ピンホール・カメラの世界
久しぶりの日記です。先日、趣味で続けている写真クラブの企画で、「ピンホール・カメラ」をつくり、撮影会をするというワークショップに出かけてきました。講師兼アドバイザーは、アメリカ人写真家のE.R.さん。鴨川に素敵な山荘を構え、そこでパートナーの女性とスローライフ、エコライフを楽しみながら、ピンホール・カメラの作品を発表し続けている、素敵なカメラマンです。ピンホール・カメラで本当に写真がとれるのかしら? と半信半疑の私。でも作ったことのある方はご存知かもしれませんが、実に簡単です。 お菓子箱とか蓋つきの箱の真ん中に0.3ミリ程度の小さな穴を開け、箱の中も外もつや消しペンキで真っ黒く塗りつぶし、シャッター代わりとなるガムテープを(取り外し可能なように)小さな穴にかぶせ、箱の中に感光紙を入れて、ハイ出来上がり。早速外に行き被写体を探して、太陽の照り具合を見ながら何分くらい感光させようかと、悩みます。”この日当たりだと、せいぜい2,3分。””ちょっと曇ってきたから30分くらい。””被写体がグリーンだから、ちょっと長めに当てよう。”などなど、これほどまでにお天道様のご機嫌を伺ったことはありません。ブレないように三脚を使って30分被写体に感光させている間は、お茶を飲みながらのんびりおしゃべりをしてます。そして撮った後はすぐに暗室に直行。 光が漏れない状態で感光紙を取り出して、薬品につけてネガを作り、乾かした後に現像します。その日何枚か撮ったのですが、一枚割と良いのが撮れましたので今度スキャナーして、別ページに掲載しますね。そこでの一日は、まさに太陽とともに人間の生活スタイルが決まる、というもの。エコライフなので、太陽の恵みで有機野菜を作り、太陽電池でモノを動かし、日当たりを考えながら作品(ピンホールカメラを使った)をつくる。 そして雨が降ったら、勝ち誇ったように鳴き続ける蛙たちの鳴き声をバックに、部屋で本を読み、撮りためた写真を現像し整理する。 井戸を掘ってそこの湧き水を使い、庭の農園でできた野菜中心の食事をし、蛇や蛙や虫たちとフツーに共存しながら、のびのびのんびり生活をしている彼ら。 彼らと一緒に一日を過ごすと、自分達がいかに時間とデジタルな生活にコントロールされて生きているかを思い知らされます。鴨川での一日とそこで過ごした時間の流れは、これまで体験したこともないような不思議な、そして貴重なものでした。