財津和夫歌詞鑑賞と周辺雑感その66「夜明けの街角」
夜明けの街角 財津和夫作詞・作曲恋をしたらやさしくなるなんて嘘逢えない日はきみのこと ただ憎いだけだからきょう、だからすぐ 僕の機嫌をとりにおいで写真の君も 電話の君もいいけど生身の君を手に取り 頬擦りしたいだからきょう、だからすぐ 僕の機嫌をとりにおいでSave me, Save, Don't make me crySave me, Save, Don't make me cryもうこれ以上 自分をだませない暇つぶしが人生じゃない懐深い男を演じてたけど 檻に入ったゴリラのようにウロウロだからきょう、だからすぐ 僕の機嫌をとりにおいでSave me, Save, Don't make me crySave me, Save, Don't make me cryもうこれ以上 自分をだませない暇つぶしが人生じゃないあの店もこの店もシャッター閉めて 新しい朝の風 無表情だよだからきょう、だからすぐ 僕の機嫌をとりにおいでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーータイトルを見るとハードボイルドっぽい歌を連想するけど、この歌詞、全然ハードボイルドじゃない。2,3日彼女と会ってないのだろう。恋しくて眠れない夜中、もうすぐ夜明けというときにきょうは絶対においでよ、と彼女にメッセージ送ってる。サウンド的にはちょっとハード。最初の2行はひとつのメジャーコードだけ。似たような歌詞があったなあ、と思ったらチューリップの2枚目のアルバム;「君のために生まれかわろう」所収の、上田さんがボーカルの「早くおいで」。今すぐに僕のところへおいで飛行機に乗れば2時間で着くから君さえいれば それだけでいい電話や手紙だけでは気が狂いそうここからでは君に手が届かないさわりたいのさ 君のからだをこっちの歌はたぶん男が東京、彼女が福岡だろう。20代前半だから、若さギラギラ。一方、「夜明けの街角」ではそれほど離れていない。ある程度歳いってるから抑制はきいてるけど、ついに我慢の限界って感じ。「僕の機嫌をとりにおいで」と上から目線で言うのとうらはらに、この男の立場、めちゃくちゃ弱そう。これぞ財津ワールド。