「あなたの少食が世界を救う」
イスラム教徒が定期的に断食をしていることは、ご承知のことですが、これは人間の生理に適合した自然なことではあります。 1997年7月、イスラム教徒が多いインドネシアのハビビ大統領は、国民向けの演説で、コメを節約するため、毎週月曜日と木曜日に断食するよう呼びかけました。 このとき、大統領は、 「断食すれば血液が浄化され、頭の回転が良くなる」と断食の効用を説きまして、国民から大喝采を受けました。 日本では「腹八分に医者いらず」「腹六分目で老いを忘れる」という格言があります。 一口、最低30回、良く噛んで食べますと、脳の満腹中枢に刺激が伝えられ、腹六分で満腹となり、食欲がなくなり、だらだらと食べることがなくなり、胃や腸様が適正なお休みをいただくことができます。 現代の日本人は「腹十五分」位の量を、次から次へと休みなく呑み込んでいるだけです。 その結果、胃や腸様は、本来の処理能力を大幅に超えた「サービス残業」で疲れ果ててしまいます。 そうしますと、食品は未処理のまま放置され腸内で腐敗していき、病気の原因となります。 この処理能力を超えた食品の残りカスが「宿便」として腸内に渋滞します。 中性脂肪(皮下脂肪)として蓄積されます。 この残りカスは、腸内細菌のお陰で二,三週間で分解されて消えていきます。 しかし、常時、食べ過ぎていますと、腸内細菌の時間外労働にも限界があり、「宿便」として滞留してしまいます。 この宿便を燃焼し分解させて、排出しないでいますと、病気の原因となります。 宿便を出すのは簡単です。 入れるのを止める、断食をすれば良いのです。 入って来なければ、生理は「出す」ことに集中できます。 すなわち「残りカス」「宿便」を燃焼、分解し、エネルギー源となるものは肝臓へ送り、ブドウ糖として一旦、貯蔵し、必要に応じて各細胞へ送り込みます。 一方、分解されて、エネルギー源とならないもの、すなわち「老廃物」は大便として排出されます。 これが人間の生理であり、健康になるための大原則です。 断食と言いますと、飽食に慣れ親しんでいる日本人にしますと、恐ろしいことのように思い勝ちですが、それは半分、間違いです。 貴方さまも断食をしています。 夕食の後の「夜食」から、翌日の朝食まで断食しています。 具体的に言いますと、就眠時間は断食しています。 ブレイク(破る)ファースト(断食)とは、断食を破って食べることです。 一般的に「朝食」です。 私は、昼食だけの1日一食ですから、「昼食」から「昼食」までが断食です。 24時間、断食していることになります。 断食の時間をできるだけ長くしましょう。 まずは「夜食」を止めることです。 寝る時間の5時間前に断食を開始しましょう。 そして朝食を抜きましょう。 午前中は排泄の時間帯ですから、私たちの生理には、排泄に集中していただきましょう。 この時間帯に食品を呑み込みますと、その処理に追われてしまい、本来の排泄が充分に行われなくなってしまいます。 朝食を抜くと、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が供給されないので「脳の機能」が低下すると言われていますが、そのようなことはありません。 新たな「食べ物」が入ってこない、つまり、断食状態になりますと、脳はブドウ糖だけではなく、ケトン体(脂肪・βーヒドロキシン酪酸)をエネルギー源としていることがオーエンス氏の研究で明らかにされています(1981年)。 京都大学薬学部の香月博志教授の研究によりますと、胎児の脳にブドウ糖だけを与えたよりも、ケトン体をブドウ糖に加えて与えたほうが、脳の発育がよりスムーズにゆくことが判明しています。 乳児期にも、ブドウ糖よりもケトン体のほうが脳のエネルギー源として利用されています。 母乳の中に「βーヒドロキシン酪酸」(ケトン体)が多量に含まれています理由がここにあります。 