Walk on the Wild Side

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  遠藤賢司/Silver Star

  大瀧詠一のNiagra Moonに続いてお小遣いから購入したのが遠藤賢司の初期ベストアルバム”Silver Star"。まずアルバムジャケットが素晴らしい。Dr. Johnを彷彿とさせる。次に歌詞カードの裏側に掲載されているジーンズ。「踊ろうよベイビイ」のジャケットのような見事な絵が描かれている。音楽的には二ールヤングに影響を受けたと思われる「カレーライス」、ドアーズをアコースティックにしたような「ほんとうだよ」から、はっぴいえんどを迎えた「夜汽車のブルース」、星勝をギターとプロデュースに迎え、「ワッショイ東京」でのパンクロックにもつながっていくスペースロック「踊ろうよベイビイ」と幅の広さを感じる。この中でも「満足できるかな」は素晴らしい。Stonesの”Satisfaction"の視点を代えた歌詞。はっぴいえんど（マイナス大瀧詠一）の素晴らしい演奏（特に細野氏のベース）。遠藤賢司の攻撃的なブルースハープ。名作中の名作と言われる「東京ワッショイ」の四人囃子のこじんまりとした演奏よりも圧倒的に優れている。最近「遠藤賢司“還暦記念”リサイタル」と題したコンサートで細野晴臣・鈴木茂・林立夫がゲスト参加。「夜汽車のブルース」他を再現したらしい。是非同じ面子での「満足できるかな」が観てみたい。彼のオフィシャルサイトは Kenji Endo

  Sep 24, 2007

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  Niagara Moon / Eiichi Otaki

  以前Sugar Babeの30周年記念アルバムでお話した通り、最初に自分のお小遣いから購入したアルバム。この内容の濃さに当時数年間圧倒された。実はこのアルバムがSecond Line Funkを意識して作成されたということを知ったのはつい最近のこと。それまでMeetersやNeville Brothersをあれ程聴いていたのに、それに気が付かなかったのは私だけのせいだろうか。この遊び心ある詩と、Presley等に影響を受けた歌唱の特殊性はオリジナルのMeetersやNevillesと連想させないだけのオリジナリティを感じさせる。全くNew Orleans Funkを知らない人でも楽しめながらも、Second Line Funkの真髄を忘れないこの姿勢はJust Wonderfulと言える。New Orleansの人も異国の地で新しい解釈を受けて素晴らしい音楽ができることを驚かされるはず。最後の三ツ矢サイダーのCM用三連荘は余裕の技と言うのはあまりにも惜しい永遠の名作。大瀧詠一のサイトは Eiichi Otaki

  Sep 23, 2007

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  Josh Ritter/The Historical Conquests of Josh Ritter

  英国はもうかなり涼しくて朝晩は暖房をかける人もいるぐらいだ。これで日本に帰ると相当暑く感じるだろうな、と思って成田に戻ったが意外とそうでもなくなっていたのでホッとした。日本は今からが過ごしやすく食べ物も美味しい時期。つい飲みすぎてしまわないように注意しないと。Paste Magazine9月号のディスクレビュートップで四つ星半の高得点を得ているのはJosh Ritterの新作”The Historical Conquests of Josh Ritter"。2006年発表の前作”Animal Years"もなかなか良い出来だった。Idaho州のMoscow出身、大学時代に曲を書き始めて神経科学の専攻からなんと最後は”Narrative Folk Musicを通じた自作米国史”に転向して卒業した。音楽的には Bob Dylan, Bruce Springsteen，Leonard Cohen, Woody Guthrie, Townes Van Zandt等に影響されているが、持ち味はその創造力逞しく深みのある詩。Paste Magazineは”The New Old Americana"として持ち上げている。彼のサイトで新作のサンプルを聴くことができる。 Josh Ritter

  Sep 15, 2007

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  Teddy Thompson / Upfront and Down Low

  今朝はすっかり過ごしやすく久しぶりにエアコン無しの生活ができる。今住む家は借家で、玄関に吹き抜けがあるようなどこにでもありどうな一軒家なのだが、吹き抜けの天井の網入りガラスから日差しがまともに差し込むのと開閉しない窓のお陰で非常に風通しが悪い。このためお盆休みは特に二階の空気が澱んでしまいすっかり参ってしまった。デザイン性を優先すると生活しづらくなる例だと思う。地球温暖化の中、家の仕組みやデザインもよく考えないと酷い目に遭う。日本にはやはり日本の気候に合ったデザインが必要ということか。Teddy Thompsonの新作”Upfront and Down Low"の出来が良いらしい。これまでの二作とは異なり、一曲のオリジナルを除いてすべて40年代から70年代のカントリーの名曲群である。ご存知Richard ThompsonとLinda Thompsonの息子である彼はロンドン生まれながら現在はニューヨークに住んでいる。曲作りに提供がある彼だが、今回は敢えて自分に影響を大きく与えたというカントリーカバーに挑戦、結果的にこれまでのアルバムよりも出来栄えが良いと言う。内六曲はNick Drakeのストリングアレンジを努めたRobert Kirbyが、一方”My Blue Tears"ではRufus Wainwrightがストリングアレンジをそれぞれ努めている。セルフプロデュースでPaste Magazineの評は四つ星。MySpaceは Teddy Thompson My Space

  Aug 18, 2007

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  Sam Baker / Pretty World

  昨日は世田谷の病院に用事があって行ったが、休み明けとかで午後３時の予約にも関わらず結局診察をしてもらったのは７時を回っていた。日本の医療制度は何かおかしいに違いない。午後３時に行った時点でもらった札が11番で、やっと午前中の患者の診察が終わったところだというので、開き直って砧公園に行くことにした。この公園に行くのは何年振りだろうか。流石に猛暑の中駐車場も混雑していない。公園の散歩道は意外と日陰があって涼しい。家にいると朝から晩までクーラーの生活なのでぐったりするが、木陰の中でゆっくり過ごすのは非常に気持ちが良い。都会のオアシスとはこういう場所を言うのだろう。Paste Magazineが今月一押ししているのがAusin出身のソングライター、Sam Bakerの二枚目のアルバムである”Pretty World"。かなり渋いCDである。いわば通好みで、2004年に発表された一枚目の”Mercy"は、Lucinda WilliamsのプロデューサーであるGurf MorlixやTownes Van zandtのマネージャーであるJohn Lomax IIIからここ10年のシンガーソングライター最高傑作と賞されたらしいが、この本作もその前作に勝るとも劣らない評価を受けている。Bakerは86年にペルー人テロの鉄道事件で大怪我を負い、その後肉体的にも精神的にもリハビリに時間がかかったらしい。その後左手でギターを弾くことを学び、独特のシワガレ声も怪我が原因だと言う。じっくり丁寧に聴きこみたい音楽と言える。サンプルは次のサイトで聴くことができる。 Sam Baker Pretty World

  Aug 15, 2007

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  Roky Erickson / You're Gonna Miss Me

  60年代のサイケデリックバンド、the 13th Floor Elevatorsのリーダー、Roger　Kynard "Roky" Ericksonのドキュメンタリー映画が米国で封切られているらしい。2005年にSXSWで最初に披露されたもの。バンド自体の唯一のヒットは”You're Gonna Miss Me"であるが、ナショナルチャートではそれほど売れていない。曲の方はThemの”Gloria"に似ている。彼を有名にしたのは、その後精神病を患ったことで、かなり酷い生活をしていたのだが、兄弟の尽力でそれを克服したことだ。今回の映画にはその波乱万丈の生活が描かれているらしい。長い間薬物治療を行ってきたが、2005年のAustin City Limits以降かなり音楽活動を積極的にできるまでに回復したらしい。今回の映画に併せて、The Explosivesを率いてツアーも行っている様子。現在ZZ TopのBilly Gibbonsと新作の製作にとりかかっている。ところでThe 13th Floor Elevatorsにはもう少しでJanis Joplinが参加する予定だったという逸話もあるそうだ。彼のMySpaceは Rocky Erickson

