地球の内部は 空洞です ― 地球空洞説 ―
地球の内部は空洞で、北極と南極には巨大な穴が開いている。1906年のウィリアム・リードの著書「極地の錯誤」には、この「地球空洞説」が書かれています。それは、1905年のアインシュタインの特殊相対性理論が発表され、科学が新しい時代を迎えようとしている時でした。地球空洞説は、17世紀のエドモンド・ハレーや、18世紀の天才数学者レオンハルト・オイラーによって唱えられた説。地球の内部には、太陽さえ浮かんでいるとされました。地球空洞説によると、オーロラは地球内部の炎の反射。極地に隕石が多いのは、地球内部の火山の噴石によるもの。氷河は地球内部の川の水が、地表で凍りついたもの。探検家が北極に到達できないのは、極地に穴が開いているから…。今考えれば、冗談としか思えない地球空洞説。しかし第二次世界大戦後も、ヒットラーが極地の穴から地球内部に逃げたという説すらありました。ばかばかしいけど、ちょっと面白い。地球空洞説のような考えを、今の人も空想する余裕があってもよいかもしれません。