好奇心は放浪中！

[奈良時代] カテゴリの記事

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  趣味に生きるダンナ様、お仕事に生きる奥さま…の巻

  今日は久々に聖武天皇ファミリーのご登場です★パパ・聖武天皇、ママ・光明皇后、そして娘の阿倍（あべ）内親王の３人家族が織りなす愛と涙の物語……にはならないでしょうが、よろしくお付き合い下さい。うまくいけば、天皇のもとでハバをきかせている、トップ政治家（今は橘諸兄サンですね～）の顔ぶれもチェンジするかも？！まあ、ほんとにうま～くいけば、の話ですけど……（初めからこんな弱気でどうするよ！）。では年表をご覧下さい。 前回の記事は７４５年、やっと聖武天皇が平城京に戻ってきたトコロで締めくくりましたが、こうして年表を確認すると、即位からもうはや２１年がたとうとしているんですねー。在位期間（天皇として頑張っている期間のこと）、かなり長いッス。でも一番長いのは昭和天皇だったかな？ランキングとかあると便利かも。まあそれはともかく、２０年以上もおんなじ仕事をやっていると飽きる人は少なくありません。しかも天皇というお仕事は、ア・責任重大　イ・煩雑多忙、ウ・疲労困憊、エ・七転八倒、オ・危機一髪（ここからふさわしくないモノを一つ選び、記号で答えなさい。ちなみに１０点）のオンパレードですから、ストレスも相当たまっていたと察します。しかも聖武天皇にはもっと魅力的な生きがいが出来てしまったから、タイヘンです。いわずもがなの大仏造立ですね！気持ちは何か分かるんですよね～。私も飽きっぽいし（勝手に聖武天皇を同類にしているあたりが図々しいですな^ ^;）、政治なんて思い通りにならなくて面倒なだけだし、それよか大仏が着々と作られているのを見るほうがよっぽど楽しいだろうし……。分かるんですよ、でも天皇放棄しちゃいかんですよ！とは言いたいですねえ。その証拠に聖武天皇、公式な行事に顔を見せなくなってしまいます。ちょうど体調が悪くなる時期と重なってきますから、仕方ないのかなあ…と思いきや、大仏づくりはちゃっかりしっかり見に行っているので、ここらへん、どうやら気持ちの持ちよう一つじゃないかと考えられます。意外に現金なトコロは親近感わいちゃうけど。浮世離れしていくダンナとは対照的に、奥さまの光明皇后は「自分がしっかりしなくちゃ！」という意識が強まったことでしょう。もともと気丈な方ですが、個人的にはこのあたりから、自分の娘（阿倍内親王：７３８年に皇太子となっていますから、天皇になるのは時間の問題でした）との絆を強めて一体化をはかり、政治をウラからあやつり始めたような気がします。もしよろしければ、皆さまのご意見もお聞かせ下さいね★光明皇后★黒幕化（と書くと極悪人のようになっちゃうので、何かいい表現はないものか…）のあらわれとして、一つあげられるのが、政界メンバーの急速な交代劇でした。特にトップの顔ぶれに注目してみると……お騒がせ遷都に率先してがんばっていた橘諸兄が、平城京への帰還とともにチカラを失ってしまう（メンツがつぶれちゃったという方が正しいかな？）一方で、新たなキャラが着々と権力の頂点へ上り詰めようとしていました。その人物の名前は、藤原仲麻呂（なかまろ）。お久しぶりの藤原氏です。藤原４兄弟の長男、武智麻呂（むちまろ）の子どもにあたります。仲良く麻呂つながりでございます。って関係ないか^ ^;仲麻呂という人は、頭脳明晰・勉強熱心（四字熟語がマイブームです……小学生の女の子に付き合って、四字熟語の勉強しているからかなあ）、たくさんの書物を読みあさり、相当のエリートとして知られていました。しかし彼にはもっと強い武器がありました。藤原４兄弟が出た時点で、ピンと来られた方もいらっしゃると思いますが、４兄弟の妹があの光明皇后なんですね～～。仲麻呂は出世の道をカゲの天皇・光明皇后に見出し、光明皇后はデキのいい甥っ子に国家の行く末を託すことにした……まあ、要は利害が一致したことで、仲麻呂はメキメキと出世を果たすことになります。さて、ドロドロした政界からフェードアウトしてしまった聖武天皇にも、最期のときが近づきつつありました。次回、「長い間ごくろうさまです聖武天皇★」をお送りします。

  2005年05月26日

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  聖武天皇とそのユカイな仲間たちによる「首都を求めて三千里」の巻

  昨日、「また日記を書きます」なんて予告しておきながら、しっかり今日になっている始末……有言不実行とはまさにこの事ですね^ ^;言い訳がましくなりますが、ご飯を作って食べた後（所さんの「トホホ人物伝」を見ながら食べていたのですが、義経は２人もしくは３人いた？！というネタ、振るだけ振ってすぐ終わってしまったのはいかなるものか…）、さて記事を書くか～と思っていたらついドラマ「タイガー＆ドラゴン」に見入ってしまい（長瀬クンのやくざ姿が板に付きすぎて、何かこれからが心配になってくるなあ）、さらにＮＨＫの「人間ドキュメント」でＮ響チューバ奏者の新旧交代を見守ってしまったり（新人チューバ奏者が入ったのって、なんと３０何年ぶりの出来事らしいデス…）、まったくもってテレビの誘惑は恐ろしいモノでございます。これぞ「秘技☆何が何でも責任転嫁の術」でありんす。良い子は決してマネをしないでね♪やっと年表を書き換えることができました。こうして見ると、けっこう色んな出来事があって、しかもまだ聖武天皇の時代なんですよね～。苦労多き人生。 ７４３年、聖武天皇の爆弾宣言（？）により未曾有の国家事業（大仏づくり）がスタートしましたが、そのしわ寄せは、国政の中枢をになう肝心カナメの首都にまで及んでしまう結果になりました。今日はしばし、聖武天皇とそのユカイな臣下たちによる「首都を求めて三千里」の珍道中にお付き合い下さいませ♪さて、７４０年末に都を平城京から恭仁（くに）京へうつした聖武天皇でしたが、恭仁京の建設半ばにして大仏づくりに着手したため、１つだけでも手一杯だよ！という国家規模の超ビッグ・プロジェクトが何と２つに増殖してしまったのでした。むろん、どちらか１つに絞らなければ両者共倒れか、はたまた国家財政の破綻をまねいてしまいます。じゃ、どっちを優先するんですか？と聖武天皇にたずねてみましたら……「言うまでもなく大仏造立じゃ！」とのお答え。大仏のことで頭がいっぱいなのですね～。ということで恭仁京の建設はストップされ（何ともお気の毒…）、首都はどこにするの？という問題が新たに浮上してきました。首都候補は２つありました。まずは恭仁京。恭仁京の本体は未完成のままですが、官庁街が機能している平城京とのつながりは、やはり捨てがたいものだったのでしょう。”恭仁京＆平城京”と言い換えた方が的を得ているかもしれませんね。そしてもう１つの候補は難波宮でした。「難波宮？何かむかし聞いたよーな？」と首をひねっていらっしゃる方もいると思いますが、中大兄皇子らが蘇我氏本家を滅ぼし、政治改革（大化の改新）をはじめたころに移した都が、難波宮だったのでした。この難波宮は、天武天皇時代の６８６年に焼失してしまったのですが、その後コツコツと再建されて、聖武天皇自身も復興にかなりチカラを入れていたそうです。とはいえ、実際に働いている中央官僚たちにとっては、「また移動かよ～～！もういい加減にしてほしいよ～～」という感は否めなったと思います（ホントだよ～～書く方の身にもなってくれよ～～奈良時代が長くなる一方じゃん！！……って、まあ別にどうでもいいか^ ^;）。そのゲンナリした様子を見て取れるのが、聖武天皇が７４４年閏１月に実施した（対象：上級から中・下級の官僚たち）、「恭仁京と難波宮、どっちを首都にしたらいいと思う？」というアンケートでした。何か面白そうなコトやってたんですね～。そういえば幕末、黒船が来航した際にも幕府が「どうすればいい？」なんて、大名たちにアンケートしてたっけ。困ったときのアンケート頼みですな。興味深いアンケートの結果は以下の通りです。＊上級官僚（五位以上の貴族）では、恭仁京がいいです！→２４人、難波宮でお任せします→２３人＊中・下級の役人たち（六位以下）では、恭仁京→１５７人、難波宮→１３０人両者拮抗していますが、それでも未完成の恭仁京が優位にたっているあたり、官僚たちの苦渋の選択がにじみ出てるよーです。しかし、最高権力者☆聖武天皇の前ではアンケートなどまったく歯がたたなかったようで（じゃあ、一体何のためにアンケートしたの？ってツッコミたくなりますよねえ）、結局聖武天皇のご希望どおり、難波宮遷都が決定したのでありました。聖武天皇の心情は推測するしかないんですけど、恭仁京にとどまるという事は、いずれ平城京への帰還につながるかもしれず（いつまでも未完成の都にはいられないでしょうし……）、さすがにそれでは面目丸つぶれだったのかもしれませんね。７４４年、難波宮への移転を果たした聖武天皇でしたが、実際には大仏づくりが進んでいる離宮・紫香楽（しがらき）宮に入りびたり状態が続いていました。そして（当然のことではありますが）天皇が不在がちの難波宮よりも、この紫香楽宮の方が首都としての実質を備えるようになってきたのです。年が明けて７４５年。わずか１年たらずで、今度は難波宮が放棄されました。紫香楽宮が新しい都に認定されたのです（ちなみに名前も甲賀宮と変更されています★）。これで心置きなく、大仏づくりを見守るのに専念できるぞ♪と聖武天皇はルンルンしていたかもしれませんが……ついにこの時点で、天皇のもとで国政をになう太政官＆その他大勢の官僚のカンニン袋の緒がプッツン！と切れてしまったのでした！７４５年５月、今度は太政官が首都に関するアンケート調査を行ったところ、全員が「都はやっぱ平城京だよ！」と口をそろえて断言、さすがの聖武天皇もこの結果を無視できませんでした。そそくさと平城京へ帰るしたくを始めたのです。こうしてようやく平城京への帰還が果たされたのでした。臣下の方々、本当にお疲れ様です。受験生の方々も余分な知識が増えてしまい、ご苦労さまです……。平城京に戻った聖武天皇は、以前にまして大仏づくりに没頭していくのですが……今日はこのへんで。ではでは★

  2005年05月21日

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  盧舎那大仏にまつわるエトセトラ♪の巻

  パフィーの歌はいいですね～♪今でも時々聴いてます。キュートだけど何かヘン。ポップなのに脱力系。味があるッス。さて、今日は聖武天皇のユメがぎゅうっと詰まった、大仏様のデータを集めてみました。どうぞご覧下さい。＜大仏造立のためにつぎこんだ資材＞・熟銅（高純度の銅）……７３９，５６０斤（約４９９トン）・白鑞（すずと鉛の合金）……１２，６１８斤（約８・５トン）・錬金（精錬した黄金）……１０，４４６両（約４４１キロ）・水銀……５８，６２０両（約２・５トン）・炭……１８，６５６石（約８，０２２石）今ならトラックやショベルなど便利なものがありますけど、当時は人力や馬力ぐらいしか無かったワケですから、運んでくるだけでも重労働ですよね……。ちなみにすべての資材をお米で換算すると６０万石、さらに現代のオカネに置き換えると３０億円相当に達するそうです。原材料だけでこの金額ですから、次に紹介する動員数も含めると、１００億はかる～く越すんじゃないでしょうか。ホントスケールでかすぎ！＜大仏造立のためにつぎこまれた労力＆寄付＞・材木を寄進してくれた人……５１，５９０人・金を寄進してくれた人……３７２，０７５人・労働者……のべ２６０，３５３８人寄進してくれた人がどんな人たちだったのか、個人的にはとっても気になるところですが（大学からの寄付募集に少しは応じた方がいいかしら……）、労働者数２６０万人以上というのは、何と当時の総人口の約半数に相当するらしい！！のです。そーなると、私のダンナもお父さんも弟も知り合いもかたっぱしから駆り出されてしまって（男性オンリーじゃないとしたら、私もか？！）、近所の奥さまたちとこんなグチをこぼしていたりして。「くまくまサンのところは災難ね。おうちもさびしくなっちゃって…」「そうなのよ～（ため息）。早く帰して欲しいものだわ（またため息）。そういえば、おたくのご主人、お帰りになったんでしょ？いいわねえ（またまたため息）」「でもそれがね……体をこわしちゃっているのよ。大仏様づくりがよっぽどきつかったのかしら」「まあ……お大事にして下さいね。それにつけてもツライわあ……（またまたまたため息…って、しつこい！！）」キリがないのでこのへんで^ ^;でも女同士の会話ってとりとめがない割に何時間でも続くんですよね～。さて体をこわしたというセリフがありましたが、大仏造立の過程で水銀系の有毒ガスが発生するため、働いていた人たちが水銀中毒におかされていた可能性はきわめて高いと考えられています。また、水銀のまじった廃棄物も出ていたはずで、近くの川に流して処理していたとしたら、近隣住民のあいだに水俣病と酷似した症状が発生していたのかもしれません。人々に救いを与えてくれるはずの大仏様が、逆に人々を苦しめているとしたら……なんかやり切れないなあ。あと、大仏鋳造の様子を図に写してみたので、ぜひご覧下さい☆（図では６回しか書けませんでしたが、実際には下から８回に分けて鋳型を組み立て、銅を流し込んでつくられたそうです）表面の仕上げには、金アマルガム（金と水銀の化合物）を塗りつけて、熱を加えて水銀だけを蒸発させたそうです。このため、水銀の有毒ガスが発生しました。最後には金が残るためさぞキラキラしいお姿になったと思います。ちなみに、水銀中毒に関しましてはebaさんがご紹介してくださったページを参考にしていただければ、もっと興味深いのではないかと思われます（ebaさんどうもありがとうございました）。平城京遷都にも、水銀中毒が一枚噛んでいたのでは…という説が展開されています。平城京　水銀が命絶つでは次回(^-^)/~~今回の記事はコチラから引用させていただきました。森山豊明「語る日本史データベース」文芸社　２００１年「写真資料館　日本史のアーカイブ」東京法令出版　２００５年度版

