国境を越えて
大好きな「11歳の古老ウィル」シリーズの作者・スーザン・クーパーが図書館にあったので、ほくほくと借りてきて読みました。杉並区の図書館、素晴らしいよ。童話というより、児童文学として書かれたものなので、系統的にはファンタジーでいいのかな?タイム・スリップ物です。テーマは演劇。仕掛けは、シェイクスピアとグローブ座。21世紀の少年が、16世紀のロンドンへ飛ばされる物語ですが、父親がスタートレックのファンだったり、マンガやアニメを読んでいるので、異常事態に対して免疫があったりして、いかにもイマドキな少年で楽しい。そしてつい最近、ダンブルドア校長がゲイであると作者のJ・K・ローリングによってカミングアウトされた影響でか、主人公の少年と脚本家ウィル(そういえばこっちもウィリアムで、ウィルなんだわ)との、憧れに満ちた甘酸っぱい思慕が、ドキドキものに感じてしまって。ああ、これが真の「少年愛」って奴なのだなぁ。「あの人と話したい」「あの人に会いたい」「あの人の側にいたい」「あの人の役に立ちたい」って、もう…。主人公のナット(声変わり前の11歳ぐらい?)の思い入れが、怒濤のようで。その愛を受け止める(友愛ダヨ!)ウィルの父性愛もまた素敵。プラトニックだからこそ、萌え。久しぶりに、本物のボーイズ・ラブを読んだわよ…。ごちそうさま。愛は時の道化ならず。