐る恐るRock'n'rollに戻っていく様子も追っていく。質屋から自分のベースを取り戻し、残りの生存メンバーであるデビッド・ヨハンセンとシルベイン・シルベインとロンドンに行く旅に合流する。ヨハンセンが80年代にBuster Poindexterとして成功したことにわだかまりがあったが、それが次第に消えていく。そしてコンサートで有終の美を飾った彼は間もなく白血病で亡くなった。次のサイトでプレビューを見ることができる。 New York Doll

  Oct 28, 2005

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  Elizabethtown

  今日のThe New York Timesには今日から封切りされるキャメロン・クロウの新作「エリザベス・タウン」が紹介されていた。エリザベス・タウンは昔住んでいたレキシントンからも近く、馴染み深い。ケンタッキーらしく四季を通じて美しい街だ。キャメロン・クロウと言えば、2001年のアカデミー賞脚本賞を受賞した”Almost Famous（邦題「あの頃ペニーレインと」）”は大変楽しませてもらった。ロックバンドのツアーに記者志望の少年が同行して色々な経験を積んでいくという話で、キャメロン自体が雑誌ローリングストーンの記者だったこともあり自伝的要素がある。この架空のロックバンドが70年代を凝縮したようなバンドで、実はピーター・フランプトンとハートのアン・ウイルソンが作り上げたものだ。オールマン・ブラザーズ・バンドがベースとも言われるが、ボーカルのマイクの振り上げ方などから見ると、どちらかと言えばフリーのポール・ロジャースにそっくりだ。今度の「エリザベス・タウン」は、ナイキに似たスニーカー会社に努める主人公が画期的な新製品で大失敗、会社に大損害を与えクビ、同僚の彼女にも振られ、失意のどん底で自殺を試みようとしているところに父親の死亡の知らせが電話で入る。急遽ルイビル行きの飛行機に乗るが中はガラガラで、唯一の同乗者であるよくしゃべる客室乗務員とロマンスに進展していく、という話らしい。この記者は”burgoo"という田舎シチューにこの映画を例えている。封切り作品はベニスやトロントの映画祭で発表されたものから相当カットされ、監督の当初のアイディアがすべているとは言い難く、筋の通っていない部分も目に付くらしい。それでも、最後は忘れるのが難しいような、ゆるやかで押し付けがましくない親しみやすさ”loose, unforced friendliness that makes it hard to dislike"を感じると評している。音楽的にはいつもの作品と同様にクラシック・ロックが効果的に使われており、トム・ぺティやエルトン・ジョンに「俳優がするべき仕事をたくさん」させていると表現している。サントラ盤にはパティ・グリフィンも入っている。こちらも期待できそうだ。 Elizabethtown

  Oct 14, 2005

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