115562 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ボランティアキャリアコンサルティング

ボランティアキャリアコンサルティング

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

キャリアコンサルタントひろくん

キャリアコンサルタントひろくん

2024.10.26
XML
​私は18章に渡って、認知行動療法について説明してきました。その途中、認知行動療法に対して否定的な面を説明しませんした。しかし、心理学やカウンセリングのスキルには万能なものは1つとしてありません認知行動療法もそうです。明確で、即効性があり、人間的にも成長させてくれる認知行動療法。その弱点とは何なのでしょうか?今回はあえて皆さんにお伝えして参ります。​
​​​
弱点の第1は、ある程度の練習が必要になる点です。認知行動療法の仕組みを理解するのは、比較的簡単だった思います。しかし、それが本当に効果をあげるようになるのは、認知行動療法を使うことに慣れる必要があります。
野球でたとえると、バットの振り方をわかりやすく教えてもらって理解できても、教えのとおりにできるようになるにはすぶりの練習が必要になるのと同じなのです。​


弱点の第2は、頭でっかちになり、他人(や自分)の気持ち・考えに鈍感になる危険性がある点です。認知行動療法を行った結果、非現実的なビリーフを考え出してしまうことがあります。そして行動してしまうことで、問題が解決されないばかりか、むしろ人の感情に鈍感になるという副作用が悪く出てしまうのです。​


例えば温和だけど内気な性格に悩む人が認知行動療法を使い「常に相手に認められる必要などない。私は自分の考えや気持ちを相手に伝えたいのだから、相手の思い込みなどに振り回されずに自分流でいけばよい!」というセルフトークを作りました。それに従って実行した場合を考えてみましょう。
コミュニケーションはお互いが大切です。しかし今回の例では、内気すぎる自分を変えるために、相手のことなど考えずに自分勝手に言動しようと考えてしまいました。認知行動療法では現実的に考えることが重要なので、この考えは「良くない思い込み」として働いてしまいます。その結果、​場をわきまえず、相手の気持ちや立場におかまいなしの自己主張が激しすぎる態度​になってしまう可能性があるのです。また「相手の気持ちも考える方がよいのでは?」という本来ならば感じられる考えも無視することになってしまいます。

弱点の第3は、自分の本音をしっかりと認めないと、屁理屈になってしまい、非常に効果が出にくくなってしまう点です。例えば「親に認められなかったからといって、それで人生が終わりなわけではない」という現実的な考え方(ラショナルビリーフ)は、​
・親に依存している自分
・親の顔色をいつも気にしてしまう自分
・自分らしく生きたいと思っている自分
・小さなことでも自力でやりとげたり、成功できた経験を持つ自分
・友人や知人には、親から精神的に自立して、大人同士の親子の交流をしている人がいる事実を受け止める 等
​​​​自分の気持ち・置かれた環境と向き合い受け止めていると、非常に効果が出るのです。
一方親が恐ろしすぎて、逃げたい一心で上記の現実的な考え方
​​​「親に認められなかったからといって、それで人生が終わりなわけではない」​​​​へと修正しようとしても​「どうも自分の心に響いてこないなぁ。効果が薄いなぁ。しょんぼり」​という感覚になってしまうことがあります。

認知行動療法は、練習が実践が十分でない場合。技術が十分でない場合。自分の本音や弱さとちゃんと向き合ってない場合。そういうときに、効果が不十分になる可能性があります。では、その弱点をどう補えばよいでしょうか?

第1の練習不足については、以前説明した「トリプルカラム」「コラム法」をやってみることです。解説の部分を読み返すこともたまに必要でしょう。

第2の頭でっかちになる、人の気持ち・考えに鈍感になる面については、考え出したセルフトークの内容が、現実的であるかどうか? 相手のことを一切考えていないかどうか?その2点について考えた上で実践に移しましょう。
もちろん相手のことを全く考える必要のない場面もあります。その判断をする際も、現実的に考えることが重要なのです。そして現実的に考える場合の多くが、自分を大切にできているけれど、相手のことも多少考えており、不要なトラブルも起こさないですむような内容になっているはずです。


第3の屁理屈を防ぐためには、自分の本音(恐怖など)はどうなんだろうか?という意識を持つことです。もちろん他人に言わなくてもいいです。認めてもらえなくてもいいのです。まずは自分自身では、そのままに感じて、受け止めてあげることのできる自分を少しずつ作り上げていきましょう。

第4に考えを修正する前に、まず行動を変える方が良い時もありえます。勇気を出し、まずはしばらくやってみる方がうまくいくことがあります。もちろんどんな行動をした方がよいのか?は、専門家が助言してくれます。(慣れていれば、自分で選んで実行してもOK) 例えば呼吸法をすすめられたら、やってみることです。​行動のほうが、より即効性が高いケースもあり​ます。​​
次の「​シリーズ20​」へ続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.10.28 16:18:24
コメント(0) | コメントを書く
[わかりやすい認知行動療法シリーズ] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X