  2005年05月18日

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• あまねく照らす光のように、世に救いあれ…の巻

  後で訂正を加えたので、もしよろしければそちらもご覧下さい。末尾に載せてあります。（５月１８日）７４０年末から恭仁（くに）京へ都を移した聖武天皇でしたが、どーにもチョロチョロ癖がおさまりません。今度はとなりの国（近江国になります★）、位置的にはちょうど北東にあたる紫香楽（しがらき）村に離宮をたてて、しょっちゅうそこへ足を運ぶようになりました。この離宮を紫香楽宮（しがらきのみや）といいます。腰のすわらない天皇というだけでも、ど～かな～？と首を傾げてしまうんですが、７４３年、聖武天皇はこの紫香楽宮で爆弾発言を行ってしまいます。それは、「国中の銅を溶かして形をつくり、大きな山を崩してお堂をたて、大きな大きな金銅の盧舎那（るしゃな）仏を造るぞ～！！全国の者たちよ、自発的に協力してくれい！！」という、ケタ外れの内容でした。しかもみんな協力してね♪と言ってる割には、こんな偉そうなくだりがあって、有無を言わせぬ威圧感をプンプン匂わせてます。天上天下唯我独尊です（何か違うぞ…）。「世の中の富は私のものであり、世の中の勢いも私のものである（＝天下の富を有つは朕なり。天下の勢を有つも朕なり）。この富と勢いでもって、この尊い仏像をつくるのである」オレのものはオレのもの、おまえのものもオレのもの……ふとジャイアンの名ぜりふを思い浮かべてしまいました。気が弱そうだった聖武天皇も、やっぱり独裁者の資格十分だったんですね～。だまされるトコロでしたわ。この強気な発言（大仏造立の詔といいます）どおり、金銅の盧舎那仏づくりはまさに国力を挙げてのビッグ★プロジェクトになりました。新都・恭仁京の工事も未完成のままストップしてしまったほどでしたから、いかに天皇が夢中になって取り組んだか、想像にかたくないですよね……。これからしばらく大仏作りをみていきたいなーと思うんですが、まずは”盧舎那仏”とは何か、少し触れておきますね♪るしゃな、というのは仏教の言葉vairocanaの中国語版当て字＆省略形で（インドで生まれた仏教は中国経由で日本に入ってきたため）、もともと本場のインドでは”輝く太陽”に由来するそうです。日本の神さまもアマテラス（天照）さまですから、お仲間かもしれませんね★vairocanaはさすが太陽がモトだけあって、「光明遍照」と訳されることが多く、「煩悩の体をきよめ、衆徳を備えてあまねく及ぼすことあたかも日光のごとく、照らさないところはない」という意味だそうです。誰にも平等にふりそそぐ太陽の光のように、人々の煩悩を洗い流してくれて、さとりへの道を開いてくれるありがたい仏様なんでしょうね～。仏教とひとくちにいっても、実は色んな教えに分かれているのですが、vairocanaさまはその中のひとつ、華厳（けごん）経のエライ仏様……というか、華厳経では全世界の中央にいますのがvairocanaであり、万物にvairocanaが宿っていると考えるみたいです（すみません、仏教はむかし少しだけかじった程度なので、あやふやな知識なんですが…）。だからvairocanaと世界は切り離せないものなんでしょうね。華厳経の思想に強く関心をいだいた聖武天皇が、vairocanaを選んだのはしごく当然のことでした。世の中の嫌なこと、不安なことを、太陽の明るい光がすべて洗い流してくれたら……そう思うと、これはすごく切なる願いのような気がします。天皇になったからっていい事ばかりじゃなかったですもんね…。ちょっとわき道にそれますが、仏教に関して私見をひとつ。仏教ってお釈迦様が説いた教えだから、ひとつに決まってる！……はずなのですが、実際にはさまざまな教えに細分化されてます。そうはいってもモトは一緒なんだから、似たような内容のはず！……なんですが、大きくふたつに分類した時点ですでに色合いがかなり異なってます。＊大乗仏教（大きな乗り物なら定員オーバー心配なし！みんないっしょに乗り込んでさとりの道へ行こうぜ！）＊小乗仏教（じょーだんじゃない！さとりの道はキビシイのです。ちゃんと修行を積んだ者だけしか乗れない定員少の乗り物のよーなものなのです！）日本の仏教は大乗系、タイやミャンマーなどは小乗系のようですね。お釈迦様の血のにじむ苦労をみれば小乗が正しいのかな～という気もするんですが、さとりを開いたあとのお釈迦様の思想をかんがみると、慈悲のこころにあふれてるし……素人にはどっちが正しいのか、よく分からないです^ ^;でも最近こう思うんですよね。とてつもなく深い井戸があって、底にはさとりの水がある。そこに手をつけることが出来たのは、昔も今もお釈迦様ひとりだけで、その喜びや感動を言葉にしてみたけれども、だれもそれが本当には理解できなかった（体験したものと見聞きしただけのものって、やっぱり違いますもんねえ）。その後も多くの偉い人々が底の水をすくおうとしたけれど、みんなどうしてもうまくいかない。だから水のくみ方や水そのものの表現が異なってくるのかな……それが教えの細分化につながるのかな～～なんて考えてみたりしました。仏教に詳しい方からのご意見がいただければ助かります。すっかり門外漢のたわごとになってるので^ ^;ちなみににvairocanaの正式名は毘盧舎那（びるしゃな）だそうです。当たり前ですが発音似てますね^-^今のお経も中国語訳だから、日本語訳が出ればいいのになあ。ぎゃていぎゃていはらそわぎゃてい（漢字が分からん…）と唱えながら、つい舟をこいでいる私は切にお願いしたいところです。意味が分かればもう少し眠気もどこかに行ってくれるんじゃないかなあ……。今日はわき道にそれまくってしまい、すみませんでした。次回は仏像作りの様子をご紹介しますね★５月１８日訂正上の記事で、聖武天皇をジャイアンになぞらえて独裁者と断じましたが、当時の社会背景を考慮に入れていなかったので、天皇をとりまく環境も交えて簡単に訂正させていただきます。当時は律令制がうまく機能していた頃にあたっていて、律令制＝中央集権体制のため、権力は天皇および太政官に集中している（もちろん完全ではなかったと思いますが、ある程度成功していたと思います。だからこそ、大仏造立という超ビッグな事業も可能になったワケで…）状態でした。ですから、この聖武天皇の発言は、当時のものさしから見ればある意味、まっとうな内容とも言えます。民主主義が根付いた現代では、”独裁者”にはどうしても悪いイメージがついてまわりますが、独裁者がいて、それを取り巻く人々らとともに政治を行うことが当たり前だったとすれば、「独裁者の存在イコール悪」という図式はなかなか出てこないかもしれませんね（もちろんその独裁者自身がロクでもなかったら、批判は出てくるでしょうけど^ ^;それが積もり積もれば、さきほどの図式に行き当たって、革命じゃー！みたいになるのかな？）。なんかうまく説明できなくてすみません。昔の常識と今の常識の違いが何となく見えてきたら、いいのですが…。（ぜひこの記事にコメントを寄せて下さっている、eba3515さんのご指摘も参考にして下さい！）

  2005年05月08日

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  奈良時代のお騒がせ男（第２号）、チョロチョロしたらあかんぜよ！の巻

  このお騒がせ男シリーズ、けっこう長く続きそうで、面白いよーな、ちょっと嫌なよーな^ ^;一週間ぶりの更新で、キーボード打つのもなんか新鮮です。ゴールデンウィーク中も２、３回くらいアップしたいな～と思っていたら、風邪をこじらせてしまい、昨日まで寝たり起きたりを繰り返していたため、パソコンからすっかり遠ざかっていました。今日からやっと元気になったので、また少しずつ更新していきたいと思います。皆さんも風邪にはくれぐれも気をつけて下さいね～！（風邪をひいたときはまず厚着をしましょう★そして必要最低限の用以外、出歩くのは厳禁です。これらは私が今回身をもって体験し、イタイ目をみた要注意点デス^ ^;）今日もまだまだ聖武天皇＆橘諸兄のジミ？なコンビでお送りします。では年表をど～ぞ！少し前に藤原広嗣の乱をご紹介しましたが、この乱が起こったのは７４０年の９月３日、政府軍の迅速な対応により内乱の火はボヤ程度ですみ、１０月２３日には首謀者の広嗣をとっつかまえ、１１月１日に彼を処刑して無事すべてが終結しました。その間最高責任者である聖武天皇は、かたずを飲んで乱の推移を見守っていた……と思いきや、まだその最中だよ！という１０月に、次のようなお手紙を政府軍の指揮官に出して、都（平城京）をお留守にしてしまったのでした。「ちょっと思うところがあって、これから東へ旅行してきます。このよーなことをしている場合じゃないけど、仕方ないんだよね、だからビックリしちゃダメだよ～！」無理じゃ！！とツッコミたくなります。まったくもう。何が仕方ないのかまったく分かりませんが（こんな連絡もらって指揮官もすっごく困っただろうなあ）、橘諸兄たちも引き連れて、１０月の末に都を出発して東へと出向いた聖武天皇だったのでした。まあ、政府軍の優勢とか、乱の終息は近いとかそういう連絡はもらっていたと思います…というより、思いたいですが、何もこの時期に行かなくてもいいんじゃない？という感じはどうしてもしてしまいますね。私のような一般人の旅行なら、同僚の人にメイワクをかける程度だけれども（まあ、そのためにお土産というのがあるんですよね）、仮にも天皇なんだからねえ……付いていく方も留守を守る方もすっごくタイヘンだったと思います。皆様、ご苦労さまです。一説には乱の余波を恐れて避難していたという見方もあるそうですが、戦場は北九州に限定されてましたし、そこまでビビる理由はないような気もします。真相は聖武天皇しか分からないんでしょうね～。精神的に相当疲れていたのかなあ？鬱屈がついに爆発したとか？とにかく一つ明らかなのは、お偉方にはなりたくない！ってコトかなあ（図々しいなあ。なりたくてもなれないものなんです！）。１０月の末にスタートして、１２月１５日にゴールを迎えた（といっても、平城京に帰還したワケではないのですが…）この旅は、伊勢湾をめざして一路東へ進み、伊勢大神宮におまいりしたあと伊勢湾を北上、不破（ふわ：大海人皇子が壬申の乱の際、いち早く不破道を封鎖して、ここを拠点として軍を進めたなつかしの場所です。ちなみにこのあたりは、大海人皇子のルートを重なっています。故意なのか偶然なのか判断つきかねますね）に到着しました。不破を出発したあとは琵琶湖のほとりを南西に進んで、さあ平城京も間近、帰ってきたぞ～！というときに、聖武天皇はピタッと足を止めて建設を始めたばかりの新しい都・恭仁（くに）京に留まってしまいます。この恭仁京、平城京からわずか５、６キロの距離なのですが、聖武天皇はなぜか帰ろうとせず、そのまま遷都を決め込んでしまったのでした。天皇みずからが家出しちゃったんですね～～。前代未聞、家出しちゃった天皇のもとで働く官僚たちは大わらわでした。今で言えば、内閣総理大臣がブラリと閣僚たちと出かけたまんま、埼玉副都心へ留まってしまい、「これからはココを首都にする！」と宣言したワケですから、官庁街（霞ヶ関）もお引越しするのか、マイホームも新しい首都の近くに移さなくてはいけないのか（当時は電車や車などの交通機関はないですからね～）、仕事も手に付かない状態だったと察します。結論から先に言うと、マイホームまで変えて恭仁京へ移住しなくてはいけなかったのは、５位以上のお偉方貴族であって、シタッパはそのまま平城京に残っていてもよかったそうです。たぶん首都機能の一部だけ恭仁京へ移されただけで、平城京の官庁街はそのまま機能し続けたんでしょうね～～上と下の意志伝達がすっごく気になるトコロですが。どうしてたんだろう？平城京＆恭仁京のダブル首都が登場した一方で、国分寺・国分尼寺ネットワークの完成にも意欲満々の聖武天皇、それをサポートする諸兄さんはさぞタイヘンだったと思いますが、お騒がせ男の本領発揮はこれからだったのでした！次回、「ついに出ました大仏造立の詔！の巻（仮）」をお送りします★

  2005年05月06日

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• 聖武天皇＆光明皇后夫婦の（チト迷惑な？）ライフワークの巻

  タイトル通り、今日は久々に聖武天皇が主役です★（でも影の主役・光明皇后もチャンと控えてたりして……^ ^;）藤原広嗣の乱から少し時間を巻戻し、まずは聖武天皇が手がけていた大事業をご紹介したあと、お騒がせ男２号にふさわしい（？）とんでもなくアヤシイ行動について検証してみたいと思います。聖武天皇＆光明皇后の夫婦は、前々からかなりの仏教びいきでした。ダンナさんの方はよく分からないのですが、奥さまの光明皇后は、お母さん（橘三千代さん）が熱心な仏教徒だったことがきっかけとなり、深く仏教に帰依していたそうです。当時がまったりのんびりした時代だったなら、「写経の続きをしようかね、皇后や」「ええ、陛下♪」「今日はどこまでしようかねえ」「（すかさず）ここまで！」「そ、そんなに？」「もちろんですわ。わたくし写経が大好きなんですもの。さ、楽しく行きましょう」……と、腱鞘炎になるまで楽しく写経にいそしんでいるだけで、良かったかもしれませんが（実際ふたりとも多くの写経を残しています。特に光明皇后の功績は大きいです…注１）、実際には、長屋王の自殺や藤原４兄弟のあいつぐ病死など、しょいこめないほどの不幸が重なって、夫婦の仏教への依存度はますます高まっていきました。その当然の帰着として、国家の将来をも仏教頼みにしていったのです。聖武天皇らは仏教を徹底的に援助しまくり、仏教側もそれにこたえるために大幅な軌道修正を行いました。つまり、本来の目的（人間がもろもろの苦しみから抜け出して、安らかな境地にいたる……解脱といいますね）をいったんわきに置いといて、仏さまのパワーによって国家を災難から守るというのを新たな目標として掲げたワケです。このようにカンバンを変えてしまった仏教を、「国家仏教」と呼んでます。そのまんまですな^ ^;聖武天皇と光明皇后は、さっそく国家仏教にふさわしい一大事業に着手します。それが国分寺・国分尼寺の建立でした。これは国ごとに２つずつお寺を建て、ご本尊さまをまつり、貴重なお経もちゃんと完備して、２０人のお坊さんまたは１０人の尼さんに国家安泰を祈らせるという、壮大な計画でした（ちなみにお坊さんがいる方が国分寺、尼さんがいる方が国分尼寺です★）。全国が一丸となってお祈りしたら、確かに効きそうな感じだな～～。国分寺・国分尼寺の分布を見ていたら、国ごとにキチンとペアになって作られていて（時々どちらかしかなかったりしますが）、相当チカラをいれて取り組んだ事業なのがうかがわれます。なので、遺跡として残っているものも少なくないそうで、岡山県総社市にある備中国分寺にはきれいな塔が残っています。国分寺という地名も多いですね。そういえば香川県にもあったなあ。国分寺・国分尼寺建立プロジェクトの華麗なるフィナーレが、それぞれの頂点に立つお寺の建設でした（総国分寺・総国分尼寺と呼ばれています）。総国分寺の方が修学旅行でおなじみ、東大寺（東大寺西大門の勅額は聖武天皇直筆のものだそうです★）でして、総国分尼寺は法華寺というお寺になります。東大寺の完成は７５３年、法華寺の完成は７５９年頃といいますから、ほんと長期にわたる公共事業になりました。仏教事業は聖武天皇と光明皇后のライフワークといってもいいと思います。これから先も飽きずに続けられるので、いったん筆を置いて、聖武天皇の奇行に移ろうかと思ったんですけど……なんか喉が痛くて仕方ないので、やめときます。風邪でないといいんだけど。では次回、「奈良時代のおさわがせ男（２号）、チョロチョロしたらあかんぜよ！（jasmintea7さんのコメントより。皆さん面白いコトバを多く寄せて下さるので、勝手に拝借ばかりしてます^ ^;）」をお送りします。注１…後でもう一度調べなおしたら、写経というより、仏教関連の書が残っているようでして、訂正させていただきます。写経の方は、お二人の発願によって成されたものが多く、これを勘違いしてしまったみたいです。どうも申し訳ありませんでした（５月２日訂正）。もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月28日