ですから、朝食を抜いても、脳にはケトン体というエネルギー源が供給されていきます。 確かに、朝食を抜いた場合、私たちの生理が、これに対応できないでいる期間、約一週間はケトン体が供給されませんので、一時的に脳の機能が低下してしまいます。 しかし、この期間が過ぎ、ケトン体が適正に供給できる態勢が整いますと、脳の機能は向上して、頭脳明晰となり「頭の回転が良くな」ります。 残念ながら、大量生産、大量消費を謳歌するだけで「飽食に溺れている」日本には「断食の効用を説いてくれる、総理大臣」は、いません。 それどころか、国の収入(税収)は約37兆円しかないのに、約44兆円も借金までして、約92兆円も大食いしようとしています。 累積の借金は、2010年度末で約862兆円にもなります。 更には、国民医療費は約34兆円(年間)、介護サービス費用は7兆5千億円(年間)で、これら合計しますと、約41兆5千億円にも上ります。 「税収」を大きく上回る「医療・介護費用」とは? 「国民の健康を守る」のが政府の最重要の政策であるべきなのに! 病気を予防し、「要介護者」を無くするのが「お仕事」であるべきなのに! 「宿便・中性脂肪」がタップリとある「水ぶくれ」状態、超肥満体と言えます。 これが世界第2位といわれているGDP(国民総生産)の実態です。 景気が悪い? 違うでしょう。 超肥満体で半病人だから、動きが鈍い、回転が悪いのです。 明治以来、今日まで、約140年にも亘る「宿便・中性脂肪」を、今、分解して、身を軽くしなければなりません。 まずは総理大臣自ら、すべての「給料」を半分にすると宣言しましょう。 そして、国会議員の「給料」は、30%カットしましょう。 国家公務員、地方公務員の「給料」は、ともに20%カットしましょう。 2010年度についた予算は、全額一杯使い切るのではなく、積もり積もった「垢」を落として、70%だけ執行しましょう。 私たち国民も協力しましょう。 朝食を抜きましょう。 朝食の費用は、約350円という調査があります。 一人当たり年間、約12万6000円。 朝食を国民全員が止めますと、一年間で約13兆円の節約となります。 所得の高い人は、朝食には、もっとお金を掛けているでしょう。 そこで、節約した金額の約50%(6万円)を国に寄付いたしましょう。 所得の高い人は12万円になるかもしれません。 寄付ですから、拘束力はありません。 それでも、少なくとも約5兆円にはなるでしょう。 この5兆円は、無農薬農家様への所得保障として使っていただきましょう。 安心して「農作業」に専念していただきましょう。 後継者に悩むことなく、「減反」もする必要は有りません。 余剰穀物は、政府が買い上げ、保管し、外国で食糧不足になったときには、喜んで無償で差し上げましょう。 結果、多くの国民は健康を取り戻し、罹病するかたが大幅に減少し、国民医療費も半減していきます。 それと同時に、GDP(国民総生産)も半減することでしょう。 こんなものを「幸せ」の指針にしていた自分の愚かさに氣付きましょう。 これらを実践して、先進国(破滅途上国)にお伝えいたしましょう。 このノウハウこそ、最大の「国防」となると思います。 一週間にも及ぶ断食には、本格的な指導者が必要ですが、 一週間に1日だけ「断食」することは、誰にでも簡単にできますので、実践してみましょう。 参考図書:「あなたの少食が世界を救う」医学博士・甲田光雄著 春秋社1999年刊 付記 「朝食有害説」(医学博士渡辺正著 情報センター出版局 1999年11月刊)の購読をお勧めいたします。 主要な目次を次に紹介いたします。 「朝食抜きはからだに悪い」という常識のウソ 朝食摂取は生理機構に合っていない 朝食をやめるだけで慢性病が治る 日本も外国も昔の朝食は正午だった 万病を予防する「小さな断食」の効果 猛毒ダイオキシンも排出できる 朝食をやめたら生水を飲む 「朝食抜き健康法」を実践する 以上