  Aug 13, 2007

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  Renee Stahl/Hopeful Romantic

  なかなか暑いと暑苦しい音楽は聴きたいとは思わない。そうは言っても、夏はレゲエだ、サーフィンミュージックだとか、クールなジャズ、ボサノバだとか言う「夏の音楽」という一般的なジャンル分けにはちょっと閉口してしまう。こう何回も夏を経てくると、こういった一般的な「夏の音楽」を夏に聴いただけで食傷気味になっているのだろう。この時期の日本のFM局はどこもステロタイプな曲ばかりが流れるので何とかならないのかと思う。知恵と財力さえあれば独自のFM局を作ってみたいな。いまやInternet Radioの時代だから勝負にならないか。The Paste Sampler 34のトリを務めるのは、クリーブランド出身のRenee Stahl。彼女は自分の音楽をMelancholy Pop（ファーストアルバムのタイトルでもある）：「同時にHappyにも悲しくもする音楽」と呼ぶ。二枚目のこのアルバムは本人によると「少し楽観的」らしいが、十分Melancholicな気がする。情景が浮かぶようなサウンドはすでにいくつかの米国のTV番組に使われている。日本でもTVドラマにでも使用されれば大ブレイクしそうな気がする。 Renee Stahl

  Aug 12, 2007

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  The Mooney Suzuki / Have Mercy

  今住んでいる場所の目の前には竹林があって、ホトトギスが朝から鳴くなど都会の住宅地の片隅にある自然に恵まれた場所である。車もあまり通らず、犬を連れて散歩する人達が通る程度で、休みの朝もかなり静かだ。その代わり毎日家に帰るのが少し大変だ。時間は駅から15分程度なのだが、有名な丘陵地帯なので、上りがキツい。毎日家に着いた時には汗でびっしょりになってしまう。8年間こんな暑い中を歩いたことが無かったので相当応える。何故か昔大学時代に歩いて自動車教習場に通っていた頃のことを思い出す。あの時も相当暑かったな。Paste MagazineのSamplerの二曲目はThe Mooney Suzukiの”99％”。どこまで聴いたメロディー、サウンドの寄せ集めのような曲だ。ジャケットもとても現代のバンドとは思えない。てっきり再発ものかと思ってしまった。96年に結成されたこのバンドの名前は70年代のジャーマンロックバンドCanの Malcolm MooneyとDamo Suzukiの名前を組み合わせたもの。バンドが影響を受けたアーティストはThe Who, Led Zeppelin, The Jimi Hendrix Experience, Band of Gypsies, Booker T and the MGs, Otis Redding, James Brown, Sly and the Family Stone, AC/DC, ZZ Top, Joe Walsh, The James Gang, Money Mark, Question Mark, Doobie Brothers, Allman Brothers, Marx Brothersらしい。”99％”のイントロはDire Straits、曲そのものはDoobie Brothers、サビはDeep Purpleの”Hush"、スライドギターはJoe Walsh、ピアノはThe Facesというところでしょうか？アルバムタイトルが”Have Mercy"というのがオチということか。彼らのMySpace.comは The Mooney Suzuki

  Jul 28, 2007

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  Petur Ben / White Tiger

  Icelandには流石に行ったことは無いが、米国在住中によく日本の旅行会社がIceland温泉”ブルーラグーン”ツアーを企画していたので、一度は行ってみたいと思っている。日本の温泉とは異なり巨大、火と氷の国ならではのダイナミックな自然が楽しめるようだ。The Paste Sampler33の第一曲目はIcelandのReykjavik出身のAlternativeギタリストPetur Benのソロアルバム”Wine For My Weakness"から”White Tiger"。イントロのギターフレーズがRobert Flipp翁風でありながら曲はMaroon 5のように80年代風キャッチーポップとこのアンバランスなところが気持ち良い。Petur Banは同じIcelandのMugisonの右腕として有名らしく、今回はMugisonとは離れて、Dylan, Neil Young、Radioheadの影響が濃い内向的なアルバムを発表している。YouTubeではアコギ弾き語りでの”Billy Jean"を披露しており、このミスマッチ感が期待できる。彼のMySpaceは Petur Ben

  Jul 15, 2007

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  Penetration / Moging Targets

  先月号のMojo誌のオマケCDは”Music is Love"のタイトル。ロックの名曲15曲のカバーを収録している。その中で何年（十年？）振りに聴いたのがPenetrationのPatti SmithのカバーFree Money。パンクがまだはっきりニューウエーブに移行する前に現れたPenetration。Pauline Murrayのボーカルはまさしくパンクなのだが、音の方はギターを始めとして相当オールドウエイブ。ファーストアルバム”Moving Targets"の後、”Coming Up For Air"を発表して解散。解散後にデモとライブを集めた”Race Against Time"がリリースされた。確かすべてビニル盤で神戸の実家にあるはずだ。あの当時購入したパンクロックのレコードの中でもダントツでよく聴いたもの。久しぶりにMySpace.comで何曲か聴いてみると、なかなかPaulineのいかにもパンクな声とタイトなリズム陣による楽曲が気持ち良い。バンド名もパンクっぽくて素晴らしい。4月にベスト盤が発表されたようなので、ご興味のある方はそちらをどうぞ。MySpaceは Penetration

  Jul 14, 2007

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  Crowded House / Time on Earth

  日本に帰国して極端に音楽情報のインプットが減ったので、結局こちらでもPaste Magazineを購読することにした。申し込んでから二ヶ月、待望の最新号が先週到着。ちゃんとCDのオマケ付だ。無理して新しい音楽を聴くつもりもないが、何となく最近は進歩が無いよう気もあって、これで少しは気分転換になるかも。今度カバー・バンドをやるならぜひこの曲をメンバーに提案したいと思っているのは、Crowded Houseの”Don't Dream It's Over"だが、そのCrowded Houseが14年振りにニューアルバムを発表、そのままツアーに出るらしい。バンドは1996年に歴史的な解散コンサートをシドニー後、二年前にはドラマーのPaul Hesterが亡くなって、The Policeの再結成コンサートのように準備万端という訳ではなかった。今回ももともとリーダーのNeil Finnが新しいソロアルバム制作をJayhawks，Ryan Adams, Kings of Leon, Ray LaMontagne, Rufus Wainwright等を手がけたEthan Johnsと始めたのが、しだいにCrowded Houseのプロジェクトに進展して行ったらしい。まだ新ドラマーのMatt Sherrodがグループに十分馴染んでいないものの、Neil Finnのポップセンスが光っているとの評。”Don't Stop Now"はSmithのJonny Marrとの競作で7/7のLive on Earthには地元Sydneyから参加。彼らのサイトは Crowded House

  Jul 8, 2007

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  映画: Across the Universe

  昨日のThe Pursuit of Happynessのトレイラーを見たり色々調べていると同じSonyが”Across the Universe"という映画のトレイラーを公開しているのを見つけた（昨日書き忘れたがHappynessの綴りは主人公がChina Townで見つけた間違いを意識的に使っているもの）。米国での公開が今年の9月ということだから、まだまだこれから色々語り始められるのだろうが、内容的には60年代後半を意識しており、同じThe BeatlesのSoundtrackを使った”I am Sam”とは随分異なり、映画”Tomy"のようなFantasyを多様しているようだ。監督Julie Taymorは98年に”The Lion King"の舞台監督としてTony賞を受賞している。Soundtrackの方は"Girl", "With a Little Help from My Friends", "All You Need is Love", "Helter Skelter", "I Want You (She's So Heavy)", "Hey Jude", そして"Across the Universe"が使われているようだが、どうも出演している俳優が歌っているらしい、ということぐらいしか見つからなかった。出演者の劇中での名前が面白く、Jude, Lucy, Max, Doctor Robert, Mr. Kite, PrudenceやSexy Sadieと言ったもので、それぞれ"Hey Jude", "Lucy in the Sky with Diamonds", "Maxwell's Silver Hammer", "Doctor Robert", "Being for the Benefit of Mr. Kite", "Dear Prudence"，"Sexy Sadie"がその由来だ。ちなみにDoctor RobertはU2のBonoが演じている。公式サイトもまだ情報が少ない。これから少しづつメディアにも流されてくるのだろう。まずはこちらでTrailerをどうぞ。 Across The Universe