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  奈良時代のおさわがせ男（１号）、面目躍如？の巻

  積もり積もった不満をついに爆発させた藤原広嗣（ひろつぐ）は７４０年、宣戦布告スレスレの意見書を聖武天皇にたたきつけます。これに対して聖武天皇の出した答えは、「謀反」のひとことであり、さっそく広嗣討伐に向けて動き出したのでした！まず聖武天皇は大将軍（いわゆる総指揮官）に大野東人（おおののあずまひと）を任命し、東海道・東山道・山陰道・山陽道・南海道から１万７千人の兵士を動員するよう、命令を出しました。兵士はまたたくまに集まったようで（律令国家の底力が感じられますね～正直言って、スゴイと思います。命令系統が末端までキチンと行き渡っていたんですねえ）、政府軍は敵（広嗣）の本拠地である、北九州は大宰府に向けて続々と進撃していきます！長門国（現在の山口県）までやってきた政府軍は、遣新羅使が使っていた船などを借りて関門海峡を渡り、ドドドッと九州になだれ込みました。その後の進軍も非常にスピーディで、広嗣らが一応押さえていた九州全域のうち、圧倒的な軍事力でもって豊前国をさっさと骨抜きにしてしまいます。「兵は拙速をとうとぶ」と昔から言いますが、この政府軍の動きを見ていると拙速どころか巧速（こんなコトバはないですけど^ ^;）じゃないの？と思うほど、手際のよさが目立ちますね～★それとは対照的に、出遅れちゃったのが広嗣側でした。彼もモチロンかなりの数の兵を集めており、それを三手に分けて、豊前国に上陸してきた政府軍を囲い込みする予定だったのですが、思いのほか政府軍の行動が早く、三手に分かれてしまった軍が集結できなかったのです。むろん割いたままの兵力で政府軍に当たるのは愚の骨頂ですから、仕方なく広嗣側は待ち合わせ場所を変えて、ようやく陣をととのえました。その数１万。けっこう集まっていたんですね。いよいよ両者激突！……の前に、政府が事前にとっていたユニークな作戦をご紹介しておきましょう♪戦争のさなか、敵国が飛行機などからビラをまくのをご存知でしょうか？その国のコトバを用いて、この戦争はマチガイだとか、勝てる見込みはないとか理性的・論理的に訴えたり、コチラは決して敵ではない、だから降伏しなさいなど優しく語りかけたり、要はひとの心を揺さぶって戦意を削ごうとする作戦です。こーゆーのは最近の戦争から始まったのかな？と思いきや、実はこんな古代のむかしから行われていたというから、ビックリです。政府は軍事行動の推移をただ指くわえて見守っていたワケでなく、かげながら「ビラまき作戦」を実行していたのでした。ビラ（勅符といいます）に書かれた文句は、以下の通りです。「広嗣は生来凶悪で長じてさらにずる賢さを増した。父の故式部卿宇合は何とか広嗣を除き棄てようとしたが（それがホントなら、いくら何でもかわいそすぎるような…）、私（聖武天皇）がとりなした。しかし最近親族の間で問題を起こすので、大宰府に左遷して悔い改めるのを待ったのに、今またこうして兵を起こし人民を苦しめている。神罰が下るのも時間の問題であろう」う～む、何ともニクイ演出ですね。聖武天皇の優しさをアピールする一方で、カンペキに広嗣は極悪人にされちゃってるし。これを信じたら確かに戦意喪失するわな～～。さてこうした地道な「ビラまき作戦」も効果があったのか、板櫃川というところをはさんで、政府軍と広嗣軍はなかなか刃を交えようとはしませんでした。もどかしくなった広嗣は、政府軍の中に知り合いの顔を見つけて、こう語り掛けました。「私は朝廷の命令にそむこうというのではなく、ただ朝廷をかき乱すふたり（玄ぼうと吉備真備）の引渡しをお願いしているだけなのです。決して謀反をおこすつもりはございません」ど～も往生際のわるい広嗣のセリフを、政府側はキッパリはねつけました。それならばなぜ兵をおこしてコトをオオゲサにするのか？！クチで言えばいいだけだろ！！と問いただすと、広嗣にはもう返すコトバがありません（アサハカなやつだなあ…）。そして何と戦う前から馬に乗って、逃げ出してしまったのです（アンタ、いったい何しに来たんだ…？？）。総大将がトンズラしてしまうと、当然のことながら反乱軍は浮き足立ってしまいました。降伏するものは数知れず、政府軍は戦わずして勝利をおさめたのです。こうなると残るは、広嗣逮捕だけでした。往生際の悪い彼は海に出て、西へ西へ逃亡したのですが（新羅に逃げるつもりだったという説もあるそうです）、あっけなく御用となり、死刑に処されました。広嗣がお上にケンカをうったのが９月３日、そして捕らえられたのが１０月２３日ということで、わずか一ヶ月半で終わってしまったこのドタバタ劇は、いちおう「藤原広嗣の乱」と呼ばれてます……が、世に名だたる反乱（平将門の乱とか）に比べるとホントお粗末な感じで、さすが奈良時代のおさわがせ男（ｂｙ乱読おばさん）といったトコロでしょうか^ ^;こうして藤原広嗣の乱は終結しましたが、実はもう一人のおさわがせ男が、ある意味もっとタイヘンなことをやらかしつつありました。そのおさわがせ男とは……なんと聖武天皇ご本人だったのです！次回、「奈良時代のおさわがせ男（２号）、放浪の旅？の巻（仮）」をお送りします★追記…最近、更新が一日おきになってきましたが、パイプオルガンの発表会がひかえているので（さすがに追い込みかけないとね～^ ^;）、終わるまでさらに更新がおろそかになりそうです。一向に奈良時代がすすみませんが、ご勘弁下さい。もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月25日

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  奈良時代版・源氏の君と負け犬の遠吠えの巻★

  天然痘の流行により、藤原４兄弟が全滅という異常事態が発生し、ふたたび太政官（国政をとりしきる最高機関）の顔ぶれはさみしいものになってしまいました（なんと生き残ったのは３人！天然痘の恐ろしさがホント実感できますね……）。７３７年、メンバー補充がはかられる一方で、新たな太政官のリーダー（最高権力者）も登場します！それは橘諸兄（たちばなのもろえ：もと葛城王）と呼ばれる人物でした。もと葛城王こと橘諸兄とはいったい何者か、ちょこっとご紹介しておきますね★以前、「光明子、おおいに語る！の巻」で光明子のお母さん、橘三千代サンのお話を語ってもらいましたが、三千代さんは不比等パパと再婚する前に、皇族の方と結婚して子どもをもうけてました。その中のひとりが葛城王になります。（なので、光明子と葛城王は異父兄妹のカンケイにあたるんですね～～）葛城王は”王”と名が付いているところからもお分かりのように、皇族のメンバーだったのですが、７３６年、みずからお願いして橘の姓をもらって臣籍にくだっていました（皇族には姓がありません。今もそうですよね）。”臣籍にくだる”というのは、皇族から外れて天皇の臣下となることで、かの有名な平安の女たらし…失礼、美貌の光源氏もお父さんの意向により臣籍に下って、源氏の姓をたまわっていましたね～♪それと同じです。もっとも源氏の君は、ひたすらナンパに……すみません、女性との風流な色恋に日々明け暮れておりましたが（なんか私、光源氏に含むトコロがあるのだろうか…）、橘諸兄の方は、臣籍に下る方が将来政界で出世ができる！という計算が働いたようで、橘という姓をもらったのも、カゲの天皇・光明子とのつながりがアピールできますから、まさに一石二鳥だったのではないかと思われます。（もっとも光明子が葛城王の臣籍降下を望み、橘の姓を継がせたかったという考え方もあるそうです。大好きだった三千代お母さんが７３３年に亡くなっていたため、だれかに橘の姓を残しておきたかった…という心情も分かるよーな気がしますね。でも裏読みすると、自分の手ごまを作っておきたかったよーな感じもして……ちょっとうがちすぎかな？）いずれにせよこの臣籍降下は大当たりで、橘諸兄は順調に出世をかさねた結果、太政官のメンバー入りを果たし、藤原４兄弟全滅のあとは、最高権力者としてついに出世の階段をのぼりつめたのでした。橘諸兄政権のスタートです！意気揚々、鼻高々の諸兄サンに対して、藤原４兄弟の子どもたちはなんとも悲惨でした。太政官入りできたのは、わずかにひとりだけだったのです。大きく出遅れてしまった子ども達の中で、「ちくしょー！なめやがって！！おぼえてろよ！」と負け犬の遠吠えをしている者も当然いたのですが（こーゆーひとって必ずいますよね～。みずからを省みず、社会が悪いとか言って責任転嫁するひと……）、その遠吠えクンはついにタイヘンなことを仕出かしてしまったのでした！遠吠えクンの名前は藤原広嗣（ひろつぐ）、４兄弟の３番目、宇合の長男にあたります。広嗣はわりとコツコツ出世していたのですが、どうもこの男、いいトシになっても不良ぶっていたというか素行が悪くて、一族のあいだでもモメ事がたえなかったよーです。コレがどこまで本当か分からないのですが、これからの彼の行動を見ていると、どうも行き当たりばったりという感じで、確かにトラブル★メーカーの素質（？）はあったのかもしれません。さて、そんな彼の素行が目にあまったのか分かりませんが、７３８年、突然大宰府（九州全域を統括する大事なお役所ですが……まあ都から離れているから、左遷人事には間違いないですねえ）にとばされるという事態になってしまいました。お父さんたちがみんな死んでしまったあと、ふるわなくなってしまった藤原氏一族。そのうえ自分はこんな地方に左遷かよ！ということで、広嗣の不満はたまりにたまっていきました。それなら物にでも八つ当たりすればいいのに、なんて思っちゃいますが（それは私だけか^ ^;）、彼の不満の矛先は現政権に向けられていきます。広嗣は大宰府の長官という肩書きを利用して、ひそかに九州全域の兵士を集め始めて（お上に不平不満をいだいていた人たちは結構多かった証拠になりますね）、戦闘準備を整えたのち、ついに７４０年聖武天皇のもとに果たし状（？）をたたきつけたのでした。その内容は以下の通りです。「災害が続くのは政治が悪いからであって、その原因は僧の玄ぼうと吉備真備（きびのまきび）にあーーる！われわれは二人を政界から取り除くことを要求する！！」……橘諸兄なら分かるけど、玄ぼうと吉備真備ってダレ？？って感じですね^ ^;彼らふたりは遣唐使にくっついて唐にわたり、２０年ちかくも唐でいろいろな学問や技術を学んで帰ってきた、当代きってのインテリでした。そのため、重要な政策についてはよくアドバイスを求められていたようです。橘諸兄も政治の相談役として頼りにしていたフシがありました。しかしこの２人をターゲットにするあたり、計算高いというか（お偉方の名前を挙げちゃうと余計な敵も作りますからね～。この２人くらいなら大丈夫とナメていたのかしら？）、ちょっと小心者というか……それにこの文章からは、イマイチ彼のねらいが読み取れないんですよね～。だってこの２人がいなくなったからといって、政界が揺らぐとは考えにくいですから。ケンカする口実が欲しかっただけのよーな気もするんですが……う～ん、どうなんだろ？玄ぼうと真備のせいにしているとはいえ、政治批判をまっこうからたたきつけた広嗣に聖武天皇はどんな態度でのぞんだのでしょうか？次回、「広嗣はやっぱりトラブル★メーカー！の巻（仮）」とお送りします★もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月23日

