マイセン磁器 - 時を越える美 -
改めてマイセンの勉強がしたくなり、手にした本「マイセン磁器」。この本には、ケンドラーのフィギュリンが多く紹介されています。生き生きとした躍動感、その瞬間の表情、全体が調和したバランス感。他の作家と一線を画す作品の数々。まさにケンドラーは天才。ケンドラーが今日に残すカップの形、ノイアー・アウスシュニット。「新たに切り出した」の意味を持つ、カップの縁の波打ち型が特徴。下の左のカップの形。もうひとつの現代マイセンのカップの形状は、右のグローサー・アウスシュニット。ルードヴィッヒ・ツェプナーが考案した睡蓮をイメージした形。ツェプナーは2001年に、磁器のパイプオルガンの製作にも成功する。皆さんはどちらのカップがお好みですか。この本には完璧な完成度でプレートに模写された、フェルメールの「窓辺で手紙を読む娘」が紹介されている。再現不可能なほど見事な模写だが、その作者は知られていない。多くの芸術家が織り成す宝箱、それがマイセンの歴史。