  May 13, 2007

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  Southern Bitch / Strong Medicine

  Southern Rockに目（耳？）が無い。昨日Paste Magazine 28thのSaplerCDを聴いていると、Southern Bitchというバンドが紹介されていて、生きのよい演奏を聴かせている。Adam Musickがフロントマンで奥方のWendy、BassのChuck Bradburnと新規加入のTaylor Sproullとで昨年11月に最新アルバム”Strong Medicine"を発表している。奥方はなかなか迫力があってまるでRunnawaysのLita Fordのようだ。Paste Magazineによると”Drive-By Truckers, Neil Young & Crazy Horse, Lynyrd Skynyrd, the Bottle Rockets”のファンにお奨めとのこと。Adamは元々Abingdon，VAの出身で、教会で聞いたGospelとカーターファミリーのカントリー、父親が聴いていたクラシックロック、そしてJane's Addictionに影響を受け、一言で言うと”alternative-meets-classic-rock style”であると言う。彼らのサイトでBioを見ていると、面白いエピソードが書いてある。Lynyrd Skynyrdが77年の飛行機事故の前に、天敵”Neil Young”とレコーディングする予定があったという伝説があるそうだ。信憑性は定かではないが、この手の伝説には夢がある。しかしこのジャケットは本当に売る気で作ったのかなあ。彼らのサイトは Southern Bitch お奨めは”Get Ready”でMySpaceで聴くことができる MySpace Southern Bitch

  May 3, 2007

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  Blonde Redhead / 23

  NPRのAll Songs Consideredで最後に紹介されているのがBlonde Redheadの最新アルバム"23”。ジャケットが印象的だ。デビューは93年で、オリジナルメンバーはKazu Makino, Maki Takahashiにイタリア人の双子の兄弟SimoneとAmedeo Pace。Maki Takahashiはデビューアルバム録音後に脱退、その後はトリオ構成。もともとは最初のアルバムをプロデュースしたSteve ShelleyのSonic Youthに近い音作りだったが、少しづつオリジナリティが出てきたと言う。彼らのサイトは Blonde Redhead

  May 2, 2007

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  ローリングストーン・インタビュー集1

  日本に帰って、トランクルームに預けていた荷物が色々届いた。何よりも驚いたのはVCRや音楽カセットテープが結構多かったこと。今やこれらはほとんど聴く事はないだろう。一方書籍の類では米国に持っていっていなかった音楽関係の書籍が興味深い。その中の一冊が題記の書籍。74年7月5日の第一版で草思社が発行している。河村要助氏のイラストがお洒落だ。今の若い方には想像がつかない世界だと思うが、当時の日本は欧米の音楽に関する情報が極めて限定されていた。このように単に米国の雑誌を翻訳したような書籍が大事に発売され、購入していた人がいた。インタビューイーはエリッククラプトン、マイク・ブルームフィールド、フランク・ザッパ、ピート・タウンゼント、チャック・ベリー、ジム・モリソン、フィル・スペクター。面白いのは、翻訳が丁寧過ぎて皆が敬語で話していること、しかし内容的には現代ではちょっと問題があるような内容も扱っていること。例えばクラプトンがジミー・ヘンドリクスについて語る中で「イギリスじゃ誰もがいまだに、XXXはでかいXXXXを持っていると思っているんです」というようなことが書いてあったりする。丁寧な言葉遣いが奇妙だ。当時まだ10代だった子供たちがこういう本を読んで色々空想に耽っていたことが面白く今では笑い話になることだが一種微笑ましい。そう言えば日本でもローリングストーン誌の日本版が最近は発売されているようだが、当時の貴重な情報とは今や価値のレベルが大きく異なるだろう。

  Apr 30, 2007

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  Joe Boyd：White Bicycles: Making Music in the 1960s - The Joe Boyd Story

  随分長い間お休みしてしまった。その間に結構いろいろなことがあったが、それはまた別の機会にご紹介するとして、まずは今は日本で再び生活をしている。Podcastのお陰で、ABCやNBCのニュース、NPRのAll Songs Consideredを毎日聴いている。日本の新聞はあまり興味が持てないし、これまでも日本の新聞を読まなくても生活できたので、まずはこのまま生活してみることにしている。このためVirgina Techの事件は結構詳しい。さてNPRの先週の特集は60年代にPink Floyd, Nick DrakeやEric Claptonを手がけたプロデューサー、John BoydのInterview。5月に”White Bicycles: Making Music in the 1960s - The Joe Boyd Story”を発表している。ボストン出身でニュージャージーのプリンストン育ち。最初に手がけたプロデュースはハーバード大学在学中のBlues Musicianだと言う。英国に住むようになってから、 Incredible String Band, Martin Carthy, John Martyn, Fairport ConventionやRichard Thompsonを手掛け、また自らが共同で設立した同クラブの常連だったPink FlydやThe Soft Machineとも仕事をしている。米国帰国後は Jimi Hendrixのドキュメンタリー映画を編集、Maria MuldaurやKate and Anna McGarrigleのプロデュースをしている。InterviewではPsychedelic時代のPositiveな楽観主義を懐かしんでいたり、当時のエピソードを説明しているのが興味深い。彼のサイトは Joe Boyd

  Apr 25, 2007

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  再び”Lost in Translation"

  11日の日曜の晩に英国へ向かい、月曜から木曜の朝まで英国滞在、木曜の午後に再びニューヨークに戻るという慌しい一週間だった。実は来週の木曜日に8年間の米国生活を終了することになった。13日の火曜には英国で借りていたアパートも解約、来週の月曜には米国の家の荷物を日本に送り、23日の金曜からは日本を本拠とすることになる。そう言う訳で昨日はマンハッタン最後の夜だったが、朝から雪で結構大変だった。結局3-5インチぐらいは積もっただろうか。マンハッタンよりも北部に位置するコスコブ駅からの車の運転はノーマルタイヤでは相当慎重さが必要となった。さて木曜のBA便にはMovie Libraryがあり、名作映画を選択できる。その中にあの”Lost In Translation"があった。この映画については2005年の12月にすでにブログで取り上げたことがある。 Lost in Translation 家にもDVDを持つほど気に入っている映画ではあるが、やはり面白い。非日本人が時差の大きい日本に初めて来た時に感じる期待と不安、コミュニケーションが十分にできない生活の異質感を表現した名作だと思う。何しろ最近通訳の人を介した会議に出席することが多いのだが、通訳を介したコミュニケーションには誤解が多い。誤解の原因は、英語翻訳の限界という問題も去ることながら、日本人側が非日本人側に伝える場合にどうすれば良いかのノウハウが無いケースが多い。日本人側から言わせると、「どっちもどっち、彼らも日本語や日本の文化の勉強をしないと不公平だ」ということになるのだが、ビジネス社会では如何せん英語が国際言語でありこの不公平という論理は通じないので、どうしても日本人側の分が悪い。しかし日本でシニアな人たちはその事実を認めたがらない。特に日本での国際会議では、所謂「ホーム」での試合のため（？）国際社会であることを忘れがちだ。最近仲間内で話をしているのは、日本人はやはり「アウエー」の試合、即ち海外での仕事や生活を個々人でもっと経験すべきだと思う。団体や通訳を介して海外に行くのでは、個人で行く時に感じる孤立感、思う通りにならない挫折感、コミュニケーション能力の大切さはわからない。嫌味に聞こえるかもしれないが、海外で生活した人同士では、こういった感覚が共有できることが多い。そしてそういったことはできれば若い頃に実感しておくべきだと思う。なぜならそれが将来の成長の糧になるからだ。年齢のことをとやかく言うのは差別だろうから、「若い頃」というのは不適切かもしれない。シニアな方でも柔軟な方はいる。問題は年齢に関わらず、いかに自分に「素直」「客観的」になれるか、ということだと思う。まだこの映画を見ていない方はまずはトレイラーをこちらで Lost in Translation Officeial Site