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• さらば藤原４兄弟！フォーエバー４兄弟！の巻

  いただいたコメントに気をよくして、ちゃっかり仮題を使っちゃいました^ ^;あと、開設３ヶ月を目前にして、アクセスが１００００ヒットを越しました。なんかビックリしています。ご訪問して下さる方々、コメントを寄せて下さる方々、ほんとうにありがとうございました。これからも寄り道の多い日本史日記になりそうですが、どうぞよろしくお願いします(^-^)/~~（と、舌の根も乾かないうちに寄り道ですが…）学校の方はなかなか順調です。難しい話になると途端にふねをこいでますが^ ^;資料集を見させて、「これが科挙（昔の中国の公務員試験で、３０００人に１人！しか合格しなかったこともあるのデス）のカンニング肌着なんですね～」と声をかけると、「おーッ」とか「え～」とか見て笑ってるし、地図の問題にもがんばって取り組んでるし（しょっちゅう分からなくなるから、呼ばれっぱなしですけど…）、けっこうカワイイ感じです。進学校で教えていると、板書は移してくれるんですが、資料集の図や写真を見てみましょう、などちょっと寄り道（？）すると「勉強にカンケーないから」という風に、開きもしない生徒さんも多くて（もちろん今の勤務校にもいるんですけど、その数がすっごく少なくて驚きました）、さびしかったんですよね～。ここはここで、難しい話には関心を示さないという難点はあるのですが、いろいろなモノを見て興味をもつのは、とてもいい傾向だと思います。世界史も地理も、文章だけじゃ味気ないですものね。さて、やっと今日の本題に入ります。今日の出演者は引き続き、聖武天皇＆藤原４兄弟の古代版ドリフターズ（プータロさん、ご指摘ありがとうございます。さっそく使っちゃいました）です。でもコントはやれませんのであしからず。７３１年、藤原四子政権がスタートしました。前回は経済改革についてカンタンに触れましたので、今日は彼らの直面していた外交問題についてご紹介していきます。まずは日本を取り巻く諸外国の様子を見てみましょう☆（これからの話の都合上、それぞれの国をドラえもんキャラに置き換えますので、よろしくお願いします。）＊東アジア世界のボス・中国にはあいかわらず”唐”王朝が君臨し続けてます。まさに「ジャイアン」そのものですな。＊朝鮮半島を治めているのは”新羅（しらぎ・しんら）”です。「スネ夫」で覚えておいて下さい。＊”日本”は勝手に「のび太」にしちゃいます。＊６９８年、朝鮮半島の北方に新しく建設されたのが”渤海（ぼっかい）”という国です。新規参入です。「ドラえもん」にしましょうか。時間を巻き戻して６６３年。白村江の戦いで、ジャイアン＆スネ夫にボロ負けしたのび太くん。仕返しを恐れて家にバリケードをはり、じっと閉じこもっていた日々もありましたが、少しずつ仲直りを始めました。その動きがいっきに加速したのは、ジャイアンとスネ夫の仲が悪くなってきて（スネ夫はジャイアンから距離をおいて、のびのび動きたかったのですが、ジャイアンにとって彼はあくまで子分だったのです）、スネ夫がのび太くんにスリ寄ってきてからでした。こうなると図に乗るのがのび太くんです。ジャイアンに対するのと同じように、自分にもへりくだったおつきあい（これを朝貢関係とよんでます。臣下はボスに貢ぎ物をもってご機嫌うかがいに出かけるからです★）をするよう要求します。もちろんスネ夫には納得いかない申し出でしたが、ジャイアンとの仲が悪くなっている今、へたに敵をつくるワケにはいきません。しぶしぶ受け入れて、のび太くんに自慢のラジコンカーや新刊のマンガ雑誌を持っていきます（これを新羅使といいます）。しかしのび太くんの天下もそうそう続きません。これは突然登場したドラえもんに関係がありました。こわいもの知らず（そうかなあ？）のドラえもんは、ボスのジャイアンとケンカをしてしまい、険悪な状態になってしまったのです。ジャイアンは考えました。なんといってもドラえもんのうちは遠い、自分が行って大暴れするよりも、近くのスネ夫くんに代わりに行ってもらった方がラクじゃないか……そこで、ジャイアンはスネ夫に仲直りを申し出ました。スネ夫も考えます。これは自分のチカラをジャイアンに見せるいいチャンスです。子分という立場からも抜け出せるかもしれない……結局彼はジャイアンと手を組むことにし、のび太にご機嫌を取るのも今後はやめようと思いました。スネ夫からしてみれば当然ですねえ。納得いかないのはのび太くん。そんなのび太くんに近づいてきたのは、今度はドラえもんでした。ジャイアンがスネ夫と手を組んだ今、ひとりでも味方がほしかったのです（それが頼りないのび太くんでも…）。こうしてジャイアン（唐）＆スネ夫（新羅）ＶＳドラえもん（渤海）＆のび太くん（日本）という構図ができつつある……のが、藤原４兄弟の時代でありました。ただ、藤原４兄弟はまっとうな外交センスを持っていたようです。渤海との友好関係はそのままにしておきながらも、大国・唐とのつながりも保とうと苦心していたのでした。渤海と唐の対立には巻き込まれたくなかったのでしょう。（新羅には強気だけど^ ^;）その一方で、何が起きても対処できるよう、国内には防衛システムをはりめぐらせ、有事マニュアルも作っていました。まさに備えあれば憂いなし、決断力も実行力もあったよーです。しかしそんな４兄弟に、いきなりの悲劇が襲い掛かりました。遣新羅使（新羅に派遣された使者）や遣唐使が伝染し、日本に持ち込まれたらしい天然痘（非常に伝染力の強い急性伝染病。高熱を発し、悪寒・頭痛・腰痛を伴う。発疹を生じ解熱後あばたを残す……旺文社国語辞典より抜粋しました）が、平城京で猛威をふるったのです！まっさきにやられたのが、次男の房前でした。７３７年、４月１７日死亡。７月１３日には末っ子の麻呂が、２５日に長男の武智麻呂が次々に死去してしまいます。そして最後に残った三男の宇合も８月５日に世を去り、藤原４兄弟はあっという間に全滅してしまったのでした！「表情や態度、言葉の端々に喜怒を現さない点、夫にまさるとも劣らぬ無口な光明皇后すらが、宇合の死には取り乱した。肩をふるわせてむせび上げ、瘡だらけな兄の手を握りしめて、見かねた侍女達が引き離そうとしても、いっかな遺骸の脇から動こうとしなかったのである。まして一門の動転ぶりは目もあてられぬほどだった。政局は変わる……。」杉本苑子著『穢土荘厳』より頼もしき兄４人をすべて失ってぼうぜんとする光明子。長屋王の死をいまだ引きずっていた聖武天皇は、これをたたりと感じたかもしれません。ふたりは以前から親しんできた仏教に、さらに深くのめりこむことになるのですが……。次回は……すみません、まだ決まってません^ ^;いったん区切って仏教の様子をみるか、このまま政界の動きを続けるか、明日までには考えておきますね～。ではまた！もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月21日

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  １０時だヨ！藤原４兄弟全員集合！の巻

  （ちょうどこの日記を書き終えて、タイトルをつけたのが１０時だったので^ ^;）異母妹・光明子がついに皇后にのぼりつめたことで、がぜん押せ押せムードの藤原４兄弟たち。今日は聖武天皇＆藤原４兄弟の５人組でお送りします★（それにしても、この”天皇＆最高権力者”のメンツもずいぶん変遷をかさねてきたなあ。奈良時代のスタートは、元明天皇と藤原不比等の熟年コンビだったっけ） さて、天皇のもとに置かれた太政官（＝政治全般をとりしきる最高機関。今でいえば国会みたいな感じかな。人数はとっても少ないですが）をみてみると、ずいぶん空席が目立つようになっていました。というのも、まずはトップの左大臣・長屋王が７２９年に自殺し、その他のメンバーも死亡または病欠という状態で、太政官に残っていたのは藤原４兄弟の長男・武智麻呂（大納言）＆次男・房前（参議……さんぎと読みます。政策審議のために設けられた新たな助っ人です★）の２人という惨状でした。さすがに２人では国家の大事を話し合うことはできません。トランプだって２人だとスピードか神経衰弱しかできませんものね（まったくたとえになっとらん！）。そこで７３１年、太政官メンバーの補充が行われました。補欠ルーム（？）から６人が参議として加わりましたが、その中から４人をご紹介しておきますね。・藤原宇合（藤原４兄弟の３番目）・藤原麻呂（藤原４兄弟の末っ子）・鈴鹿王（長屋王の弟）・葛城王（光明子のお母さん三千代さんと、もとダンナの間に生まれた息子。なので光明子からみれば、異父兄にあたります。のちのち重要人物になってきますので、ちょこっと頭の隅に置いといて下さい。それにしても、光明子ってお兄さんがたくさんいてうらやましい……って前も書きましたね。しつこいッスね^ ^;）その他もうひとりが参加して、太政官メンバーはいっきに９人に増えました。国の最高機関・太政官になんと４兄弟全員が顔をそろえ、しかもトップは武智麻呂兄ちゃんでしたので、この政権を”藤原四子（しし）政権”と呼んでます。では藤原四子政権の政治へレッツゴー！といきたいトコロなのですが……実は教科書を見ると、彼らがやったことは以下の２つしかなかったりします。１：長屋王を策謀によって自殺させた２：光明子を聖武天皇の皇后にたてることに成功した……両方とも、政権ができる前に終わっちゃっているんですけど^ ^;しかし結構地道にがんばっていたらしいので、少しは政策を見ていきましょう。じゃないと、実はこの政権、すぐコロリと倒れて終わっちゃうんです。（実際教科書では、光明子立后の直後にもう四子政権よサヨ～ナラ～という事態になっている……これでは、ただの陰謀好きの暗いおじさん４人組になってしまうではないですか…）え～とまずは、財政改革です。これはいつの時代でも重要ですね。４兄弟が手がけた重要な経済政策は、税の一本化でした。民衆からあつめた稲は、藤原不比等時代の改革によって中央政府がその出し入れをコントロールできるようになりましたが、中央がタッチできない部分もまだまだ多く残っていたのでした。たとえば郡にためられていた稲（郡稲）の使用は、郡のトップ＝郡司（地元で勢力をはっていた豪族が主に任命されてました）が決定するというありさまで、税の保管＆コントロールの方法がバラバラになっていたのです。これではメンドくさいし、何より中央集権国家っぽくない！ということで（ホント？？）、バラバラだったものをぜんぶひとつにまとめちゃったのでした。これですべて国家の財源におさまり、管理もラクラクです。気分もスッキリです。不比等時代の財政改革はこちらの記事を参考にして下さい♪そして他にも外交問題まで抱えていた４兄弟だったのですが（意外にタイヘンだったんですよね～～陰謀だけ巡らしていたワケじゃないんですね。当たり前か^ ^;）、時間もおしてきましたので、今日はこのへんで。次回は「さらば藤原４兄弟！フォーエバー４兄弟！（なるべく仮にしたい…）」をお送りします★もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月19日

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  光明子ついに皇后へ？！の巻

  ７２９年２月、左大臣の長屋王が自殺に追い込まれたことで、政界はまた新たな局面を迎えるのですが、その前に光明子が皇后になったのかどーかが気になるトコロであります。そこで今日はまず、聖武天皇＆光明子の動向を追いかけてみましょう★ 前回ご紹介したように、「長屋王の変」は発生から終息までわずか数日しかかかっていない異常な出来事でした。みんなが誰かのシナリオ通りに動き、臭いものにはフタをせよといわんばかりに、サッサと事件の幕を引いてしまったのでしょう。聖武天皇夫妻、そして主犯の藤原４兄弟も、このいまわしい出来事を一刻も早く忘れたかったに違いありません。そして半年後、聖武天皇夫妻にとって「長屋王の変」の総決算ともいうべき日がやってきました。ついに聖武天皇は光明子の立后（＝皇后にすること）に踏み切ったのです。この抜群のタイミング一つとってみても、「やっぱり長屋王が邪魔だったのね～～！」と後ろ指をさしてやりたくなりますな^ ^;しかし天皇とはいえ、こっそり奥さんを皇后にすることはできません。臣下の前で正式に発表しておひろめしなくてはいけないのです。みんなの冷ややかな視線を一身に浴びて（光明子の立后には納得していなかった人も多かったらしいです……まあ、当然といえば当然なんだけど。怪しすぎる事件もあったし、みんなの同意も得てないしねえ）、このときの聖武天皇はひたすら言い訳に終始するありさまでした。さすがにカワイソウになってきます。背中は冷や汗でビショビショだったかもなあ……。さらにきわめつけは贈り物攻勢です。この日参列した人たち全員にもれなく記念品をプレゼント♪ということで、なりふりかまわない天皇の苦労がにじみ出ているよーです。ヤレヤレですね～～。さて、何とか皇后の地位におさまった光明子。奥さんのために一所懸命がんばった聖武天皇。ふたりの性格は、今の残っている筆跡からこのように言われています。聖武天皇→字がこぶりで線が弱く、ほっそりとしている筆跡→なので女性的光明子→太く、生き生きとした線＆かなり豪快な筆跡→なので男性的筆跡は人柄をあらわしますから、これもひとつの真実ではあるのかな～と思いつつ、身の回りを見てみると決してこういうふうに分類できないよーな気もするのです。非常に個人的な事例で申し訳ないですが、たとえばウチのぐーたら夫婦。聖武天皇夫婦の足元にも及ばない字の下手さですが、雰囲気だけで比べると、私が光明子でダンナは聖武天皇タイプに当てはまります。だから私が男性的な性格でダンナは女性的な性格かと言われると、一概にそう決め付けられても困るよーな感じですし、実際、年賀状などを見てみるとこま～い字を書く男性、豪快な字を書く女性ってとても多いんですよね。ということで、男性的・女性的という区別よりは、個々の性格が一体どうだったのかな？という点がすごく知りたいところです。蛇足ながら、筆跡をじーっと見ながら勝手に想像してみると……＊聖武天皇→几帳面で神経質。何事もキチンとしていないと気がすまないような感じ（墨の濃淡もほとんど変わってないですし…）。典型的なＡ型タイプかもしれません。あとは粘着質かもなあ。ひとつのことに集中し出すと止まらない気もする……あ、これは大仏造立などで実証済みか。＊光明子→相当意志の強い女性には違いないなあ。ひっくり返せば頑固かも。豪放磊落なようで実はマジメな一面もあったりして…。ただ、墨の濃淡がかなりはっきりしている点、自分の書きたいように書いているマイペースさもうかがわれます。Ｏ型タイプかな？お、そろそろ大河ドラマが始まりますね。では今日はこのへんで。次回は「藤原４兄弟全員集合！（仮）」をお送りします★もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月17日

