飛鳥時代ファイナル☆歴史は繰り返す?!の巻
文武天皇の早すぎる死によって、またまた(もう数える気にもならないや…^ ^;)不透明になってきた皇位のゆくえ。ときの実力者、藤原不比等の頼みの綱は文武の子どもの首(おびと)皇子でしたが、わずか8歳の少年にはどーすることもできません。居並ぶライバルを蹴散らして、首皇子を天皇にする逆転の一手はどこにあるのか?! な~んてカッコつけちゃいましたが、あったのですね、過去に。ここで「え、もしかして?」とピーンと来られた方、素晴らしいカンの持ち主です。こんなおとぼけ日記を読んでる暇などありません。速攻で宝くじを購入することをおすすめします(ただし外れても当方では責任を持ちかねます)。では出かける前に、答えを確認しておきましょう。まず”中継ぎ(リリーフ)”という言葉が出てきていれば、第一関門クリアーです。8歳の男の子ではムリでも、オトナになれば即位OK!という訳で、誰かが天皇バトンをひとまず受け取っておけばいいんですね~!そこでにわかに脚光を浴びたのが、天智天皇の娘であり(持統天皇とは母違いの姉妹になります)、草壁皇子の奥さんであり、文武天皇のお母さんという輝かしい履歴をもった女性、阿閇皇女(あへのこうじょ)でした。かわいい孫のために一肌脱ぐわよ!ということで即位したこのおばあさまは、元明(げんめい)天皇と呼ばれています。ただこの即位には、「皇位継承者は他にもいるのに、強引じゃないすか??」と反発の声もあがったようで、元明天皇は「文武天皇からぜひにも、と頼まれたのです。私はお断りしたのですけど、何度もお願いされたのでつつしんでお受けしたのですよ」と言い訳…じゃなかった、釈明しております。こうして元明天皇は飛鳥時代最後の天皇になり、同時に奈良時代最初の天皇になったのでした☆参考までに系図を出しておきますね~! さて、第二関門がありましたね。過去にアイデアが隠されていたならば、その前例とは?草壁皇子が亡くなり、のこされた小さな孫(軽皇子)のために天皇の位を死守した女性といえば……そうですね、持統天皇だったのでした。天智天皇をお父さんにもった母違いの姉妹は、なんとも不思議なことに同じ道を歩んでいったのです。奇妙な偶然はなおも重なります。夢の首都・藤原京を完成させた持統天皇、そして唐の長安をモデルに新しい都を完成させた元明天皇……この新都は”平城京”と名付けられ、710年お引越しが始まりました。奈良のみやこの平城京、奈良時代のはじまりです!さまざまな人の手をへてやっと整った新体制=”律令体制(律令という法典にもとづいて政治がおこなわれる体制)”は、今まさにスタートを切ったばかり。奈良時代にはどんな人たちが登場して、どんな風に律令体制を維持し、あるいは修正していくのでしょうか?乞うご期待!と言いたいのはヤマヤマですが、うまくまとまるかどうか自信がないので(第一飛鳥時代もこんなに長くなっちゃったし^ ^;)、またまた気長にお付き合いくださると助かります…。では最後に、飛鳥時代を彩った人たちから一言ずつお言葉をいただきましょう♪聖徳太子(574~622)「世間虚仮、唯仏是真」(この世はかりそめであり、ただ仏こそがまことである)天智天皇(626~671)「香具山は 畝傍(うねび)ををしと 耳梨と 相争ひき 神代より かくにあるらし 古(いにしへ)も 然(しか)にあれこそ うつせみも 嬬(つま)を争ふらしき」(香具山は畝傍山をいとしいと思って耳梨山と妻争いをした。神代の昔からこうであるのだろう。古もそうであったからこそ、現世でも人は妻を得ようと争うらしい)……なんか意味深の歌。額田王(634?~690年以後)と天武天皇(生年未詳~686)「あかねさす紫野(むらさきの)行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖振る」…額田王(紫草のしげる野を行き御料地を行って、野守が見咎めるのではありませんか、あなたが袖をお振りになるのを)ここでの”あなた”は天武天皇なので、彼からお返しの歌。「紫草のにほえる妹(いも)を憎くあらば人嬬(づま)ゆえにわれ恋ひめやも」(紫草の咲きにおうように美しいあなたを憎いと思うなら、人妻と知りながらどうして恋しく思いましょうか)このやり取りから、天智&天武&額田王の三角関係(このとき額田王は天智天皇の後宮に入ってましたので…)がウワサされますが、実際には宴の”粋なおあそび”として即興で作られたそうです。放送禁止スレスレの、きわどいやり取りはきっと大受けしたと思うけど……天智天皇顔ひきつってなかったのかしら??大津皇子(663~686)「百伝(ももづた)ふ磐余(いはれ)の池に鳴く鴨を今日(けふ)のみ見てや雲隠りなむ」(磐余の池に鳴いている鴨を見ることも今日限りとして私は死んでいくのか)大伯皇女(661~701)「我が背子(せこ)を大和へ遣るとさ夜ふけて暁(あかとき)露に我(あ)が立ち濡れし」謀反事件の直前に伊勢を訪れた、弟(大津皇子)を送り出すときによまれた歌。(弟を大和に帰し見送ろうとしていると夜も更けて、暁の露に私はぬれてしまったことだ)けっこう楽しくなってきたら、もうこんな時間になっていました…。ここで打ち止めにしときます。キリがなくなってきた^ ^;では次回は奈良時代に入ります★飛鳥時代の参考文献(順不同)森山豊明『語る日本史データベース』(文芸社)2001年笠原一男・児玉幸多編『日本史こぼれ話』(山川出版社)1993年同編『続・日本史こぼれ話』(同)1999年石井進他『詳説日本史』(山川出版社)2002年『ビジュアルワイド図説日本史』(東京書籍)1997年全国歴史教育研究協議会『日本史B用語集』(山川出版社)2000年熊谷公男『日本の歴史03 大王から天皇へ』・渡辺晃宏『日本の歴史04 平城京と木簡の世紀』(講談社)2001年この2冊はともに、日記のベースにさせていただきました。教科書の行間を埋めることができ、たいへん勉強になりました。その他、教材を作る際に色々な資料をモトネタにしたと思うのですが、学校に勤務していたころ図書館から借りて参考にさせていただいたのがほとんどなので、タイトルなどが全く分かりませんでした。どうぞお見逃し下さい^ ^;もしよろしければクリックお願いします^-^人気blogランキング