  Mar 17, 2007

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  Blossom Dearie / May I Come In？

  今日は一年振りぐらいにWoodberry Commonというアウトレットモールに行って来た。ここはNew York地区では相当有名な場所で日本の旅行会社はマンハッタンからのオプショナル・ツアーとしてバスを出したりしている。以前は日本人が多かった場所だが、最近は他のアジア系が目立つ。日本人の購買意欲は減退したか、あるいはこの程度のものでは納得しなくなったのか。Mojoの四月号を眺めていると、Everything But The GirlのTracey Thornが”Overlooked Must-hear（隠れた超お奨め盤）"として、Bossom Dearieの”May I Come In?"を推薦している。Tracey ThornはCherry Red Record時代によく聴いたことがある。特に”Pillows and Prayers”というComplilationは最近Remastered盤が日本でも出ていたと思うが、いわゆる名盤。彼女によるとこのアルバムを最初に聴いたのは25年前で、夫であるBen Wattと活動し始めて間もない頃、まだEverything But The Girlを結成する前だったと言う。既にBilly Holidayは聴いていたものの、当時はパンク、ポストパンク時代でありジャズは彼女にとっては「異国風」だったと言う。今考えるとTraceyのボーカルスタイルはこの人に影響を受けていることがわかる。Blossomの雰囲気も極めてお洒落。Traceyは”A Jazz Voice of Delicary, Elegance and Meancholy”と言っている。Blossom Dearieのサイトは Blossom Dearie

  Mar 11, 2007

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  The Village Green/ The Kinks

  前回日本に行った時に本当に久しぶりにタモリの「空耳アワー」を見る機会に恵まれた。どうも年間大賞だか何だかで木村カエラなどのゲストを迎えた特集で大変楽しめた。少なくとも20年ぐらいはこの番組は存在すると思うのだが、相変わらずB級の俳優が演じるビデオは笑える。わざわざNative Speakerにそのフレーズを言わせて、やっぱりXXと聴こえる、と嬉しそうに言う姿が情けなくて嬉しい。日本人の英語能力というのは、帰国子女のような幼少時に恵まれた経験をした人は除くと、かなりこういう「空耳」状態があるのだろう。逆にこちらの発音もなかなか伝わらないことがある。8年も米国で過ごしながらも、先日トランポリンの発音が通じなかった。私の場合アクセントの位置を間違っていることが多い。フロリダの”Orlando"や自動車会社のマツダ（”Mazda")は何度発音しても通じなかったことがあり、思い出深い（？）単語である。「空耳」ではないが、日本のある時代までの楽曲というのは、惜しげもなく（？）外国曲をパクッていたことがある。今日The Kinksの”The Village Green”を聴いていて、最初はタイガース辺りのGSっぽいなあ、と思ったが、次に連想したのは甲斐バンドの「裏切りの街角」だった。以前レココレでも「お手やわらかに」というサエキけんぞう氏のコーナーがありました。しかし日本のこういうディープな話題はひさしぶりに見ると大変面白い。

  Mar 8, 2007

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  Guillemots / Through The Windowpane

  Mojo誌最新号のReaders' Poll2006でベスト10にランクされているのがGuillemotsの”Through The Windowpane"。これまでチェックが洩れていたバンドだったので調べてみた。Wikipediaによると、Birmingham出身のFyfe Dangerfieldが2004年に結成したバンドで2004年のBrit Awardにノミネートされている。この変わった名前は'gillimott' と発音され、海鳥の一群を指すそうだ。Fyfe Dangerfieldは現在はLondonに居住中でCranbrook CollegeというHigh Schoolの音楽教師でもある、このデビューアルバムは2006年のMercury Music Prizeにノミネートされたが、残念ながらArctic Monkeysのデビューアルバム”Whatever People Say I Am, That's What I'm Not”に次いで次点となった。ライブではCDとはかなり違った演奏をすることでも有名だそうで、フルオーケストラでのライブも行ったことがある、彼らのサイトはなかなかユニークでアート的に凝っていて面白い。 Gullemots MySpaceで何曲かのサンプルを聴くことができる。聴いた感じはFlaming LipsのようにEclecticな印象だ。掴み所の無いところが期待を高める。 Gullemots MySpace

  Mar 4, 2007

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• 音楽の二面性

  一昨日、以前から会いたかった近所（と言っても英国内）に住む高校の後輩に会いに行った。彼は偶然にもバスケットボール部の後輩でもある。食事の約束を守れなかったりしていたので、やっと会えたという感じだ。彼は英国生活4年目で、その意味では私よりも随分先輩だ。趣味がギター演奏だと聞いていたので、音楽に話題を向けてからお酒も無いのに結構話が盛り上がった。彼は英国に住んでいる今でも日本の”Young Guitar"と”Player"を購入していて、一時はプロのギタリストも目指したという筋金入りのハードロック・ギター青年(中年？）である。私もそういう方面もある程度知っているので、話を付き合うのはそれほど苦労しない。話をしていて思ったのは、Playerの人の聞き方とListnerとしての聞き方というのは大分違うものなのだろうな、ということである。以前Violinを演奏している人が、「あの人はPlayerではなくてListnerなので音楽家の歴史とかそういう話に興味がある」とまるで別の世界の人のように話をしているのを聞いたことがある。私の場合は、一応ど素人ながらPlayerもしていたことがあり、未だにたまにGuitarを触ったりをする一方”Rockin' On"を25年近くも購読していたことがあるので、Listenerとしての見識（？）もあったりする。ブログを始めてからは、すっかりListenerよりにはなっていますが。結論としては、音楽の好み方としてはどちらでも良い訳だし、どの人もPlayerの側面とListnerの側面を持ち合わせているのだろうなあ、というものだ。Air GuitarなんていうのはListerがPlayerに憧れているからこそ成立するのでしょう。Playerの人だって全くイメージ先行の聞き方を否定できる人は少ないと思う。彼には最新号の”Young Guitar"の付録だというDerek TrucksのGuitar教則DVDをもらったので感謝している。何となく味気ないものではあったが。次回は音楽を聴きながら、お酒を交えて話をしたいものである。

  Mar 1, 2007

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  The La's / There She Goes

  英国の音楽TVを何気なく見ているとLa'sの”There She Goes"のVide Clipが流れていた。Liverpool出身の彼らが何気なく地元の路地を歩き回る様子をハンドカメラで収めたもので、当時Mersey Beatリバイバルと言われたこの曲もOne Hit Wonderと言える名曲だ。何度もプロデューサーを代えたあげく、U2で有名なSteve Lillywhiteのプロデュースで録音したものも「60年代らしいDustが表現できていない」としてLee Maversは駄目出しをする。それでもレーベル側は彼らの反対を押し切り”The La's"を90年に発表。再録された”There She Goes"はチャートの13位にまで上昇、好評を博する。音楽的にはMersey Beatを思い起こすリズムに、Byrdsを彷彿とさせる12弦ギターがイタイケナメロディーを奏でる良いバンド。コード進行も面白い。"There She Goes"の歌詞は、ドラッグを思い起こす内容だと当時物議も醸した。 Sixpence None the Richer, Robbie Williams, The Boo Radleys等が同曲をカバーしている。2005年に再結成、日本にもSummer Sonic Festivalで来日、昨年9月にはBBC In Sessionという87年から90年の演奏を収めたアルバムも発売されている。La'sの曲のTablatureは Tab La'Tures

  Feb 26, 2007

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  Patty Griffin / Children Running Through