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• 政界激震！長屋王の変！（後編）

  再放送のドラマ「スタアの恋」、今日が最終回でした。（ゴメンナサイ、見ていない方は以下、すっ飛ばして下さい。すごい？発見をして今興奮気味なのです……^ ^;）東幹久がまたも当て馬なのには、「なんだかな～」と思いましたが（「やまとなでしこ」のときもさんざんなメにあったもんねえ）、とっても面白い発見がありました。というのも、結婚式に登場した神父さんが「源さん」だったのです～～！去年の大河ドラマ「新選組！」ですっごくいい味だしていた源さん（小林隆さん）が出演していたのに気付いたときには、「えーーっ、源さんじゃん！！こんなところにも出てたのね～～！！」と、躍り上がってしまいました。源さん、神父姿がたいへんお似合いです。穏やかで優しそうで、このままどこかの教会に就職できそうな感じです。思わぬところでお顔が見れてとにかく嬉しかった～♪しかも源さんがおそばで支え続けた近藤勇（香取慎吾くん）まで、友情出演していたのにはビックリです。何ということでしょう（ビフォア・アフターのナレーション風でお願いします）。「新選組！」ファンには垂涎ものかも。ただし最終回だけですけど^ ^;それにしても、”源さん”という存在には昔から弱い私です。「大岡越前」の源さん（故・大坂志郎さん……ホント名脇役でした！大坂さんがいなくなってからは、何か物足りなさを感じるほどでした）にもメロメロだしねえ。「スタアの恋」、どうもありがとう！すみません、脱線しすぎました。歴史モードに戻ります。とにかく落ち着け、私……。７２９年２月１０日の夜。それは突然やってきました。藤原４兄弟のひとり、式部卿（式部省の長官）・藤原宇合が六衛府（平城京全域の警備をあずかるエリート保安隊・五衛府＋新設された中衛府の合体バージョンです）の兵士をひきいて、長屋王の豪邸を取り囲みました。ものものしい兵隊に包囲され、驚きわななく長屋王の家族たち。この状態では一歩も外に出ることができません。一体何が起きているのか、そしてこれから何が起きようとしているのか……恐らくみんな不安と恐怖で一睡もできなかったでしょう。ふるえる一族の輪の中心で、長屋王本人は、すべての事情を察してしまったのでしょうか。それとも彼もまた、とつぜん暗闇となってしまった未来を必死で見きわめようとしていたのでしょうか。翌日の朝、皇族と太政官のお偉方がそろって長屋王宅を訪れるという異常事態が発生しました。無論、ただごとではありません。彼らの目的は、「長屋王が聖武天皇を呪詛（憎む相手に災いがふりかかるように神仏に祈願すること。カンタンに言えば呪い殺そうとしたわけです）した！」という密告を確かめるためでした。密告者は中級・下級役人の３人と、ハッキリ言って長屋王との接点がどこにあるのか分からないほどのシタッパでしたが、密告は受け入れられ、逃げられないように家のまわりを包囲した上で、長屋王にコトの真偽をただそうとしたのです。しかしこの状態は、どう見ても”真実を確かめる”という姿勢から程遠いものでした。初めから長屋王は大罪人あつかいになっていたのです。ともに国政をリードしてきた仲間たちの前で、長屋王は必死で無罪を訴えたのかもしれません。しかし彼らはそろって無表情でした。彼がいくら弁解しようとも、あらかじめ彼の”有罪”は決まっていたのですから。長屋王は打ちのめされました。「恐れ多くも天皇を呪い殺そうとした大罪人」長屋王に残された道は、もうひとつしか無かったのです。その翌日、長屋王は自宅で自殺しました。享年５４歳。自殺というのがせめてもの情けだったのかもしれません。長屋王とともに亡くなったのは、奥さんの吉備内親王と３人の子ども、あとは他の夫人が生んだ子どもの計５人でした。長屋王は妻子に毒を飲ませて首をしめたあと、みずからも毒をあおって死んだともいわれてます。この出来事は一般的に「長屋王の変」と呼ばれてます。が、”変”というのは、当人が謀反などをたくらんで未遂に終わった場合に用いられる言葉でして、長屋王がシロだったのはその後確認されているため、本当は「長屋王、冤罪！」とでも書き換えるべきなのかもしれません。この事件の余波は、「天皇呪詛！」という大罪にしては非常に小さいものでした。聖武天皇が出した命令は、以下の通りです。長屋王のほかの奥さん、子ども、兄弟姉妹などには一切おかまいなし、亡き吉備内親王にも罪がないのでキチンと葬送をしてあげなさい。長屋王は罪人だけれど葬送はふつうに行いなさい、というものでした（通常、罪人の葬式は行われないか、行ったとしても見せしめとして故意にいましめたそうです。その点から見ても、聖武天皇って長屋王側にすごーーーく気を使ってますね。後ろめたいところがあったのか？！）。教科書などでは、長屋王を自殺に追い込んだのは藤原４兄弟といわれてます。確かに実際に手を汚したのは彼ら４人だったと思いますが、聖武天皇の”魂鎮め”ともいうべき命令を見ていると、聖武天皇（＆光明子）が無縁だったとは考えられないのです。事情を知っていたのにあえて目をつぶったなら、それは犯罪に加担したのと同然なのですから……。最後にもう１つ疑問があります。長屋王は、山背大兄王（聖徳太子の子）のように一族全員を道連れにする、ということは行いませんでしたが、なぜか吉備内親王とその子３人、そしてもう１人の子はみずから葬り去ったといわれています。吉備内親王との間に生まれたその３人の子の中には、前回ご紹介した「サイコーの血統書付きお坊ちゃま」、つまり皇位継承者に選ばれてもおかしくなかった膳夫（かしわで）王も含まれていました。その他の子どもたちもみんな性別・オトコということで、これは何か裏がありそうです。自分ひとりが罪をかぶって死んだとしても、真のターゲットは子どもたちなのかもしれない……消される運命であるならばいっそ自分の手で……！と考えたのでしょうか。長屋王は多くの謎とともに、闇のかなたへ消えてしまったのです。こうなるとがぜん気になるのが光明子の皇后問題ですが（いけしゃあしゃあと皇后になっていたら、すっごくムカツクけどー！）……次回、「８時だヨ！藤原４兄弟全員集合！（古いなあ…しかも仮だろうし）」をお送りします★もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月14日

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  政界激震！長屋王の変！（前編）

  藤原４兄弟と聖武天皇＆光明子、双方にとってヤッカイな存在となってきた左大臣・長屋王。不穏な空気は本人の知らないうちに、じわじわと、しかし確実に濃くなっていったのでした。では年表です。 まずは藤原４兄弟の事情を見てみましょう。最後の切り札として異母妹・光明子を「皇后」にまつりあげるアイデアは前回ご紹介したとおりですが、実はここには大きな壁が立ちふさがっていたのです。というのも、皇后は内親王（つまり皇族の女性）でならなければならないという断固たるきまりがあり、これを破った例は今までなかったからでした。当然、かなりの反発が予想されましたが、藤原４兄弟にとって何より面倒だったのが、最高権力をその手におさめていた長屋王でした。彼の意見はもちろん無視できません。かりにもし長屋王が、「まあ仕方ないでしょう。こういうのは時と場合によって臨機応変に対応しなくてはならないし、聖武天皇もお望みなら何とか叶えてさしあげなくては」な～んて、柔軟な（というかイイカゲンすぎて、それもどうかなあと思うけど…^ ^;）姿勢でのぞんでくれるなら、まだ話を持ち込むスキがあったんですが、あいにく長屋王という人はカチンコチンの、四角四面の、融通のまったくきかないキマジメ政治家だったのでした。もちろんこういう人は保守的です。昔のやり方を守ることに徹しようとします。しかも彼自身が皇族の一員ですから、「皇族じゃない女性を皇后になんて！！」と猛反発されてしまうのは目に見えてました。そのため藤原４兄弟が、「長屋王じゃ話にならん……いっそ、いなくなってくれれば話も早いのに……」と考えるのは自然のなりゆきだったような気がします。そして、聖武天皇＆光明子夫婦にとっての長屋王は……藤原４兄弟のそれよりも、ずっとずっと危険な存在だったのでした。まずは年表をご覧下さい★ かたや、皇子が亡くなったことで女の子しかいなくなってしまった天皇夫婦。かたや、皇位継承者としての資格を十二分にもっていた長屋王。しかも長屋王は吉備内親王（草壁皇子と元明天皇のむすめ…いつしかふたりも故人になってしまいましたね～～）とのあいだに男の子をもうけており、皇族同士の夫婦の子どもということで、サイコーの血統書付きお坊ちゃままで控えていたのです★（下手したら聖武天皇の方が負けてるかも……お母さんは藤原氏の出身だもんねえ）。これでは行司さんも、「なが～～やおう～～！」に軍配上げちゃいますよね。（ちなみに、聖武天皇夫婦にとって長屋王とその子と、どっちが脅威だったのでしょうか？これは意見の分かれるところなんですけど、長屋王の変のてんまつを見てみると、どうも子どもの存在を恐れていたようなフシがあります。それに長屋王は皇位継承者から外れることで、順調な出世をとげてきた感じもありますしね～）こうして藤原４兄弟と、聖武天皇＆光明子の思惑はみごとに一致しました。ズバリ、長屋王を消す。だれがこれを言い出したのか、シナリオを書いたのは誰なのか、そして真の黒幕はだれなのか。今ではもう一切が闇の中に隠されています。しかし恐ろしい魔手は長屋王のすぐそばまで迫ってきていたのでした…！！次回、後編をお送りします！もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月13日

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  ついに登場★聖武天皇！の巻

  ７２４年、待ちに待ったビッグ★イベントが華々しく執り行われました。そのイベントとは……首（おびと）皇太子（２４歳）の即位です！いや～～ほんっと長かったですねえ。パパ・文武天皇が亡くなったのが７０７年ですから、いつの間にか１７年もたっていたんですねー。元明おばあさま＆元正おばさま、無事にお役目を果たしてお疲れ様ッス！ということで、今日からは首皇太子ではなく、聖武天皇になりましたのでどうぞよろしく♪ 首皇太子が即位した日、長屋王もまた昇進を果たしていました。太政官（＝政治全般をとりしきる最高機関）のトップ、左大臣に任命されたのです。名実ともに最高権力者となった彼は、まさに人生の絶頂期にいました。嬉しくていつもより腰振っちゃいます。「オ・レ！！」だろうがスパニッシュだろうが、何でもポーズもとっちゃいます。（すみません、まだマツケンサンバから離れられません……）一方不比等の子どもたち、藤原４兄弟の動きはどうなっていたのでしょうか？ざっと見ていくと、長男・武智麻呂は中納言（７０５年に新しく設けられた、大納言に次ぐ重要ポスト。モチロン大宝令では定められていなかったため、不比等サンによる説明会では紹介されてません）として太政官入り、次男・房前（ふささき）はこれまたおニューのポスト、内臣（ないしん：太政官のメンバーではないですが、直接天皇のおそばにひかえてサポートする役なので、実は相当チカラがあったりする……）に任命されてましたので、実質的には上のふたりが長屋王政権の重要メンバーということになります。ちなみに下の二人は、将軍になったり、左右京大夫（さゆうきょうだいぶ：左京職・右京職の長官を兼ねてるんですね～）になって京都府知事サンみたいなお仕事やってたり、と地道に頑張ってるトコロなので、こちらも温かく見守ってやって下さいね～～。（←と言いながら、名前も出してない扱いの軽さ。え～と、宇合と麻呂でしたね。ごめんなさい^ ^;）さて、聖武天皇と長屋王、長屋王と藤原２兄弟の関係はどうだったかというと……別段ひっかかりもなく、それなりにうまくやっていたようです。とくに長屋王と房前はプライベートでもお付き合いがあって、元明太上天皇がお亡くなりの際（７２１年）には、特別にふたりを招いて「あとを頼みますよ」とお願いしているくらいですから、かなり前から協力体制が出来ていたのではないか、と思われます。しかし平穏な日々は束の間でした。７２７年、聖武天皇と光明子のあいだに待望の皇子が生まれるものの、翌年すぐに亡くなってしまうという不幸を境にして、長屋王をとりまく関係は少しずつ狂い始めるのです。というのも、この皇子の死によって皇太子が不在になってしまったためでした（何と聖武天皇は生まれたての皇子を皇太子にしていたのです。よっぽど嬉しかったんでしょうね～！）。聖武天皇＆光明子夫婦の子どもは女の子ひとりきりですから、またまた皇位継承が危ぶまれる事態となってきたのでした。そこで、藤原４兄弟（ウラには光明子がいたかどうか？）がひそかに動き始めます。お父さんの不比等がいっしょけんめい築き上げてきた天皇家とのご縁をムダにしないためには、このまま聖武天皇の血統を守り続けなくてはいけません。他の皇族がしゃしゃり出て天皇の位を奪ってしまうと、せっかくのご縁がパーになってしまいます。藤原家が結びついているのは、あくまで草壁皇子ラインの一族にすぎないワケですから……。藤原氏サイドが考えたのは、異母妹・光明子を”皇后”に押し上げることでした。皇后というのは無論天皇の奥さんですが、奥さんの中でも別格もしくは特別枠みたいなモノでして、皇后ともなれば天皇の代わりに政務をとったり、はたまた皇位継承がスムーズにいかない時には即位することまで認められていたのです！先例をあげると、敏達天皇の皇后（当時は大后と呼んでましたが）・大炊姫→推古天皇、天武天皇の皇后・鵜野皇女→持統天皇という具合です。草壁皇子の妃、阿閇皇女（あへのこうじょ）ものちに元明天皇になってますね。もっとも皇后ではないですけど^ ^;次期天皇としての持ち札が女の子（阿倍内親王）しか存在しない今、皇位をめぐってモメにモメることは容易に想像できますから、そういう時の切り札として光明子を持ち出して、過去の例のよーに何とか問題を押さえ込もうと考えた藤原氏サイド。う～む、確かに今打てる手はそれしかないかもなあ……と納得しちゃいますね。聖武天皇も認めていたフシがあるし。しかし彼らの苦心のアイデアに、立ちふさがろうとしていたのが長屋王でした。皇子を失った聖武天皇＆光明子夫婦にとっても、長屋王は大きな脅威となっていたのですが……次回、「政界激震！長屋王の変！」をお送りします★もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月12日

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  ニューフェイス光明子、おおいに語る！の巻

  ここのところずっと、最高権力者である右大臣・長屋王に密着取材（？）していましたが、今日は久々に皇室の動きをチェックしてみたいと思います。 時間は少しさかのぼって７１４年、首（おびと）皇子は皇太子となりました。即位できるお年頃だったのに皇太子にとどまったのは、周囲の反発を招かないよう伯母さんの氷高内親王を天皇に据えて、しかるべきときに位を譲るシナリオがあったのでは……と考えられています。年表をみるとその２年後、光明子（こうみょうし）という女性が初登場しています。光明子は「カゲの天皇」と評してもいいくらいの女傑であり、時代を動かすキーパーソンのひとりでもありますので、ココでちょっと自己紹介してもらいましょう★光明子「皆さまはじめまして、光明子です。７０１年生まれなんですけど、偶然首皇太子さまも同じ年にご誕生されたんです。これも運命なのかしら？わたくしの父は皆さまご存知の藤原不比等、母は県犬養橘三千代（あがたいぬかいのたちばなのみちよ）と申しますの。長い名前でごめんなさいね。わたくしも普段はこの名前でお呼びしていないから、つい忘れそうになりますわ。母様は天武天皇から元明天皇の４代に渡ってお仕えした内命婦（ないみょうぶ：五位以上の位階をもつ女性……なので、相当身分が高いですねえ。デキる女性だったんだろうなあ。しかもとても魅力的！理由は光明子さまに述べていただきましょう）で、皇室の美努（みぬ）王と結婚されて葛城王（のちの重要人物★橘諸兄：たちばなのもろえ）・佐為（さい……ヒカルの碁だ～！彼から名前をもらったのかな？）王・牟漏（むろ）女王（藤原４兄弟のひとり、房前の奥さまになりました）をお生みになられたんですって。でも美努王と離縁なさって、父と再婚したんですの。離婚の理由？わたくしの生まれる前ですし、母様からうかがった事もないので、分かりませんわ……ただ夫婦仲は子のわたくしから見てもたいそうよろしくて、特に父様は母様を心底愛していらしたようですの。ふふふ、父様には内緒にしておいて下さいね。わたくしの異母姉、宮子お姉さまは文武天皇に嫁いで首皇太子さまをお生みになられましたから、わたくしと首皇太子さまは叔母と甥の関係にあたりますのね。そのせいかどうか分かりませんけど、わたくしの方がけっこう豪快というか、しっかりしているとよく言われますの。でも首皇太子さまも芯は強い方でいらっしゃいますのよ、そこのところは誤解なきよう。え、子どもですか？ええ、おりましてよ、女の子がひとり。阿倍内親王と申しますの。まだ男の子が生まれないのが少々残念ですけど、むすめが年に似合わず気丈な子ですから親として頼もしいですわ」光明子さま、ご協力ありがとうございました★ちなみに、例の藤原４兄弟は彼女の異母兄にあたります。お兄ちゃんがたくさんいてうらやましいなー。実際にお兄ちゃんがいる人に聞くと「そんないいモノじゃないよ！」と力説するんですけど。どうなんですかね～～？？次回はついに首皇太子が即位！天智天皇と肩並べるくらい、長かったよーな気がしますわ～^ ^;長屋王を頂点とする政界も大きく揺れ動いていきますので、目が離せない……かな？！寄り道多いから保証できないのがツライところですが、どうぞよろしく☆もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月10日

