「時計の中に石がある?」 ― ボツ原稿1 ―
私のコラム16件が掲載された本。ご紹介ができていませんでした。考えましたが、本のブログ掲載は中止します。その代り、ブログメールでお問い合わせいただいた方に、タイトルなどの詳細と、コラムの掲載ページ、コラム名をご紹介します。少しヒントを出すと、価格は1,300円の本です。ただし、今までにコメントをくださったことのない方は、ちょっとご遠慮いただくかと思います。サンプルとして、下記に本に掲載されなかった「ボツ原稿」を掲載します。都合により、若干アレンジしています。ご参考まで。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「時計の中に石がある?」機械式の時計が好きなかたは、24石の時計という様な呼び方をご存知かと思います。時計に石とは似つかわしくありませんが、その呼び名のとおり、24石の時計には24個の石が使われています。もっとも石といっても宝石で、時計の裏蓋にも24JEWELSとあります。そしてその数は、歯車の心棒をルビーなどで支える宝石軸受の数。低摩擦で耐摩耗性の高いルビーが、時計の精度と信頼性を保っています。 しかし宝石という言葉に弱いのは人の常。いつしか石の多い時計が高級時計ともてはやされ、時計メーカは多石競争を繰り広げます。ついには100石の時計も登場し、あまりの暴走ぶりへの反省から多石化の時代は終わりを迎えました。現在では、高級機械式時計でも30石以下のものが大半で、ガラスなどの宝石以外の軸受も増えました。機械式時計の愛好家としては寂しい限りで、また多石化の時代が訪れることを、今でも願ってやみません。