  木曜日に成田を出発、今回はLondon経由でManchesterへ。BAでのLondon行きは初めてかもしれない。日本人の客室乗務員がいたのが不思議に感じた。実際客層もほとんど英国人。食事は少し日本的だが、日本で作ったとは思えない代物。日系の食事（ファーストクラスではしゃぶしゃぶが鍋で出てくるらしい）に対する執念とは大違いである。Paste MagazineのCD Reviewでトップを飾るのがPatty Griffinの”Children Running Through"。「米国で最も孤独な少女」、「Bruce SpringsteenのStolen Carの歌詞を拝借、声をほとんど囁きのようにして、その自然な泣き声で絶望的な死を乗り越えられない緊張感として表現している」。レーティングは四つ星。何しろこの人の声は素晴らしい。MySpaceでこのアルバムからの一曲を含む四曲を聴くことができる。 Patty Griffin My Space

  Feb 24, 2007

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  Lucinda Williams / Car Wheels on a Gravel Road

  先週購入したPaste Magazineで珍しく5つ星に輝くのがLucinda Williamsの”Car Wheels on a Graval Road（Deluxe Edition)"。98年作の傑作が昨年10月に3曲のボーナストラックとWXPN-FMでのLiveと一緒にDeluxe Versionで登場している。98年に45歳でこの作品を発表した頃これは一大事だった。それまでの二枚のアルバムで批評家に絶賛されていたが、前作からこのアルバムができるまでに6年の歳月がかかった。この間にAlternative CountryではUncle TupeloがWilcoとSan Voltに分裂、Ryan Adamsがデビュー。6年間の間に彼女自身もレーベルを二度移籍している。彼女自身もかなりスタジオ完ぺき主義だったと言われる。まさに生みの苦しみを経て生まれたこのアルバムはついに商業的にも成功。Grammy賞のBest Contemporary Folk Albumも受賞。ギターの音色が気持ちが良い。ゲストとしてSteve EarleとEmmylou Harrisが参加している。彼女のサイトは Lucinda Williams

  Feb 18, 2007

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  Scott Walker / The Drift

  グリニッジの海はオフシーズンは住民以外にも開放されているし、冬は愛犬を連れた人達が多く散歩しているが、海沿いなので風が強く体感温度は随分低い。その代わり天気の良い日はマンハッタンまでが眺望できるのが素晴らしい。今日あたりちょっと出かけてみようかと思う。元Walker BrothersのScott Walkerが昨年の5月に11年ぶりに発表した”The Drift"は当時批評家に絶賛されたらしい。先週の図書館の収穫物として改めて聴いたが、最近のサウンドにクラシックな歌が乗っていて、かなり奇妙な印象だ。そもそも興味を持ったのがMojo誌を読んでいたところ、読者の質問欄に”Brian Enoと競作した未発表作があると聞きましたがネットで探しても見つかりません”という質問があったのが気になったからだ。Mojo誌によるとベーシストのMo Foster談として、84年作の”Climate of Hunter"と同じメンバーでPhil ManzaneraのスタジオThe Galleryに入って85年に録音されたとする。VirginがBrian EnoとDaniel Lanoisを連れて来たがそれがうまく行かなかったらしい。噂ではScottは結局気に入らずテムズ河に捨てたとも言われているらしい。同じ06年には”Scott Walker: 30 Century Man”というドキュメンタリー映画も製作されるなどScott Walkerの評価が目覚しい。映画の中では David Bowie, Radiohead, Jarvis Cocker, Brian Eno他彼に影響を受けたミュージシャンも登場する。4ADのScott Walkerのサイトは 4AD Scott Walker

  Feb 11, 2007

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  Blodwyn Pig

  今やすっかり日本文化通になっているピーター・バラカン氏の古い本で彼が紹介していたのがこのBlodwyn Pig。流石グリニッジ図書館で英国ロックですがちゃんとこのCDもありました。Jethro Tullを68年にIan Andersonとの不和から脱退したギタリストMick Abrahamが結成したバンドで、メンバーはベース、ドラムスにサックス。当時流行していたYardbirds、Free、Led Zepplinと同様ヘビーなブルースロックを演奏したが、サックスをメンバーに加えたことでジャズ的なニュアンスが加わり、他のバンドとはちょっと趣が異なっている。ジャケットが印象的。ある意味でブルース・ロックというジャンルは既にこの頃に完成していたと言っても良いのかしれない。Blodwyn Pig：Mick Abrahamのサイトは Mick Abraham's Blodwyn Pig Official Site

  Feb 10, 2007

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  The London Howlin' Wolf Sessions

  一週間振りに昨晩もグリニッジ図書館を物色。ちなみにこちらは夜の9時まで開いている。日本の図書館もこれぐらいのサービスをできないものかな。やはり木曜日というのは狙い目なようで今回も満足できる収穫。ジャケットがなかなか素晴らしい”The London Howlin' Wolf Sessions"。明らかにロンドンのピカデリーで参加メンバーがたむろしている姿が絵になっている。時代は70年で、Howlin' Wolfはもう15年以上もレコーディングをしていなかったらしいが、こういう時代のロンドンにも行って見たかったなと思わせる。当時の評判は特にブルース・ファンからすごぶる悪かった。クラプトンやビルワイマン、チャーリーワッツなどのロック側出演者はただただHowlin' Wolfの存在に圧倒されていたらしい。異国の地の音楽に憧れ、ひたむきに彼らの音楽をコピーしまくっていた少年時代に戻ってしまったのだろう。その意味で今の若いミュージシャンがポール・マッカートニーと競演するのとも大分違うのかもしれない。クラプトン自身もこのときを振り返って、演奏を満足していないらしいが、意外とロックファンにはこのアルバムは評判が悪くないようだ。03年にリマスタード盤として二枚組になったが、Outtakesは期待しない方が良い。

  Feb 9, 2007

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  Dexy's Midnight Runners / Searching For Young Soul Rebels

  いや～寒い。例年並だと言ったらそれまでだが、やはいニューヨークの冬を舐めてはいけないと反省した。今日は特に風も強く、マンハッタンでも顔中にマフラーを巻いている人がたくさんいた。これだけ寒いと外に出かけないという人もいるだろう。最近よく買いに行くお弁当屋さんがあまりにかわいそうだったので、チップを置いていってあげた。昨年英国での初カラオケでやはり英国ならではと思わせたのが、Dexy's Midnight Runnersの”Come on Eileen"を歌った人がいたということだったが、先週の図書館で彼らのデビューアルバムを見つけた。2000年に20周年を記念して再発売したもので、同年英Q Magazineが英国の偉大なアルバム100の85位にランクさせている。時期的には80年、ちょうどポストパンクとニューロマンティクスの間、大所帯のメンバー構成によるニュー・クラシックソウルはなかなか経済的には成功しなかった。それでも沈滞気味の音楽シーンでこのファーストアルバムは批評家の絶大なる評価を受けた。初期の熱い息吹きが伝わってくる。このアルバム発売後Kevin RawlandとKevin Archerを除くメンバーが全員脱退、その意味でも貴重なアルバムである。最近この後の81年の三枚のシングルなど所謂Mk2時期のアルバム”The Projected Passion Revue"が発売されている。Style CouncilにいたMick Talbotも参加していた。最新のMySpace.comは Dexys Midnight Runners MySpace.com

  Feb 6, 2007

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  Acoustic Ladyland / Skinny Grin

  前週・前々週と外食が続き胃腸が疲れきっていたので今週はゆっくりできて身体には良い休暇になった。先週東京で何を食べたかを思い出してみると、和食・居酒屋系が三日、イタリアンが一日と圧倒的に和食が多い。それでも何か身体が落ち着かないのは、単に飽食しているということだろうか。また一日ぐらい断食してみた方が良いのだろう。音楽の方もどうも目新しいものが耳にしていない気がする今日この頃ですが、このAcoustic Ladylandはなかなか予想が付きにくい。元々のバンド名は明らかにJimi Hendrixの”Electric Ladyland”を意識したものだから、下手に保守的なことは出来ないということか。ベース、サックス、ドラムス、ピアノの構成のロンドンを拠点とするジャズバンドがDirtyなRock'n Rollを奏でる。リズムのブレイクの仕方がJimiっぽくもあるし、James Brownぽくもある。照れの無いBen Fold Five？否、甘いメロディーが無いので彼らのようなポップ的要素は無い。ジャケットがプリンスを意識しているようにも見える。一度彼らのMySpace.comで聴いて見て下さい。 Acoustic Ladyland