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  「墾田永年私財法」はイッキに変換できてちょっと嬉しい♪の巻

  その点「三世一身法」はブツ切りじゃないと変換できないから、ちょっと面倒くさいです（どうでもいいコトではあるけど……^ ^;）。【前回のあらすじ……国家財政の基盤となる土地（田んぼ）には、この頃いろんな問題が噴出してきました。まずは浮浪人が公認とされたことで、人々が放り出した田んぼが荒廃してしまうこと、あとは人口増・税不足にともなってドンドン良い田んぼを作っていく必要が出てきたことでした】これらの課題に取り組んだ長屋王政権ですが、最初のキャンペーン（百万町歩開墾計画）は大失敗に終わってしまいます。続く一手は果たしてあるのか？！ あらすじや次回予告で大上段にかまえるのが、ど～も好きみたいですね。まったく困ったクセですわ^ ^;さてキャンペーンの１年後（７２３年）、長屋王たちは早々に政策の転換をはかりました。木や草をエイエイと引っこ抜き、水路をつくって水をひき、土を耕してようやく田んぼとなった開墾地は、ご褒美としてその本人に渡してあげるべきかもなあ……じゃないと開墾が一向に進まないし……という方向に傾いたのです。現代からみれば「当然じゃん！」ってな感じですが^ ^;そこで出されたのが「三世（さんぜ）一身法」という新ルールでした。これによると、水路などを新たに作って開墾した土地は三世（開墾した本人はモチロンのこと、子・孫・ひ孫の三代）まで所有ＯＫ、もともとは田んぼだったけれど色々な事情で荒れてしまい、水路などを手直しして使えるようにしましたよ～という場合は、一身（本人一代）かぎりの私有が認められることになったのです。制限付きながらも土地私有が認められたコトで、土地問題はイッキに解決！！といきたいところですが、実際にはかえってややこしい事態になってしまったそうです。まずは三世と一身という制限期間の違いがありますし、開墾する時期も人によってもちろんバラバラ、そして期限が切れたら土地はお上に返しますから、国家としてもイチイチ把握するのが煩わしかったのかもしれませんね～。一方開墾を手がける側も、結局は土地を返すワケですから、「いまいちスッキリしないんだけど…」という感はぬぐえません。そうした両者の利害が一致したのか（？）２０年後の７４３年、「墾田永年私財法」なる改正版が打ち出されました。コレは読んで字のごとく、”開墾して出来上がった田んぼは、永年（永久）に本人の私有となりますよ～～”という画期的な政策になります。（ただし私有できる面積は、当人の位階に応じて制限がかけられていますので要注意！！例をあげると……庶民の１０町からはじまって、最高の一位では５００町までＯＫ★という具合です。が、東大寺にいたっては４０００町！という破格の待遇を受けてますから、お金持ちになるはずですわ……あ、ちなみにこの時代、上級貴族もリッチですが、勢力を誇る有名寺院はもっと金持ちだったりします♪）というワケで、この法令が出てがぜん張り切ったのが、広い面積の私有を許された上級貴族＆大寺院でした。彼らは財力にものいわせて、バンバン開墾をすすめます。もちろん開墾するための労働者もドンドン投入します。この労働者というのが……前回ご紹介した浮浪人だったのでした☆居場所のない逃亡者と、人手がほしい開墾のスポンサー。ここでもみごとに利害が一致してますねえ。（ちなみにこうして居場所をゲットした状態を浮浪と呼び、行方をくらましたままの状態は逃亡と呼んで、区別をつけているそうです。７２６年の山背国愛宕郡のとある一族をみますと、逃亡・浮浪が何と半分以上にわたっていて、一族総崩れだ～～！とビックリしてしまいます。戸主みずからが浮浪になっているのも「何だかなあ」と苦笑してしまうのですが、興味深いのが奴婢と呼ばれている使用人たちまで逃亡しているトコロ。戸主さんは筑紫国に落ち着いたそうなんですけど、奴婢たちはどうやって生きていったんでしょうね～？？）というワケで、エイショエイショと開墾して自分のモノとなった土地は、それこそ豆粒のようなモノから愛・地球博みたいなビッグ★イベントまで出来ちゃうよーなドデカイ田んぼまで、色々な大きさがあったのですが、上級貴族や有名寺院などの大富豪がスポンサーとなって出来た私有地は特別に「初期荘園」と呼ばれています。なぜ”初期”とワザワザ区別をつけているかというと、この時代の荘園（私有地）は一応自らが開墾（もしくは買収という手もあったそうですが）してゲットしたものでして、国家に税をおさめる必要がある田んぼ（こういう田んぼを輸租田：ゆそでんと呼んでます）だったからなのです。（では裏返せば、「後に出てくる荘園って努力しないでも手に入って、税も払わなくていいってコト？？ラクしすぎじゃん！」という話になりますが……荘園がどんな風に変質していって、どんな風に時代に影響を与えるのか、これは平安時代に特集組みますね～～。とても重要なお話なので★）国家にとっても三世一身法のときのような煩雑さはなくなった上、開墾地をキチンと把握できるので安定した税収入も期待でき、開墾も前よりもスムーズに進むという事で、一石二鳥（もしかしたら一石三鳥？）だったよーです。公地公民の原則が破られたというコトで、昔は「律令体制、早くも崩壊か？！」なんて教えられたんですけど、本場の中国・唐ではモトから私有が許されていまして、生真面目に作られてしまった日本版の律令がようやく中国風に柔軟化された、と評するのが最近の流れみたいです。昨日は花見で疲れてしまったようで、最終的には眠さに負けてしまったんですが、やっと手直しできてスッキリしました。では次回は、「長屋王、謀反！！（やっぱり仮）」をお送りします。もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月09日

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  律令と通販モノは使ってみないと良し悪しが分からないデス★の巻

  昨日はアホな日記で失礼しました。でもゲームやってみるとツッコミどころ満載だったから、こっそり連載していたりして…。信長、負けたからって「くだらぬな」はないだろう！お前が仕掛けてきた戦いだぞ～！！ということで（どういうことで？）、久々に本線復帰です。今日は美貌の女帝・元明天皇と、右大臣になって意気揚々の長屋王のコンビでお送りしますね☆まずは恒例の年表です。 飛鳥時代の末にようやくカタチとなった律令体制（律・令というきまりにのっとって運営される国家システム）ですが、奈良時代はこのシステムの修正に追われることになりました。まあ、どんなルールでも実際使ってみないことには出来・不出来が分かりませんものね～。奈良時代でも、律令の欠陥や弱点がポロポロ出てきて、藤原不比等の頃からすでに修正は行われていました。長屋王政権下でおこなわれた手直しは、土地政策に関するものが大部分を占めますので、今日はこちらからお話していきたいと思います。律令体制を支えるぶっとい柱はいくつかあるんですが、ここではおなじみ「公地公民」という基本原則をもう一度振り返ってみましょう。公地公民とはすなわち”土地と人民はすべて公＝国家のもの”であり、お上から土地をレンタルされた人民たちがそれを耕し、税をおさめ、死亡したら田んぼをお返しするというサイクルになってました。なので、土地を自分のモノにすること（私有ですね☆）は基本的に許されていなかったワケです。（”基本的”とただし書きを付けたのは、お役人には位階や官職に応じた田んぼが支給されていたからですね～。これはレッキとした私有地です。昔も今も優遇されているぞ、公務員！！）しかし祖庸調をはじめ各種の負担がタイヘンきつかったため、戸籍に登録された土地（これを本籍地といいます）から逃げ出す人々が続出しました。相次ぐ逃亡はさまざまな方面に悪影響を与えたのですが、政府にとって何より頭が痛かったのはやっぱり税の問題でした。逃亡した人を放っておいたら財政が破綻するのは目に見えてます。そこで初めは「元の場所に戻ってこ～い！逃げたってどこまでも追っかけてやるからな～！」という強硬な姿勢を取っていたらしいのですが、こんなイタチごっこは時間とカネの無駄とゆーワケで、「本籍地に連れ戻すのはやめるから、代わりに現地で戸籍登録しますね。だから税は負担してね。ヨロシクメカドック★（昨日木更津キャッツアイ見ちゃった…）」なんて、柔軟な対応をみせてます。このように逃亡した地で戸籍登録された人々を、浮浪人と呼んでます。では一体、浮浪人たちは主にどこに逃げ込んだのでしょうか？この答えは、長屋王、そして２０年後に登場した橘諸兄（たちばなのもろえ）政権下で行われた土地政策のリニューアルに隠されてます。では順次見ていきましょう♪国家財政の基盤となる土地（田んぼ）には、この頃いろんな問題が噴出してきました。まずは浮浪人が公認とされたことで、人々が放り出した田んぼが荒廃してしまうこと、あとは人口増・税不足にともなってドンドン良い田んぼを作っていく必要が出てきたことでした。長屋王政権は手始めに７２２年、百万町歩（ひゃくまんちょうぶ）開墾計画というプランを打ち出します。これは人々をゴーインに集めて、「森林などをどんどん開墾していい田んぼを作りましょう♪」とのキャンペーンに無理やり（？）参加させるものでしたが、いくら張り切って開墾しても自分たちの土地になるワケでなく、どーせお上に取り上げられてしまうだけですから、やる気が出ないのも当然です。まさに骨折り損のくたびれもうけです。キャンペーンの成果がまるで上がらない中で、長屋王たちは新たな土地改革を求められたのですが……続きは次回にて★もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月07日

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• 突撃となりの晩ご飯！イン平城京の巻

  いつの間にかタイトルが変わってますが^ ^;引き続き長屋王邸宅を取材しているくまくまキャスターたち。長屋王や妻子が暮らしている内郭へやって来ました。吉備内親王（以下吉備）「まあ、お時間かかりましたのね。おもてなしのご用意はすっかり整っていましてよ」常識をはるかに超えたリッチぶりに疲れ果てたくまくまキャスター、しかしおもてなしと聞くと突然目が輝きました。現金なモノです。くまくまキャスター（以下くま）「いや～、それは恐縮です。ゴチになります！ウス！！」吉備「では皆さま、ついていらして」床張りの廊下を一同はゾロゾロ歩いていきます。と、好奇心旺盛なくまくまが目ざとく見つけたものは、豪華な調度品のならんだこれまたキラキラしいお部屋。くま「あの、このお部屋は？」吉備「夫の私室ですわ。入室は認められませんけど、外からでしたらごゆるりと見学なさって」ペルシャじゅうたんのような美しい刺繍の敷物、螺鈿細工が一面にほどこされている物入れ、たっぷりとした質感の几帳、まるで室内そのものが工芸品のように素晴らしいものでしたが……何とその奥にはテーブルと椅子が！！（椅子に座るというスタイルは、中国の唐で流行っていたそうです。日本でも、いわゆる”セレブ”な人たちが最先端の流行を取り入れていたのかもしれませんね☆ちなみに長屋王宅にはベッドもあったそうです。案外現代のライフスタイルと変わらなかったりして…）ひとしきり感嘆した後、一行はご膳の並んだ広間に足を踏み入れました。いよいよお楽しみのディナーです♪くま「突撃となりの晩ご飯！イン平城京！」スタッフ「（冷たく）番組違います」くま「ツッコミだけは早いんだから……お、それにしてもこれはすっごいご馳走ですねえ！！」つややかな漆器に盛られたお品は計１５点。見た目にも美しいご馳走です。くまくまキャスターはご膳を運び終えた給仕をつかまえて、メニューの説明を頼みました。給仕はタイヘン迷惑そうでしたが、そんなことを気にするくまくまではありません。座右の銘はゴーイング・マイ・ウェイです。給仕「じゃ、左上のはしから順にいきますよ。１……荷葉飯（はちすいい：ハスの実入りごはんをハスの葉で包んだもの）２……菓子（干し柿、草もち、煮あずき）３……茄子瓜入醤（なすうりいりひしお：塩漬けのナスと干した瓜を醤に漬けたもの）４……水須々保理（みずすすほり：塩水に漬けて発酵させた漬物）５……蘇（そ：牛乳を加熱濃縮した乳製品。チーズ？コンデンスミルクの固形品？いずれにしても美味～！）６……焼鰒（やきあわび：そぎ切りにしたあわび、はらわた・ワカメ添え）７……野菜茹（やさいのゆでもの：焼いたタケノコ、フキ、菜の花）８……焼海老（やきえび：クルマエビの塩焼き）９……いりこ（戻した干しなまこ、たたきトロロ、ワサビ添え）１０…干蛸（ほしだこ：皮を取り、焼いてから干した蛸）１１…生加岐（なまかき：生牡蠣、刻みネギ、二杯酢）１２…鹿醢（かのししびしお：鹿の細切り肉のこうじ入り塩辛）１３…鮮鮭膾（なまさけのなます：生鮭、ダイコン、のり）１４…醤（ひしお：しょうゆに似た液体調味料）１５…鴨羹（かものあつもの：鴨とセリの汁）以上です。これにお酒がつきます。じゃ急いでいるのでこれで」山の幸、海の幸をふんだんにもりこんだフル・コース。生鮭などナマモノが出てくるあたり、やはり氷の恩恵にあずかっているのでしょう。しかもどれも調理人がこりにこったメニューです。「美味しんぼ」の短気なグルメおやじ、海原雄山もこれには白旗をあげるはず！くま「いや～～、こんな仕事なら毎日やってもいいなあ♪」同感！！今回のメニューは、とうほう出版社「日本史のアーカイブ」という教科書副読本から引用させていただきました（メニューを制作されたのは伝承料理研究家・奥村彪生氏だそうです）。今日学校に行ったら、偶然発見してラッキーでした^ ^;しかし最近の副読本って本当に充実してるんですよね……奈良時代の物価まで出ていてビックリです。これ一冊読んでいるだけでも飽きないなあ。学生の皆さんには、授業が終わっても捨てないでいてほしいものです。一生モノですから。こういう副読本は大きな書店なら売っていると思うので、関心がある方はぜひ♪この「日本史のアーカイブ」も８７０円という破格の安さです。採算取れるの？と心配になるほど、写真も資料もネタも詰まっております。ちなみに下級役人のご飯は、飯に魚数本にキュウリにカブ……でもウチの朝ごはんもこんなものか^ ^;次回は長屋王政権で行われた政策です。なつかし（？）の三世一身法なども出てくるはず。ではでは☆もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月05日

