『最強の馬券術』 里中季生
過激な物言いでデコレート、さて肝心の中身は、というと馬券自慢である。的中率が4割で、回収率が300%で、だからどうしたという内容。結局、当たったかどうかという話をメディアに載せると、常にインチキの可能性があるから、あまり、というか全く意味がない。さらに、単複馬券を薦めているが、なぜ単複がいいのかという根拠が薄弱。読者としては、どうでもいい的中率とか回収率ではなくなぜ単複かというロジックが知りたいのだが、それがない。しかし、つまらない本かと言えば、そうでもない。本人の性格が滲み出ている文章で、馬券論やJRAへの提言以外の部分は非常に面白く読める。このオッサン、漫画とかアニメに出てくるチンケな不良にそっくりなんだ。グレてるけど、根は優しい、みたいな。道を踏み外すけど、結局は更正する、みたいな。身近にこんな奴がいたら、是非競馬仲間になって欲しい。いや、ウザいか。