  Feb 3, 2007

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  Lindsey Buckingham / Under the Skin

  最近はすっかり電話をかけると「いま、どこ？」という質問を受けるようになったが、今日はCTの自宅。夕方マンハッタンを出た頃はまだ雨だったのが、電車を降りてCos Cobの駅を出た頃にはみぞれ交じりの雪に変わっていた。昨日憂さ晴らしに久しぶりにグリニッジ図書館に寄って、CDを物色。大漁旗でも掲げたいぐらいの好調振り。2-3週間ぶりだったからかもしれないが、恐らく新年に入って新譜が大量に入荷されたからもあるだろう。米国を離れる際に一番名残惜しいもの筆頭は間違いなくこの図書館だ。その中から昨年10月に発売されたLindsey Buckinghamの”Under the Skin"。確かMojo誌の昨年のランキングでも健闘していた記憶がある。この人との出会いは勿論Fleedwood Mac時代の”Rumour"に遡る。当時はPunk Rock全盛期で私も髪型をそれらしくしようとしていた（つもりが単なるスポーツ刈りだったりして）。そういう時代だったから彼らの音楽には違和感があり、まるではっぴいえんどを否定する内田裕也のごとく無視に近かった。今考えると若気の至りとしか言いようがないが、彼のギターは当時からバンジョー奏法をベースとした独特のフィンガーピッキングでロックっぽく無いと思い込んでいた。ロックはスタイルでは無いのだとわかるようになったのは年齢を重ねたお陰です。Floodwood Macの活動は2003年の”Say You Will"が最後で、ソロでは2005年にあの映画”Elizabethtown"で一曲提供。このアルバムは彼の57歳を記念するアコースティックアルバムで、ソロアルバムは何と14年ぶりである。ほとんどの曲を彼一人で演奏している。Stonesの”Aftermath"収録”I Am Waiting"もカバー。こういう歳を取り方は理想的だ。彼のオフィシャルサイトは Lindsey Buckingham

  Feb 2, 2007

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  V.A / Endless Highway The Music of The Band

  Last Waltzから30年、新鋭気鋭のアーティストが一同に集まってThe Bandのトリビュートアルバムを完成させた。発売はClombia系列の429 Records/Savoy Label Group。My Morning Jacketの”Make No Difference"はLevon Helmのスタジオで録音。Mojo誌によるとBo KosterによるキーボードはRichar Manuelのオリジナルの完璧な再現だという。以下はその収録曲。Jack Johnson "I Shall Be Released"The Allman Brothers "The Night They Drove Old Dixie Down"Death Cab For Cutie "Rocking Chair"My Morning Jacket "It Makes No Difference"Lee Ann Womack "The Weight"Jakob Dylan "Whispering Pines"Gomez "Up On Cripple Creek"Bruce Hornsby "King Harvest"Rosanne Cash "Unfaithful Servant"Blues Traveler "Rag Mama Rag"Joe Henry "Bessie Smith"Guster "This Wheel's On Fire"Widespread Panic "Chest Fever"John Hiatt & North Mississippi Allstars "Ain't No More Cane"Jackie Greene "Look Out Cleveland"Animal Liberation Orchestra (Jack Johnson's touring band) "Ophelia"Steve Reynolds "Stage Fright"Josh Turner "When I Paint My Masterpiece"Government Mule "The Shape I'm In"同レーベルのサイトは Endless Highway

  Jan 29, 2007

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  Norah Jones / Not Too Late

  Norah Jonesの三枚目のアルバム"Not too Late"が今月末に発売になる。Mojo誌によると、今回のアルバムは前作までの極上の古典（Carmichael, Ellington, Hank Williams)や最近の音楽（Waits,Jesse Harris)のLife-style frindlyなCountry/Jazz/Folk的解釈というものとは少し毛色が異なり、全作自作曲でかつ”気持ちの良い毛布をまとった複合ソウル”とでも表現できる、としている。彼女のサイトではまだシングル曲の”Thinking About You"しか聴くことはできないが、この曲を聴く限り、最近伝え聴いていたThe BandなどAmericana系音楽のお勉強の成果が出ているように思う。同曲のVideo Clipをこちらでどうぞ。 Thinking About You Video

  Jan 21, 2007

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  Field Music / Tones of Town

  さて昨年の八月から５ヶ月ぶりの東京。今回は初めての逆周り世界一周”Round-the-world”+日本往復、という長旅なので、夜の方は自制している。JALのロンドン便は修学旅行らしき集団もいて、結構満杯。日系の航空会社に乗るのは久しぶりだが、面白いことに米系とは異なりあまり機内で仕事をしている人がいない。日本人の方がよく働くというのは今は昔の話なのか、それとも段取りの遅い米国人が単に出張前の駆け込みで仕事をしているのか？とふと疑問が湧いた。単に日系の場合は観光客系が多いからかもしれない。ヒースロー空港で買ったMojo二月号で「英国のSteely Danに値するバンドはこれまでにはなかったが、やっと出たみたいだ」と紹介されているのが、Field Musicの”Tones of Town"。彼らのサイトで数曲聴いてみると、あのSteely Danのようなネチッコイボーカルやコーラスが絡んでいるのでは無いので、British Steely Danというイメージとは少し違う。どうもMojo誌の記者は「ジャズのお勉強をしっかりしたポップ」ということが言いたかったらしい。XTC・The Beatles的な曲があったりして、どちらにしろ好みのバンドではある。彼らのサイトは Field of Music MySpaceの方がサンプルは聴きやすい。 Field of Music MySpace　

  Jan 20, 2007

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  Erin McKeown / Sing Your Sinners

  NPRのAll Songs Consideredで、「もしお子さんがいるのなら、このアルバムはお奨め」というのがErin McKeonの五枚目のアルバム”Sing Your Sinners"。このアルバムはすべてが20年代から50年代までのカバー曲集で、あまり有名な曲は少なく、多くの曲は彼女独自のセレクションによるBroadwayやThe Tin Pan Alley音楽。演奏はタイトで格好が良い。しかしこれが子供向けというのがよくわからない。ちょっとお洒落過ぎないかなあ。彼女のサイトでサンプルを聴くことができる。 Eric Mckeown

  Jan 16, 2007

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  Easy Media Crator 9

  I Podの黒は最近購入したものなので、Videoが再生できるのだが、これまではFreeでI TuneからDownloadしたものぐらいしか見ていなかった。TV録画したものや、DVDを変換できれば便利だと思っていたのだが、その術を知らなかったので活用できていなかった。正月休みに会員制ストアのCostcoに行って、販売されているSoftwareを見ているとRoxio社のEasy Media Creator 9では既存の映像をI Pod用に変換できるとあるので、購入してみた。価格は＄69とCostcoでは$10ほど市販よりも安い。さて実際映像情報を変換してみると思ったよりも難しくなく、TV番組で録画したものやDVDの画像を変換できる。また映像情報なので相当HDの容量を消費するのかと思ったが、これもそれほどでは無い。これなら通勤電車の中やフライト中でも楽しめる。Software自体はかなり動きが鈍いような気はするが、今まで使っていたMyDVDと並存させているからかもしれない。ある程度Easy Media Creatorを使いこなした段階で、MyDVDの方はUninstallした方が良さそうだ。このI PodはAV Cableを購入すれば、既存のTVにも接続できる。ということは今後この派生として車のDisplayへの接続などが便利になれば、音声のみならず画像も持ち運ぶ時代がすぐに来るということだ。I Podの勢いはまだまだ止まらないようだ。