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• くまくまキャスターの豪邸拝見☆長屋王の巻

  くまくまキャスター（以下くま）「本日は、右大臣長屋王の邸宅にお邪魔しております。先ほど北門から入りましたが、ここは何やら大小、いろんな建物が立ち並んでおりますねー」長屋王の奥さん吉備内親王（以下吉備）「我が家は内郭・外郭のふたつに分かれていて、こちらは外郭なんですの。使用人たちの仕事場や居住区に当たりますわ」くま「は～、使用人たちのスペース……って、こんなにでかいんですか？！」吉備「（怪訝そうな顔して）当然ですわ、うちで働いている者は数百人いるんですもの。正確な数はわたくしは把握してませんけれど」くま「（一瞬絶句）な、何でそんな人数が必要なんですか？！」吉備「あら、だって生活全般をこちらでまかなえるようにしておりますもの。ですから料理人、庭師、医師、仏師、音楽家、事務員……職人にいたっては種類が多すぎて存じませんけど、とにかくあらゆる業種の人間を雇っておりますわ」くま「（目がまんまる）み、みんな長屋王お抱えということですか…何ていうか、豪勢ですねえ……」吉備「では内郭に入りましょうか。わたくしたちの住まいですわ」くま「あ、あの～、それだけですか？」吉備「それだけって？」くま「せっかく外郭に来たんですから、皆さんがどんなお仕事しているのかご紹介したいんですけど……」吉備「まあ、あなた物好きですのねえ。でもわたくしあまり詳しいことは存じませんの。政所（まんどころ）に一任してますから。……仕方ありませんね、おまえ（かたわらの侍女を呼び寄せて）、政所に行ってだれか職員を呼んでらっしゃい」その間に吉備内親王は、「では内郭で待ってますから」と一言残して去ってしまった。一体何しに来たんだ、あの人は？と首をひねるくまくま一同。身分の高い人というのはどこかズレているのかもしれない。カメラが周りの建物などを撮影していると、政所らしき建物からひょろ長い男がタタタとやって来た。政所の職員・丙万呂（へいまろ）さん（以下丙さん）「どーもお待たせしました。外郭のご案内をすればいいんで？」くま「あ、どうも、ぜひお願いします」丙さん「じゃ、政所から行きますか。皆さんついてきて下さい」以下長くなるのでチャカチャカ二倍速！政所（まんどころ：長屋王宅の経済をとりしきるまとめ役。一家の中心です）・大炊司（おおいのつかさ：米など穀類の在庫管理など）・菜司（その他食糧品をしっかり保管☆）・膳司（ぜんのつかさ：調理担当です）・酒司（いつでもお酒を準備しまっせ～）・水司（水質管理はキチンとね！）・主殿司（とのものつかさ：建物＆調度品のチェック）・薬師所（くすしどころ：病院ですね）・銅造所・鋳物所・嶋造司（しまつくりのつかさ：庭園ならお任せ！）・仏造司・工司（たくみのつかさ：職人たちの監督）・馬司（馬の飼育担当）・犬司（ワンちゃんの飼育担当。長屋王の子どもたちがペットとして飼っていたそうです）・鶴司（鶴の…以下省略。庭園では鶴まで飼っていたらしい…）などなど、グルグルグルグル……（倍速終わり）アチコチ連れ回されて息切れしてしまったくまくまとそのスタッフ。一体この家はどうなってるんだ～～？！丙さん「（けろっとした表情で）職人に関しては数多いですから、出入りが激しいんですけど……衣料にしても染色から出来ますし、食器や家具も作ってますしねえ」くま「…………（な、な、何てゼータクな！政治家がそれでいいのか！！）」丙さん「あ、ちょっと待ってくださいね」ここで「ちわ～っ」と樽をかかえた運送屋さんが登場。丙さんは「あちらに運んでくれ」と指示して、また戻ってきた。くま「今運ばれてきたのは何ですか？」丙さん「あれは牛の乳ですよ。煮詰めて蘇（そ）にすると美味らしいですけど、私のような者は食べたことがなくて」くま「へえ、牛乳まであるんですか（それより蘇って何かすっごく気になるんだけど……）」丙さん「あ、すみません、ちょっとまた」今度は四角い荷を積んだ馬とともにみすぼらしい女性がやって来て、丙さんの指図を受けて急いで向こうへ去っていく。くま「あの～、アレは……」丙さん「氷です。最近暑くなりましたから、毎日届けられてますよ。ここには食糧品が山ほどあるので腐らせないようにするのがタイヘンなんです。氷は欠かせませんよー。お家形さま（長屋王）にしても、お酒に氷をいれてたしなまれるのがお好きですしね。ですが、こういうゼイタクが出来るのもここくらいなものですねえ」くま「どうなってるんだ、この家は～～！！」気が遠くなる一歩手前のくまくまキャスター。しかしまだ続きが待っている！次回は「くまくまキャスターの豪邸拝見まだまだ続く！（仮）」をお送りします。追記：丙さん、政所の職員かどうか分からないのですが、勝手に出演させてしまいました。すみません^ ^;１９８６年、そごうデパートの建設に伴って発掘された長屋王邸宅跡からは、約４万点にのぼる木簡（色々なメモが書かれた木の札）が出てきて、当時の暮らしぶりが明らかになりました。この話を高校生のときに先生から聞いて、「考古学ってロマンにあふれてるんだ～～」と誤認（？）してしまい、大学への進路を決めてしまったマヌケな思い出があります。しかし邸宅跡をぶっつぶして建てたそごうも、閉店の憂き目にあい、世はホント諸行無常ですわ…。もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月04日

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  長屋王、サンバのリズムに乗ってご登場？？の巻

  昨日は金スマ波瀾万丈で「マツケンサンバ」を特集していたので、２時間ずっと見てました。すっごく面白かった～～！！しかし、真島茂樹さんのご指導に合わせて一所懸命ダンスを練習したんですけど、これが意外に難しかったです。マツケンサンバを踊れる！という方、いらっしゃいますか？尊敬しちゃうなあ……。さて今回は、まだまだ花のかんばせ☆の元正天皇とまとめ売りの藤原四兄弟、そして腰元ダンサーズに迎えられ、サンバのリズムに乗ってご登場～～♪（何でやねん！！）の長屋王（ながやおう）の計６名がおおいに舞台をにぎわせてくれるかも？オ・レ！！（あ、でもキャスターくまくまも乱入予定だ！これは収拾つかないぞ^ ^;） 飛鳥時代から奈良時代にかけてさんぜんと輝き続けた巨星・藤原不比等の死後、政界のドンとなったのが、天武天皇の孫にあたる長屋王という人物でした。血筋に関しては皇太子となった首（おびと）皇子よりも良いのではないか…と思われますが、図を見ていただいた方が分かりやすいと思うので、長屋王を中心とした系譜を出してみますね。 長屋王のお父さんは、壬申の乱で雄姿をみせてくれた高市（たけち）皇子でしたが、高市パパはお母さんの生まれがあまり良くなかったため（九州の豪族のお嬢さんでした）、皇位継承者の候補から外れていました。ですがその存在を無視することはできず、持統天皇も彼を太政大臣（めったに出現しない究極のナンバー１・ポストですな♪）に任命して、協力をあおいだほどでした。（高市皇子についてはこちらを参照してください）そしてお母さんは天智天皇のむすめ…という事は、バリバリの皇族出身者でしたから、長屋王は皇位継承者としてかなり良いセンいってたんですね～。しかしそれは裏返してみると、草壁皇子ラインの天皇たちにとっては脅威にあたるワケでして、長屋王の扱いに関しては相当神経をとがらせていたのでは…と思われます。敵になったら手ごわいし、かといってチヤホヤしてつけあがったらタイヘンだし……あれこれ悩んだ結果、彼らが選んだのは長屋王に妥協してもらう！という道でした。つまり長屋王には皇位継承者から外れてもらい、政治家として頑張って下さい、と。その代わり待遇は皇族並み（いや、皇族の中でもトップクラスだったでしょうね～～それは後ほど彼の暮らしぶりを見て確かめてみましょう☆）にして、文武天皇の妹、吉備内親王までお嫁に差し出す念の入れようでした。こうして長屋王は着実に出世の階段を登りはじめます。不比等死後の翌年（７２１年）には右大臣に任命され、政界を牛耳ることとなったのでした。長屋王政権の誕生です！長屋王の政治については後にまわすこととして、今日は「くまくまキャスターの豪邸拝見」コーナーへ移ります。では平城京の南メインストリート・二条大路で待機しているくまくまさんを呼んでみましょう。くまくまさーん、聞こえますか？くまくまキャスター（以下くま）「はい、くまくまの豪邸拝見、今日は長屋王のお宅にお邪魔いたします。しかし先ほどから歩き続けておりますが、なかなか北門までたどり着けません。とにかく巨大なお宅です。敷地面積６万平方メートル、現在春の大会で盛り上がってます甲子園球場の１．５倍というから驚きですね～～！お、やっと北門が見えてきました」警備員たちに用件を話して北門をくぐるくまくまキャスターとカメラマンたち。そこで待っていたのは気品ただよう優美な女性とオオゲサなほどのお取り巻き。女性「（微笑みながら）ようこそいらっしゃいました。わたくし、妻の吉備内親王と申します」くま「きび……え、お、奥さんですか～！！家令（今でいえば執事さん。執事といえばセバスチャン…違うか^ ^;）さんがご案内してくださるってうかがっていたんですが、その、えーと」吉備内親王（以下吉備）「（にっこり笑って）おもしろそうなので無理いって代わりましたの。なかなかこういう機会ってありませんものね。立ち話も何ですから、どうぞお入りになって」くま「は、はいッ！！……とんだことになってしまいましたが、このお宅には見どころがたくさんありそうです。どうぞお楽しみに！」次回、「くまくまキャスターの豪邸拝見☆長屋王の巻」をお送りします。長屋王、勝手にマツケンにしちゃってゴメンね……でもご登場！のあたりでもう私には金ラメ着物のマツケンしか思い浮かびませんでした^ ^;もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月02日

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  オトコ一匹藤原不比等、有終の美を飾れ！！の巻

  今日の前半は、即位したてのキレイな元正（げんしょう）天皇＆超ベテランの藤原不比等コンビでスタートです。では年表をどーぞ^-^ オトコ一匹藤原不比等、有終の美を飾る！！ということで、最後の業績をまとめてフラッシュ★７１７年、お久しぶりの遣唐使が派遣されました。この時のメンバーはちょっと大切なので、ご紹介しておきますね。できたてホヤホヤの暦、天文観測のための道具、はやりの楽器などなど唐のホットなカルチャーグッズをたくさん持ち帰った吉備真備（きびのまきび）。好奇心旺盛なひとだったんですねえ、お土産どっさり★仏典の収集に奔走し、最新の仏教（密教と呼ばれてます。平安時代に大ブレイクしました。後ほど説明しますね～）もしっかりチェック、仏教界に多大な貢献をした僧の玄ぼう（すみません、ぼうの字はエラーになってしまいました。部首が日、つくりは方という字です。普段はまず見かけることのない漢字です）。密教の秘儀をもってあの宮子お母さんを治したことは有名ですが、その秘儀って何だったのだろう…。私などは、カウンセリングの一種みたいなモノではないかな～と思っているんですが、それはあまりに安直かしら^ ^;そして、唐の皇帝・玄宗に一目置かれ出世を果たしたものの、日本の地を二度と踏むことのなかった阿倍仲麻呂（あべのなかまろ）も、この時遣唐使とともに出発したのでした。自分の運命をむろん知ることもなく……。吉備真備と玄ぼう（ひらがな混じりって何かマヌケ…）は後ほど出てきますので、どうぞよろしく♪７１７年、一般地方行政区の見直しをはかりました。その内容は……国→郡→里という３段階の分割を国→郡→郷→里の４つ（正確に言うと里を郷に改名して、その下にあらたに里を設けました。ややこしいなあ）に細分化。民衆のデータをきめ細かく把握し、税をガッチリシッカリ集めるための改革でした。７１８年、大宝律令の改訂版、養老律令の制定を果たしています。この養老律令、単に大宝律令の付け焼刃か？？とも言われるんですが、都をまもる兵士（衛士）の任期を１年にしたりと、実際大宝律令に沿って政治をしてみたら不都合が多く発生したため、全面的にリニューアルしたのではないか……と思われます。（ただ、実際に使われ始めたのは７５７年なのでかなり間が空いてますね～～なぜだろう？）この養老律令が不比等にとって最後の大仕事となりました。思えば、草壁皇子に深く信頼を寄せられて以来、持統天皇・文武天皇・元明天皇・元正天皇と４代の天皇をサポートし、律令（今で言えば憲法みたいなモノだもんねえ）を２つも完成させ、首都を移し、新しい銭貨を鋳造・流通させ、支配体制を地道にコツコツ改良し続けた藤原不比等は、生涯、現役政治家として頑張ったのでした。もちろん彼だけの業績ではありませんが、引退した元明太上天皇が病気の不比等のためにアレコレ手を尽くしているのを見ると、まさに新国家の”大黒柱”だったのだなあ……と実感してしまいますね。７２０年、不比等は世を去りました。ひとつの巨星が墜ちたのです。不比等に関してはもう一つ、付け加えておくことがあります。それは７２０年に完成した歴史書『日本書紀』（３０巻）の存在です。ウチのblogで書きつづってきた内容は主に『日本書紀』をベースにしてますが、この歴史書は当時の最高権力者・不比等にタイヘン配慮しながら編集されたそうで、どこまでが本当でどこからが粉飾なのか、見極めが非常に難しい状態です。ただ考古学の成果によって、『日本書紀』の記述が正しいことも相当数確認されており、今後の動向を見守っていきたいなと思ってます。不比等の死によって、政界の新旧交代がイッキに進みました。ではメンツを見てみましょう♪まずは不比等の子どもたち、藤原四兄弟（正式には藤原四子と言いますが、四兄弟の方が響きが面白いので、ウチではこれで通しますね^ ^;）の登場です。上から優雅な貴公子・武智麻呂（むちまろ）、一番のヤリ手か？房前（ふささき）、軍人政治家・宇合（うまかい）、マロはぷりんが好きでおじゃる～～じゃなかった、えーと、これまた文武両道の麻呂（まろ）となっております。どーぞお見知りおきを！たいていは個人名を覚えるのに、これは四人セットになっているので、「おもしろ～い」と生徒たちは嬉々として覚えてました。あとは薬子だな……コレを外した生徒もいなかったよーな気がします。女性週刊誌の巻頭を飾るに違いないゴシップだからなあ。あ、すみません、薬子の話は平安時代にて。彼ら四兄弟の進出で政界は藤原氏一色か？！と思いきや、不比等に代わる最高権力者は他に存在していたのでした。お、そのお方は向こうの方で不敵に笑っておりますね～。彼の出番は次回にて★ではまた！もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年04月01日