  Jan 4, 2007

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  Bose Sound Dock System

  クレジットカードのポイントが貯まったので、以前から興味があったBose Sound Dock Digital Music Systemと同じく同社のIn-ear Headphoneを注文した。Sound Dockの方は、I Podを差し込むと音が出るスピーカーで、前から見ると前面がスピーカーのように見えるユニークなデザインだ。色は最近買った方のI Podに合わせて黒にした。サイズは思ったより小振りで、厚みもそれほど無く、スペースを取らないのは魅力だ。肝心の音の方は感動するほどは良いとは思わなかった。以前、ホテルに置いてあった同社のWave Radioのような奥行きのある広がりが無い。最近Wave CD System向けにI Podの専用コネクターが発売されたようなので、そちらの方が良いかもしれない。それでも他社のI Pod用のスピーカーとは比較していないので、何とも言いようが無いが、良い方なのかもしれない。付属品としてカード型のリモコンが付いているのだが、ボリュームレベルが確認できないなど中途半端な感がある。デザイン重視で機能は最小限に絞ったためだろう。In-ear Headphoneの方は、最近発売されたもので、今まで使っているShure社のE2cに対抗するものだ。こちらは音の方はまあ良いのだが、ShureのEarpadほど耳への密着感が無い。Earpadは三種類大中小と付属されているが、どれも今ひとつしっくり来ない。身銭を切らなかったからかもしれないが、今回のBose社製品は今ひとつ満足感が少なかった。

  Jan 3, 2007

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  The Jammys Live

  ニューヨーク地区のTV放送局でMSGという名前のものがある。これはあのMadison Square Guardenに因んだ放送局で通常はスポーツイベントを放送することが多い。その放送局で年末の8時頃からちょうどカウントダウンを境に朝まで放送されていたのがThe Jammys Liveというジャムバンドの祭典。2000年からJammy AwardsとしてニューヨークでGrammyに対抗して表彰も行われている。今回放映されていたのは、これまでからのベストの選曲だったようで、お正月ならでは（？）の面白い組み合わせを楽しめた。Gov't MuleにGregg Allman、Derek TrucksのAllman仲間が加わり、さらに元PhishのTrey Anastasioが加わったバンド、Blue Oyster Cultの中心メンバーがmoe.に加わっての”(Don't Fear）the Reaper"、Guster、Martin SextonにPeter Framptonが参加しての”Do You Feel Like We do"、Buddy GuyとJohn Meyerとの競演、 Dr. JohnにThe MetersのベーシストGeorge Porter Jr. 等が加わっての"Hey Pocky Way"等。Best of the Jammys Vol. 1というDVDも発売されているらしい。The Jammyのオフィシャルサイトは The Jammys

  Jan 1, 2007

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  Vienna Teng / Dreaming Through the Noise

  さて一年の終わりである。米国ではクリスマス以降は普通の生活に戻り（というか皆財布の紐をゆるめすぎて反省している）、一瞬だけ大晦日にカウントダウンで盛り上がる。その後は何と2日から平常の生活に戻るという寂しい正月。個人的に今年を振り返ると、やはり一大事は英国でも生活するようになったことだろう。言語的にも文化的にも英国での生活は刺激になった。もう一つのイベントはと言うと9月に参加したAspen Executive Seminar。あれは本当に今考えても大仕事だったし、忙しい中一週間もああいう生活ができたのが奇跡のようだ。音楽的には米国の雑誌”Paste"を新たに知ったのが新しい出来事だが、何よりもいつもこのブログに立ち寄ってくれているリーダーのお陰でここまで続けてこれたので改めて感謝したい。さて今年最後の紹介はVinna Tengの”Dreaming Through the Noise”。サンフランシスコ出身の台湾系アメリカ人のSSW。元Cisco社のSoftware Engineerだったという変り種でもある。彼女のサイトでサンプルを聴くことができる。 Vienna Teng

  Dec 31, 2006

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  ”The Devil and Daniel Johnston”

  このニ三日は大掃除で出た不要物を合計4回、ミニバンでごみ処理場に運んだ。不要物を整理するという作業は思い出を捨てるということであり、その結果色々これまでのことを思い出すことが多かった。こういった物は捨てるという作業でさらに忘れ去られていくのだろう。今日はごみ処理場の帰りにグリニッジ図書館に寄り、年末年始用の映画4本とCDを借りた。その中の一本が映画”The Devil and Daniel Johnston"。奇才Daniel Johnstonのドキュメンタリーで、家族や友人が彼の昔からの主要エピソードを語る。叶わぬことが彼にとっては「神の仕業」として重要だったLaurieとの愛（そして彼女の葬儀屋との結婚）、移動遊園地への参加と両親の家を離れてAustin Texasへ移住した時の様子、など興味深いエピソードが続く。あるAusinのライターがDaniel Johnstonの音楽に初めて出会ったエピソードはドラマティックだ。自宅にDaniel自身が自作Tapeを売りに来たというのだ。彼が去った後、音楽を聞いて文字通りぶっ飛んだと言う。彼は当時マクドナルドで働きながら、自作テープを売っていた。当時のライブを観たガールフレンドは彼の音楽があまりに”Raw"だったので、どう反応して良いかわからなかったと言う。その後彼女のと別れ、マリファナ、ニューヨークでの奇行、入院、商業的な失敗だった”Fun"発表とともに再びうつ状態に陥っていく。非常によくできたドキュメンタリー映画だと思う。トレーラーは次のサイトでみることが出来る。 The Devil and Daniel Johnston

  Dec 29, 2006

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  Cheikh Lo / Lamp Fall

  さてクリスマスが終わった。米国のクリスマスはある意味では日本よりもあっさりしているかもしれない。TVでもそれほどお祭り的な特別番組が目白押しというわけでもなく、毎年”Home Alone"などのお決まりの映画を放映したり、一部クリスマスコンサートをやっている程度である。勿論街に出かけるとそれなりに意識はするが、鬼気迫ったセール、という感じはしない。WSJの記事から三作目のご紹介は、セネガル出身のギタリストCheikh Loの”Lamp Fall"。フラメンコ、レゲエ、ポップの要素を西アフリカのルーツと絡めている。サンプルは次のサイトで Cheikh Lo / Lamp Fall

  Dec 26, 2006

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  Persephone's Bees / Notes From the Underworld

  以前はクリスマスと言うと、折角の休暇だから、と言って旅行に出かけることが多かったが、最近はほとんど家でゆっくりする。今年は暖冬なので、クリスマスと言っても少し気分的にも盛り上がりに欠けるようにも思う。家のクリスマス。ツリーが唯一気持ちを盛り上げてくれる。昨日のWSJの続きで、今日はPersephone's Bees。アメリカン・ポップの伝統を重んじながらも、シンガーであるAngelina Moysovが10代を過ごしたロシア音楽・ジプシー音楽の影響が色濃い。60年代の映画音楽のような趣もある。次のサイトでサンプルを聴くことができる。 Persephone's Bees

  Dec 25, 2006

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  Shrift / Lost in a Moment

  先週の金曜日でWSJの購読も止めてしまった。英米の往復生活で実際に読む時間が少なくなったためだ。最後のWSJに今年の音楽シーンの総括をJim Fusilliが書いている。今年はポップ音楽にとってはあまり記憶に残るような年ではなかった、と言う。異常に売れたアルバムも無かったし、革新的な音楽もほとんど無し。トップ40は今までに無く最悪で、カントリーもスムース・ジャズも同様、ロックに関しては15年前にNirvanaが出て以来、全くこれまでの型”Template"を突き破るものが出ていないが、しかしそれでも良い音楽は出て来ていると言う。その彼が一番初めに進めるのがShriftの”Lost in a Moment"。SSWのNina MirandaとプロデューサーのDennis Wheatleyのコンビ。ボサノバと電子音楽のコンビネーションが面白い。次のサイトでサンプルを聴くことができる。 Lost in a Moment Six Degrees Records

  Dec 24, 2006

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  Leo Kottke / Home & Away Revisited