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  元明天皇お疲れさん！元正天皇こんにちは～！の巻

  息子、文武天皇の急死によりピンチヒッターとなった元明天皇にも、確実に老いの波がやってきていました。それとは対照的に、坊やだった首（おびと）皇子は元服と遂げてオトナの仲間入りを果たしています。７１０年に急ぎ首都機能を移した平城京も、ようやく完成をみた７１５年現在（実はまだ造営が続けられていたんですね～。ホントあわただしい遷都だったよーです）、首皇子こそが新しい時代の主にふさわしい！……はずだったのですが、元明天皇が位を譲ったのはまったく別の人物でした。その人物とは氷高（ひだか）内親王。ちなみに３６歳の独身女性でした（今だったら無条件に負け犬にカテゴライズされてしまうな…ちょっとヤダ）。では年表をご覧下さい☆ いきなり出現したこの女性、一体何者なのでしょうか？プロフィールを少し見てみましょう。生年月日……６８０年生まれ。家族構成……父：草壁皇子、母：元明天皇、弟：文武天皇。性格……物静かで清楚なタイプ。心も広くてみんなから慕われておりますのよ♪（母、元明天皇談）というコトで首皇子にとっては伯母さんに当たるんですね。お祖母ちゃんの次は伯母さんと、何か一家総出になってきましたが^ ^;氷高内親王は７１５年、お母さんから位を受け取って即位したのです。元正（げんしょう）天皇の誕生です☆でもなんかフシギですよね～～。首皇子を天皇の座につけることがグランマ元明＆グランパ不比等の最終目標だったワケで、７１５年の段階で首皇子はすでに１５歳に達しており、天皇適齢期（？）には十分な年齢だったのです。事実お父さんの文武天皇は６８３年生まれで、６９７年には天皇になってますから、引き算するとちょうどおんなじ１５歳、まったく問題ないように思えます。なのに、なぜわざわざ氷高内親王という女性を引っ張り出してきたのか？？この他、氷高内親王にはもうひとつナゾがあります。それは３６歳というこのトシまで独身でいたという事でした。紀宮さまのようにご本人の意思が優先される現代と違って、昔は当人の好みも希望もへったくれもありませんでしたから（口悪いですねえ、私って……今さらかしら^ ^;）、しかるべきご年齢にしかるべきお相手のもとに嫁がれるのがジョーシキだったワケで、氷高内親王がたまたま独身でいたのはとっても不自然なんですよね。そこで、元明→氷高内親王→首皇子という即位の流れは、もともと仕組まれたモノではないか…と考える説があります。というのも首皇子のお母さんは藤原不比等のむすめの宮子でして、皇族出身ではなかったからでした。今まで即位した天皇をみると、お父さんはモチロンですがお母さんも皇族という人が圧倒的で、持統天皇や元明天皇のような例（お母さんが蘇我氏出身）はわずかしかありません。しかも持統＆元明は、みずからの長年の実績が認められたとか、正式な天皇であった息子のたっての願いで、という人生のベテランだからこそ駆使できた特殊なケースであって、これを首皇子にやれというのは到底ムリな話ですよね～～。 しかしまた”中継ぎ”しても、問題を先送りしているだけで事態は変わらないんじゃないの？？とも思えますね。そこでまたまたフシギなのは、首皇子のママ宮子さん。実は宮子さんは首皇子出産直後から精神に異常をきたし、愛しいわが子とは一回も面会を果たしていないのです。もちろんアレコレ面倒を見てくれた人はいたでしょうが、首皇子には実質的にお母さんがいないも同然……ココに目をつけて、氷高内親王を”母”としてねじ込み、両親ともに皇族というパーフェクトな氷高内親王をまず天皇にして、”わが子”首皇子に位をゆずれば文句ないでしょ？！だって”お母さん”は押しも押されぬ皇族なんですからね！……という説も出されているそうです。これがホントなら、首皇子一人のためにここまでやるか～～？と叫びたくなっちゃいますが^ ^;（そしてホントのお母さん、宮子さんは首皇子がめでたく即位したのち、えらいお坊さんにカウンセリングを受けたのか病気がすっかり治ったそうで、何かここらへんのタイミングも怪しいといえば、怪しいんですよねえ……真相はまだ藪の中のよーです）いずれにせよ、美人で清楚な氷高内親王が独身でいたことは事実で、即位したことも事実で、首皇子に位を譲ったあともチャンと権力のはしっこを握っていたことも事実で（もしイケニエにされたとしたら、それは当然の権利！のよーな気がするなあ）、とりあえず次回から元正天皇の時代が幕をあけるのでした。そしてサポートするのは政界の妖怪…いえいえ、大ベテランの藤原不比等でしたが、最高権力者の世代交代もまた迫ってきていたのです。次回は「有名人の豪邸拝見☆長屋王の巻（仮）」の予定ですが、果たしてどうなることやら。では！もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年03月31日

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  この間にも首皇子はすくすく成長してますよ～の巻☆

  今日もグランマ・元明天皇＆グランパ・藤原不比等コンビでお送りします☆ 前回ご紹介した「蓄銭叙位令」、和同開珎の貯蓄量に応じて国家からランク（位階）が授けられるという仕組みでしたが、「すっげ～、オカネっちゅうのは価値があるんだね～～」という事は分かってもらえるにしても、流通の面から考えるとアレレ？と首を傾げざるえません。というのも、お上によって貯蓄が奨励されているワケですから、オカネは世に出回りにくくなりますよね～。これじゃあ富本銭の二の舞になってしまいます。そこでもう一度、「蓄銭叙位令」の内容を確認してみましょう。さきほど”和同開珎の貯蓄量に応じて”と書きましたが、実は位階と引き換えに、自分がコツコツ貯めたオカネを国家にそっくり納めなければいけなかったのです。まあ確かに、タダというワケにはいきませんもんねえ^ ^;こういうカラクリになっていたため、国家はそのオカネを市場に吐き出して流通させる→人々は貯める（もしくは使う）→位階と交換にオカネを取り上げる→吐き出す……という、半永久的な好循環が可能になったのでした☆つまるところ「蓄銭叙位令」は、（１）新しいオカネの価値をアピールできる！（２）一定量のオカネを確実に回収できるので（しかも利息を付けなくてもいいし^-^）、鋳造のコストが節減できる！（３）吐き出す量を加減することで、オカネの流通がコントロールしやすくなる！などなどのメリットがあったのですね～♪こういった根まわしが威力を発揮したのか、７６０年に新しいオカネ（万年通宝）が作られるまで、和同開珎は世の人々から広く親しまれることになります。良かった良かった♪元明天皇をサポートしている最高権力者・藤原不比等のお仕事はまだまだ続きます。彼のめざすところはただ一つ、カンペキな「中央集権（中央政府に権力が集中する）国家」を整えることでした。天智天皇以降、この大きな目標のために皆が頑張ってきましたが（首都づくりも、律令の制定もその一環なのですね♪）、不比等はそれらを受け継いで「国家」をこつこつ磨き上げていたのです。不比等のおこなった政策の中でとくに重要なのは、地方への支配を強化した点でした。たとえば税を見てみると、物品税の租・庸・調のうち地方に保管されていたのが租（＝稲）だったのですが（庸と調は都に運ばれます）、これは地方を実質的に牛耳っている豪族たち（郡司）の反発を恐れたための処置でした。今まで稲は現地の支配者＝豪族たちに納められていたからです。中央政府は正倉という倉庫を各郡に作ってそこに租を納めさせ、国司（コチラが中央政府の手先）に正倉のカギを渡すことでメンツを保っていましたが（といってもほとんど地方税として運用されていたので、中央に回ってくるのはわずかだったのですが…）、元明天皇の時代には不動倉というのが新たに設けられ、ここに納めた租は完全に中央政府のモノとなりました。今までタッチできなかった租という聖域に踏み込んだ、思い切った改革でした（まさに聖域なき改革？！）。また、諸国ごとにその地の地理・特産物・伝承などを記した『風土記（ふどき）』というデータ本を送るよう命じていますが、これも地方支配を固めるため、情報収集をはかったものと思われます。ちなみに現在まで残っているのは、常陸・出雲・播磨・豊後・肥前の５国になります（出雲国風土記はほぼカンペキに残っているそうです……スゴイ！！）。さて、元明＆不比等の期待の星、首（おびと）皇子はすくすく成長して１５歳の少年になりました。いよいよ即位も迫ってきた！と思いきや、元明天皇は意外な選択をするのです。果たしてその選択とは？次回「独身女性はツライよの巻（仮です…^ ^;）」をお送りします。もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年03月30日

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  新しいオカネです、どーぞよろしく！の巻

  元明天皇＆藤原不比等の「孫」つながりコンビは、新首都・平城京へのお引越しの他にも、あるビッグ☆プロジェクトを打ち出していました。孫・首（おびと）皇子のために少しでも国家のカタチを整えようとしていた、このふたりのやる気マンマンぶりをご覧下さい♪ちょっと時間が空いたので、念のために系譜も出しておきますね。 事の発端は天武天皇の時代にさかのぼります。モーレツ社長だった天武天皇は、ご存知のとおりバリバリ政治改革に取り組みましたが、（おそらく）その間に行われた重要な政策のひとつが、オカネを作ること（カッコよく言うと”銭貨鋳造”）でした。時代の最先端を行く近代国家には、やっぱオカネが似合うぜ！！……というワケではありませんが、お隣の中国では昔からオカネが作られていましたし、何かと複雑になってきている政治や経済のシステムをスムーズに動かすためには、大量に発行でき、大量に流通させることが出来る便利ツール、すなわち”オカネ”が不可欠になってきていたのでしょう。そして鋳造された第一号が「富本銭」というオカネでした。しかしこれは世に出回らず、俗にいう「幻のオカネ」で終わってしまったのです。まるでめったにお目にかかれないあの２０００円札のように……（いや、それ以下ですなあ）。そこで元明天皇と不比等は、今度こそ立派に流通するオカネを作ろうと決意します。平城京造営という痛すぎる出費も控えている上、ふくれあがる一方の支出という現状を考えても、大量のオカネが何としても必要だったのでした。という次第で７０８年、唐の「開元通宝」というオカネをモデルにして（いっつもお手本は唐ですね～^ ^;まあ仕方ないけど…）、円形に真四角の孔（あな）をあけた「和同開珎（わどうかいちん）」が鋳造されました。いよいよ新貨の本格的デビューです！今度の新貨には並々ならぬ期待をこめていたよーで、発行からわずか３年後の７１１年、蓄銭叙位令（ちくせんじょいれい）という法令を出して、「皆さん、オカネってこんなに高価なものなんですよ～！だから普及させていきましょうね～！」と一所懸命アピールしています。念には念を入れてるッス。この蓄銭叙位令とは何かというと、銭（和同開珎）を貯蓄するとその量に応じて位階（位階についての説明はコチラにて）がもらえるという、「オカネで地位も名誉も買えるのね……」とため息つきたくなるよーな拝金的な決まりなんですが、実はもうひとつ、大きな効果があったのです☆短いですけど、今日はこのへんで。４月から学校に勤めることになったので（といっても非常勤なので、わずかなコマしか担当しないんですけど^ ^;）、かなり細切れの内容になっちゃうかもしれませんが、よろしければこれからもお願いします♪ではまた！

  2005年03月29日

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  奈良時代☆短いけれども味はメチャ濃いで～～の巻

  今日からよーやく奈良時代です。飛鳥時代がこんなに長くなるとは思わなかった……まさに想定の範囲外（何が起きても、範囲内におさまっているらしいホリエモンと違って、私はいつもこのていたらく^ ^;）。ではまずは年表をどうぞ♪今日はずいぶんスッキリしてます。 奈良時代は、７１０年から７９４年（ただし、７８４年～７９４年までの１０年間は”長岡京の時代”になります）までの間を指します。比較的短いですが、タイトル通りいろんな出来事がてんこもりで、メチャ味の濃い時代でもあります。なので、また長期戦になるかもしれませんね～。では奈良時代の基本データを出しておきましょう。★首都……平城京（へいぜいきょう・又はへいじょうきょう）。位置はちょうど藤原京の真北に当たります。★天皇……７人ですが、うち１人は重祚（ちょうそ・引退した天皇がもう一度即位すること）しているため、天皇の世は８代になります。そのうち３人が女帝という華やかさ（？）デス。★どんな時代？……律令体制がスタートするものの、現状に合わず早速の修正が迫られます。「真新しい服が体になじむまでには、やっぱ時間がかかるもんな～。引っ張って伸ばしたり、裾あげしたり、やる事はたくさんあるぞ！」…といった感じかな？（ホント？？）中国の唐から輸入してきた律令を、ずいぶん日本風に手直しして”大宝律令”を完成させたものの、まだまだ努力が必要のよーです。その悪戦苦闘ぶりも見ていきますね～～♪あとは何といっても、藤原不比等以降、最高権力者たちの顔ぶれがめまぐるしく変わって目が回る～～！！という政界の混乱ぶりが挙げられますね。その上権力闘争に敗れた者が反乱を起こして、ますます混乱に拍車をかけているので、天皇もタイヘンです。民衆もタイヘンです。そしてそれを覚える方もタイヘンです^ ^;ということで、イラストも多用しながら何とか整頓していきたいと思います。どうぞよろしく～☆え～、今日は奈良時代の始まりということで、舞台となる都・平城京の様子を見てみましょう。まずは外観から。 下ツ道・中ツ道・（図にはないんですが）上ツ道というラインが藤原京から伸びて、平城京に達しています。つまり、この３本のラインの上に平城京が建てられています。藤原京と平城京の最大の違いは、宮（みやこの中核部）が真ん中にあるか、北にあるかという点ですが、平城京は唐のみやこ・長安をモデルにして作られているため、こちらの方が最新の形式になります（藤原京は大昔の中国の都を元につくられたので、本場中国でもビックリするほど古色蒼然な形式を採っていたのです^ ^;）。メインストリートの朱雀大路（すざくおおじ）は幅７０メートル。ここを境として東は左京、西は右京と分かれているまでは基本的なカタチですが、平城京のおもしろい点は、外京（げきょう）というたんこぶがポコッと出ていること。何でこんなたんこぶを作ったのか、その理由は不明だそうです。平城京内は唐招提寺をはじめ、薬師寺・興福寺など有名なお寺が多く建てられました。また、平城宮の周辺は高級住宅街となっていて、政治界の大物…藤原不比等、長屋王、藤原仲麻呂らが邸宅を構えてます。地価、きっと高かっただろうなあ。もちろんフツーの役人は平城宮から遠い場所にマイホームを持ち、遠距離通勤していたそうです^ ^;こーいうのは、いつの時代も変わらないんですねえ。平城京の人口は推定７万人。そのうち８０パーセント以上がお役人とその家族という、極端にかたよった人口構成だったそうです。（ちなみに本家本元の長安は、逆に８０パーセントが庶民でした。自然発生的に生まれた都市と、人工的につくられた都市の違いかもしれませんね）つくられた…といえば、平城京造営の際、建築予定地にあった前方後円墳をぶっ壊す必要が出てきたため、「その時はちゃんと死者の霊魂を慰めるように」という命令が出ていたそうです。昔も今も、開発に伴って遺跡が消えていくのは同じなんですねえ……そして、後始末のやり方も一緒。今でも神主さんを呼んでおはらいしてもらいますものね。ちなみに平城京跡は今は史跡公園みたいになっていて、朱雀門は立派に復元されてました。夜はライトアップされていた……それはちょっとビミョーだったけど……。 ではまた！もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング

  2005年03月28日

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