  昨晩は帰りにクリスマス休暇向けにいつものグリニッジ図書館でDVDとCDを借りに行った。CDはあまり収穫が無かったが、久しぶりに見たDVDの棚に結構面白そうなものがあった。DVDの一枚はLeo KottkeのLiveや日常生活を撮ったDVD、”Home & Away Revisited"。89年に米教育TVチャンネルPBSで放送された番組を収めたDVDのRe-issue盤。88年カナダでのLiveが中心だが、彼の家の地下にあるギター倉庫やChet AtkinsとDoc Watsonとの非公式ジャムなどの様子が含まれている。彼は基本的には12弦ギターを持つことが多く、フィンガーピッキングで、スライドバーも使う。元々歌も歌っていた人なので、歌も歌う。自宅での演奏風景では窓の外の緑が美しい。人生そのものがレイドバックされた人であり、それでこそこういった音楽が創作されるのであろう。このビデオの一部がYouTubeで見ることができる。バラバラになったギターを直してもらって、今は10弦という変則なギターになった様子を説明している。 Leo Kottke Home & Away Revisited

  Dec 23, 2006

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  Bright Eyes / A Christmas Album

  クリスマスの好き嫌いは別として米国ではクリスマスが一大イベントであることは間違い無い。勿論宗教的な理由から異なるホリデーを過ごす人もいるのだから、”Merry Christmas”ではなくて”Have a happy holiday"が無難であるが、それでも街はクリスマスが大勢を占めている。特に今日ぐらいになると駅の駐車場はガラガラだし、電車もお客が少なくなることを見込んでか、車両数が少なくなっている。その分マンハッタンは観光客で一杯、五番街はほとんど歩ける状況ではなくなる。例年と異なるのは暖冬の影響で暖かいことだ。既にSufjan Stevensなど今年は何枚かクリスマスアルバムをご紹介しているが、今日はOmaha出身のBright Eyesが2002年に発売したクリスマスアルバム。ベネフィットCDで売り上げはすべてNebraskaのAIDSプロジェクトに寄付される。次のサイトでサンプルを聴くことができる。 Bright Eyes A Christmas Album

  Dec 20, 2006

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• ITuneでの音楽管理

  何度も話題に挙げている通り、素晴らしいCDライブラリを持つグリニッジ図書館のおかげで最近はとんと自分でCDを買うことが無くなってしまった。それとともに音楽はすべてITuneで管理している。グリニッジ図書館に通い始めるまでは、まあ平均的に月に数枚CDを買う程度だった。そのCDは日本から持ち込んだものも含めて300枚程度はある。あまり聴かないことが多かった。今回整理のためにすべてITuneに取り込むことにした。これが意外と大変な作業で、数日間はかかりそうだ。それでもやはり図書館で借りるCDとは異なり一枚一枚に購入した時の状況が刻み込まれていて、色々なことを想い出す。CDやLPのジャケットはそういう効果があるのだろう。こういう気持ちは「捨てる技術」を書いた人には理解できないだらろうが、決して捨てることができないものというのは個々人によって異なるものだと思う。結局ITuneで管理する音楽の容量は100GB、24,000曲、時間にして365日を超えそうだ。すべて聴くのに一年かかるということになる。それにしても音楽のコモディティ化はますます進んでいくのだろう。

  Dec 17, 2006

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  Vetiver / To Find Me Gone

  昨晩遅くに米国の自宅に到着。メラトニンのおかげで結構長い間眠ることができた。やはりHome Sweet Homeで一番リラックスできる。Manchester空港で購入したっきり忙しくて読めなかった最新号”Mojo"の特集はBob Dylan。歴代アルバムのベスト1は”61 Highway Revisted"。裏切り者呼ばわりされたのが今や嘘のようだが、歴史のいい加減さをしみじみと感じるエピソードでもある。同誌では今年のベスト50も発表されている。上位はこれまでご紹介したものが多かったが、その中で6位に輝くのがVetiverというAndy Cabic率いるバンドの”To Find Me Gone"。このバンドは Devendra Banhart筋のバンドだそうで彼のライブではバックも務めるらしい。2007年初めに予定されているVashti Bunyanのツアーもサポートする。聴いた感じはリラックスしたフォーク音楽。ジャケットはモダンな感じだがそういうイメージで聴くとすかされるのでご注意。次のMySpace.comでサンプルを聴くことができる。 Vetiver

  Dec 16, 2006

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  Bootsy Collins / Christmas Is 4 Ever (Shout! Factory)

  昨晩からドイツ、デュッセルドルフ空港の近くに移動、今週は金曜までドイツ滞在だ。ドイツは通算三回目で今年二回目。ドイツ語は全く出来ないが、英語がかなり通じるので心配は不要。入国管理のチェックではまずドイツ語で話かけられるが、すぐに英語にスイッチされる。昨日に続いてのクリスマスアルバムだが、こちらは強力ファンクアルバム。ありきたりのクリスアルバムでは物足りない方にお奨め。とても厳かな気分という感じでは無い。元P FunkのBernie Worrell, Garry Shider, Fred WesleyやSnoop Dogg、そしてBucketheadやGeorge Clintonも参加。Pasteマガジンでもクリスマスアルバムでは唯一の４つ星。 次のサイトでサンプルを聴くことができる。 Bootsy Collins

  Dec 11, 2006

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  Santa Baby

  Paste MagazineのChristmasアルバムの欄を読んでいると、StarbucksのHear Musicが「クリスマス音楽でまるでNew York Yankeesのような布陣のアルバムを出した」と言っている。このアルバム”Santa Baby”の強力ラインアップと収録曲は次の通り。1. River Sarah McLachlan 2. Have Yourself A Merry Little Tony Bennett 3. Sleigh Ride Diana Krall 4. Here Comes Santa Claus Elvis Presley 5. Little Drummer Boy Pink Martini 6. L-O-V-E Nat King Cole 7. Santa Baby Eartha Kitt 8. The Christmas Blues Dean Martin 9. Rudolph, The Red-Nosed Reindeer Ella Fitzgerald 10. The Christmas Song (Merry Christmas To You) Frank Sinatra 11. I'll Be Home For Christmas Aimee Mann 12. White Christmas Sonya Kitchell 13. Christmas Is Lou Rawls 14. I've Got My Love To Keep Me Warm Billie Holiday 15. I'll Be Seeing You Peggy Lee 日本のStarbucksでも発売されているようなので、ちょっと珍しいChristmas CDを探している方はそちらでどうぞ。オリジナルサイトは Santa Baby

  Dec 10, 2006

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• 英国の昼間のパブ

  昨日は知り合いとちょっと遠出をしようということになって、車でマンチェスターの東にあるPeak Districtというところに行った。途中お腹が空いたので、ある小さな街のパブに立ち寄ることにした。英国のパブというのは、お昼間はファミリーレストランのような役割も兼ねている。片側は大人サイド、もう片側はファミリーサイドになっていた。ファイリーサイドの方で、ハムとチーズのパニーにをコーラと注文、意外と美味しかった。因みに以前にも紹介したかもしれないが、グループでパブに行ったときの注文の仕方は、”Buy a Round"と言って、一人が代表して順番に全員の分を購入する。一人一人注文するとバーテンダーに嫌がられるかもしれないのでご注意を。今日からドイツに移動。ドイツのビールが楽しみだ。

  Dec 9, 2006

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  M. Ward /　Post War

  今週はバタバタしている内に終わってしまった。時差はまだきっちり取れていないので、午後は眠くなる。仕方が無いので、歩き回ったり、お喋りしたりして誤魔化したが、逆に夜は眠くないのでメラトニンを飲む。そうすると朝あまり目覚めが良くない。悪循環である。NPR All Songs ConsideredのThe Best Music of 2006の第四位に輝くM. WardはPortland Oregon出身のシンガーソングライターでかつギタリスト。先日ご紹介した、John Faheyのtribute albumであるI Am the Resurrectionでも自らも一曲演奏するとともに、プロデュースでも貢献している。彼は2004年のVote For Change tourでR.E.M.やBruce Springsteen、Jenny Lewis、My Morning Jacketと競演している。この５枚目のアルバム”Post War"は、イラク戦争のことを歌っており、Vanity Fairという雑誌で"how will America heal once this craziness in Iraq is over?" というテーマで扱われた。彼のサイトは M.Ward

  Dec 8, 2006

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